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2020年1月13日 (月)

イランの英雄が倒れ、今世界は一層危険になっている

2020年1月7日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 彼は貧しい出自で、艱難辛苦して出世し、多くの人々がイランで二番目に有力な人物と見なす人物になったのだと言われている。彼はイランの次の最高指導者になる可能性があったと言われている。

 イランを訪問する時はいつも、彼がどれほど国民に愛されているか聞かされた。彼は欧米に対する抵抗の象徴になっていた。いくつかの欧米諸国に攻撃され、植民地化され、飢えさせられたイランの力と尊厳の象徴に。

 もはやイランのクッズ軍司令官ガーセム・ソレイマーニーはいない。アメリカ最高司令官ドナルド・トランプが、彼の死に対する責任を誇らしげに主張している。

 即座に、国防総省声明が出されたが、それは明快だった。

「大統領の指示で、米軍は、ガーセム・ソレイマーニーを殺害することにより、国外のアメリカ要員を保護するための断固とした防衛措置をとった。この攻撃は、将来のイランの攻撃計画を阻止することを狙っており、アメリカ合州国は世界中彼らがにいる全ての場所で、我が国民と国益を守るため必要な行動をとり続ける。」

 防衛措置…

 ほとんど即座に、RTや他社が、分析するよう私に依頼して来た。

 イラク、バグダッド郊外の空港で行われたことは、低俗で残忍な超法規的殺害としか定義しようがない。

* **

 過去二カ月間、私は世界中を飛び回り、世界の各地に暮らす、異なる文化を持った人々に、帝国が解き放った恐怖について書いて(映画を撮影して)いた。

 中東、中国、中南米。

 全ての限界が超えられたように思える。ワシントンとそのNATO同盟諸国は、あらゆる抑制、恥ずかしさと品位を失ったのだ。彼らは実際、決してそうしたものを大して持ってはいなかったが、彼らには、今そういうものは皆無だ。

 全てが、ひどい監督によるマフィア映画のように、原始的に見える。もし欧米の支配者連中が、どこかの国が気に入らなければ? そのような場合、連中はただその国を攻撃し、餓死させ、破壊するのだ。それぐらい残忍だ。国連安全保障会議の調停なし、議論なし、多少の法的手続きがあるべきだというふりさえない。

 今まで、香港、ボリビア、ベネズエラや西パプアで起きていた。それは同じく(今まで)、国が、より元来、これらの国々は、絶滅するには、ワシントンの立案者連中が元々考えていたより遥かに不屈だったが、イランでも、中国でも、ロシアでも起きていた。

 同じことが個人にも当てはまる。何のためらいもなく、ある人は素早く、ある人は実にゆっくり痛々しく殺される。ジュリアン・アサンジはその一人で、法律専門家や、医療専門家たちが抗議し、彼の釈放を要求しているにもかかわらず、世界全体の目の前で、ゆっくりと拷問にかけられて、殺されている。

 バグダッドでのガーセム・ソレイマーニーや他の人々の殺害は素早く全く意外だった。

 アメリカ当局者の表情は絶対に衝撃的だった。マフィアのボス連中が、大勢のアマチュア・ジャーナリストに、どこか汚いねぐらで見つけられたようだった。謝罪しようともせず、レンズに向かって、にっこり笑い、こう言っているかのようだった。「それがどうした? お前たちは何をするつもりだ? 我々に挑戦するだと? 我々に? お前の足か何か折ってやる

 そして誰も、絶対誰も彼らにあえて異議を唱えない! まだ。この時点では。

 それは実証済みの、無敵のゲームなのだ。連中が国全体を破壊するか、人を殺しておいて、道具を見せる。よく手入れした回転式連発拳銃の一丁か、二丁を見せるのだ。拳銃と醜い歯列をさらすのだ。こう言うか、声を出さずに提案する。「お前には、妻と二人の娘がいるな? お前は彼女らに、何か起こるのを望んではいない、そうだな?」

 今、現状はそのレベルにある。決してそれ以上ではないことが、おわかりだろう?

 あなたが自身を守れば、あなたは死ぬ。あなたの家族は死ぬ。あるいは家族が犯される。あるいはその両方。

 あなたはそれがお好みだろうか? いやだろうか? それを絶対的に忌み嫌っているだろうか? 知ったことか! 帝国は銃を持っている。それが帝国が持つ全てだ。人を殺し、強姦する能力。帝国は愚かで、退廃している。帝国は何ら価値あるものを産み出さない。だが帝国は、何百万もの武器と、怪物のようなプロパガンダ機関を持っているのだ。

* **

 次は真面目な話だ。イランは何をすることができるだろう? 何千年もの文化を持った国は何をすることができるだろう?

