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2019年8月

2019年8月31日 (土)

アメリカ経済を復活させるのは可能だろうか?

2019年8月26日
Paul Craig Roberts

 トランプがアメリカ企業に中国から出て、企業が放棄したアメリカ労働者に雇用を戻すよう命じたことに対し、読者から功績を認められて私は驚いている。アメリカ経済学者や、経済マスコミやワシントン政策当局は、グローバリズムとアメリカの雇用と技術を海外移転することに関する私のアメリカ景気悪化の分析に一度も注意を払ったことがなかったし、読者もそうだろうと私は思っていた。多くの読者が、経済学は彼らの理解を超えると言ってこられる。私の経済記事は、このウェブサイトで一番読まれていない。

 遥か遠くイランのPress TVを含め外国メディアが、ホワイトハウスに対する私の影響について、すぐさまインタビューを求めて私に連絡を取った時、私はまたもや驚いた。その全ては一体何を意味しているのだろう?

 第一に、誰かがトランプに私の最新コラムを見せて ( https://www.paulcraigroberts.org/2019/08/21/what-globalism-did-was-to-transfer-the-us-economy-to-china/ )、それでスイッチが入った可能性があると私は言いたい。だがトランプが企業に国に戻るよう命じたのは、彼の恫喝の単なるエスカレーションであり、彼の理解ではなく、アメリカ人のための良い仕事がないことや、彼らの実収入の下落を修正するための関税の無力さを反映している可能性もある。

 だが、ホワイトハウスで灯がついて、海外移転された雇用を元々所属しているアメリカに呼び戻す上で、どのように進むべきかトランプが示されたかもしれない場合、私はこの問題に対処したい。少なくとも、おそらく、かなり将来、経済思想の歴史家が、ポール・クレイグ・ロバーツとマイケル・ハドソンだけがアメリカ経済大国の崩壊について分かっていたと書くだろう。

 先に進む前に、要約しておこう。ソ連が不意に突然崩壊したとき、中国とインドは社会主義を断念し、欧米資本に彼らの経済を開いた。レーガンが自身否定していた目標である冷戦に勝ったためにロシアが崩壊したのではなく、共産党指導部の強硬路線分子が、アメリカを信頼する上で、ゴルバチョフが不注意で、ソ連帝国から余りにぞんざいに手を引くことを心配していたためだ。ロシアを領土侵略から守った帝国の解体を止めるため、強硬路線の共産党員がゴルバチョフ大統領を自宅拘禁した。これが崩壊を開始させ、ワシントン操り人形エリツィンを支配の座につけ、ワシントンがソ連を解体し、イスラエルと共に、ロシアの資源を盗むことになったのだ。

 最大の人口を持つ国のインドと中国が至った結論は、社会主義は崩壊に至るが、資本主義が富に至るということだった。世界で人口最大の二国の巨大な不完全就業労働力が、初めて外国による搾取に利用可能になったのだ。労働市場には、巨大な過剰供給労働が存在していたから、労働力は搾取された、すなわち生産への寄与以下しか支払われなかった。労働の供給過剰は、労働力は、企業の収益に貢献したよりずっと安く雇用されることを意味する。

 企業CEOや重役やウォール街は、利益を増やすこの機会に気が付いた。最初に中国に急入った企業は失望し、機会は見かけほど良くなかったという言葉が出た。だが中国は海外生産を儲かる事業にしようと努力し、製造業雇用が群れをなしてアメリカを去った。結果はアメリカ中産階級と、それによる州や市の課税基盤の減少だった。アメリカは繁栄を止めたが、経済的な損傷は、インフレーションや雇用やGDP成長のニセ報告と、資産の価格と不動産を支えた極めて大量の金の連邦準備銀行印刷で隠蔽された。

 傷を隠すことが困難になった時、中国はアメリカに余りに多くを輸出して、アメリカ労働者を傷つけたとして非難された。中国を非難する人々は、アップル・コンピュータやiPhoneや、ナイキの靴やリーバイ・ストラウスジーンズなどで構成される中国からの輸入の割合を見ようとはしなかった。アメリカ企業の海外生産は輸入の大きい割合を占めている。彼らが売るためにアメリカに戻る時、アメリカ企業の海外生産された商品やサービスは輸入として扱われる。

 言い換えれば「中国製品輸入問題」は実際は、アメリカ企業の生産がもはや商品やサービスの生産に関与していない、従って彼らが購入したものの生産から収入を得ていないアメリカ人に売るために持ち帰った海外生産品なのだ。対照的に、海外生産する企業の株主は金がうなるほどある。

 インドはどこででも行うことができ、生産物はインターネットで送ることが可能なアメリカITやソフトウェア・エンジニアリング仕事を受けることで利益を得た。インドの教育と英語力が、アメリカ・ハイテク企業がアメリカ大学出身者を避けるため、労働ビザを活用するのを容易にした。

 最後に四半世紀後に結果として生じたものは、アメリカの製造と産業を支えたサプライチェーンと労働力の解体だった。かつて栄えた工場や工業団地は閉鎖され、潰される走りかコンドミニアムやアパートに換えられた。トランプがアメリカ企業をアメリカに戻すことができたら、それらはどこに行くのだろう?

 海外移転時代は、六カ月の景気後退では済まなかった。それは、熟練した経験豊かな労働者が年を取って、亡くなり、新しい参加者が誰も技能や労働規律を習得しない年月だった。現在、中国は完全に発展した製造・産業経済だ。アメリカはそうではない。

 アメリカ企業が国内に戻るためには、彼らはアメリカの開発半ば、あるいは未開発経済のために、中国の発展した経済を離れなければならない。もし彼らが突然これをするよう強制されれば、彼らは、製造と工業大国としてのアメリカをよみがえらせるために必要な、生産設備、労働力、サプライチェーンや輸送システムを再生できる前に、中国での彼らの生産を失うのだ。雇用統計を見れば、アメリカが製造と産業の仕事を生み出していたのは、何年も昔のことなのがわかる。

 四半期世紀にわたる、資本主義のアメリカ労働力からの逃避が、アメリカを、雇用が主に低賃金の国内サービス職から成り立つ国、半世紀前のインドに似たものにしてしまっている。暮らしてゆける賃金の仕事が欠如していることが、非常に多くの24-34歳のアメリカ人が独立した暮らしができず、親や祖父母と一緒に家に住んでいる理由だ。それは大学出身者が学生ローンを返済できず、負債奴隷に変えられている理由だ。

 これがアメリカ企業を中国からアメリカに戻すために、トランプがしなければならないことなのだ。移行は緩やかでなければならない。彼らがアメリカで生産するための必要条件を再現することができるよう、企業は中国に海外移転した生産を段階的に減らせるだけだ。この過程は、結果的に、未開発の経済に、開発をもたらすようなものだ。

 トランプ、すなわちアメリカ政府は、企業収入が負担をかけられる方法を変えることにより、コストがアメリカ人労働でアメリカ市場のために再び生産することに関連する彼らの労働(や規制や義務などの)コストの大幅増加に対し、企業に支払いをしなければならないだろう。国内市場のために、国内労働で生産する企業は、より低い税率になるだろう。アメリカ市場のために外国人労働者で、外国で生産する企業はより高い税率になるだろう。税率の差は、人件費の差を相殺するように算出可能だ。外国での販売のために外国で生産する企業は影響を受けないだろう。

 もし彼らがアメリカで製造するための条件を再構築できる前に、アメリカ企業に中国から出るようトランプが命じれば、企業は売上高と収入がなくなり、潰れるだろう。

 トランプがアメリカ企業に中国を去って、国に戻ることを命じることができるか否かについて、疑問がおきる。トランプの命令は、単なる美辞麗句であるかもしれない二つの理由がある。一つは、企業は、低コストの労働力から生ずる彼らの既存の利益に満足していて、コスト節減を失うつもりがないことだ。あらゆる国で活動している、アメリカのグローバル企業は、アメリカ選挙に干渉する富を持っている。もしトランプがグローバル企業に反対して動けば、彼は他グローバル企業から選挙運動資金を受け取れないだろう。その代わり、彼の競争相手が受け取るだろう。

