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2019年11月19日 (火)

ボリビア・クーデター:五つの教訓

 アルゼンチンの社会学者アティリオ・ボロンが、ボリビア・クーデターについての重要な考えを示している。

2019年11月13日
アティリオ・ボロン

Peoplesdispatch

 エボ・モラレスは軍事クーデターで、大統領を強制的に辞任させられた。

 ボリビアの悲劇は、我々の人々や社会勢力や政治勢力が学んで、我々の良心に永久に記録しなければならない様々な教訓を与えている。これは、将来のより詳細な分析の序章としてメモした、短いリストだ。

一番目: 成長、再配分、投資の流れとマクロの改良とミクロ経済指標を保証したエボ政権の模範的な経済行政にもかかわらず、右翼と帝国主義勢力は、決してその権益に奉仕しない政府を受け入れないのだ。

二番目:攻撃の警報を認識するためには、アメリカの多様な機関や、学者やジャーナリストを装ったその広報担当者が出版するマニュアルを勉強することが必要だ。

 これらのテキストは、専門的俗語で彼らが「誹謗中傷」と呼ぶもので、人気が高いリーダーを泥棒、腐敗している、独裁者、無知とレッテルを貼り、評判を破壊する必要性を必ず強調している。

 これは彼らによるメディアのほとんど独占的支配を好むソーシャル・コミュニケーター、自称「独立ジャーナリスト」に託される仕事で、我々が扱う事例では、一般に先住民や貧しい人々に向けた憎悪のメッセージと一緒に、この名誉棄損を国民の心にたたき込むのだ。

三番目: 上記が完了するや否や、恥ずべきヴァルガス・リョサが数日前「権力を恒久化したがっている扇動家」と書いたエボの「独裁」を終わらせる「変化」を、政治指導者や経済エリートが要求する時が来る。

 ファシスト群れが略奪し、火をつけ、柱にジャーナリストを鎖で縛りつけ、女性市長の頭を剃り、彼女を赤く塗り、ドン・マリオの命令を遂行して、邪悪な扇動家からボリビアを自由にするために、最近の選挙の投票用紙を破壊する画像を見た時、彼はマドリッドでシャンペンを乾杯して、飲んでいたに違いないと私は思う。

 国民のリーダーを張り付けにし、民主主義を破壊し、自由でありたいとを望む、あつかましさを持った威厳ある人々を罰するために雇われたヒットマン集団が率いる恐怖政治を確率するための、この下劣な攻撃の、この無限の重罪の不道徳な旗手だからな、私は彼を例として言及しているのだ。

四番目:「治安部隊」が現場に入る。この場合、アメリカ合州国政府の軍なり民間なりの多数の政府機関に支配された組織について我々は話をしている。

 彼らは治安部隊を訓練し、彼らを武装させ、共同演習し、政治的に教育する。私はエボに招待されて、三軍の士官に対し「反帝国主義」の授業を開始した時、これを目撃する機会を得た。

 この機会に、冷戦時代から受け継がれている最も反動的な北米のスローガンの浸透度と、先住民が国の大統領だという事実によって起こされる露骨ないらだちに、私は驚いた。

 これら「保安部隊」がしたことは現場から彼ら自身撤退し、ウクライナで、リビアで、イラクで、シリアで、帝国を煩わすリーダーを打倒し、最後の例では、打倒しようとして行動したように、ファシストの群れに、無制限な行動をやり放題にさせて、国民や、好戦的な部門や、政府の人物を脅迫することだった。

 だから、それは新しい社会政治的概念だ:右翼がリクルートし、資金供給した反動主義集団が、彼らの法律を押しつけるのを可能にする「不作為による」軍事クーデターだ。恐怖が支配してしまえば、政府は無防備状態なので、結果は予想できた。

