トランプとNYタイムズ、シリアでのアメリカ帝国主義戦争を認める
Finian Cunningham
2019年10月25日
Strategic Culture Foundation
アメリカのドナルド・トランプ大統領とニューヨーク・タイムズ、それぞれが異例にも率直に認めた以上、米軍が本当は何のためシリアに派遣されているか錯覚などあり得ない。シリア政府に対する不法占拠であり、特にこのアラブの国からの石油資源奪取だ。
それに続いて、今週、国防総省がデリゾール付近の油田にエイブラムス戦車や他の重機を配備予定だと報じられている。こうした新配備にまつわる部隊は、トランプ大統領が「帰国する」と言った1,000人程度の兵士を遥かに上回るはずだ。
シリアの油田は、主にイラクと国境を接する東部の州にある。それらの地域は(国の約3分の1)最後に残ったダマスカス政府支配外の領域だ。シリアはほぼ8年の戦争後、国の再建資金のため、油田を取り戻す必要があるのだ。
先週末、トランプはTweetで言った。「アメリカ軍兵士は戦闘地域や停戦地域にはいない。我々は石油を確保した[原文のまま]。兵士たちを国に戻す!」
大統領は、彼が先週トルコと企て、アメリカが同盟者クルド人を見捨て、トルコが北東シリアに対する致命的攻撃を開始する結果となった疑わしい取り引きに言及した。彼のアメリカ部隊撤退に対する、共和党と民主党両方から、軍事専門家や評論家から多くの批判を受けた後、もっともなことだが、トランプは彼の動きを正当化しようとしている。
それ故、彼はイスラム国家(ISあるいはISIS)ジハード・テロ・ネットワークに「100パーセント」勝って、「兵士を帰国させる」ことを自慢しているのだ。後者は「果てしない戦争を終わらせ」、外国への介入からアメリカ兵を帰国させるというトランプの2016年選挙公約の明白な実現だ。
すると「石油を確保する」ことに関するトランプの謎めいた言及は一体何だろう? シリアの資源に関する彼の言及における戦略的なものを示している「石油」と書く際に、大文字Oを使っていることにも注目願いたい。テロと称されるものを打ち破り、兵隊を帰国させるのは、明らかに、話の全体ではない。行間から石油がしみ出ている。
月曜、NYタイムズ報道が、その局面に、より多くの光をあてた。アメリカ諜報機関との深いつながりと、それが発表するほとんど全てで歪曲している痛烈な反トランプ志向を考えれば、タイムズは、明らかに、ほとんど信頼しがたい。それでも、この問題に関して、トランプとNYタイムズが一貫しているように見えるのであれば、彼らの承認が本物であることを示唆している。
東シリアに留まるアメリカ特殊部隊の小分遣隊の約200人に、大統領が承認を与えていると匿名のトランプ政権幹部と国防総省情報筋が言っている言葉をタイムズは引用している。それは全てのアメリカ部隊をシリアから撤退させるというトランプのウソを暴露している。彼が大声でわめき続けているように「兵士を帰国させる」わけではないのだ。
先週末、アフガニスタン訪問途上、マーク・エスパー国防長官も記者団に対し、アメリカ軍がシリアからイラクに移動し、シリア国境近くに止まることを確認した。エスパー国防長官は、米軍は「イラクを防衛し」、ISISの復活を防ぐため派兵されていると述べた。いずれにせよ、それは、ありきたりの公式根拠だ。
だがシリアに残留するアメリカ特殊部隊の問題に関し、NYタイムズはこう報じている。「日曜、イスラム国家と戦い、シリア政府とロシアの軍隊が地域の皆が欲しがる石油を求めて前進するのを阻止するため、約200人のアメリカ軍の小分遣隊を東シリアに配備する新国防総省新計画の賛成にトランプ大統領は傾いていると政権当局幹部が述べた。」
これは驚くべき自認だ。「テロリストとの戦い」など無関係で、アメリカ軍シリア配備の本当の目的は、主に東部の州にあるシリア石油資源を支配するため、アメリカはこれまで5年間、シリアのクルド民兵と協力していたのだ。この提携は建前上「ISISを打倒する」ということになっていた。
アンカラがテロリストと見なしているシリアのクルド人を攻撃するというトルコの要求をトランプが黙認し、クルド人を無頓着に見捨てるのは、クルド人とのワシントンの狙いがISISと戦うこととは実際は全く関係で、シリア領土、特に石油が豊富な東部地域を分割するため、彼らを代理人として使ったことの明確な証明なのだ。
「果てしない戦争を終わらせる」ことに関するトランプの自画自賛は、2020年再選可能性を高めることを狙った、肚黒い口先の決まり文句だ。
