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2019年12月20日 (金)

これほど断片化した世界を私は見たことがない!

2019年12月10日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 欧米帝国が、いとも簡単に、抵抗なしで、邪魔になる「反抗的な」国の破壊に成功しているのは驚くほどだ。

 私はワシントンやロンドンやパリによってカフカ的「紛争」が引き起こされる地球上のあらゆる場所で働いている。

 私が見て書くのは、私の周りで起きている恐怖だけではない。人命を破壊し、村や市や国全体を破壊する恐怖だ。私が把握しようとしているのは、テレビ画面や、新聞やインターネット上で、人類に対する悪魔のような犯罪が、何らかの形で報じられ(記述され)てはいるが、情報が余りに歪曲され、操作されているので、世界のあらゆる地域の読者や視聴者が、自身の苦しみについて、そして/あるいは、他の人々の苦しみについて、ほぼ何も知ることができないのだ。

 例えば2015年と2019年に、私は座りこんで、香港の暴徒を説得しようとした。それは本当に意義深い経験だった! 彼らは何もしらなかった。欧米がアフガニスタンやシリアやリビアのような場所でしている犯罪について全く何も知らなかった。彼らに、ワシントンが、どれだけ多くの中南米の民主主義国家を打倒したか説明しようとすると、彼らは私を精神異常者だと思いこんだ。良く優しい「民主的な」欧米が、どうして何百万人も殺し、大陸全体を血まみれさせることができようか? 彼らは、そういうことは大学で教わらない。BBCやCNNやサウスチャイナ・モーニング・ポストさえ言ったり書いたりしない。

 私は真剣だ。私は彼らにアフガニスタンとシリアの写真を見せた。携帯電話に保存した写真だ。彼らはこれが本物の、直接のものだと理解したに違いない。それなのに、彼らは見ても、彼らの脳は、見せられたものを処理できなかった。画像と言葉。この人々は特定の情報は理解しないように条件づけられているのだ。

 だがこれは元イギリス植民地、香港でだけ起きているわけではない。

 読者は、到底信じがたいと思われるかも知れないが、ベトナムのような共産主義国家でさえそうなのだ。誇り高い国、フランスとアメリカ両国の狂った残忍な帝国主義植民地政策で途方もなく苦しんだ国、私がつきあった人々(私は二年間ハノイで暮らした)は、アメリカとその同盟国による、いわゆる「秘密の戦争」で、隣接する貧しく無防備なラオスに対して行われた恐ろしい犯罪について、ほとんど何も知らなかった。B-52戦略爆撃機による農民や水牛の昼も夜もない爆撃を含む犯罪を。私が地雷除去の取り組みを報じたラオスでは、欧米がカンボジアで行っていたほぼ同様の残虐行為を、人々がほぼ何も知らなかった。じゅうたん爆撃で何十万人もの人々を殺し、何百万人もの農民を家から追い出し、飢饉を引き起こし、クメール・ルージュによる乗っ取りへの道を開いたものを。

 私がベトナムでのこの、地域と、地域が経験するのを強いられたことに関する衝撃的な知識の欠如についてお話をする際、小売り店主や縫製労働者だけを言っているのではない。それはベトナム知識人や芸術家や教師にも当てはまるのだ。それは完全な記憶喪失だが、それは世界に対して「開放され」て以来、つまり欧米マスコミにさらされ、更には、ソーシャル・メディアが浸透して潜入によっておきたのだ。

 少なくともベトナムはラオスともカンボジアとも動乱の歴史も国境も共有している。

 だがフィリピンとインドネシアのような海上国境しかない二つ大きな国を想像願いたい。私が会った何人かのマニラ住民はインドネシアはヨーロッパにあると思っていた。

 一体何人のインドネシア人が、一世紀前にアメリカ合州国がフィリピンで犯した大虐殺や、フィリピンの人々が、どのように欧米プロパガンダで、東南アジア全体について洗脳されているかを知っているか推測願いたい。あるいは一体何人のフィリピン人が、「隣接する」インドネシアで、アメリカが引き起こした1965年の軍事クーデターで、国際主義者スカルノ大統領を退位させ、200-300万人の知識人や教師や共産党員や労働組合活動家の殺害を知っているだろう?

 インドネシアやフィリピンの新聞の外報面を見ると、そこにあるのは、APやAFPやロイターの同じニュースだ。実際、ケニアやインド、ウガンダ、バングラデシュ、アラブ首長国連邦、ブラジル、グアテマラや、延々続くリストの報道機関でも同じ記事しかない。それは一つの、たった一つの結果を産み出すよう意図されている。完全な分断!

