説明責任ある政府の終焉は差し迫っている
2019年10月27日
Paul Craig Roberts
約70年間、CIAは出版・報道の自由を傷つけている。それは対共産主義の冷戦作戦オペレーション・モッキングバードから始まった。CIAはプロパガンダ・ネットワークに、ジャーナリストをリクルートしている。CIAは、偽記事を書いたり、この諜報機関の狙いに役立つよう、言説を支配するため、CIAが書いた記事を掲載したりするようジャーナリストに金を払っている。学生団体や文化団体やEncounterのような知的雑誌が、CIAのプロパガンダ・ネットワークに買収された。ドイツ人ジャーナリスト、ウド・ウルフコッテのおかげで、あらゆる主要なヨーロッパ人ジャーナリストがCIAの手先なのを我々は知っている。1977年、ウォーターゲートで有名なカール・バーンスタインがローリング・ストーン誌で、CIAが「CIA要員に素晴らしい隠れ蓑を提供した英語、外国語両方の多数の外国報道機関、定期刊行物や新聞に密かに資金を出した」と書いた。他のほとんどの人々同様、欧米ジャーナリスト全員、品位を金と引き換えに進んで売り渡した。そうしない少数の人々は服従するよう脅された。
残ったごく少数の正直なジャーナリストは、「主流」あるいは売女マスコミ媒体からインターネット・ウェブサイトへと追放された。ウィキリークスは現代、遥かに最良の報道機関だ。この組織をワシントンに屈伏させるため、属国のスウェーデン、イギリス、エクアドルを使って、何年もの間ウィキリークス創始者ジュリアン・アサンジを迫害してきた。ニューヨーク・タイムズやガーディアンを含むCIAに隷属するメディアは、いずれもウィキリークスに漏らされた資料を掲載したくせに、世界最良、最も正直なジャーナリストの迫害に全身全霊で参加して、アサンジを破滅させるため利用されている。
現在アサンジは、濡れ衣で、アメリカへの犯人引き渡しを待って、最高警備のイギリス刑務所に独房監禁されて、明らかに死に至るような拷問をうけている。CIAが連邦判事全員に偽証させることが確実ではないので、もしアサンジがイギリス刑務所で死んでも、ワシントンは、現在のアメリカ法の下では、彼に対して有効な論拠がないので、十分満足なのだ。アメリカで、法による支配を見いだすのが非常に困難な中、有効な論拠の欠如は重要ではない。
アサンジに対する有効な論拠の欠如が、アサンジ迫害を、スターリン主義者の見せしめ裁判だと著名なドキュメンタリー映画作者ジョン・ピルジャーが言っている理由だ。
CIAによるジュリアン・アサンジ破壊で驚くべきことは、アメリカの法科大学院や弁護士会の沈黙、大学の沈黙、学生団体や労働組合による抗議の欠如、法廷に対するアサンジの権利のあらゆる保護の欠如、政府に、その犯罪の責任をとらせる気力も能力もあるはずの報道機関が、法科大学院、知識人、弁護士会、裁判所や、印刷・TVメディアに丸見えで公然と破壊されていることだ。
言説に対するCIAの支配はジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』中でビッグ・ブラザーが持っている支配力と同じぐらい完全だ。しかも、これをアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、ヨーロッパ国民は苦にしない。ごく少数の人々だけがアサンジのために率直な意見を述べ、次に彼らが悪者にされる。
今や専制政治の時代が欧米を襲っている。
ジュリアン・アサンジの強制送還裁判は見せしめ裁判だ。
ジョン・ピルジャー
http://www.informationclearinghouse.info/52445.htm
初出はこちら。 https://consortiumnews.com/2019/10/25/john-pilger-did-this-happen-in-the-home-of-the-magna-carta/
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/27/the-end-of-accountable-government-is-close-at-hand/
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「謝罪」で済む発言だろうか。
萩生田文科相、受験「身の丈」発言を陳謝 「説明不足だった」
与党幹部による大学教授ツイート「名誉毀損」スラップ訴訟。岩上安身氏に対するあのスラップ訴訟を連想する。岩上安身氏に対するスラップ訴訟や東京電力幹部に対する裁判の到底正気とは思われない判決を考えると、三権統一状態でこそ可能な言論弾圧だろう。スターリン・ソ連時代の異端派に対する見せしめ裁判そのものに思える。
孫崎享氏、岩上氏のインタビューで、「今の体制で出世する方法は、正義の実践ではなく、トップへの忖度なのだから、裁判に公正などありえない。」という趣旨のことをいっておられる。さりとて放置するわけにもゆかないだろう。記憶は定かではないが「狂犬にかまれたようなものです」というようなことをおっしゃった。狂犬でなく「権力の座にある犯罪人」。説明責任ある傀儡政府は既に終焉している。
IWJインタビューに登場されて、新幹線車両基地水没の背景についても語られたまさのあつこ氏、週刊金曜日にも書いておられる。多摩川の問題を解説される様子は「ぶらまさのあつこ」。大本営広報部テレビや新聞、どれだけこうした事実を報じているのだろう。昼の呆導バラエティは全く見ていないのでわからない。夜のニュース番組では、佐野の若いイチゴ農家を支援する農家の皆様の様子が写っていた。今夜は、全体的な治水策についての関良基・拓殖大学教授インタビューを拝聴予定。
日刊IWJガイド「本日午後8時より『岩上安身による 関良基・拓殖大学教授 インタビュー』続編をフルオープン配信!」2019.10.29日号~No.2602号~(2019.10.29 8時00分)
前回のインタビューは下記のもの。
原発訴訟についてのインタビューは下記。
「司法の歴史に汚点を残す判決だ!」福島原発刑事訴訟 東電元経営陣3名「全員無罪」?! 岩上安身による福島原発告訴団弁護士・海渡雄一氏インタビュー 2019.9.28
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