暴徒から残忍な仕打ちを受けながら、欧米報道機関に攻撃される香港警察
Andre Vltchek
Global Research
2019年12月31日
人々が見せられているものより、状況は遥かに複雑だ。暴徒と、中華人民共和国を不安定化することを狙っている複雑で極めて危険な国際ネットワークの両方と、香港警察は勇ましく戦っている。
私はこれまで、このような冷笑的な態度を決して見たことがない。香港でのこれほど低俗なマスコミのお膳立てを。私は香港での出来事全般と、特に2019年12月22日日曜に起きたことをお話している。国際金融センターから、わずか二ブロックしか離れていない都市の真ん中で、ウイグルや台湾やイギリスやアメリカ国旗を振る暴徒が、「独立」や「中国はテロリストだ」というスローガンを大声で叫んでいた。警察は完全な安全装備で、平和裡に待機していた。
本物や偽物の、外国や地元ジャーナリスト連中が大挙して現場にいて、その後の醜悪な紛争の準備をしていた。私は「放送局」が活動しているのに気がついて、彼らの関与を写真に撮り、動画撮影することになった。
真実は、彼らは報道していなかったのだ。全然。彼らは活動に参加し、物事を画策し、行動を挑発し、あやつっていた。
全てのカメラレンズと携帯電話の全てのレンズは、決して暴徒にではなく、警察に向けられていた。一方、暴徒は、警察に向かってどなり、制服を着た男女を酷く侮辱していた。この部分は当然編集で削除された。ニューヨークやパリやベルリンやロンドンでは決して放映されなかった。台北や香港自身でさえ往々にして放映されない。
どのような行動をするべきか、いつ、どの角度からものを投げるべきか、どこから攻撃するべきか、どのようにことを「効果的にする」べきか、「メディア」連中は明らかに暴徒に助言していた。
ある時点で、暴徒が突撃し、警察にビンや他のものを投げつけ始めた。
最終的に警察は反撃する以外ほとんど選択肢はないはずだ。彼らは暴徒に反撃し始めるはずだ。そしてそれが全てのカメラが回り始める時だ。それが「報道」開始の瞬間だった。
テレビ画面上や欧米新聞の一面で、このような歪曲された「報道」の結果がどのように見えるか、専門家として私は、はっきり想像できた。「いわれなく残忍な警察が、自由と民主主義を愛する、平和的で、哀れな抗議行動参加者に突撃している」。
欧米マスコミは香港の暴徒を英雄として描いている。だが彼らは本当にそうなのか?
愚行、この全ての狂気には際限がなかった。私のわずか二メートル先で「記者団」の数人が「催涙ガス被毒からお互いに助け合って」いた。彼らは病気のふりをして、道路の真ん中でひざまずき、半狂乱になって、顔を水で洗っていた。私は最初は催涙ガスの影響を感じなかったが、数分後、空中に、実にマイルドな何かを感じた。私はジャーナリストたちの写真を撮り、次に自分の目が影響を受けなかったのを示すため、自分の顔写真を撮った。
それは全て、欧米と香港自身の世論を操作するのを意図した、完璧に洗練された大がかりなでっちあげだった。
最近、私は、フランスやチリやボリビアやコロンビアのような場所で、本物の戦闘用催涙ガスを経験している。それを受けると、くず折れてしまうのだ。ひざまずいて、叫び、命懸けの戦いになる。香港では、警察は、これまで私が世界中のどこででも経験したものの中で最も穏やかなガスを使っていた。だが香港の警察活動は、いわゆる人権擁護運動家でイギリスに本拠を置く非政府組織「Hong Kong Watch 香港監察」理事長ベネディクト・ロジャーズのような人々に「法外」として描かれている。
過去と同様、敵対的な多国籍連合から香港を守ることを目指す香港警察の行動を、ロジャース氏は「警察の暴力」と呼んでいる。林鄭月娥(キャリー・ラム)香港行政長官は「香港のクリスマスは抗議行動参加者に台無しにされた」と宣言して反撃した。香港政府は、放火があり、警察が火炎瓶で攻撃されたと述べた。
*
香港で最近仕事をしている間に状況は劇的に悪化していると私は理解しており、警察は、2019年9月や10月のものより、ずっと大きな難題に直面している。暴徒の数は減少しているが、街頭に(地下細胞でも)残った人々は遥かに良く組織化され、特に外国から、遥かに豊富な資金供給を得ている。暴徒への資金経路とプロパガンダ支援のいずれも専門的に活動しており、驚くほどうまく連係している。欧米からの資金供給は大規模だ。
香港と警察にとって、状況は益々危険になっている。
香港で活動している外部勢力は多様で、しばしば非常に残虐だ。彼らの中には、台湾の右翼組織や、日本の宗派や、欧米が支援するウイグル族や、ウクライナ・ファシスト過激派戦士や、報道陣を装うヨーロッパや北アメリカの宣伝者もいる。香港や周辺地域で、北京に対する憎悪をかき立てる、欧米の反中国NGOがいくつかある。
暴徒は益々過激化し、中東の過激イスラム集団に似ていることが多い。連中は徹底的に洗脳されており、慰安婦を利用し、「アイス」や、アンフェタミンや、欧米や同盟国のサウジアラビアによって既にシリアやイエメンで注射されている、ある種のいわゆる「戦闘用麻薬」を含め薬物を使っている。
頻繁に、アフガニスタンやイラクやシリアのような場所(これら全ての国々が欧米の襲撃や占領により損害を与えられ、後に破壊された)で働く従軍特派員として、私は香港でも、欧米が同じ不安定化戦略を使っているのを見て衝撃を受けている。中東や中央アジアで使われた戦略だ。
ワシントンやロンドンや他の国々の、中国に害を与えようという願望は余りにも大きく、代償が何であろうと、止まらないのは明らかだ。
香港警察は今、途方もなく大きく、極めて危険な敵対的集団と直面しているというのが隠された真実だ。それは香港と中華人民共和国全体の安全を脅かしている顔を黒スカーフで覆った一群の暴徒だけではない。連中は人が目にすることができる単なる先兵に過ぎない。彼らの背後には、複雑で多様な国際的右翼勢力がいるのだ。政治的な、宗教的な勢力、そしてテロリストが。