大統領は、これまで一年間シリアからアメリカ軍を撤退させると言ってきたのに、戦闘機や推計1,000人がまだ残っている。国防総省は、イラク国境近くの東シリアと南シリアに基地と飛行場を建設した。シリアから撤退する軍隊は隣接するイラクに陣取り、暴動鎮圧作戦を行う体制にあり、望む時にシリア内に襲撃するつもりなのは確実だ。
そのキャンプが、Maghawir al-Thawraとして知られる何千人というジハード過激派戦士の訓練拠点である南シリアのアル・タンフ米軍基地に兵士150人を維持することにトランプは同意した。Maghawir al-Thawraは、国防総省が主張するように、ISISと戦っているわけではない。より正確には、彼らは、ISISやクルド人などの極悪非道な分業にまつわる、アメリカ権益のもう一つの代理に過ぎない。
NTタイムズが報じているように、アル・タンフの戦士は、200人のアメリカ特殊部隊と、おそらく「地域の誰もが欲しがる油田へのシリア政府とロシア軍の進撃を阻止する」べく割り当てられた残りのクルド人傭兵とも連帯することが予想される。
トランプがシリアで「石油を確保する」とほのめかしたとき、これを意味していたのは疑いようがない。その意味で、シリアに駐留するアメリカ軍は、帝国の征服のためだという本当の目的をトランプ大統領とNYタイムズは認めているのだ。
2011年の昔に、アメリカとNATO同盟諸国が密かに開始した戦争から国を再建するため、シリアが石油を支配する必要があるというのは残酷な皮肉だ。今、胸が悪くなるような復讐心で、東シリアの無期限非合法軍事占領を計画して、アメリカは、シリアが復興のため自身の重要な石油資源を利用するのを妨げることに懸命なようだ。
8年間シリアを見つめてきた多くの鋭敏な観察者は、ワシントンの狙いが常に政権転覆であり、対テロという主張は詐欺的口実なのを知っていた。今アメリカ大統領とアメリカ主要新聞が、石油のためのシリア領土の犯罪占領と土地奪取を白状しているのだ。
Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。
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大本営広報部、事実を認めるまいが、こうした帝国主義戦争への参加の第一歩として、宗主国に命じられて、海軍を付近に出動させるのだろう。その一環としての「臭いものに蓋」作戦。LITERA記事がある。
しんゆり映画祭で慰安婦を扱う『主戦場』が上映中止になった理由! 極右論客の訴訟、川崎市が伝えた懸念、あいトリ事件の影響も
北海道開拓、屯田兵と移住された農民の方々によるものと思っていた。そうではないと知ったのは、つい最近。「網走監獄」ウェブも、なかなか詳しい。たとえば、監獄秘話。
74年に起きた佐賀の乱から77年の西南戦争まで、士族による反政府行動で逮捕された国事犯を収容する施設が不足したためだ。さらに内務卿伊藤博文は79年9月17日、太政大臣三条実美に宛て「徒刑・流刑の囚徒の労働力を活用して北海道開拓に当たらせ、出獄後は北海道に安住させ、自立更生せしめる」との伺書を提出。月形が道内を回って適地を定め、全国3番目となる樺戸集治監が建設されたのだった。
太政官大書記官の金子堅太郎が道内巡視の結果をまとめた復命書に添えられた「北海道巡視意見書」にこういう文章がある。(朝日新聞デジタル 集治監、過酷な受刑者労働決めた意見書)
《彼等ハ固ヨリ暴戻ノ悪徒ナレハ、其苦役ニ堪ヘス斃死スルモ、尋常ノ工夫カ妻子ヲ遣シテ骨ヲ山野ニ埋ムルノ惨情ト異ナリ、又今日ノ如ク重罪犯人多クシテ徒ラニ国庫支出ノ監獄費ヲ増加スルノ際ナレハ、囚徒ヲシテ是等必要ノ工事ニ服従セシメ、若シ之ニ堪ヘス斃レ死シテ、其人員ヲ減少スルハ監獄費支出ノ困難ヲ告クル今日ニ於テ万已(ばんや)ム得サル政略ナリ》
*
要約すれば「囚人は悪党であるから、苦役させれば工事費が安く上がり、たとえ死んでも監獄費の節約になる」という乱暴な内容。だがこの復命書が内務省の方針となり、受刑者たちは上川道路(国道12号)建設や幌内炭鉱の採炭作業に使役され、多くの犠牲者を出すことになる。
「現代人は90歳まで働くことになる」という珍説を見て、現代版金子堅太郎登場と納得。金子堅太郎は政府に逆らった政治犯を死ぬまで酷使したが、政商納言は従順な国民全員永久に酷使すると宣言したのだ。金子堅太郎も墓の中で驚いているだろう。
囚人労働についての小説『赤い人』を読み終え、『鎖塚』を読んでいる。タコ部屋という言葉、囚人労働に由来するとは知らなかった。硫黄鉱山や炭坑での囚人労働が廃止された後、だまして採用して、低賃金労働者が酷使される。
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