***

 世界の分断は驚くほどだが、時間とともに激化しているのだ。インターネットが状況を改善するだろうと期待した人々は、大変な誤算だった。

 知識の欠如とともに、団結も消えた。

 今まさに、全世界で暴動や革命がある。私は最も重要なものを報道している。中東で、中南米で、そして香港で。

 率直で申し上げよう。レバノンでは、一体何が香港で、あるいはボリビアや、チリやコロンビアで起きているかについて、全く何の理解もない。

 欧米プロパガンダが全てを同じ袋に投げけんでいるのだ。

 香港で、欧米に洗脳された暴徒が「民主化運動抗議行動参加者」として描かれる。彼らが人々を殺し、燃やしても、彼ら依然欧米のお気に入りだ。彼らが、今ワシントンの最大の敵、中華人民共和国に敵対しているからだ。彼らが欧米に創造され、維持されているからだ。

 ボリビアで、反帝国主義大統領がワシントンが画策したクーデターで打倒されたが、彼の復帰を要求する大半が先住民の人々は暴徒として描かれている。

 抗議活動で、親イラン派のヒズボラや他のシーア派集団や同盟者を弱体化できるのを欧米が願っているのが主な理由で、レバノンでもイラクでも、抗議行動参加者は、ヨーロッパとアメリカ合州国両方で、優しく扱われている。

 チリでの明らかに反資本主義、反新自由主義の革命や、コロンビアの合法的抗議も、多少の本物の不満爆発と、ある種の暴力と略奪の組み合わせとして報じられる。最近マイク・ポンペオは、秩序維持の試みで、アメリカ合州国は右翼南米政権を支援すると警告した。

 こうした報道は全てたわごとだ。実際それには一つ、たった一つ目標がある。視聴者や読者を混乱させることだ。彼らに決して何も、あるいはごく僅かしか知らせないようにするため。結局彼らは深いため息をついてソファーに倒れ込む。「おお、世界は混乱している!」と。

***

 それは、各大陸の、世界の南の国々の途方もなく大きい分断をもたらす。

 アジア諸国はお互い、ごく僅かしか知らない。アフリカと中東も同じだ。中南米で文字通りベネズエラの命を救っているのはロシアと中国とイランだ。キューバという一つの輝かしい例外だけで、仲間の中南米諸国は一切支援しない。全ての中南米革命は断片化されている。アメリカが引き起こす全てのクーデターには基本的に何の反対もない。

 同じ状況は中東やアジア至る所で起きている。欧米に破壊された国々を守る国際主義旅団はない。巨大な略奪者がやって来て、獲物を攻撃する。国が世界の前で、ひどく苦しみながら死ぬのは酷い光景だ。誰も干渉しない。全員見守っているだけだ。

 国は次々と崩壊してゆく。

 これは21世紀の国家が振る舞うべき方法ではない。これはジャングルでの引力の法則だ。私が、ドキュメンタリー映画を制作して、アフリカに暮らして、ケニア、ルワンダ、コンゴで、荒れ地を運転して横切った。これは人々ではなく、動物の振る舞いだ。大型の猫科猛獣は彼らの犠牲者を見つける。シマウマあるいはガゼル。そして狩りが始まる。ひどい出来事だ。そして緩慢な殺害。生きたまま犠牲者を食べる。

 いわゆるモンロー教義にそっくりだ。

 帝国は殺さなければならない。定期的に。予測可能な規則性で。

 誰も何もしない。世界中が見守っている。異例なことは何も起きないふりをして。

 このような条件の下で合法的革命が成功できるだろうか? 民主的に選ばれたどこかの社会主義政府が生き残ることができるだろうか? それとも、まともで、楽観的で、楽天的な全ては、必ず堕落した残忍な教養がない帝国の獲物になって終わるのだろうか。

 もしそうであるなら規則通りに動くことに何の意味があるだろう? 明らかに規則は腐敗している。規則は現状維持のためにだけ存在している。規則は入植者を守り、革命での犠牲者を厳しく罰するのだ。

 だがそれは私が、今日ここで議論したいと思っているものではない。

 私が言いたいのは、犠牲者が分裂しているということだ。彼らはお互いについてほんの僅かしか知らない。本当の自由のための争いは断片化している。戦い血を流す人々は、それほど大胆ではない犠牲者仲間に反感を買われることが多いのだ。

 私は世界がこれほど分裂しているのを見たことがない。帝国は結局成功しているのだろうか?

