アフガニスタンでの航空戦、双方で拡大
2020年1月27日
Moon of Alabama
トランプ政権下で、アメリカのアフガニスタンでの空爆は急激に増加した。だが今やタリバンは、空爆に反撃する、いくつかの手段を獲得したように思える。
昨年、アメリカは、アフガニスタンで記録的な数の爆弾を投下し、一般人の間で、益々増加する死傷者をもたらした。
一月末に公開されたCombined Forces Air Component Commander(CFACC)2013-2019 Airpower統計によれば、2019年には、アフガニスタンでの7,423回の飛行ミッションで、爆弾が投下された。最初は2009年に投下され、同年の9月が最大で、記録は948回だったが、2019年は、それ以来の大半の月で、どの対応する月より多くの爆弾投下が行われた。
前年の記録は、2018年、7,362回で、これまでの2年間に、2012年から2017年までを合計した数より、ずっと多くの爆弾がアフガニスタンに投下された。
一日20回という爆撃は非常に驚くべき数だ。このアメリカ空爆作戦で、多くの民間人が殺害されている。アメリカは、しばしば一体誰を爆撃しているか知らないように思われる。先週のこの報告書は典型的だ。
今月早々、西アフガニスタンで、米軍が実行したどうやらタリバン分派を標的とした無人機攻撃は、3人の女性と3人の子供を含め、少なくとも10人の民間人を殺害したとアフガン当局者と議員が水曜日に述べた。
アフガン軍や米軍からの即座のコメントはなかった。だが、ヘラート地方議員ワキル・アーマド・カロヒが、1月8日の攻撃で、15人の他の過激派戦士とともに、ムラー・ナンギリャアとして知られているタリバン分派の指揮官を殺したと述べた。
指揮官の葬儀は翌日ヘラト州首都グザルガで行われ、多数の過激派戦士が参列した。この指揮官が、シンダンド地方で、タリバンに対する有用な盾で「他に誰もそうしない時に」反抗分子に対し、彼の戦士と共に武器を取って、地域の一般人に平和をもたらした人物だったので、攻撃は「大きな過ち」だとカロヒは批判した。
米軍とその同盟国とアフガン代理軍だけが戦っているわけではない。タリバンはヘリコプターと飛行機に反撃が可能で、最近の航空機事件の数から判断して、今や彼らはそうする有効な手段を見いだしたのだ。二日前、彼らはもう一機のヘリコプターを破壊した。
Drexluddin Spiveyzai @ RisboLensky - 2020年1月25日 9:44 UTC
#ヘルマンドのカジャキ地区でミサイルに攻撃されたヘリコプターで、@TOLOnews #アフガニスタン 四人の兵士が負傷した
その#モルドバ旗。ヘリコプターはかなり酷く損傷した。死者がいない本当の奇跡
#タリバンは#アフガニスタン#ヘルマンドで軍用ヘリコプターを撃墜したと主張
これは一月に撃墜された四機目のヘリコプターだ
カジャキからのビデオ
一カ月に四機のヘリコプター損失は非常に深刻だ。
今日早々、アフガニスタンの定期便旅客機が墜落したという報告があった。それらは誤りであることが分かった。だが飛行機は、実際、カーブル南のガズニ州で墜落していた。それは軍用機だった。
ハリー・ブーン @towersight - 12時37分 UTC 2020年1月27日
今日アフガニスタンで墜落した飛行機の残骸は、アメリカ空軍ボンバルディア Global6000/E-11A「BACN」(Battlefield Airborne Communications Node 戦場航空通信ノード)のように見える
四機のE-11Aが、第430遠征電子戦飛行隊に配備されており、通常カンダハル空軍基地から運用されている。
アフガニスタンの情報提供者は、タリバンが自分たちが飛行機を撃墜したと主張していると言う。他の人々はそれを否定している。だが確かなのは、飛行機が墜落したのはタリバンが支配する地域だった。少なくとも二人の搭乗者が死亡した。
「BACN」航空無線中継局は、かなり長い間、アフガニスタンで使用されている。2017年3月の軍報告書には、こうある。
「任務成功のために銃弾と同じぐらい不可欠」と呼ばれており、8年前にアフガニスタンに到着して以来、E-11A戦場航空通信ノードは、2017年2月24日、アフガニスタンのカンダハル飛行場から、10,000回目の出撃飛行をした。
カンダハルで運用している第430遠征電子戦飛行隊は、BACNを搭載したE-11Aを運用する米空軍唯一の部隊だ。それは、アフガニスタン地形が通信の重大な障害となることが判明した際に、共同緊急作戦上の必要性と呼ばれるものを満たすために作られた。
E-11A
ボンバルディアGlobal 6000超長距離ビジネスジェットを大規模改造したこの飛行機はわずか4機しかないように思われる。彼らはアフガニスタンでしか使われていない。
損失は深刻だ。地上部隊が爆撃機を標的に向かわせる際は無線通信がたよりだ。飛行中継局がなければ、彼らはアフガニスタン山岳地帯では、それができない。
飛行機とヘリコプターを撃墜するのに、タリバーンがどのような新手段を持っているのかは不明だ。2018年、少数のスティンガー対空ミサイルが、いくつかのタリバン急襲の際に発見された。だが、それらは古く、おそらくもはや機能していなかったように思える。ヘリコプターは機関銃や対戦車ミサイル(RPG)でさえ撃墜可能だ。
だがE-11Aは通常かなりの高度で飛行し、飛行機が墜落したのは空港付近ではない。アメリカ製のスティンガーのような普通の携帯式地対空ミサイル(MANPAD)は、わずか約3.500メートルの最高高度にしか到達できない。
そこで、タリバンが、より大型のミサイルを新たに入手した可能性があるのだ。そうしたミサイルは、どこから来ているのだろう。
1月5日、ヒズボラのリーダー、ハッサン・ナスラッラーは「抵抗枢軸」が、アメリカによるイランのソレイマーニー司令官とイラクPMU副司令官アル・ムハンディス殺害にどう対応するか発表した。
ソレイマーニーとアル・ムハンディスの血に対する対応は、地域からの全ての米軍追放でなければならない。
高空を飛行するアメリカ飛行機でさえ撃墜する有効な手段を使うことは、そうした目的を実現する可能な方法の一つだ。
だがイランは、このようなミサイルの唯一可能な供給源ではない。中国やロシアも効果的な対空ミサイルを生産しており、パキスタンやタジキスタンの軍はかなりの数、購入している。ミサイルは、自国(民間)航空機も危険にさらす可能性があるので、これら全ての国は、通常、過激派戦士に対空ミサイルを供給するのを控えている。
だが、アフガニスタンでの一カ月に5機の航空機撃墜は、これが変化したことを意味している可能性が高い。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2020/01/the-air-war-in-afghanistan-expands-on-both-sides.html#more
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恐るべき国語力! 恐るべき厚顔無恥。
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