« アメリカ・パラダイムを粉々にするアメリカの信頼性に関する精密攻撃 | トップページ | 彼らは息子を殺しています ジュリアン・アサンジの父親 痛みと苦しみを語る »

2019年9月27日 (金)

潰されたブレクジット

2019年9月24日
Paul Craig Roberts

 イギリス国民が欧州連合離脱の票決した際、多くのインタビューでもコラムでも、そうはなるまいと思うと私は言った。三年経ったが、そうなっていない。

 何人かの司会者は私がなぜ過半数票に従うイギリス政府の意志を疑うのか不思議に思ったが、イギリス政府にとって、イギリス内外の既得権益集団、特にワシントンの圧力のほうが、イギリス国民の票の過半数より、ずっと影響力があるのが私に明白だった。

 ワシントンはイギリスがEUを離脱するのは、ワシントンの権益にならないという見解をイギリス政府に表明していた。移民推進団体を含め様々な既得権益団体が、ヨーロッパ貿易から除外されれば、イギリスは取り残されてしまうという宣伝攻勢を始めた。国民がEUに加入を拒否した時に使われたのと全く同じ暗い運命の予言が復活させられたのだ。投票結果に従う代わりに、住民はEUに入らないのは死刑宣告だという宣伝を聞かされた。国民がくたびれ果て、自信を失った後、再び投票させられ、「良識」が勝利すると、祝われたのだ。

 言い換えれば、エリートが民主政治に勝ったのだ。

 メイ首相が離脱「交渉をしていた」間、イギリスで、これが三年続いた。取り引きは悲惨なものだった。離脱するのに、イギリスは、第三世界の移民を受け入れ続け、イギリス法に対するEU法の優位を受け入れ、600億ポンドの支払いを要求された。言い換えれば、それは名ばかりの離脱だった。

 それは離脱を阻止し、ブレグジットをくつがえすのに使える状況を作るよう意図された取り引きのように私には思えた。それが今起きたのだ。訴訟手続きが法廷が「不法である」と判定した何世紀もの間使われるという状態で、イギリス最高裁判所の11人の裁判官が介入して、ジョンソン首相と女王による議会の一時閉会を阻止したのだ。

 言い換えれば、ブレグジット反対論者のために、裁判所が政治干渉したのだ。

 イギリスがEUを離脱するのに反対の少数派は、裁判所の決定をジョンソンに辞職を強いるのに使おうとしている。反対派は、議会の5週間の停止は違法だという裁判所裁定を、EU離脱そのものが違法だという議論に融合しようとしている。

 イギリスのウェブサイト、www.spiked - online.comは裁定をこのように見ている。

 「今日の最高裁判決は民主的秩序に対する卑劣な襲撃だ。ボリス・ジョンソンによる議会閉会は違法で、議会は閉会されないという認定で、11人の裁判官は、明らか残留派エリート階級に有利な政治的決定をしたのだ。彼らは一方に加担したのだ。これは政治的決断ではなく、単なる法律上、憲法上の判断だと、全員ロボットのように強く主張する残留派狂信者連中の全く説得力がない弁解は無視しよう。誰もこれには賛成していない。これは選挙で選ばれていない11人の裁判官による、現行政府と敵対する、決定的な政治的行為で、イギリス政治的生活の新しい暗い時代の始まりだ。

 「この裁定は法律にとっても、政治にとっても惨たんたるものだ。法律が、公的な民主的な局面で、彼らが達成し損ねた政治目的を、公然と達成するため、裕福な連中が使うわ政治手段になったことを非常に多くの人々に確信させるから、法律にとって良くない。国全体に、その全員に対し、権力を持った、政治との結び付きが強く、制御]できない新たなエリートの形成を示すので、政治にとって良くない。本当の民主主義を信じる人は、皆恐れるべきだ。デイリー・メイルが民衆の敵のように振る舞ったと裁判官を非難し、残留派支配層は崩壊に向かっている。今、彼らに対する我々のメッセージは明確だ。民衆の敵と呼ばれたくなければ、敵のように振る舞うのをやめることだ。https://www.spiked-online.com/2019/09/24/a-tyranny-of-judges/

