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2019年12月25日 (水)

中央アジアでの闘争を強化するアメリカ

2019年12月23日
ウラジーミル・プラートフ
New Eastern Outlook

 中央アジアの豊富な天然資源は、長い間、外国、特にアメリカの食欲をかき立ており、アメリカは最近この地域での活動を強化している。ワシントンの主要目的は、地域の経済関係に関してのみならず、軍事的、政治的分野でも、中央アジアにおける独占権を確保するため、ロシアを、主なライバル中国と同様、かやの外に留めることだ。

 アメリカ当局幹部は中央アジアの常連客だ。今年、ワシントンは中央アジア諸国で、アメリカ大使の大規模入れ換えを始めた。ホワイトハウスの最近の外交官任命では、新大使の大半が、軍事戦略やクーデターを起こす上で、本格的経験を持った人々だという事実は注目に値する。ワシントンのこうした行動は、地政学的視点から、極めて重要な中央アジアで、アメリカ合州国が、安定した、長期的な、政治的、軍事的影響力を確保しようと努力していることを示している。これにより、ロシアとイラン両国を困難な立場において、両国に圧力をかけることがずっと容易になるとアメリカは期待しているのだ。

 アフガニスタンで、軍駐留を維持して、アメリカ合州国は、積極的に中央アジアにおけるその立場を強化し続けているが、これは、中央アジア諸国当局がアメリカ従わないままでいれば、重大な結果に直面することを公然、示威しているのだ。この点、地域から彼らが撤退すれば、過激主義とテロが急増すると宣言して、アメリカが積極的宣伝攻勢を開始したのは驚くべきことではない。アメリカは、アメリカ「軍の傘」だけが、これらの脅威を地域から排除できると主張している。それは各国指導部への警告のように思える。アメリカ軍事駐留を維持することに同意するか、不快な結果に耐えるか。

 ワシントンが、アフガンの野党勢力、多くの勢力の現地司令官や、とりわけタリバン(ロシア連邦では禁止されている)と秘密の接触を維持しているのは秘密ではない。最近、アメリカのこうした集団との接触は、一層公然になった。必要とあらば、過激派部隊を、アフガニスタンと国境を接する中央アジア共和国、ウズベキスタンやタジキスタンやトルクメニスタンに仕掛けることができるのだ。この戦術はずっと前に実験済みだ。例えば、欧米列強とロシア連邦のいずれにもテロ集団とされている東トルキスタン・イスラム運動は、新彊ウイグル自治区で、中国に対して積極的に活動しており、多くの情報源によれば、アメリカに支援されている。

 アメリカが作り出したこれら条件は、この地域で軍事的存在を強化するのに好都合で、アメリカはこの地域で、多数の「安全保障」プログラム活動を強化している。結果的に、2007年以来、これらプログラムのためのアメリカの財政援助は、経済的な必要性のために、この地域に与えられた額を超えている。この傾向は「安全保障のための戦い」といううわべの下「それらを維持するため」地域で最も重要な用地の使用保証を得ることに対するアメリカの高い関心を示している。

 逆説的に、ワシントンの「援助」は、中央アジアで、安全保障の分野で活動する要員を訓練し、装備させることを狙い、アフガニスタンからのアヘンの大きな流れを止めるよう企画されているのに、この地域を通って行われる麻薬売買を、いささかも減らさなかった。資金とプログラムは、本当は、一体何を実現しようと意図しているのだろう?

 答えは明白だ。中央アジアで安全を保障する上でのワシントンの支援は、中央アジア諸国における継続的なアメリカ駐留のため、地域でのロシアと中国の影響力に対抗するためなのだ。

 この地域の国々の用地使用と引き換えに援助を提供するという、2001年以来使われていた「互恵」方式は、もはやない。近年、ワシントンは、積年の地域安全保障分野の問題のみならず、アメリカが将来自身の目的のために使いたいと考えている特定分野の相互利益に焦点を当てている。

 望ましい長期的な制度上の変化を推進させる上で効果があることが証明されているアメリカが展開している戦略の一つは、中央アジア諸国の軍人と特殊部隊員を、アメリカで行う教育、訓練、社会的な催しに積極的に参加させることだ。アメリカはこれで、各国の欧米体制に対する「理解」を増し、敬意も高めることを期待している。これらのアメリカを本拠としておこなわれる合同訓練と教育コースの結果、アメリカと中央アジア諸国の軍隊や治安部隊間で、より強い個人的な結びつきが出現した。これは地域に対するアメリカの影響力にとって、潜在的な重要な手段にもなっている。