 トランプは海外移転取り引きは、アメリカ国民ではなく、企業だけのためにうまく機能していると主張することができる。「自由市場」主義の経済学者は、海外生産された仕事には、より良い仕事が置き換わり、海外移転で失われた賃金の損失を上回る値下げで、アメリカ消費者により多く割り戻すと保証した。そうはならなかった。読者の誰が、ナイキの靴、リーバイジーンズ、アップルコンピュータやiPhoneの値下げを経験しただろうか? 企業は自由市場の約束を果たさなかった。彼らはコストは下げたが、価格を維持した。より良い仕事の一つたりとも実現しなかった。企業を守勢に立たせるには、トランプはこれらの主張が必要だろう。

 二番目の理由は、トランプがアメリカ企業に中国を去って、何であれ残されたアメリカ労働力に戻ることを命じる権限は何もないと主張されていることだ。一時、これはおそらく、その通りだった。1952年、トルーマン大統領が、朝鮮戦争中に鉄鋼生産を止めるストライキを防ぐために、アメリカの鉄鋼産業を国有化した。最高裁判所はトルーマン敗訴と裁定した。だが今日クリントン、ジョージ・W・ブッシュとオバマ政権による大統領職への異常な権力集中と、「対テロ戦争」と戦うため議会によってと行政部に与えられた後、今大統領は政令によって裁定することができる。

 トランプは1977年の国際緊急経済権限法を、アメリカ企業を中国から、アメリカに戻るよう命令する権限を彼に与えている法律として引用した。彼は多くの追加権限を持っている。人身保護令に違反して、法廷に提出された証拠がないアメリカ市民を無期限拘留する権限を持っており、適法手続きなしに、嫌疑だけでアメリカ市民の死刑執行を命ずることができる大統領は、欲するものは何でも命ずることができるのだ。

 ジョージ・W・ブッシュ時代の共和党とオバマ時代の民主党に作り出された権力に基づいて、トランプ大統領は、アメリカの雇用を奪い第三世界諸国の地位にアメリカを引き下げるべく、彼らが中国と共謀しているという理由で、生産を海外移転した企業のCEOと理事会を逮捕する権限を持っている。トランプがロシアとの関係を正常化するのを阻止するために使われたばかばかしいロシアゲート物語より遥かに良い論証がこのために可能だ。

 闇の国家の支援を彼が確実に得られるようにするには、トランプは、アメリカが製造と産業能力を再確立できなければ、世界の覇者として留まるのに必要な兵器システムを生産し続けることができないことをアメリカ軍安保複合体に想起させるだけで良い。新刊、The Real Revolution in Military Affairs(本当の軍事革命)(https://www.claritypress.com/product/the-real-revolution-in-military-affairs/)で、アンドレイ・マルチャノフは、決定的な兵器システムと軍隊の統合で、アメリカは完全にロシアに、いくつかの点では中国にも水をあけられていることを証明している。実際、通常戦争で、アメリカがイランを破ることができるかどうか明確ではない。アメリカ兵器システムの多くの部分は外国で製造されており、それは戦時には供給問題を引き起こす。

 闇の国家の支持があれば、トランプは企業に国に戻るよう命じることができる。

 長年ジョン・ホワイトヘッドと私はワシントンが独裁を生み出しつつあることを強調してきた。もし闇の国家がトランプ側ならば、彼は選挙なしで済む、反対派もない独裁者になれる。誤解のないように言えば、トランプがそうできるのみならず、未来のどの大統領でもそうできるのだ。唯一の問題は、一体誰が目標かだ。白人だろうか? 自身の利益のためアメリカを破壊した海外移転した企業だろうか? ロシアか? 中国か? イランか?

 私は決して前後の見境を無くしているわけではない。皆様のために、我々が今目にして、暮らしていることの帰結的意味を既知のことから推定して申し上げている。強欲に突き動かされるアメリカ企業に仕事と生計を取りあげられ、まだ存在している低賃金仕事の賃金を更に引き下げる無限の不法入国者に直面しているアメリカ人に選出されたアメリカ大統領が、ロナルド・レーガンのように、地球上の全ての生命を破壊する核戦争の可能性を減らすためロシアに対して平和的意図を宣言したアメリカ大統領が、攻撃を受けている大統領なのだ。

 アメリカの雇用を復活させ、核戦争の脅迫を減らそうと望む大統領が、なぜアメリカ売女メディアや、リベラル派/革新主義者/左翼や、民主党や、他の何百万という絶望的なアメリカ人に、それほど激しく反対されるのだろう? トランプに対するこのようなばかばかしい攻撃が可能となった唯一の理由は軍安保複合体が連中の背後にあったからだ。さもなければ、過去四半世紀にわたり、大統領職に集積でされたあらゆる権力を持つ大統領は、対抗勢力を逮捕し、無期限勾留できたはずなのだ。北部の侵略戦争(南北戦争)中、リンカーン大統領さえ、300人の北の新聞編集者にそうすることができた。リンカーンは南部連合国へのリンカーン侵略に批判的なアメリカ連邦議会議員を追放さえした。

 アメリカが世界強国のままでいるつもりなら、製造と産業能力を復活させる必要があるという点においてトランプは正しい。アメリカが、それが認めた途方もない数の第三世界の人々を吸収するつもりなら、中産階級の仕事と昇進の梯子を復活させる必要がある。

 トランプが進むべき道は、企業に彼らが、消費者購買力を破壊し、それにより自分たちの長期的売り上げ破壊するという犠牲を払って、短期的に自分たちの利益を膨張させていると説明することだ。実収入が上昇していないアメリカ人には、アメリカ企業に収入を与える商品やサービスを購入する自由裁量の購買力が無いのだ。もちろんCEOや重役は長期的には、そこにおらず、気にかけないかもしれない。だが大統領は、それを愛国心の問題にして、彼らを困難な立場に追い込むことができるかも知れない。

 次に、企業が課税される方法を変え、アメリカで製造を復活させるために必要な条件を再現するため、トランプは企業と協力する必要がある。これは単純な課題ではない。それには対立ではなく、協力が必要だ。

 その間、移民を吸収する経済がないのだから、移住は保留せねばならず、ワシントンは戦争を止める必要がある。戦争に関連する費用や負債やリスクは、利益よりはるかに大きい。もしアメリカが針路を反転しなければ、未開発国になり下がるだろう。これは我々にとって、独裁者とされる連中や中東テロリストを支援する国々とされるものより遥かに大きな脅威だ。

 Press TVでの私の8分44秒インタビューがここにある。
https://www.presstv.com/Detail/2019/08/24/604362/Trump-US-China-trade-war-Paul-Craig-Roberts?fbclid=IwAR01gfNoDWVKxmTftqg_kyu2-O5cLIXEZ5kLrsDrY-xQJCUbtZ8K82PlSyQ

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/08/26/can-the-american-economy-be-resurrected/

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 『芳ちゃんのブログ』が同じ筆者の別の経済関係記事を翻訳しておられる。

米国の資本主義は略奪で成り立っている

 元政治家タレントが、番組中で韓国人教授を罵倒したり、大学教授が来日韓国人に暴力をふるえとあおったりする昼の白痴製造番組、見ていない が、ひどいもの。政府に批判的な言動をすると排除されるが、政府寄りの扇動・暴言をする連中なら許される大本営広報部の現状。「共犯者たち」そのもの。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

日本は韓国に対して徴用工問題の制裁として輸出管理の運用を見直し。ホワイト国から韓国排除。韓国議会全会一致で撤回要求。反日高まる。影響韓国市場で自動車、ビールなど減。 更に観光客激減。ホテル、飲食、運輸等に影響。政府はこの影響を想定したか。又想定外!!。

 徴用工問題「完全かつ最終的に解決された」との立場に固執していても事態はよくならないことを指摘しておられる。

 香港情勢も気になる。

日刊IWJガイド・土曜版「中国、『逃亡犯条例』改正案をめぐる今日31日のデモを前に香港に人民解放軍を送る! 威嚇か、それとも軍事力による制圧か!? 香港の活動家と米国領事との密会も明らかに!」2019.8.31日号~No.2543号~(2019.8.31 8時00分)

 

2019年8月30日 (金)

イスラエルはレバノンとシリアを攻撃した それが何だろう?