 イエスでありノーだ。

 ロシア、中国、イラン、ベネズエラ - 彼らは既に目を覚ましている。彼らは立ち上がった。彼らはお互いに学びあっている。

 団結なしに勝利はあり得ない。知識なしに団結はあり得ない。

 知的な勇気は、今明らかにアジア、「東」から来ている。世界を変えるためには、欧米マスコミを無用のものにし、対決しなければならない。「民主主義」や「平和」や「人権」を含め、あらゆる欧米の概念は問われ、再定義されなければならない。

 そして確実に、知識だ。

 我々には、改善されたものではなく、新しい世界が必要なのだ。

 世界がロンドン、ニューヨークとパリがそれ自身について教える必要はない。

 分裂は終わらせなければならない。国は直接お互いのことを知らなければならない。もし国々がそうすれば、本当の革命がまもなく成功するだろう、他方、香港やボリビアや中東中いたる所での、破壊やエセ・カラー革命は各地域で立ち向かわれ、何百万人もの人命を破壊するのを阻止されるだろう。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/12/10/i-never-saw-a-world-so-fragmented/

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 いつも見ない昼の呆導洗脳番組、昨日に続いて、二人の記者会見を扱うかどうか確認するため、音を消して、翻訳のかたわら画面をながめた。いつもの茶坊主連中が、飛行機エンジン問題や、カジノがらみの捜査をいうだけ。必死に隠蔽しているとしか言いようがない。政治介入で犯罪が隠滅されたとんでもない事件より、飛行機エンジン故障やカジノ捜査の方が重要だろうか?スタジオ雛壇に並ぶ連中、再来年の「サクラ勢ぞろいの会」にはでるのかもしれない。

 リテラ記事が良い。

伊藤詩織さんセカンドレイプにも法的措置表明 山口敬之を擁護してきた安倍応援団の醜悪反応 百田尚樹、小川榮太郎、はすみとしこ…

 山口敬之氏記者会見を録画で見た。冒頭英語で語った際、伊藤詩織さんのことを、habitual liarと表現したのは、さもありなん。自分のことを棚にあげて。
 フリージャーナリストの江川紹子氏の質問に対する反論や外国人記者女性の質問に対する対応。BBCの番組についての文句は、いかにも。外国人女性記者には「記事内容が偏っている」と言い、「なぜ反論しないのか」問われて「弁護士から、裁判所外での言動を禁じられていた」と答えた。「複数の質問は混乱するのでやめて欲しい。以降、質問は一つにして欲しい」とも。落ち着かないのか、しきりに水をのんでいた。記者席にはフリーランスの伊藤詩織氏もいた。

 リアルタイムで伊藤詩織さん記者会見を見た。右側のコメント欄に愚劣な落書きが続々書き込まれるのは、いらだたしかった。

 今年の言葉「二人の山口」ではあるまいか。国民を裏切る政策のみ推進する連中のおかげで跳梁跋扈している二人が。

 たまたま大沼保昭氏と江川氏の対談「歴史認識」とは何か - 対立の構図を超えて (中公新書 2332) を読んだばかり。

 上の裁判所になればなるほど、腐敗政権人事の度合いがひどい忖度裁判になる。最高裁判所で、伊藤詩織さん敗訴になっても驚かない。山口敬之氏のふてぶてしさ「最高裁でひっくりかえしてやる」という腐敗体制への確信に由来するのではと懸念している。次回選挙時、最高裁判所裁判官国民審査で、全員に×をつける。

 黙ってみているだけでは、事実上、共犯のようなものだろう。

 伊藤詩織さんの民事裁判を支える会 Open the Black Boxには支援案内のページもあり、ゆうちょ銀行送金の口座番号もわかる。

 二人の記者会見、今日、IWJも再配信。

日刊IWJガイド「セカンドレイプには『法的措置をとる』と断言! 伊藤詩織さんと山口敬之氏の日本外国特派員協会での記者会見を本日再配信します!」2019.12.20日号~No.2654号

【タイムリー再配信 483・IWJ_Youtube Live】18:00~「日本外国特派員協会主催 山口敬之氏(元TBS記者)記者会見、会見後の囲み取材」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

【タイムリー再配信 484・IWJ_Youtube Live】20:00~「日本外国特派員協会主催 伊藤詩織氏(ジャーナリスト)記者会見、会見後の囲み取材」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 IWJにも、 ご寄付・カンパのお願い ページがある。

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