情報戦争:香港を標的に定めたTwitter
2019年10月13日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook
Twitter Safetyが、香港に向けられた「情報作戦」に対して行動をとっていたと発表した時、情報に通じた観察者は、即座に、Twitterが、そのようなものを止めることに、本当に真剣ではなかったのを想定できたはずだ。むしろTwitter自身が、その一環である情報作戦を守り、それに対して行動をとろうと試みる人々が、彼らのプラットホームから追放するためのものなのだと。
そしてもちろん、そうした情報に通じた観察者が正しいはずだ。
Twitter公式ブログで公表された「香港に向けられた情報作戦」という題名の声明は、こう主張する。
香港、特に抗議運動と、その政治的変化への呼びかけに焦点を合わせた国家に支援された相当な情報作戦を、我々は公表する。
声明は、こうも主張している。
この公表は、中華人民共和国(PRC)国内に源を発する936のアカウントを含む。全体的に、これらのアカウントは、特に現地の抗議運動の正当性と政治姿勢を傷つけることを含め、香港に政治的な不一致の種を、意図的に蒔こうと試みている。我々の集中的な調査に基づき、我々は、これが国家に支援された組織的作戦であることを裏付ける信頼できる証拠を持っている。特に、我々は、香港抗議行動に関係するメッセージを展開するため、組織的な形で、振る舞うアカウントの大きなクラスターを特定した。
皮肉にも、まさに香港抗議行動自身が「国家に支援された組織的作戦」だ。
(私自身のTwitter・アカウントを含めTwitterに粛清されたアカウントによって、その多くが暴露され、共有されていた)しっかり裏付けられた証拠が、香港抗議行動参加者が、疑う余地なく、アメリカ政府から資金を供給され、抗議行動リーダーのほとんど全員、文字通り、アメリカ政治家や、外国で政治秩序を不安定化し転覆するために使われることが公然と認められている全米民主主義基金(NED)のような組織と共謀するためワシントンD.C.に行き、アメリカに指示されていることが証明されている。
香港と中国本土を不安定にするための、外国に支援されるこの公然の取り組みにもかかわらず、Twitterは逆に、このアメリカに支援され、香港で展開している社会不安を暴露し、それに対決しようとしている中国国内のアカウントを標的にすると決めたのだ。
Twitter、テロリズムをほう助する欧米メディア
より最近、アメリカに支援された扇動者連中は、警察攻撃と放火を含む暴力から、大量輸送システムを含め、香港の民間インフラを攻撃することに転換している。抗議行動参加者が意図的に列車を脱線させようとしているのが見られ、そして実際、一両の列車が脱線し、数人の乗客に怪我をさせた。
「香港の道路の下で、地下鉄は抗議行動参加者と警察の戦場と化す」という記事でワシントン・ポストはこう報じている(強調は筆者):
当局と共謀して、抗議行動を妨害したというデモ参加者の認識から、鉄道会社MTRも、抗議の標的になった。ここ数週間、頻繁に襲撃されたため、駅は修理に必要な部品が欠乏していると鉄道組合が述べた。
移動の約90パーセントが公共輸送機関に依存している都市で、衝突は香港の750万人住民の一部は、外出する際には、もはや安全なスペースがない状態だと感じるようになっており、逮捕や、警察の取り締まりにあう可能性がある。一部の人々はMTRをボイコットしており、他方電車に乗る時に、過去のいやな出来事を思い出して苦しんでいる人々もいる。
「AFP事実チェック」は、五人の通勤者に怪我をさせた脱線をもたらした鉄道を破壊しているところを捕らえられた抗議行動参加者を免責しようと試みて、テレビカメラの前で線路を破壊しているのを捕らえられた抗議行動参加者が、問題の列車ではなく、違う列車を脱線させようとして別の場所にいたと指摘している。
AFPは、抗議行動参加者が、実際それほど鉄道線路を破壊して、その過程で何百人もの生活を危険にさらしていたことは全く否定しようとしていない。
明らかに抗議行動参加者が民間の大量輸送インフラを破壊していて、それで何百という無辜の人々の生活を危険にさらしてるのを見せて、大衆に証拠を提出しているにもかかわらず、それが脱線が起きた特定の場所ではなかったので、AFPは大胆にも、彼らの「事実チェック」の一番始めに、それは「偽だった」と宣言しているのだ。
ワシントン・ポストが、麻痺する「恐れ」と説明しながら、適切なレッテルを貼るの意図的に避け、AFPが歪曲して、弁護しようと試みている鉄道線路の意図的な妨害は「テロ」と呼ばれるものだ。