2019年8月26日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 2019年8月25日イスラエルはレバノンを攻撃した。イスラエルはまたしでかしたの。

 イスラエルがシリアを攻撃したのと同じ夜に。

 RTが同日報じた。

「イスラエル無人機飛行は「レバノン主権に対するあからさまな攻撃」で、2006年のイスラエル-レバノン戦争を終わらせた国連決議1701に対する襲撃だと、日曜日、ベイルートでの二件のイスラエルUAV事件に関する報道の数時間後にハリリが述べた。

 ハリリはドローン侵略を「地域の安定への脅威で緊張を高める企み」と呼んだ。

彼はベイルートと郊外の領空には大量の飛行機がいると言い、「新たな侵略」に対して何ができるかについて、ミシェル・アーウン・レバノン人大統領と相談するつもりだと付け加えた

 だから何だろう? 我々はこれまで本当に、実に何度も「おなじこと」があった。

 ハリリ首相は腹を立てているが、彼はこの地域におけるアメリカとサウジアラビアの親密な同盟者の一人人だ。実際、彼はサウジアラビア国民だ。彼はイスラエルと戦争をするような何かをしようとしているだろうか? 決してない。

 彼は実際何かすることができるだろうか? たとえ彼がそうしようと望んだとしても何もできない。事実上、彼は全く何もすることができないというのが真実だ。彼も、レバノンのアーウン大統領も、レバノン軍隊でさえ。レバノンは、どのようなイスラエル攻撃も撃退する手段を持っていない。全く何もなし! レバノン空軍は、改造セスナ、古いヘリコプターや、何機かのA-29スーパーツカノ軽攻撃機などの、いくつかの飛ぶおもちゃで構成される、おそまつなものだ。それでは、世界でも最強でよく訓練された軍隊の一つ、ユダヤ国家の軍隊を怖がらせることは到底できない。

 苦く不愉快な真実は、イスラエルが、基本的に、少なくとも、世界のこの地域では、切望している何でもできることだ。

 わずか数日前、私は再びあえてベイルートから、はるばるナコウラまで下り、更に(国際連合に「守られた」)ブルーライン沿いに、東にKfarkelaまでドライブした。

 今、中東で最も美しい風景の一つに傷跡を残している不快なイスラエルの壁は、国境沿いに、ほとんど完成していた。一年前、レバノン政府は、それはほとんど戦争行為だと呼んで抗議した。イスラエルは気にかけなかった。いつもの通り、彼らは欲することをした。彼らは国境に向かって、あるいはより正確には、少なくとも何度か、国境を越えた。そしてレバノン兵と国連要員の目の前で連中の巨大コンクリート怪物を作った。「それで、お前たちは何をするつもりだ?」と壁は発音はせずに、ほぼそう言っていた。

UNF

 誰も何の報復もしなかった。ゼロだ! 今国連レバノン暫定軍のインドネシア兵士たちが、装甲車両に寄りかかって、ブルーラインの真正面で自撮り写真をとっており、他方ヒズボラ旗が、イスラエルからほんの数メートル離れたところではためいている。このすべてのホラー番組は、イスラエルに占領されているシリア領土のゴラン高原から、わずか約10キロでのことだ。人はここから容易にゴラン高原を見ることができる。数年前、私はゴラン高原にいた。私は悪事を証明する記事を書くため、私自身をそこに「密輸入した」。私はそこで学び、今私は益々多くの裏付けを得ている。イスラエルは、地域全体を破壊し、断片化する壁を構築する本当に偉大な専門家だ!

 だが、当時も今も、何も連中を止められない!

 イスラエルが何を爆撃しようとも、おとがめを受けず、誰もあえて介入しない。

 今日爆発物満載のイスラエル無人機がレバノンに飛んだ時、国連の戦艦がベイルートの港でドックに入っていた。爆撃が(私がおよそ二年前に訪れた)ヒズボラのメディアセンターに損害を与え、シーア派地区を揺り動かした後、戦艦はレバノンを守るため出航するなどは言うまでもなく、彼らの位置さえ変えなかった!

 するとこれら戦艦はなぜそこにいるのだろう? 誰も知らない。明らかに誰も尋ねない。

 ここでは、いつもそうなだ。私はヒズボラ地域にドライブする。私設検問所がある。私はその写真を撮る。彼らは私を止める。機関銃を持った巨大な男が私の道をふさぐ。私は自動車から飛び出し、手を合わせる。「あなたは私を逮捕したいのか?」 彼は心もとなくなる。私は彼を無視する。私は運転して去る。私は腹を立てる。この体格と兵器で、イスラエル人と連中の絶えざる侵略と戦えば良いではないか?

 私の友人で特定されることを望まない湾岸出身の国連当局幹部が苦々しそうに私に言った。

 「何の非難もありません。国際連合と欧米は完全に沈黙しています。」

 彼の国が攻撃された際、ハリリは抗議しなければならないと感じている。だが彼は本当に憤激しているだろうか? とんでもない。彼はシリアを憎んでおり、ヒズボラを憎んでいる。

 レバノンは、少数の象徴的な料理、おいしい料理によって結び付いているだけだ。政治によってではない。

 レバノンは自衛する準備ができているだろうか? 全くない。金持ち連中は穴だらけの道路で、マフラーなしでヨーロッパの自動車でレースをするか、様々な五つ星のモールで脚を見せるのに多忙だ。

 貧しいレバノンの人々はどうでも良いのだ。彼らは存在していない。ほとんど何の権利もなしで、不快なキャンプですし詰め状態で束縛されて、生きて、死ぬパレスチナ人は全くどうでも良いのだ。これが何十年も続いている。

 レバノンのキリスト教徒の多くが、実際密かにイスラエルに声援を送っている。あるいはそれほど密かにではなく。彼らは欧米の全てにおおいに夢中になっているので、彼らが何度か私に話したように、彼らは再びフランスに植民地化されるのが望みだろう。

 レバノンは人種、宗教、社会的地位によって非常に断片化されているので自立できない。トルコの発電所がエネルギーを供給している。インフラは崩壊している。ゴミがいたるところにある。身勝手な汚職が全てを消耗している。だが自己顕示や見せびらかしは決して止まらない。金は、もっぱら快楽主義のクラブと、ニース滞在のためにある。ヒズボラは、全てのレバノン人の福祉を気にかける唯一の団体だ。外国の干渉から国を守る準備ができている唯一の勢力だ。イスラエルと欧米はそれを知っている。そして彼らはヒズボラを破滅させるため、連中ができるあらゆることをしている。

 レバノンは地域の物笑いの種になている。このように、地球最強の軍の一つと直面することは非常に困難だ。

***

 レバノンが攻撃されるわずか数時間前、イスラエルは空軍がシリアでシーア派市民軍とイランの標的を攻撃したことを認めた。イスラエルは、イスラエル領域での攻撃を実行するためクッズ部隊が準備した「殺人ドローン」を破壊したと宣言した。

 イスラエルは「自衛」で全てを正当化する。どんな法外な攻撃も、どんな爆撃も常に「防衛」だ。世界は今やそれに慣れている。世界はそれを止めるために何もしていない。

 人々が死ぬ。多くの人が死ぬ。毎年。それで「イスラエル市民は安全でいられる」。それで、欧米とその同盟諸国は、この地域を無期限に支配できる。

 8月25日、ヒズボラ議長のハサン・ナスルッラーフは中東で進行中の状況は「非常に、非常に危険だ」と述べた。

「アメリカはイラクで、ダーイシュを復活させようとしている。アメリカ・ヘリコプターがアフガニスタンでダーイシュを救助している」

 彼はレバノンに対する攻撃について語った。

「夜明けに郊外に入った無人機は軍用機だ。最初の航空機は標的の正確な状況を把握するため低高度で飛ぶ偵察機だった。我々は飛行機を撃墜しなかったが、それが墜落する前に、一部の若者がそれに石を投げつけた。昨夜起きたのは、ベイルート南郊外の標的に対する無人機の自爆攻撃だった。もし彼がこの問題が注目されずに済むと思っているなら、ネタニヤフは間違っている。もしこの事件が対処されなければ、レバノンは非常に危険な状況に直面するだろう。夜明けの自爆攻撃は、2006年8月14日以来、最初の侵略行為だ。レバノン国家が起きたことを非難し、安全保障理事会に問題を照会したのは良いが、これらの措置は、とられるべき行動の針路を阻止しない。2000年以来、我々は多くの理由でイスラエルのドローンを許してきたが、誰も動かなかった。レバノンに侵入するイスラエル・ドローンは、もはや情報収集ではなく、暗殺のためだ。今後、彼らがレバノン領空に入れば、我々はイスラエル・ドローンに対決し、彼らを撃墜すべく活動する。イスラエル人よ、ネタニヤフはあなた方の血を流して戦っているのだ。」