五番目:ボリビアでは帝国主義に植民地化され現地右翼の召し使いたる警察や軍のような組織に、治安や社会的秩序は決して託されるべきではなかったのだ。

 エボに対して攻撃が開始された時、彼はゆう和政策を選び、ファシストの挑発に反撃しないことにした。

 これが彼らを大胆にし、彼らが方策を強化するのを可能にするのに役立った。最初は、二回目の決選投票要求だ。次に不正行為と新選挙。すぐ後に(ルーラなしでのブラジルでと同様)エボ抜きでの選挙。

 それから彼らはエボ辞任を要求した。最終的に、彼が恫喝を受け入れるのいやがったので、エボに辞任を強いるため、連中は警察と軍共謀で恐怖感を植えつけたのだ。全てマニュアルそのままだ。これらの教訓から我々は学べるのだろうか?

記事原文のurl:https://peoplesdispatch.org/2019/11/13/the-coup-in-bolivia-five-lessons/

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 東京新聞11月18日朝刊に、渡良瀬川鉱毒根絶太田期成同盟会による銅山跡調査について書かれている。「こちら特報部」足尾鉱毒事件 銅山調査今もなお

 紅葉の季節になると、みどり市の草木ダムが紹介される。草木ダム本来の目的は、豪雨や地震などで渡良瀬川の鉱滓下流流出防止だとは大本営広報部決して報じない。ダムの案内板にも一番の狙い書かれていない。中才浄水場は通洞坑内からわき出る水を濾過池で石灰で中和処理し、上澄みを放水する施設。車道沿いに杉の巨木が並んでいて、道路から浄水場は良く見えない。施設の目的を説明する掲示板も見当たらない。「見ざる言わざる聞かざる。」田中正造が戦った鉱害、終わったどころではない。今も延々続いている。

 「見ざる言わざる聞かざる。」の典型が日本の大本営広報部記者クラブ(正確には速記者クラブ)。お上の言い分垂れ流し。痛い質問は決してしない。総理大臣官邸報道室は、実態、総理大臣官邸報道妨害室。「質問をしてください」としつこく繰り返す妨害室長。「あなたに答える場ではない。」と平然と言い放つ官房長官。その実態を、官邸記者クラブのメンバー、真摯に報じているだろうか。速記者というより共犯者たち。ウソと思われるなら森監督の新作映画『i 新聞記者ドキュメント』をご覧願いたい。東京新聞の望月記者の取材する様子を追ったドキュメンタリー。最近見て感動した韓国映画『共犯者たち』を思い出した。『共犯者たち』で、自分を首にした放送局のトップに、至る所で質問をつきつけた記者、今その放送局の社長になっている。ソウル市民デモの様子、国会前警察の違法過剰警備で身動きできないデモと大違い。韓国と日本の差は大きい。飼い馴らされると、それがわからなくなる。九州場所が満員札止めなのは結構だが、『i 新聞記者ドキュメント』こそ満員札止めになって欲しいもの。

 合成麻薬にまつわる女優逮捕、サクラ連中を見る会や前夜祭の違法性や日米貿易不平等協定から目をそらすためのスピンに決まっているのに、サクラ連中は「もうやめましょう」やら「都市伝説」と強弁する。こうしたサクラ連中が出た瞬間テレビは消すが、地方に元気を与えてくれる会と擁護する市長まで登場。元秘書というから、お里が知れる。

 自分の支持者だけ税金で供応する連中がいれば、貧困者を招く宗教者もいる。

日刊IWJガイド「来日するローマ法王フランシスコが貧困者1500人をバチカンに招き、昼食を共に! 一方安倍総理は『桜を見る会』に後援会支援者800人を招き、税金で饗応!?」2019.11.19日号~No.2623号~

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コメント

チリクーデターから人類は何も学ばなかった、いや当時と違って「反共」というエクスキューズすら今はもう無くなったのですからむしろ退化したとしか言えませんね。
はっきり言ってアメリカとその手先の(いつもの)反中工作に過ぎない香港デモなんかよりこちらの方がよっぽど民主主義の危機であり報道すべきトピックだと思うのですが。

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