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2020年1月10日 (金)

アメリカ帝国のイラク民主化の情熱、魔法のように消滅

2020年1月6日
ケイトリン・ジョンストン
CaitlinJohnstone.com

 外国軍隊を国から追い出すというイラク議会での投票後、アメリカ大統領は報復としてイラク経済を破壊し、軍事基地に要した何十億ドルもの経費が支払われなければ撤退を拒否すると脅した。

 「もし彼らが我々に、非常に友好的な基盤ではなく、撤退するよう依頼したら」日曜トランプは報道機関に語った。「我々は彼らに、今まで決して見たことがないような制裁を課する。イラン制裁さえ精彩を欠いているように見えるはずだ。もし敵意があるなら、彼らが我々が不適当であると思う何でもする、我々がイラクに制裁を、イラクに非常に大規模制裁を課するつもりだ。」

 「我々は現地に途方もなく高価な空軍基地を保有している。建設には何十億ドルもかかった。私のずっと前に」ともトランプは言った。「彼らが我々にその経費を返済しなければ我々は去らない。」

#BREAKING:トランプ、米軍撤退を強いられたらイラクを制裁すると述べる https://t.co/m4nemzUh6W pic.twitter.com/WueHTvkqrE
- The Hill (@thehill) 2020年1月6日

 これはまさに、ベネズエラ飢餓制裁で、既に何万人もの人々を殺したことが知られているトランプ大統領だ。2016年、イラクなどの国々から兵隊を帰国させるといって大統領選挙運動をしたトランプ大統領ご当人だ。

 そして、これは(ブッシュ報道官アリ・フライシャーが、誤って、実に滑稽に「イラク解放作戦 Operation Iraqi Liberation(単語頭字の組み合わせはOIL=石油)」と呼び続けた)「イラクの自由作戦」への支持をでっちあげるため、イラクに民主主義をもたらすという言説を利用したアメリカ帝国だ。悪辣で容赦できない侵略を正当化するため、中東に、を以来ずっとでイラクを、サダム・フセインの圧政から「解放し」、民主主義を据えるという口実を利用した同じアメリカ帝国だ。

 ところが、イラク民主主義体制が、アメリカ帝国にとって、いささかでも不都合になった瞬間、イラク民主主義は水の泡になるのだ。イラク議会は自国主権のために、非常に明確に、アメリカ軍事駐留の撤退に賛成投票したが、トランプは、典型的な、うっかり率直な形で、アメリカはその投票結果を受け入れないと述べた。アメリカは、イラクに対し、アメリカ人が持っているのと同じ民主政治を許しているのだ。有力者連中に不都合をもたらさない限りの民主主義を。

 もちろん、これは、イラク侵略が民主主義と全く無関係だったからだ。イラク侵略は、アメリカを中核とする帝国の命令に服従するのを拒否した、戦略地政学的に重要な地域を支配するのが狙いだったのだ。それこそが、まさにイランとシリアに対する政権転覆の狙いでもあるのだから、これは覚えておく必要がある。

 自由と民主政治の無理やりの注入が緊急に必要な残虐な専制諸国が、たまたま隣り合わせているのは神秘的な偶然の一致ではない。中東を支配するための戦いは、常に重要な化石燃料資源と通商路を支配し、それによって世界を支配するのが狙いだ。もし帝国が、地域の国々を、帝国の塊に吸収して(サウジアラビア、UAE、トルコのように)支配したり、既存の国の上に、ゼロから衛星国を構築(イスラエル)したりできない場合、帝国は、どんな素直でない政府(イラク、シリア、イラン)であれ、従順な政府に置き換えて支配しようとつとめるのだ。

 そして、今や我々が理解している通り、従順な政府が従順でない振る舞いを始めた瞬間、従順でない各国政府が受けているのと全く同じ待遇を即座に受け始めるのだ。

 イランに関する事態が熱を帯び始めるにつれ、哀れな哀れなイラン人、風にたなびく髪を女性が感じることができず、LGBTの人々が正体を隠さなければならない国に暮らす彼らがどれだけ不運かについて、益々くだらないたわ言を聞かされ始めている。だが2017年に漏洩した国務省メモが明らかにしている通り、帝国は人権には決して本当の関心などなく、民主政治にも決して本当の関心はない。帝国唯一の関心は権力と権力拡大だ。ずっと、それだけが全てだ。

 イラクは我々に重要な教訓を与え続ける国である定めのように思われ、それに応えて我々ができることは、少なくとも、それら教訓を学び、彼らを記憶することだ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2020/01/06/us-empires-passion-for-iraqi-democracy-magically-disappears/

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 ウクライナ機墜落はイラン誤射か、という報道がある。現時点では原因不明。イラン・イラク戦争時には、アメリカが、イラン旅客機を撃墜する衝撃的行動があった。誤射ではなく、意図的な敵対的行動だった。当時、英語記事をひとつ翻訳した。アメリカがイラン航空655便を撃墜した日

 森法相の「無罪証明すべき」発言は、ひどい。有罪を証明するのは検察側のはず。昨日のIWJ岩上氏による郷原信郎弁護士インタビュー でも触れられていた。今日は孫崎氏インタビュー。

 岩上安身は本日午後7時より、元イラン駐箚(ちゅうさつ)特命全権大使で在イラク大使館参事官でもあった、元外務省情報局長の孫崎享氏に緊急インタビューを行います。

 インタビューは冒頭のみオープンで、その後は会員限定で生配信いたします。この機会にぜひ、会員へご登録の上ご視聴ください!
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【IWJ_Youtube Live】19:00~
「『米・イラン開戦』危機の深層を探る!──安倍政権による国会承認抜きの自衛隊の中東派遣強行の危うさ!──岩上安身による 元外務省情報局長 孫崎享氏 インタビュー」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
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 また、このインタビューに先立ち、午後4時より昨日に引き続き昨年10月22日に収録した岩上安身による孫崎氏インタビューを再配信いたします。こちらもぜひあわせてご覧下さい!
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【タイムリー再配信 512・IWJ_Youtube Live】16:00~
米国による日本への中距離核ミサイル配備構想!イラン敵視・イスラエル偏愛政策を進めるトランプ米政権と緊迫する中東情勢!~岩上安身によるインタビュー 第963回 ゲスト 元外務省情報局長・孫崎享氏 後編(後半)
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
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 また明日11日、岩上安身は中東問題に詳しい国際政治学者の高橋和夫・放送大学名誉教授に、昨日9日の郷原信郎弁護士へのインタビューから3日連続となるインタビューを行います!こちらもぜひ、ご覧ください!

 

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