 欧米とその同盟国は、中東いたる所の緊張をエスカレートさせている。一部が「戦争は可能だ」と言う。他の人たちは「戦争は差し迫っている」と言う。だがそれは単なる可能性ではない。戦争は行われている。至るところで。アフガニスタンやシリア、イエメンやイラクで。あなたが見る所どこでも! レバノンでさえ。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/08/26/israel-has-attacked-lebanon-and-syria-so-what/

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 昨日、あとがきでふれた、ブログ『世に倦む日日』浅井基文の反論と論破 - これぞ日本の国際政治学の知性と良識で引用されている浅井基文氏の文章、下記記事だと読者の方からご教示頂いた。

 浅井基文氏のブログ『21世紀の日本と国際社会』の2019.8.25.記事だ。

「引きこもり国家」へと進む日本(ハンギョレ文章)

 いくらまともな元外交官がおられても、この劣等、裁判所も異常。政府と一緒になってあおっている。

 日刊IWJガイド、はじめに、として、この記事がある。

日韓関係が泥沼化する中、朝鮮学校無償化裁判で最高裁が一、二審判決を支持し、朝鮮学校を無償化から除外することを「適法」とする判決を下す! 一方、新聞・テレビ・雑誌などの既存マスメディアは事実を隠して嫌韓感情を煽り立て!/本日午後8時より「【シリーズ特集・日韓関係悪化の起源 ―徴用工・従軍慰安婦・植民地の記憶】関東大震災での朝鮮人虐殺は偶然ではない!王妃暗殺、日清・日露戦争を経て朝鮮を支配した近代日本の〈成功〉体験がさらなる暴力を生んだ!? ~岩上安身による明治大学・山田朗教授にインタビュー 前編」を再配信! 歴史的経緯がわからなければ、今日の日韓対立の理由もわかりません!

 

2019年8月29日 (木)

ベネズエラ反政府派のボスと同盟者は誰だろう?

クロドバルド・エルナンデス
2019年8月27日
オリノコ・トリビューン

 ベネズエラ反政府派のボスと同盟者は世界の誰だろう? それは非常に示唆に富む情報なので、我々は頻繁に繰り返してこの質問をするべきだ。政治では、格言が言う通り、人はつきあう仲間によってわかる。

 政敵と支援者を詳細に識別することが不可欠なので、チャベス主義者はこの質問をするべきだ。だが彼らの多くが、善意から、自分の死刑執行人を支持していることがあり得るので、反政府派自身によっても問われるべきだ。双方にうんざりしていて、政治に無関心とされる無党派の人々も、この質問をすべきだ。2019年のベネズエラのように状況がこれほど深刻な状態では、これを避ける手はない。

 ではボスから始めよう。多分これはパンフレットの文句のように聞こえるだろうが、これは観察可能な事実だ。ベネズエラの反政府派は、アメリカ共和党中の急進右翼に率いられており、これは些細なことではない。政治的に言って、ドナルド・トランプと彼の仲間は超保守派で、白人至上主義で、言葉の厳密な意味での帝国主義者だ。経済的観点からは、彼らは大企業の道具だ。最近財政的にも、文化的にもメディアとつながっている軍産複合体の。

 このような政治エリートが、ベネズエラ現地の同じような連中や、彼らのようになることを望む連中から称賛と服従で見られるのは理解できる。これはベネズエラの伝統的極右指導部が、彼らを正当な基準点として使用している理由だ。まさにアメリカが作ったイデオロギー学校で仕込まれた集団が、それほど公然と手先として、アメリカ支配エリートの現地代理人役を果たすことで、自分の正当性が認められると感じるのも理解可能だ。

 中産階級部門が、それほどやみくもに、このような取りまき連中(その中には、エリオット・エイブラムスやジョン・ボルトンやマイク・ポンペオのような大量殺人者や精神病質者がいる)が民主主義と人権の見本と見なせると信じることも理解可能かもしれない。 資本主義が長年、容赦ない文化的、教育的、メディア覇権を築いたので、それは理解可能かもしれない。近頃資本主義は、そこでも、その考えを強いるため、ソーシャル・メディアを支配している。トランプがアメリカ大統領で、ヤイル・ボルソナーロがブラジル大統領であるという事実が、このようなサイバー・プロジェクトの明確な証拠だ。

 本当に現状を解析して、一体何が危機にあるかを知りたいと望むベネズエラ人は、トランプと彼の一団は一体誰かを、ほんの少し研究してから、以下を自問できる。彼らのような連中が我々の権利を気に掛けるだろうか? 彼の国と南の隣国間に壁を建設したいと望む男、親を子供たちから切り離して、刑務所の檻に入れる男が、自分たちの裏庭と見ている場所で暮らしている、これほど人種的に入り混ざった熱帯の人々を彼が心配していると信じるべき理由などあるだろうか?

 彼らの同盟者に移ろう。コロンビアには、麻薬取り引きと民兵組織に深くはまり込んでいて、最近署名された協定を撤回し、社会指導者を殺害しながら、自分たちが実際にしている全ての罪を、常にベネズエラ政府のせいにして非難し、国境の向こう側を指し示す支配階級がいる。コロンビアでベネズエラの反政府派の友人たちと会った後、彼らがベネズエラの本当の友人だと思うベネズエラ人全員、彼らの支持を表明するという瞬間には、少なくとも注意深くあるべきだ。

 他の国境を見ると、ほかならぬボルソナーロ政権がある。これは、比較すれば、トランプさえ穏健に思われるような恐竜だ。この政府は余りに反動的で、女性家族人権相臣は、肌着をつけないから、貧しい少女たちがレイプされると言う。ここでご自身の結論を出して頂きたいが、この連中がベネズエラ反政府派の友人たちであることを想起願いたい。

 我々は国毎に分析できるが、手短にするため、最近8月11日に行われた大統領予備選挙の結果にさらされたアルゼンチンを見るべく、痛ましいリマ・グループは丸ごとスキップしよう。

 この南の国の場合、国民に社会主義、あるいは少なくとも、多少社会主義的な政府を放棄するよう説得しようとしてグローバル覇権主義資本主義がした偽りの約束について振り返るだけで十分だ。彼らは魅力的な約束をしておいて、どのようにやるべきか知っている唯一のことをする結果になった。既に金持ちの連中を更に金持ちにし、既に排除されている多数の人々を一層多く排除したのだ。

 前の新自由主義政府が彼らを沈めた水面の上に頭を出すのをキルチネル政権が助けたアルゼンチン中産階級は、資本主義市場の見えざる手と、あらゆる社会部門に達するとされる富の物語を信じて罠にはまった。今彼らはトランプ(金持ち家族出身の大物)や他の連中に酷似していて、我々の反政府派のもう一人友人であるこのマクリに歴史的戦利品を与えるのをいとわないように思える。皆で注目しよう。

記事原文のurl:https://orinocotribune.com/who-are-the-bosses-and-allies-of-the-venezuelan-opposition

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 読者の方にご教示頂いて、ブログ『世に倦む日日』で興味深い記事を拝読した。

 浅井基文の反論と論破 - これぞ日本の国際政治学の知性と良識

 早速、浅井基文氏ご本人のブログも拝読してみたが、どれが出典記事か良くわからない。

 浅井氏のお説はもっともだが、ブログ筆者のご提案には同意できない。「あとは、浅井基文にテレビに出る努力をてもらいたい。単にHPの発信で満足するのではなく、SNSで拡散して積極的なエバンジェリズムに出て欲しい」というのだが。

 「テレビに出る努力をしてもらいたい」といっても、まともな人々を皆放逐し、太鼓持ちしか出さないのは共犯者テレビの側だ。浅井基文氏には何の落ち度もない。浅井基文氏に限らず、小生が尊敬している方々の大半、決してテレビに呼ばれない。たとえば常連としてテレビ番組に出演していた岩上安身氏、番組でTPPに触れた日に即降板するよう言われたのだ。韓国とは違い、日本のマスコミ、実態は政府広報機関、韓国映画『共犯者』そのものである点こそご指摘頂きたいもの。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

韓国外交院外交安保研究所ジャパンセンターで提言。安倍首相は1965年協定を引用し、「請求権問題が完全かつ最終的に解決」と主張。だが村山談話「戦後処理問題に誠実に対応」。これ踏まえ将来の肯定的発展の為「日韓の新たな未来を構築の為の行動宣言」作成を提言

 孫崎享氏講演を聞かれるとは、韓国の方々は懐が深い!

