亡命中の反政府勢力絶滅を狙うボリビア独裁者
ラモナ・ワディ
2019年12月27日
Strategic Culture Foundation
帝国主義による社会主義中南米指導者排除は、過去この地域での、アメリカが支援する軍事クーデターと同じ軌道をたどる。ボリビアのエボ・モラレス大統領の出国後、独裁者ヘアニネ・アニェスが権力の座について、軍や右翼暴徒が先住民を襲撃する中、ボリビア左翼はテロリズムの罪で非難されている。
彼がメキシコからアルゼンチンに到着すると、アニェス率いるボリビア独裁政権は、彼を扇動とテロの罪で告発し、モラレス逮捕状を発行した。ある官僚が「拘留要請そのものが茶番であり、政治亡命者としてそうするのが適切なので、我々はエボ・モラレスを守るつもりだ。」と述べたようにアルゼンチン政府はモラレスに対する保護を誓っている。
モラレスは、逮捕状に法的に異議申し立てするため、1998年、ピノチェトがロンドンにいた間に、彼の国際逮捕状を発行したスペイン人法曹バルタサール・ガルソンを含む国際的チームと働くだろう。逮捕令状は、チリにいるスペイン国民の拷問や殺害や、チリでの1973年-1990年の人権侵害と関係があったが、顕著な事件の一つは、スペイン人外交官カルメロ・ソリア殺害だ。
9月に、ガルソンは、モラレスが国際通貨基金(IMF)のネオリベ政策拒否を含め、彼が在任中に実施した社会主義プロジェクトでボリビアを変えたことを称賛した。ガルソンは、2020年選挙で、モラレスが立候補する権利を支持し、モラレスが軍事クーデターのため亡命を強いられたことを明快に強調し、米州人権委員会に請願書を提出した。
中南米で最後に残った社会主義プロジェクトの一つを転覆することに成功したボリビア軍事独裁権は、モラレスによるテロの脅威など懸念していない。むしろ、クーデターの違法な支配と存在に対する、あらゆる可能な異議申し立ても阻止すべく、モラレスと彼を支援するボリビア国民とのつながりを断つ決意が強いのだ。最も好都合な方法は、民主的枠組みの中での、アメリカに支持されたクーデター暴力を正当化するため、追い出された大統領に、テロ言説をなすりつけることだ。
独裁者故アウグスト・ピノチェト下のチリは、左翼反政府派や活動家に、テロ言説がどの用地適用されたかの好例だ。チリ国家情報局が、特に工作員に、ピノチェト独裁に異論をさしはさむような政治勢力をまとめることが可能な国外にいる反対派を見張る仕事を与えていたことを研究が明らかにしている。コンドル作戦として知られるこの諜報活動は、アメリカに支援された複数中南米諸国による共同の取り組みだ。ワシントンでの自動車爆弾で殺されたチリ外交官オーランド・レテリエルは公式監視・暗殺の最もよく知られている犠牲者の一人だ。レテリエル暗殺はピノチェトに直接命じられたことが明らかにされている。
サルバドール・アジェンデ下のチリとモラレス下のボリビアは、天然資源の国有化と政治プロセスに対する国民参加に優先順位を置いていた。チリ社会主義プログラムは、左翼の影響力が地域じゅうに広まるアメリカの不安から、早々と絶滅された。
インターセプトのグレン・グリーンワールドとのインタビューで、モラレスは「資本主義体制は平和を主張するが、社会正義がなければ、天然資源略奪があれば、軍事基地があれば、平和ではないと私は確信している。」と強調した。
ガルソンは、民主主義という帝国主義者の専門用語や、人権に反する活動に精通している。ボリビアで起きたことは、アメリカが、この地域でクーデター支持をやめない証明だ。だが、ベネズエラで起きていることも考慮に入れ、この最近の帝国主義介入はモラレスを追い出すだけではなく、この地域の不安定化も目指す計画であることを暴露しなければならない。
ラモナ・ワディは独立した研究者、フリージャーナリスト、書評者、ブログ作者。彼女はパレスチナやチリや中南米に関し、広範囲の主題を報じている。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
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