この瞬間も、英雄的な香港警察は、この都市を、無政府状態と、差し迫った崩壊から切り離す唯一の警察部隊だ。
*
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この記事は最初チャイナデイリー香港版に掲載された。
Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者と調査ジャーナリスト。彼は多数の国で、戦争と紛争を報道している。彼の最新刊の5冊は、『China Belt and Road Initiative: Connecting Countries, Saving Millions of Lives』
、ジョン・B・カブ・ジュニアと共著の『China and Ecological Civilization』、『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』、革命小説『オーロラ』と、ベストセラーの政治ノンフィクション『Exposing Lies Of The Empire』。彼の他の本をここで見る。ルワンダとコンゴ共和国に関する彼の画期的なドキュメンタリーRwanda Gambitや、ノーム・チョムスキーとの対談本『On Western Terrorism』((日本語翻訳版は チョムスキーが語る戦争のからくり: ヒロシマからドローン兵器の時代まで)を見る。Vltchekは現在東アジアと中東に住み、世界中で働いている。彼のウェブサイトとツイッターで連絡を取ることができる。、Patreonで彼を支援できる。彼はGlobal Researchの常連寄稿者。
写真は著者による。
この記事のオリジナルのソースはGlobal Research
Copyright Andre Vltchek、Global Research、2019
記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/police-hong-kong-brutalized-rioters-attacked-western-press/5699209
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「芳ちゃんのブログ」の2019年12月27日分も香港のデモについての翻訳記事。時々、全く同じ記事を翻訳しておられることがある。重複しないことを願っているのだが。
昨日は、半年ぶりに下記シンポジウムの録画を拝見。あらためて怒り心頭。もちろん講演される方々に対してではない。奴隷状態から目を逸らし続けている現状に。こういう話題は大本営広報部では放送されない。
【IWJ会員限定!年末年始特別企画!IWJファンドレイジング 2019を録画配信! 1・IWJ_Youtube Live】16:00~「『シンポジウム・2019 改憲か否か!? 運命の夏 6.30』(前編)~ 明石順平氏、田代秀敏氏、吉田敏浩氏、永井幸寿氏、白井聡氏、石田勇治氏、岩上安身」
上記の後編と、今日の下記インタビューも是非拝見したいが、新年会。再配信をまつしかない。
日刊IWJガイド「本日午後2時より【年末年始特別企画!自衛隊中東派遣を考えるシリーズ】岩上安身による軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏インタビュー(前編)を再配信!」2020.1.2日号~No.2667号
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コメント
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最近わかったのは「中国のネット工作活動は子供レベルで、欧米の工作はエグいほど上手い」ということ。中国人の工作員は速攻で分かるから、大量に動員しても即スルーされてしまい香港人に響かない。欧米サイドはメディアの活用など極めてスマート。
この前、1人の白人女性をツイッターで見かけた。彼女はイギリス人で、今は香港在住の熱心なデモサポーター。そんな女性からSNSにおける極意を垣間見た。
彼女は警察の行為を徹底的に批判しながら、デモ側が行った犯罪を批判する者を批判という行為を繰り返していた。擁護に回ると立場が弱いと理解しているから「些細な犯罪なんてどうでもいい。それより哀れなデモ隊の怒りを直視しないお前は人間としてどうなんだ」といった逆批判を繰り出すことでデモ隊の犯罪を矮小化および批判の自制を促していた
あっぱれな立ち回りで、自分ももっと戦術を練ってから動くべきだと反省させられた
投稿: イマエ | 2020年1月 6日 (月) 21時29分
一日の空白もなく、本当に知るべき情報を翻訳して伝えていただきありがとうございます。今年もお世話になります。お体にはくれぐれもお気をつけくださいませ。
香港のこと、世界の大手メディアだけでなく、日本の民主主義を目指す勢力(日刊紙を持っている政党を含む)も、同じ口調で中国を非難していることが、許せない気持ちになります。なぜ真実が見えないのでしょうか? 見たくないのでしょうか? 世界の大きな流れに沿っているほうが、自己保身になるからでしょうか? 香港の暴動について「長周新聞」がずっと沈黙を守っていることが、誠実さの表れのように思います。
とは言っても、ここまで壊れてしまった日本、これ以上の崩壊をくいとめねばなりません。私たちは「国民の生活の底上げ」という一致点で大きな塊になりましょう。
「格差と貧困」(新日本出版」「続・下流老人」(藤田孝典著)を読んでいます。没落国民にしたのは、国が国民に世界一お金を使わない「ドけち国家」だからです。
投稿: 野薔薇 | 2020年1月 2日 (木) 20時34分