 「厚生労働政務官を辞任」だけでなく、是非「文部大臣を辞任」も。

日刊IWJガイド「口利き疑惑の上野宏史衆議院議員が厚生労働政務官を辞任! 任命責任は安倍総理! 動機は自民党の公認を確実にするため!」2019.8.29日号~No.2541号~(2019.8.29 8時00分)

2019年8月28日 (水)

グローバリズムがしたのは、アメリカ経済の中国移転

2019年8月21日
Paul Craig Roberts

 アメリカ経済における主な問題は、グローバリズムがそれを破壊してきたことだ。アメリカ雇用の海外移転は、アメリカの製造と産業能力、関連する革新、研究、開発、サプライチェーン、消費者購買力や国家や地方自治体の課税基盤を弱体化した。企業は、これらの長期費用を犠牲にして、短期利益を増やした。その結果、アメリカ経済は第三世界へと押しやられつつある。

 関税は解決策ではない。トランプ政権は関税は中国が支払うと言うが、アップルやナイキ、リーバイや海外移転した企業の全てが関税免除を得なければ、関税は、アメリカ企業に海外生産されアメリカ消費者に売られる製品にかけられる。関税はアメリカ企業の利益を減らすか、より高い価格の製品を購入するアメリカ人が支払うかだ。関税はただ、アメリカ市場向けのアメリカ商品生産のための中国人雇用を減らすことで、中国を傷つけるに過ぎない。

 経済マスコミは、アメリカ/中国「貿易戦争」の結果に関する暗鬱な予言に満ちている。貿易戦争などではない。貿易戦争というのは、ある国が、外国からのより安い製品輸入に対して関税障壁を設定し、自分たちの産業を守ろうとするものだ。だが中国からの輸入の2分の1かそれ以上が、アメリカ企業による輸入だ。トランプの関税、あるいはその大部分は、アメリカ企業か、アメリカ消費者が負担させられる。

 トランプ政権や連邦準備銀行や、ワシントンの他のどこにも、状況を理解し、トランプ大統領に理解したことを伝えることができる経済学者が一人もいないことをいぶかしく思うべきなのだ。

 ワシントンに遍在する経済的無知の結果の一つが、経済マスコミが「トランプ関税」がアメリカのみならず、世界全体を景気後退に陥れたという物語をでっち上げたことだ。どういうわけか、アップルコンピュータとiPhone、ナイキの靴、リーバイ・ジーンズに対する関税は世界を景気後退に陥れるか、もっと悪いことなのだ。これは途方もない経済的結論だが、アメリカでは思考能力は、おおかた消滅してしまったのだ。

 経済マスコミにおける疑問は次のことだ。トランプ関税は、トランプ再選をだめにするアメリカ/世界不況を起こすだろうか? これは実に愚かな疑問だ。アメリカの製造/産業/エンジニアリング能力が外国に移転されるにつれ、アメリカは20年かそれ以上の間、不況なのだ。アメリカの不況は、世界ではアジア地域にとっては非常に良かった。中国が予想以上に早く世界強国になれたのは、労働経費を下げて生産することで、アメリカ人株主がキャピタル・ゲインを受け取れ、アメリカ経営者がボーナス給与を受け取れるようにするためだけに、中国にアメリカの雇用、資本、技術と事業ノウハウを移転したおかげだ。

 どうやら新自由主義経済学者は、これは矛盾する表現だが、アメリカ企業が、アメリカ市場で売る商品やサービスを外国で生産すれば、その経済活動で恩恵を受けるのは、移転先の国であることを理解できないのだ。

 海外生産は、ソ連が崩壊し、インドと中国が欧米に彼らの経済を開放して、本格的に始まった。グローバリズムは、アメリカ企業がアメリカの労働力を放棄することで、より多くの金をもうけられることを意味する。だが個別企業について言えることは、全体にとっても言えるわけではない。なぜだろう? 答えは、多くの企業がアメリカ市場のために、彼らの生産を海外移転する際、失業するか、より低賃金の仕事で雇用されるアメリカ人は、海外生産された商品を購入する力を失うためだ。

 私は何年も、アメリカの雇用は、もはや中産階級の雇用ではないと報じてきた。仕事は付加価値と給料の点で、何年もの間下落している。この下落とともに、総需要も下落する。実際、何年にもわたり、アメリカ企業は、自社株の買い戻し以外、新しい生産設備に対する投資に、利益を使っていなかったという証明があるのだ。企業が投資ではなく、自社株を買い戻している時には、企業が生産増加に対する需要を見ていないことを経済学者の名に値する人物なら誰でも直ちに認識すべきなのだ。そのため、その過程で、彼らはボーナスのために、自社を略奪し、資本を希薄化する。これが実際に起きていることだという完全な認識があるが、それ経済成長とは全く一致しない。

 労働力参加率も同様だ。通常、経済成長は、仕事につこうとして、人々が労働力に加わるから、労働力参加率の上昇をもたらす。だが好況とされている期間を通じて、得られる仕事がないので、労働参加率は低下している。

 21世紀にアメリカは資本が希薄化され、生活水準が低下した。しばらく、この過程は負債拡大により継続したが、消費者収入は維持されず、消費者負債拡大は限度に達した。

 F連邦準備制度理事会/財務省の「株価急落予防チーム」は、S&P先物を購入することで株式市場を維持できる。連邦準備制度理事会は金融資産価格を上げるため、より多くの金を注ぎ込める。だが雇用と雇用による経済活動は外国に移転されているので、お金は生産高を上げない。グローバリズムがしたのは、アメリカ経済の中国移転だった。

 本当の統計分析は、公式宣伝とは対照的に、好景気に沸く経済という幸せな構図は統計上のペテンによってもたらされた錯覚であることを示している。インフレが過小評価され、名目GDPをデフレートすると、結果は、本当の生産増加として、より高い価格を数えることとなり、インフレが本当の経済成長になってしまう。失業は計算されない。もし人がこれまでの四週間で仕事を探さなければ、その人は公式に労働力の一部ではなく、その人の失業は数に入れられないのだ。政府が失業を計算する方法が実にとんでもないものなので、アメリカがゼロ失業率でなくとも、私は驚かない。

 今敵として悪者にしている外国に、その経済を与えてしまっている時、国は一体どのように回復するのだろう? 企業のお仲間が短期的な富を懐に入れられるよう、敵に経済を与え、手足を縛られる以外全く能がない支配階級のこれ以上どんな好例があるだろう?