メリアム・ウェブスター辞書は、「テロリズム」を、特に威圧手段としての「恐怖の組織的使用」と定義している。「テロ」は、脅迫あるいは強要の手段として使用される「暴力」あるいは「暴力の脅威」と定義されている。
だから、Twitterがその「正当性」を維持するのに専念している香港抗議は、テロに関与しているのだ。だから、Twitterは熱心な共犯者だ。
ソーシャル・メディアを装った情報戦争
これは少しも驚くべきでではない。2011年のいわゆる「アラブの春」は、FacebookやGoogleを含む他の巨大ソーシャル・メディアと協調して、アメリカ政府が何年も前から計画していた、不安定化すべく、扇動者を訓練し、装備させ、もし可能であれば、彼らのそれぞれの政府を打倒する地域規模の作戦だった。
これは現在も続いており、多くの国は今、外国のソーシャル・メディアを制限したり、活動を禁止したりして、自身の国内版を作って、対応している。ロシアと中国の二国は、これで大成功し、それで「言論の自由を侵害する」という虚偽の口実で、あらゆる欧米メディアから、絶えることのない批判を受けている。
中国でTwitterが禁止されたのも、ほとんど驚くべきことではない。
言論の自由は、Twitterにとって全く異質な概念なのだから、中国が言論の自由を妨げる方法を探しているという問題ではない。GoogleやyoutubeやFacebookなどの他のソーシャル・メディアと同様、Twitterによっても、大規模粛正が頻繁に行われている。これら巨大ソーシャル・メディアネットワークが代表する既得権益団体が標的に定めている政治的内容を削除するために。
中国の特別行政区、香港を含め中国自身を狙って、特に大衆の認識を操作して、アメリカによって行われる、まさに本物の「情報作戦」の手段として設計され武器化されているプラットホームゆえに、Twitterは、特に中国で禁止されているのだ。
もし「ロシアの影響力」という単なる嫌疑だけで、ある国の内政に対する外国の干渉とされていることを食い止めるため、FacebookやyoutubeやTwitterのようなプラットホーム上で、ネットワーク規模の大規模粛正をすることが可能なら、文字通り、ワシントンに出かけ、アメリカ政府から資金と政治的支援を得ているジョシュア・ウォンや、マーティン・リーや、ジョンソン・イェン・チン- インや、ジミー・レイのような香港抗議行動の指導者たちは、確実に、そうした外国による干渉の公然の例で、Twitterの粛清リストの一番上に置かれるべきだ。
Twitterが、香港に対するアメリカの干渉を暴露し、止めるための行動をとらないだけでなく、積極的にそれを支援し、ほう助している事実は、Twitterが実際は一体何者なのかに関する、あらゆる疑念を消し去り、許すことのできない紛れもない偽善を例証している。ソーシャル・メディアなどではなく、政治手段がソーシャル・メディアのふりをしているのに過ぎない。
この暴露は、何度も何度も、そして最近香港に関し議論の余地なく証明されたが、世界中の国に、自国製代替物を作って、彼らの情報スペースから、TwitterやFacebookやGoogleを規制する上で、ロシアと中国の先例に従うよう奨励するべきなのだ。
Twitterと、香港抗議行動参加者の「正当性」を支持するための最近の粛正は、最終結果として、アメリカ・ソーシャル・メディアは、彼らが中国がそうだと主張するのと同じぐらい、実際はユーザーを粛清し、内容検閲を熱心に望んでいることを証明している。
Tony Cartalucciは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/13/information-warfare-twitter-targets-hong-kong/
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『東京大洪水』を読了。 読み始めたら、止まらなかった。次は『首都水没』と『日本水没』。昨日の東京新聞朝刊、斎藤美奈子氏の『本音のコラム』「防衛と防災」一部をコピーさせていただこう。
19年度の防衛予算は過去最高の5兆2600億円。防災・減災・国土強靱化対策を含む防災関係予算は1兆3500億円、前年度の補正予算をあわせても2兆4000億円だ。防衛予算のたった半分。これ、逆じゅありません?
この記事のすぐ横には 災害時も猛威「自己責任論」。 そもそも、宗主国から無理やり、というか喜んで購入させていただいている兵器、どれほど有効かは、サウジアラビアで今回証明済み。傀儡、自国ではなく、宗主国に奉仕する。
国会中継、大門実紀史議員の質問、音を出して拝聴。答弁は、いつも通りすっからかん。
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