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2020年1月 5日 (日)

またしても戦争最優先

2020年1月3日
Paul Craig Roberts

 アメリカ政府がイランに対して戦争行為を犯したと発表する国防総省の途方もない声明を皆恐れるべきなのだ。

 「大統領の指示で、米軍は、国外のアメリカ要員を保護するため、断固とした防衛措置をとり、アメリカが指定した外国テロ組織、イスラム革命防衛隊のクッズ部隊のガーセム・ソレイマーニー司令官を殺害した。」

 「この攻撃はイランの将来の攻撃計画を阻止することを目指していた。」

 「アメリカ合州国は、世界中、国民がいるところどこでも、我が国民と我々の利益を守るため必要な行動をとり続けるつもりだ。」

 政府高官殺害は戦争行為だ。戦争行為で国外のアメリカ人員を保護するのは不可能だ。

 イランに対する戦争行為で、将来のイランの攻撃計画を阻止するのは不可能だ。そこで今、イランの攻撃計画がなかったところはソレイマーニーの殺人に応えてだ。

 戦争行為を犯しても「国民と我々の利益は守れない」。そうしたものを危険に曝すだけだ。

 他国首脳を殺すことに対し、国防総省が、このような途方もないばからしい正当化を発表することがどうして可能なのだろう?

 トランプは正気を失ったのだろうか? 彼が弾劾ぺてんから脱出しようとした、まさにその時に、なぜ弾劾可能な行為をしたのだろう? トランプは議会認可なしで他国を攻撃したのだ。彼は議会と法をあざけったのだ。アメリカ合州国の法律を破るのではなく、実施するのが大統領の義務だ。今や、民主党はトランプの首に巻くための本物の弾劾可能な違反を手にしたのだ。

 だが連中はそれを活用するまい。ネタニヤフが欲したから、トランプはソレイマーニーを倒したのだ。弾劾ぺてんの首謀者はユダヤ人で、彼らは、イスラエルに反対して結束することはないだろう。例えば、弾劾を率いる下院諜報委員会委員長アダム・シフは、ソレイマーニーが「考えられない暴力に責任があり、世界は彼がいない方が良い」とTwitter に投稿して、ソレイマーニー殺人を承認した。

 イスラエルはこの犯罪で主犯だ。トランプは従犯だ。ソレイマーニー自身にも責任がある。自分が標的であることを知り、それほど不注意に露出するべきではなかったのだ。ロシア政府にも責任がある。ロシアと中国とイランは、ずっと前に大いに目立つ同盟を結成するべきだった。そのような同盟は、イスラエルが、トランプをあやつって、実行させたばかげた無責任な行動を防げたはずだ。だがプーチンは戦争を望まず、どうやら歴史家連中がプーチンに、連合は戦争の原因だと確信させたのだ。それでプーチンは、その代わり、自由貿易が平和の基礎だと言うアメリカ自由論者を見習って同盟を避けたのだ。力こそ平和の保証人で、力は合衆国/イスラエル侵略に対する強力な同盟にあるのだ。

 イランの反応は予測可能だが、残念なものだった。イランは復讐すると宣言し、そうする可能性は極めて高い。イランの復讐は、イスラエルに、アメリカとイランの間で望んでいる戦争を与えることになる。

 イランは復讐し、実行を否定する方が良かったはずだ。

 大統領になれた愚かなアメリカ政治家の一人が、イランはアメリカに害を与えると決めた「テロリスト国家」で、イランはアメリカ人を含め、何百人、何千人の死に責任があるという、もちろん誤った主張でアメリカの愛国心をあおり戦争の大義を推進している。

 以前我々はこの全てを聞かされている。21世紀、七つのイスラム諸国の全体あるいは一部を破壊し、何百万人もの死や負傷をもたらし、財産を奪い、強制退去させ、テロ国家となったのはアメリカだ。ロシア政府が、シリアをワシントンの代理軍から救出した後、イスラエルがシリアの標的を攻撃し続けるのロシアが許した時に、私にはもっと酷くなるのは分かっていた。

 イスラエルがイスラエルの利益になるようにアメリカ外交政策を運営する限り、「不従順な」国々が、彼らをワシントンが一国ずつ叩きのめすのに満足している限り、戦争は我々の未来であり続けるだろう。

 更新: 別の攻撃で、更に状況をあおると決めたワシントン。https://www.zerohedge.com/geopolitical/round-two-us-drone-airstrikes-kill-six-pro-iran-militia-commanders

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2020/01/03/war-again-on-the-front-burner/

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 2015年2月27日に下記記事を翻訳公開した。残念ながら元サイトは見あたらない。

アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の、239年中、222年間が戦争

 昨日のLITERA記事

米の対イラン軍事行動で自衛隊も戦争参加の危機…でも安倍首相は映画にゴルフ、河野防衛相は“俺ジョニー・デップに似てる”談義

 IWJ、2019年8月収録の放送大学高橋和夫名誉教授インタビュー13:00から再配信される!一部転記させて頂く。

【年末年始特別企画!自衛隊中東派遣を考えるシリーズ再配信 4・IWJ_Youtube Live】13:00~「戦争する国は弱くなる! 戦争しない国は栄える! 米国が無益な戦争のために金と血を流し続けてきた間に中国が台頭した! 日本は対イラン戦争のために中東有志連合に自衛隊を派遣するのか!? ~岩上安身によるインタビュー 第948回 ゲスト 放送大学 高橋和夫名誉教授」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 2019年8月に収録した、岩上安身による放送大学名誉教授・高橋和夫氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた高橋和夫氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E9%AB%98%E6%A9%8B%E5%92%8C%E5%A4%AB

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