アメリカ覇権と混乱の政治
2019年8月1日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook
共同で対処すべき普遍的な問題があるとすれば、それはアメリカ覇権だ。「極端な単独行動主義」というかたちで現れる、アメリカ覇権は、確かに、民主的に選出された政府を打倒し、独裁国を据え、更には戦争まで始めて、何万という無辜の一般人を殺して、世界に対し、人が想像できる以上の損傷をもたらしている。10日でアフガニスタン戦争を終わらせることができるし、アフガニスタンを「地表から消し去る」ことができると言った現職アメリカ大統領トランプはアメリカの典型的な「例外的な過激主義」を反映している。無数の本が、最も破壊的な武器の使用さえ、アフガニスタン人を服従させるのに十分でないと書いているのに、そうした衝動が、最近、アメリカが望むような権益を支援するのに失敗しているのに、アメリカにおいて、覇権と単独行動主義の衝動が、非常に強い状態のままであるのをほとんど否定することはできない。
その覇権的地位は、戦争に決定的に勝ったり、手強い重大な課題に直面したりする上でアメリカの助けになってはいないが、このいわゆる覇権的地位の存続は、世界中での継続的な混乱、すなわち、より多くの対立の煽動、より多くの混乱、より多くの戦争に依存するという事実は変わっていない。これらの戦争は、本国から遥か離れ、特にワシントンの主要な戦略ライバルがいる地域で行われる傾向があるためだ。
最近、中国の外務大臣が欧米の「黒い手」が香港で問題を起こしていると述べた。イラン外務大臣も、ベネズエラ、カラカスでの非同盟運動NAM外相会談での声明でそれに触れた。
「アメリカの極端な単独行動冒険主義の新たな波は、我々のほとんど全員が何らかの形で今直面している最重要の課題だ。それは国際レベルで、法による統治を傷つけ、全世界で、平和と安定を異なった方法で脅かしている。」
現在アメリカ覇権に直面する最前線にいて、この「非常に極端な単独行動主義」が、湾岸で新たな戦争を燃え上で実権を支配しているのだから、イランがそう言うのは正しい。アメリカは最初、ペルシャ湾で石油タンカーに対する攻撃を仕組み、それをイランにせいにすることで、それをしようとした。今アメリカは、イギリスとイランの間に対立のシナリオを作成することで、より多くの圧力をかけようとしている。
例えば、最近のジブラルタル湾岸におけるイギリス当局によるイラン船拿捕は、イギリスとジブラルタル当局が、アメリカ以外誰にも提供され得ない「諜報情報」に頼って行動していたかを示している。彼らがどの特定の国にも言及せず、情報源を特定しなかったが、イギリスとジブラルタル当局いずれもこの情報を明らかにすることを望んでいなかったのは明確だ。
BBC報道が「諜報情報はアメリカからのものだ」と言った。スペインのジョセップ・ボレル外務大臣は、7月4日にイギリスの拿捕は「アメリカからイギリスへの要求」に従っていたと発言した。7月19日、ロイターは「アメリカがイギリスに船を拿捕するよう求めたと外交筋が語った」と報じた。
没収のさらなる調査で、2月に、パナマ海事庁(AMP)が59隻のイランに関連がある船をその登記所、ShareAmericaから除籍していたが、5月に航行を始めた際、拿捕されたイラン船グレイス1は、まだパナマ船籍を持っていたことが明らかになった。イラン船は、航行を始めた後に除籍され、拿捕されやすくなっていたのだ。イラン船の拿捕が、まだイギリスのジブラルタル領海外にいるうちに起きたことは、その狙いが、船を拿捕して、イランとイギリス間に危機を引き起こし、イランの「脅迫的な行動」に対し、イギリスにアメリカを支援させるようにすることだったことを示している。
極めて重要なことに、パナマ国家安全保障会議も、問題のタンカーは「いくつかの政権に対する、テロ集団に率いられた不安定化行動を支援するテロ資金調達に参加しているかもしれない」と主張し、テヘランに対する声明を出していた。
これら主張の背後には実質がなく、今まで、それらを支持するために証拠が提供されておらず、有意義な議論をすることは、結局、この挑発の目的ではなかった。目的は、イランを壁際に追い詰め、イランが報復的行動をとるよう強いることができる状態を作ることだった。イランによるイギリス船拿捕は、まさにこの話の続きだ。
こうして危機を作り上げることにより、アメリカは、そのパートナー、イギリスを、イランに対する銃撃戦に向けて操って陥れ、混乱を引き起こして、覇権を維持する措置をとっているのだ。もしアメリカが、イギリスにイラン船を奪うよう「助言して」いなかったら、ロンドンはおそらく決して、そうしなかっただろう。同様に、もしアメリカがパナマ当局にイラン船をリストから除籍するよう「助言して」いなかったなら、この事件は決して起きてはいなかっただろう。アメリカの「黒い手」は、アメリカ-イランの膠着状態を、多数の当事国との、より広範な対立に変換するよう活動しているのだ。だから、ロシアと中国の両国が、多極世界を確立する彼らの取り組みを断固続けているのに何の不思議があるだろう?
Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題の専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/08/01/the-us-hegemony-and-the-politics-of-chaos/
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今日の孫崎享氏のメルマガ題名をコピーさせていただこう。
トランプ中国からのほぼすべての輸入品に関税かける措置に。米国はノートパソコンやゲ ーム機は輸入の9割強を中国に依存、スマートフォンも中国製品。関税引き上げは消費者 を直撃する。来年の大統領選に向けて対中強硬姿勢をアピールした方が得策との判断。
昨夜は放送大学高橋和夫名誉教授インタビューを拝聴。
後で下記を見る予定。
※「安倍総理がトランプ・米大統領の親書をイランに持って行って突き返された」という一部報道を外務省が完全否定するも、防衛省はホルムズ海峡への自衛隊派遣の法的根拠は明言せず ~ホルムズ海峡有志連合問題 野党合同ヒアリング ―外務省、防衛省、内閣官房、経済産業省よりヒアリング 2019.8.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/454776
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