 イランは自身を守ることができるだろうか? 正直に言って、もしイランが、自国を防衛できるとおっしゃるなら、一体どうやって?

 もしイランが報復すれば、地表から抹殺されかねない。もしイランが何もしなければ、面目も、自尊心も、本当の独立と独特な社会主義の形式を継続する戦いの目的も失ってしまう。

 何年も何十年も、欧米から見て、イランはとげだ。イランの同盟者は、イラクやシリアやレバノンで、欧米が投入するテロに反対して戦っている。レバノンのイラン同盟者ヒズボラは、イスラエルの侵略から国を守りながら、貧しい市民に社会的支援を提供してきた。イランは、恐ろしいアメリカ/NATOによるアフガニスタン占領後、全く何も残っていない多くのアフガン国民、特にヘラートの人々に、仕事や一時避難施設を提供している。私はアフガニスタンで働いたことがあるが、ヘラートのイラン領事館前で、ものすごい行列を見た。イランは、中南米にも深く関与し、ベネズエラや、エボのボリビアでも、他の国々でも、公共住宅建設を支援している。

 そして最近、イランは、ワシントンの仇敵二国に益々接近し始めた。中国とロシア。

 それゆえ、ワシントンと国防総省の年代記で決定されたのだ。イランは止め、破壊しなければならない。どんな代償を払ってでも。つまり、イラン国民によって支払われなければならない、いかなる代償を払ってでも。

***

 私はこの狂気は止めなければならないと確信している。

 イランのために。

 なぜなら、もしイランが破壊され、イラクやリビアやアフガニスタンのように破壊されれば、誰かが次になるのだから。最初、最もありそうなのは、ベネズエラ、次にキューバ。だが、それから、おそらく最もありそうなのは、ロシアか中国、あるいは両国とも。

 帝国はひとりでには止まらない。

 反対しなければ、帝国は益々大胆になるはずだ。

 文字通り「殺人をしても、おとがめ無しですませる」のは途方もなく大きな過ちだ。

 今日勇敢なイラン人将軍が殺された。ワシントンは身勝手に挑発的に微笑んでいる。

 帝国は世界の至る所にオーラを送っている。「テレビの前で、ソファーに座っていろ。立ちすくんでいろ。それ以外何もするな!」

 そう、世界は恐れている。恐れる理由はある。だが世界は行動しなければならない。帝国が行う、この堕落と原理主義/狂信の残忍で臆病な行為は、我々人類の名で、遅かれ早かれ止めなければならない。さもなくば、間もなく、人類は消滅してしまう!

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者、調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/01/07/irans-hero-has-fallen-and-now-the-world-is-an-even-more-dangerous-place/

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 異様な暗殺自慢演説に拍手喝采する不思議な宗主国の国民。不純な中東偵察派兵でも、支持率が落ちない属国傀儡。リテラ記事は、当然のことを書いている。

米イラン緊張のなか“自衛隊の中東派遣”第一弾強行!「調査研究」「日本のタンカー守る」は真っ赤な嘘、安倍首相が本当に狙うのは…

 そして、

今日の日本では、政界も財界もあげてアメリカ帝国を中心とした「グローバル」な経済力の世界支配を両手をあげて拝礼していらっしゃる。538

最後に、この地名、キリスト教から派生したアメリカ的新興宗教ほかが下手くそな終末論的説教をこしらえるために、知ったかぶりをして「ハルマゲドン」と言いつのった結果、日本でも、新約聖書のことなぞまったく一言も知らない人たちがその真似をして嬉しがって「ハルマゲドン、ハルマゲドン」と言いつのるようになった。632

 この文章、櫻井ジャーナルの記事「APECで中国とやり合ったペンス米副大統領はキリスト教原理主義人脈」で、

彼らは聖書のそうした部分には目もくれない。彼らが最も強い影響を受けているのはヨハネの黙示録だ。それがどのような代物か知りたいなら、田川建三訳著『新約聖書 訳と註 7 ヨハネの黙示録』を読むように勧めたい。

 という記述を拝読して『新約聖書 訳と註 7 ヨハネの黙示録』を読む中で、目についた一例。キリスト教から派生したアメリカ的新興宗教という表現に納得。こちらにも、似たような支離滅裂なカルト原理主義があり、主要政治家は皆関係者。人さまの悪口を言ってすむ状況ではない。

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