 ソ連後の中央アジア地域でカザフスタンを主な足場にしたいという願望を明らかに表現するワシントンの最近の宣言や文書にもかかわらず、アメリカは、タジキスタンやウズベキスタンやキルギスタンとの共同プログラム強化に特別な注意を払っている。

 中央アジアでのワシントンの取り組みは、カザフスタンのムフタール・トレウベルディ外務大臣の最近のアメリカ訪問時に表明された、マイク・ポンペオ国務長官の姿勢を反映している。ポンペオ長官は、カザフスタンの「中央アジアにおけるリーダーシップ」と、ワシントンの「地域の安全保障を維持する上での重要パートナー」として首都ヌルスルタンを特に強調した。

 これが政治的配慮の賛辞では事実は、アメリカ国務省公式ホームページで、アメリカ-中央アジア関係のブリーフィング報告で確認することができ、そこでアメリカ国務省幹部が、近い将来「ドナルド・トランプ政権の新中央アジア戦略」を明らかにすると約束している。ブリーフィングの際に、カザフスタンとウズベキスタンに対するアメリカの興味が非常に明白にされたが、目標は、中央アジアで親米枢軸を形成し、カザフスタンが、ロシアのユーラシア統合と、この地域を通過する予定である中国の一帯一路構想双方に参加するのを妨げることだ。同時に、アメリカは、中央アジアの少数民族をアフガニスタンの状況に影響を与えるために利用したいと望んでいる。アメリカ合州国は、(ロシア連邦で禁止されている)ダーイシュの影響力をアメリカが衰えさせるのを支援しているタリバーン(ロシア連邦で禁止されている)と対話している。代案として、もしこれがうまくいかない場合、アメリカは、地域にアフガンの混乱を輸出し、両国の協力を防ぐため、ソ連後の中央アジア地域を、ロシアと中国に対する破壊的影響力の中心に転換するだろう。

 地域に対する中国の影響力への対抗策に関しては、2019年中、中華人民共和国の新疆維吾爾自治区からの亡命者に積極的支援を提供するようソ連後の中央アジア共和国に、アメリカは根気良く要求していた。これは、これらの国々の政府、特にカザフスタンを、領土保全と回復に関しては決して妥協しない中国外交と衝突させることになった。新疆ウイグル自治区で暮らしているカザフ人や他の中央アジア民族の代表を、このプロセスのための貴重な手先として使う計画なのだ。

 中央アジア政策、特にソ連後の共和国諸国に対する政策を大幅に更新し、強化するワシントンの狙いは、最近のランド研究所が、非政府のニューヨーク・カーネギー財団の支援で編集した130ページの報告書「‘A Consensus Proposal for a Revised Regional Order in Post-Soviet Europe and Eurasia’(ソ連後のヨーロッパとユーラシアにおける修正地域秩序の合意提案)」ても確認できる。報告書は、「物理的にロシアと欧米の間に位置する」国々を意味する「中間の諸国」という用語で筆者が呼ぶ、多くのユーラシアの国々の根本的改革のための勧告開発に焦点を当てている。アメリカとロシア間で進行中の争いの狙いは、これらの国々に対する影響力なのだ。

 ウラジーミル・プラートフは中東専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/12/23/8-us-intensifies-struggle-over-central-asia/

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 驚くニュースではないが、こういう事実がある。

辺野古の工事費、9000億円に肥大 当初想定の約3倍に 工期も長期化、13年

 アメリカの戦争、長引けば長引くほど、膨大な金額が、兵器産業に流れ込み、支配体制は強化されるのと同じ。工事費が増え、工期が延びれば、それだけ、膨大な金額がゼネコンに流れ込み、政治家への見返りも増える。業界も政治家も、内心ほくそえんでいるのかもしれない。宗主国の巨大産業、兵器については様々な記事を訳している。たとえば下記。

兵器商売ほど素敵な商売はない ウェポンズ“R”アス(だが人は決して知ることはない)

 東京新聞にも、下記と同様趣旨の記事があり、下記は有料記事なので、全文読んではいないが、英語民間試験について、委員から地理的・経済的な理由で受験機会に格差が生じる点を懸念する発言が相次いでいたという。それでも、企業の金儲けのため、あがり欲しさに、強引に推進したのだろうか?

英語民間試験の受験格差、文科省の非公開会議でも懸念

 一方、馬鹿げた改悪、記述式旗振りのご本人は頑迷固陋の鎖国状態。

記述式見送り、日本は「教育鎖国」状態に 慶応元塾長

 LITERAのこのニュースは注目すべき。大本営広報部のいつものお仕事。

NHKが英語民間試験批判のウェブ記事を削除、社会部を緊急招集し自粛要請! 安倍政権が「桜を見る会」追及のウェブを標的に圧力か

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