 我々はこれをトランプのせいにすることはできない。彼は問題を引き継いだのであり、彼には問題を理解するのを手伝い、解決を見いだすことができる顧問はいないのだ。そのような顧問は、新自由主義経済学者中にはいない。私はトランプに手を貸すことができる四人の経済学者を思いつけるだけだが、その一人はロシア人だ。

 結論は、アメリカは、60年前の第三世界に直接向かう道に固定されているということだ。トランプ大統領は、それについてどうすることもできない。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/08/21/what-globalism-did-was-to-transfer-the-us-economy-to-china/

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 『国語教育の危機――大学入学共通テストと新学習指導要領 』(ちくま新書)を読み始めたところだ。英語の試験改悪もでたらめだが、国語についても同じだとを知って、文部省は文部破壊省だと理解。そのトップ、大宮で埼玉県知事候補の応援演説をした柴山文部大臣がとんでもない発言をしている。

参院選「安倍やめろ」に続き埼玉知事選でも…警察が柴山文科相への抗議を違法排除! 当の柴山も「表現の自由」制限を主張する横暴

 記事のなかにこうい一節がある。排除された学生こそ正論。

 Twitter投稿によると、この男性は現役大学生だといい、「柴山やめろ」と声をあげ、こんなプラカードを掲げて抗議をおこなったという。

〈めちゃくちゃな大学入試改革 英語民間試験、国語記述式 即時撤回せよ!! 柴山は辞任せよ!! 若者の声を聞け!! #サイレントマジョリティは賛成なんかじゃない〉

 日刊ゲンダイDIGITALも報じている。

柴山文科相に批判の嵐 英語民間試験に異議の学生を即排除

 もちろん、大本営広報部は、めちゃくちゃな大学入試改革を決して報じない。(と思う。見ていないので。)

 植草一秀の『知られざる真実』の最新記事 すべてのニュース情報が偏向するメカニズム

2019年8月27日 (火)

アメリカの中国からの切断は、他の国々にもアメリカからの切断を強いる

2019年8月24日
Moon of Alabama

 アメリカは中国から切断しつつある。そのプロセスの影響はあらゆる世界経済に損害を与えた。他の国々は、損害を避けるため、アメリカから自ら切り離す以外選択肢はない。

 今日のワシントン・ポスト一面は大いに紛らわしい見出しで始まっている。

 記事の大見出しも間違っている。

 トランプは、中国輸入品の関税を上げ、中国と関係を絶つよう企業に要求して貿易戦争で報復した。

 報復したのは、トランプではなく中国だった。トランプはTweetの嵐と、彼が始めた貿易戦争を強化して、反撃した。紛らわしい見出しの記事は、こうまで言っている

金曜日、トランプ大統領は、アメリカ企業に中国との仕事をやめるよう要求し、北京に対する関税率を引き上げると発表して、長く続くアメリカ-中国貿易戦争で最も異例の日々の一つが終わった。

その日は、自動車生産に対し、この秋、復活する課徴金を含め、商品に750億ドルの新関税を課すという北京の発表で始まった。それはトランプが、中国に対する既存と計画中の関税を5パーセント引き上げるとTwitterした、金曜午後に近くに行われた。

北京の関税報復は、パウエルによる重要演説と、トランプがビアリツでのG-7会談に出発準備をする数時間前という戦略上のタイミングで行われた。

 トランプの動きの後、株式市場は下落した。貿易戦争は少なくとも短期的には貿易にとって良くない。アメリカと世界経済はふらついているが、まもなく景気後退するだろう。

 トランプ政権はそれでかまわないのだ。(漫画ディルバートの作者スコット・アダムス(ビデオ)と同様に)

 アメリカ大戦略は、他の大国が、アメリカと同等になるか、上回るのを阻止することだ。人口でアメリカの四倍大きい中国は、まさにそうなる準備できている国だ。中国は既にそれ自身を経済大国に作り上げ、軍事力も着実に増強している。

 トランプは昨日まで、その言葉を使うのを避けていたが、だから中国はアメリカ「敵」なのだ。

 これまで20年以上、アメリカは中国から益々多くの商品を輸入し、自身の製造能力を衰えさせている。 ある国が、その国の生産能力に依存している時に、相手国に対し戦争をするのは困難だ。本物の戦争を始める前に、アメリカは、中国から自身を切り離さなくてはならない。トランプの中国との貿易戦争は、それを実現するよう意図されている。中国との貿易交渉が失敗した際、ピーター・リーはこう書いていた。

アメリカの対中国タカ派の切り離し戦略は計画通り進んでいる。経済的な痛みは、問題ではなく、特徴だ。
貿易交渉の失敗は[トランプの貿易交渉者]ライトハイザーの過激な要求のおかげで十分折り込み済みだった。

対中国タカ派にとって、それは問題なかった。

なぜなら連中の最終目的はアメリカと中華人民共和国の経済を切り離し、中華人民共和国を弱め、国内の不安定化と世界的景気後退の被害を一層受けやすくすることだから。

もし切り離しで、世界GDPを数ポイント減り、アメリカ産業を傷つけ、世界を景気後退に押しやれば、それは自由の代償なのだ。

あるいは、少なくとも、それが本当の狙いの、アメリカインド太平洋軍が、東アジアでの局部サイズ・コンテストで優勝するのを可能にする代償だ。

 トランプは中国との新貿易協定を望んでいない。彼は未来の敵から、アメリカを切り離そうと望んでいる。貿易戦争は関係する全ての経済に損害を与えがちだ。切り離し過程が進行するにつれ、アメリカは不況に苦しむ可能性が高い。

 トランプはアメリカの景気下降下が彼の再選の可能性を下げかねないのを恐れている。それが、長期的帰結に関係なく、経済を、より多くの金でずぶ濡れにするため、彼が連邦準備銀行を使いたがっている理由だ。それが昨日のトランプTweetの嵐の出だしが、連邦準備制度理事会議長ジェイ・パウエルに向けられていた理由だ。

アメリカ企業に中国から撤退しろという命令を、政権に近い一部の人々は、大統領が政権内のタカ派による経済的な切り離し要求を奉じているのだと見ている。

トランプが習を「敵」と呼んだように思える下記Tweetが、移行の証拠としては最も明白かもしれない。

トランプの貿易政策と、アメリカと世界経済に対するその影響への批判を暗黙のうちに含んでいたジャクソンホールでの演説をパウエルがした後、投稿したTweetで彼は言った。「私の唯一の疑問は、ジェイ・パウエルと習主席のうち、我々にとってより大きな敵は、どちらなのかだ。」

 ジェイ・パウエルは連邦準備制度理事会の政策金利引き下げを望んでいない。彼は債券購入、すなわち量的緩和の強化を望んでいない。利率は既に余りに低く、更に金利を下げるのは、それ自身危険だ。前回、連邦準備制度理事会が余りに低金利政策を行った際、2008年の衝突と世界的な不景気を起こした。

 もし彼がトランプの命令に従おうとしなければ、トランプはパウエルを解雇することが予想される。アメリカは何が何でも市場を押し上げるだろう。

 パウエルの見地では、アメリカ金利を引き下げには更なる危険がある。アメリカが正気でない経済と金融政策を行えば、アメリカ同盟諸国も、中国からではなく、アメリカから切り離そうとのぞむだろう。2008年の経験は、世界の準備金と主な貿易通貨としての米ドルが、それを使う全員にとって危険であることを実証した。現在アメリカ経済でのどんなささいな障害でも、至るところの大規模な景気後退をもたらす。

 それが長年のアメリカ同盟国イギリスさえ、このような危険を警告し、解決策を探している理由だ。

金曜日、イングランド銀行総裁マーク・カーニーは、世界経済における米ドルの「不安定化の」役割に狙いを定めて、各中央銀行が自身で、代替の準備通貨を作り出すため協力する必要があるかもしれないと述べた。

アメリカ、ワイオミング州ジャクソンホールに集まった世界中の中央銀行幹部に、ドルによる世界金融体制支配が、超低金利による流動性の罠と弱い成長のリスクを高めたとカーニーは語った。
カーニーは、過去、非常に低い均衡利率が、戦争や金融危機や銀行制度の突然の変化と一致していたと警告した。
中国元は、ドルに匹敵する準備通貨となる可能性が最も高い候補だが、その用意が調うまで、まだ先は長い。

最も良い解決策は、技術によって実現可能な分散型の多極的金融体制だとカーニーは述べた。

 純粋に電子形式で、大半あるいは全ての中央銀行国間で契約によって作り出すことが可能な「新しい合成覇権通貨(SHC)」についてカーニーは語った。それは主要貿易通貨としてドルに置き換わり、他の国々の経済が、アメリカの病に感染(そして操作される)リスクを下げるのだ。

 カーニーはこれ以上詳しく述べなかったが興味深い概念だ。悪魔は常に細部に宿る。その通貨で税金を払うことが可能なのだろうか? SHCとリンクする、それぞれの主権通貨の価値はどのように決定されるのだろう?