 BBC論評の集成は、ここで読める。https://www.bbc.com/news/uk-politics-49810261

 裁判所が民主主義を守ったのか、それとも破壊したのかどうかについて、法的権威の意見は一致しないだろう。

 裁判所は意識的に、EU離脱に投票した人々に不利な裁定をしたのだから、裁判所は民主主義を破壊したと私は言いたい。間違いなく、裁判所は自分たちの権限が議会より上だと主張したのだ。私はこの問題の専門家ではないが、ごく僅かとは言え、私が知る限りでは、イギリス最高裁判所の機能は、議会運営手続きの合法性ではなく、議会が通過させる法律の合憲性あるいは合法性について裁決することのはずだ。

 ブレグジットを三年間引き延ばすため、ワシントンから、メイ前首相が、たんまり金をもらっていても私は驚かない、もしジョンソンによる議会停止が、ブレグジットを潰すのを意図した画策であっても私は驚かない。イギリス首相は、イギリス国民の利益より、ワシントンの権益を巧妙に支持することでたっぷり報酬を得られるのだ。例えば、ワシントンのイラク侵略を可能にして、現在の純資産が7600万ドルのトニー・ブレアをお考え願いたい。

 裁判所は、国民の代表ではなく、説明責任も問われない。もし議会が、ブレグジットに関する戦いに関連する可能性が高い裁判所の判断に道を譲れば、アメリカ憲法を、アメリカ議会が、「対テロ戦争」の犠牲にしたのと全く同様、議会は政治分野の権限を裁判所に譲ってしまうことになる。

 多分これは予想できていたはずだ。立法府が、国民の利益を、既得権益組織の権益の犠牲にすれば、自身の権威を損ない、他の政府部門による自身の権限の略奪に自らをさらすことになるのだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/09/24/brexit-spiked/

----------

 Brexitに関して、彼は投票当時から、再三ふれておられる。下記はその一例。

 投票結果にもかかわらず、イギリスがEUを離脱する可能性は少ない

 Brexit投票

 宗主国・属国の合意とされる、ぼろ負けFTAを見れば、この部分、そのまま。

首相は、国民の利益より、ワシントンの権益を巧妙に支持することでたっぷり報酬を得られるのだ。

 韓国ヘイトや、あいちトリエンナーレや、米日FTAの理不尽さ、「赤旗」はしっかり書いている。大本営広報部の言説とは逆。国連の少女演説をほめているのには同意できないが。

 不平等ではなかった幕末の安政条約 関税障壁20%を認めたアメリカ・ハリスの善意 を読んでいる。

 109ページにこうある。

1863年5月10日、長州藩は下関海峡を通過するアメリカ商船のペンブローク号に砲撃を加え、続く23日にも、フランスの通報艦キャンシャン号を砲撃して水兵四名を殺傷、さらに江戸開府以来の友好国であったオランダ軍艦のメデューサ号にも砲撃して水兵四名を殺傷した。

 114ページにこうある。

かくして日本の貿易条件は、アヘン戦争の敗戦条約である南京条約と同じ水準になってしまった。下関戦争の敗戦は、日本における「アヘン戦争」としての意味をもった戦争であった。

 長州の攘夷派による、列強への愚かなテロのおかげで、関税が5%に引き下げられてしまったのだ。長州過激派こそ民衆の敵。今も、そのまま。

« アメリカ・パラダイムを粉々にするアメリカの信頼性に関する精密攻撃 | トップページ | 彼らは息子を殺しています ジュリアン・アサンジの父親 痛みと苦しみを語る »

アメリカ」カテゴリの記事

NATO」カテゴリの記事

ポール・クレイグ・ロバーツ」カテゴリの記事

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