ボリビアは中南米がアメリカ帝国を脱出できないことを証明
2019年11月15日
Paul Craig Roberts
ボリビアのスペイン系エリートの一人ヘアニネ・アニェスが自身をボリビア大統領だと宣言した。彼女は、再選を不正操作したと言ってエボ・モラレスを非難したワシントンと同盟しているエリートの一人だ。だがモラレスに大統領辞任を強いたCIAのボリビア人従僕連中は選挙を気にしていない。彼らは自身、大統領だと宣言し、選出されたマドゥロ大統領の地位を奪おうと望んだベネズエラのCIA幇間フアン・グアイドのように、大統領だと宣言するのだ。アニェス、グアイド、いずれも大統領選挙に立候補していない。彼らは単なる自薦大統領だ。CIAのフロント組織、米州機構は、選挙で選出されていない大統領を正当な支配者として受け入れた。トランプ大統領は、CIAクーデターが自由と民主主義を増すと宣言した。
トランプは、ベネズエラのマドゥロに対するクーデター未遂や、ボリビアのモラレスに対し成功したクーデターを承認しながら、一体どうして、自分に対してCIA/DNCが進めているクーデターに文句を言うことができるのだろう?
剣によって生きるものは剣によって死ぬ。自業自得。
「マスコミ」を構成する淫売連中は、自称「大統領」が本物の大統領で、人々に選出された大統領は大統領でないふりをしている。ワシントンの候補者を選出しない全ての中南米選挙を、欧米売女マスコミは「疑惑選挙」だと報じる。当選した候補者が投票の85%を得ていても、それは重要ではない。彼がワシントンの見地から良くない候補なので、彼の当選は論争の的になり、違法なのだ。
選挙で選ばれたモラレス大統領の地位を剥奪するよう、ワシントンは腐敗したボリビア軍に金を払った。これは常にワシントンが中南米の全てを支配した方法だ。腐敗した軍の買収だ。彼らは金ためには、妻に売春させるだろう。
中南米では、皆買収されることに慣れている。キューバとベネズエラと多分ニカラグアだけがワシントンへの服従から逃れている。彼らに対する圧力が増大しているので、これら三国の進歩的政権が、いつまでワシントンに抵抗できるのかは、まだわからない。独立国家として彼らの生き残こることに命を賭けるとは私には言えない。ロシアや中国さえ政権転覆で恫喝されており、両国政府はそれについて自制しているように思われる。
中南米の国々や独立を望む国々が、なぜ国内でアメリカの影響力を許すのかは謎だ。中南米の国々や、どんな国でも、アメリカの影響力は、その国の政府のいかなる独立も妨げる。私はそれは金だと思う。中南米の人々は独立より、ワシントンの金が欲しいのだ。
ロシア内にアメリカの影響力を存在させるため、ロシア政府はあらゆる種類の屈辱を受け入れている。中国も同じだ。香港でワシントンが中国にしたことをご覧願いたい。中国政府が非常に無頓着なため、このきまり悪い事態をお膳立てしたのは驚くべきことだ。
かなり多額のボリビアに対するロシア投資は失われるだろう。CIAが、スペイン・エリートを支配の座に戻したので、ロシアの投資はアメリカ企業に私物化されるだろう。なぜロシアは、正当な大統領モラレスを守るため、もっと多くのことをしなかったのかと思いたくなる。もしプーチンがモラレスにロシア軍連隊を送っていれば、ボリビア軍は身を引き、アメリカ帝国主義の代わりに民主主義が、まだボリビアに存在していただろう。
世界至る所で起きているのは、もはや金以外何も重要ではないということだ。だから全てが金のために犠牲にされる。恥も名誉も品格も真実も公正もない。
聖書の予言は本当で、ハルマゲドンは我々の未来かも知れない。我々はそういう罰に相当しないと一体誰が言えるだろう。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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昔のホンジュラス・クーデター、大本営広報部が本格的に報じたものを見た記憶皆無。香港の運動には、えらく好意的だが、年寄りは、60年代末期、70年代初期の、理不尽で、暴力的な学生運動の光景を思い出すだけ。
敷石を剥がし、割って投げるやら、火炎瓶を投げるやら、警官を物理的に攻撃するやら。当時、活動家の一人に「狙いは一体何なのか」尋ねたことがある。答えは「自衛隊を引きだす」だった。それから、どうするのかは聞かなかった。いわゆる「新左翼」正気の沙汰とは思えなかった。いつも読む週刊誌も月刊誌も、「新左翼」を素晴らしいもののように、描いていたが、全く納得できなかった。そもそも、資金は一体どうなっているのか、素人にはまったくわからなかった。
香港の運動、中国軍を引き出すのが目的のように見えてしまう。それから、どうするのかわからない。大本営広報部の言うような素晴らしいものには見えないので、「彼らの背後には、イギリスや、アメリカがいる」と報じる記事を翻訳した。一方、ホンジュラス・クーデタで見られる、右翼の跳梁跋扈、背後であやつる宗主国の様子を大本営広報部は報じているのだろうか?ごく少数の有力者だけが良い目を見て、先住民は、もとの差別される状態に戻ってしまうのだろうか?
合成麻薬で、ウソのかたまり、サクラ選挙違反疑惑や、入試民営化で差別固定化推進をしても、無罪放免になるのだろうか。日米FTA協定は、まんまと成立してしまうのだろうか?
ボリビア先住民は、スペインに、キリスト教徒にされていたが、モラレス下で、彼ら本来の伝統が復活していたようだ。自称暫定大統領の女性は過激キリスト教徒で、先住民の伝統を悪魔の行為と見なしているという。
キリスト教は良く知らないが、ハルマゲドンは我々の未来かも知れない。我々はそういう罰に相当しないと一体誰が言えるだろう。
日刊IWJガイド「沢尻エリカ容疑者逮捕で安倍総理主催の『桜を見る会』の話題は終息!? 大河女優逮捕はNHKへの圧力として作用する!?」2019.11.18日号~No.2622号~
孫崎享氏の今日のメルマガ題名
安倍首相:1人5千円を集金をし、ホテル名義の領収書をその場で手交、郷原信郎(元検事) が斬る:ホテルが、実際に金銭を受領していないのに「ホテル名義の領収書」を渡すことは あり得ない。(参加者より徴収金額とホテル支払いが一致しない時、どうなるのか)
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