 米ドルがブレトンウッズ体制下で世界準備通貨として使用されているのは、元フランス財務大臣バレリー・ジスカール・デスタンの言葉によれば「法外な特典」だ。もしアメリカが持っている特権を維持したいなら、健全な経済・金融政策に戻る必要がある。そうでなければ、世界経済には、アメリカから離れる以外、いかなる選択肢もない。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2019/08/us-decoupling-from-china-forces-others-to-decouple-from-us.html#more

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 宗主国のカジノ企業に横浜を差し出す一方、中国に代わって家畜の餌用トウモロコシを爆買いする世界最大ATM。食べさせる家畜などいるまい。ヤプーに転用するならわかる。

日刊IWJガイド「G7サミット開催中の仏ビアリッツをイランのザリフ外相が電撃訪問! しかしトランプ大統領は『我々は独自のやり方で行く』とイラン外相との会談は実現せず」2019.8.27日号~No.2539号~(2019.8.27 8時00分)

キョウ様からコメントを頂いた。残念ながら小生には意味不明ゆえ公開できない。あしからず。実は前回公開したコメントも小生には意味不明だった。

2019年8月26日 (月)

リンゼー・グラムの白紙委任状、イスラエルとの防衛協定がアメリカにとって惨たんたるものである理由

フィリップ・ジラルディ
2019年8月22日
Strategic Culture Foundation

 二つの世界大戦は、一つの国が、もう一つの国に援助に行くと言ってした無条件の誓約のせいで始まったのだ。1914年7月5日、ドイツ皇帝ウィルヘルム二世は、6月28日、オーストリアのフランツ・フェルディナンド大公のボスニア・サラエボ公式訪問の際、セルビア人国家主義者による暗殺後、セルビアに対して、オーストリアハンガリーがすると決めたどんな対応にも、ドイツの完全な支援を約束した。この致命的な過ちは、ドイツのオーストリアに対するカルテ・ブランシュ、つまり「白紙委任状」保証が、直接第一次世界大戦に導いたものとして歴史に記された。

 1939年9月、ドイツ軍が、ポーランドを侵略した際、イギリスとフランスが3月にした「保証」を果たして支援に行った際に第二次世界大戦が始まった。地域戦争で、外交を通して解決されたかもしれないものが、世界的になったのだ。

 このような誓約が、歴史家によって、二大世界大戦の直接原因だと評価された以上、決して誰も再びその道を進もうとは考えないと思うだろう。だが、それは四月からイスラエルとの「防衛条約」を要求している共和党のリンゼー・グラム上院議員を考慮に入れない場合のことだ。最近の不意打ちで、グラムは7月末、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に「無制限の権限」保証を提供することへの超党派的支持を求めて、来年までに完全な防衛条約を上院で強引に通過させることが可能になるよう望んでいると発表した。

 この話題関する彼のいくつかの発表で、グラムは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と、条約を推進するために使われている基本文書を書いて、議会の支持を得るためにグラムを徴募した国家安全保障問題ユダヤ研究所(JINSA)の看板役を務めてき

 JINSA電話会議で報道機関に語って、提案された協定は「実存的脅威」となる攻撃に備えてイスラエルを守る条約だとグラムは述べた。イランを例として引用して、協定は、イスラエルに対して大量虐殺兵器を使用するかもしれないイランのような敵対的隣人を阻止する試みだとグラムは述べた。JINSAのマイケル・マコフスキ理事長は、「相互防衛条約は、単に阻止だけでなく、イスラエルの敵による報復攻撃を和らげる可能性がある点で、が価値があり、それは(イランの原子力発電所に対する攻撃への)イランの反撃を和らげるかもしれない。」とこれを詳述した。

 JINSAの外交政策部長ジョナサン・リューエは「イラン核開発計画に対するイスラエル攻撃は、この協定を始動させないが、イランによる大規模報復は起動させる可能性がある。イスラエルの一方的攻撃は、条約の対象ではないが、イランの大規模報復が、我々が取り組んでいることだ」と付け加えた。

 イスラエルの選択肢を制限し、軍事侵攻の攻撃的パターンを抑制するかもしれないので、イスラエルは、長い間、アメリカとの、いかなる実際の条約も締結するのを渋っていた。その点、実質的に、ワシントンがネタニヤフの「選択肢」を制限しない保証があり、イスラエルが介入主義者であるのを許すので、グラム- JINSA提案は特に危険だ。そして、条約は相互ではあっても、いつかアメリカを守るために何でもするようイスラエルが要求される可能性は皆無で、ユダヤ国家に対する大半の取り決めがそういう傾向があるのと同様、一方的だ。

 二国間合意は、上院に批准される条約だろうから、次期政権が放棄するのは、オバマ大統領の大統領権限行使だったイラン核合意より遥かに困難だろう。明らかにグラム、マコフスキーとリューエによる発言は、この条約は、もし彼らがそうすると決めれば、イスラエルの対イラン攻撃の青信号役をつとめ、イスラエルを「守る」という完璧なアメリカの誓約で、イランによる本格的報復を思いとどまらせるのに役立つ、テヘランにとって赤信号役をつとめることを明らかにしている。動的関係を考えれば、条約は、ワシントンからエルサレムに対する片道の安全保障以外のほとんど何ものでもあるまい。

 さらに、どんな状況が、イスラエルのためのアメリカ介入を引き起こすかについて概説して、JINSA /グラム文書は、とりわけ「大量虐殺兵器の脅威あるいは使用」を引き合いに出している。それは「イスラエル政府の緊急要請を生じさせる」どのような事件や展開でも、脅威的だと定義づけ、ネタニヤフが支援を要求するのを認めている。その脅威が実際どんなに曖昧であろうとも、彼が脅威と認めさえすれば、ネタニヤフは、アメリカにイランを攻撃するよう要求できるように思える。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、1992年以来、イランが核兵器能力を得るまで「三年から五年」、「もしかすると数週間」だと主張して、イランを攻撃するようワシントンに強いてきたのだから、彼は明らかに来る再選出馬の支援と、戦略上の理由でこのような条約を歓迎するだろう。グラムが協定がどのように機能するか論じたトランプ大統領は、2020年に彼自身の選挙運動を強化するため、イスラエルにとって強く見えることに同様の関心を持っている。

 2010年、ネタニヤフがイスラエル国防軍(IDF)にイラン攻撃準備を命じたが、「イスラエルの安全保障のトップが拒否したことは指摘する価値がある。IDF参謀総長のガビ・アシュケナジと、当時のイスラエル諜報機関モサドの長官メイヤー・ダガンは、ネタニヤフとエフド・バラク防衛大臣が「こっそり戦争をしよう」としていたと考えて、命令は実行されなかった。攻撃は、二人の大臣、モーシェ・ヤアロンとユバール・シュタイニッツにも拒絶され、ネタニヤフは、先に進むために必要な大多数を得られなくなった。

 2012年のこの出来事に関するインタビューで、アシュケナジは、攻撃は大きな戦略上の誤りだろうと確信していたと述べた。メイヤー・ダガンは、2012年に、イスラエル諜報機関モサド長官の職を離れた後、攻撃で、範囲全体が確実に不安定化するだろうし、イスラエルと、アメリカによる何度もの介入が必要になる「愚かなこと」だと述べた。

 更に「防衛条約」から生じる他の問題もある。防衛というのは、まさにそれだけを意味し、条約は一般に自身の国境内にある国を守るよう意図されている。イスラエルは拡張主義で、違法にパレスチナの土地を占領しているので、明確な国境がなく、結果的に、アメリカは、イスラエルが自身のものだと定義する地域を守るよう義務づけられるだろう。それはほとんどあらゆるものを意味し得るする。イスラエルは、ダマスカスに対して戦争を行っていないが、現在イスラエルはほぼ毎日シリアに爆弾を投下している。もしシリアが反撃して、グラムの条約が実施されていれば、ワシントンは厳密な法解釈上、イスラエル支援に行くよう義務づけられるだろう。類似の状況がレバノンにも適用されるし、アメリカが配置した5,000人の兵士がいるイラクでも、イスラエルは、イランの補給線とされるものに爆弾を投下しているという報告もある

 本当の問題はトランプ政権が、イランでの政権転覆に取りつかれていることだが、それはこれまでのところ、紛争を始めるようイランを挑発することはできなかった。本当の問題はトランプ政権が、イランでの政権転覆に取りつかれていることだが、それはこれまでのところ、紛争を始めるようイランを挑発することはできなかった。グラムが提案した条約は、イスラエルが望んでいる戦争を始めることができるようにして、そこでアメリカが条約で、そうするよう義務づけられて、素早く「イスラエルを守る」ために続くという、議会と世論を回避するホワイトハウス計画の一部かもしれない。まずい方向に行きかねないのは一体何だろう? 「全て」というのが正解だ。

 フィリップ・ジラルディは博士で、Council for the National Interest事務局長。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/08/22/lindsey-grahams-blank-check-why-a-defense-agreement-with-israel-would-disaster-for-americans/

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 ドキュメンタリー映画『共犯者たち』について、書くのを忘れていたことがある。

 韓国語にも、記者(キジャ)とゴミ(スレギ)を組み合わせて、キレギ(いわばマスゴミ)という言葉があるそうだ。デモなどの取材に出ているマスコミの大型車両に向かって、人々が怒って「何も書かないのだから帰れ」という場面もあった。自分たちが、いかに大衆から嫌われているのか、記者たちは思い知らされる。

 大手テレビ局を首になった人々が、ニュースサイト「ニュース打破(タパ)」を立ち上げた。会員数4万人というのに驚く。日本の場合と一桁ちがう。これだけいれば資金力も豊富だろう。

 埼玉県知事選挙、県民の知人から状況を伺っていたので、野党勝利の可能性を予想していた。一方、裏切って、カジノ誘致を表明した横浜市長、記者会見後、ガラスのむこうで資料を放り投げたという。金平記者による質問のあと? さすがに、売国行為、やましいのだろうか。「住民投票は考えていない」という。リコールできるだろうか?

 個人的にカジノ経験は三度しかないが、それで十分。ニュージャージー州アトランティック・シティーのカジノ閉鎖、アメリカの悪化する雇用危機の兆候

日刊IWJガイド「『任期満了に伴う埼玉県知事選挙の投開票が昨日25日に行われました。結果は、立憲民主党県連、国民民主党県連、社民党県連合、共産党の支持を受けている、元参議院議員で無所属の大野元裕氏が当選確実となりました』『他方、韓国海軍が竹島で領土防衛訓練を開始しGSOMIA破棄から次の段階へ!! 』 」2019.8.26日号~No.2538号~(2019.8.26 8時00分

 

2019年8月25日 (日)

Google内部告発者の漏洩でRussia Insiderが検閲対象リストにあることが判明

Charles Bausman
2019年8月21日水曜日

 本記事はRussia Insider初出。

 チャールズはRussia Insider創設者・編集者。彼とはcharles@russia-insider.comで連絡できる。ツイッターで、Steemitで、彼をフォローする。

 我々のテクノ監視国家に関して暴露する悪の量で、プロジェクト・ベリタスが、ウィキリークスと競争をし始めている。彼らは驚くべき仕事をしている。皆がTwitterFacebookYouTubeで、それらをフォローし、共有すべきだ。彼らは親共和党で、保守的なベビーブーム世代と共和党から百万ドル・プラスの年間予算を得ることに成功して、彼らの画期的な調査事業を可能にしている。

彼らの最近の突発事件は、これまでのものより遥かに大きな仕事のはずなのに、そうならなかった私が思いつける唯一の理由は、ワシントンDCのメディアや政治家連中が海岸や丘に出ている8月のさ中に公表したことだ。

 要するに、皆が本当だと知りながら、最近、GoogleのCEOサンダー・ピチャイが、議会で宣誓して、Googleは使っていないと言った、大半が保守的な親トランプ・サイトを検索結果とAndroid「Google Now」ニュースストリームに入らないようにするアルゴリズムを証明する大量の文書をGoogle部内者が漏洩したのだ。

 それだけでは十分で酷いことでないかのように、これを漏洩したGoogleエンジニアは、Googleが彼にけしかけた警察!に悩まされたのだ。彼はプロジェクト・ベリタスが、偏向を暴露するために働いた二人目のGoogle部内者だ。これは一カ月前の最初のものだ。彼らは、更に多くの準備中のものがあると言っている。

 これは全てプロジェクト・ベリタスサイトと主流メディアで、30分のビデオインタビューを含め、非常に説得力ある詳細で説明されている。

 要点を証明するのは、私が内部告発者、Zachary Vorhiesの名前をGoogleで検索すると、主流メディアはほとんど何もなく、テルアビブに本拠を置くブライトバートと、下劣なイギリスの新聞サンと、ひと握りの非常に小さなオルタナティブ・サイトの記事しか現れないことだ。

 適切にも名指されているデイリー・ビーストは、Vorhiesはメディアや政府やPizzagateや9/11陰謀でのユダヤの影響力について歯に衣を着せないと有り難いことに報じている

 我々はバケーション中なので、これは短文になるが、Android電話で「Google Now」ニュース・ストリームから排除された妨害されているサイトのリストの一つがここにある。Russia Insiderは、主流の大手Drudgeや、ラッシ・リンボー、InfowarsやDaily Callerと並んでリストにある。リストに載っている他の顕著な影響力があるサイトには、Gateway Pundit、American Thinker、Lew Rockwell、Natural NewsとVdareがある。リストには、優れた非常に大きなオルタナ右翼サイトThe Daily StormerThe Right Stuffも含まれている。リストを詳しく調べて、私には合法的な情報源と思われる、約30の名前を確認した。リストは圧倒的に保守的で親トランプだ。

 最近の夏期募金運動の呼びかけで私が確信を持って説明したように、保守的な意見を黙らせようとする、こうした取り組みは、大きく裏目に出て、成功するまい。我々が使える技術は余りにも強力だ。連中が我々を踏みつぶそうとすればするほど、益々多くの人々が我々を読もうとする。それが機能する様子は滑稽なほどだ。

ここに内部告発者とのインタビューがある。非常に説得力があるものだ。

記事原文のurl:https://russia-insider.com/en/media-criticism/russia-insider-list-censored-sites-leaked-google-whistle-blower/ri27512

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 朝から外出して、更新しそこねた。

 Paul Craig Roberts氏、NEO、そしてRussian Insider、個人的に興味深く読んでいる記事、宗主国支配層にはお気に召さないのだ。検索エンジンに隠蔽されて、アクセスが激減しているのも当然。

 今日の孫崎享氏の今日のメルマガ題名

韓国、日韓軍事情報協定を破棄。日韓軍事情報協定は北朝鮮ミサイルに対応するだけでなく、 増大する中国の脅威に対し、一段と緊密な日米韓軍事関係を作ろうとする米国の意図によ り2016年に作られた物。従ってこの破棄により一番落胆しているのは米国軍事関係者

 『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』で描かれるすさまじい弾圧と、それに対決する国民。

 『共犯者たち』のジャーナリストの果敢な戦い。この劣等、100年の周回遅れではと悲しくなる。韓国ジャーナリストは政府による占領に激しく反撃し、奪取した。彼らには成功体験があるのだ。先日たまたま、元駐韓国大使が「韓国のマスコミは、労組に乗っ取られている」と発言する呆導番組を見てしまった。そう「日本のマスコミは、政府に乗っ取られている」

2019年8月24日 (土)

小国の無責任さ

2019年8月23日
Paul Craig Roberts

 中距離核戦力条約(INF)に違反したと偽って主張してロシアを非難した後、ワシントンは一方的に条約を否認した。それにより、ロナルド・レーガンとミハイル・ゴルバチョフが実現した冷戦を終わらせた画期的合意を、アメリカ軍安保複合体が廃棄したのだ。

 INF条約は、アメリカの20世紀の大統領たちが実現し、21世紀に、今アメリカ・ネオコン政府により放棄された、あらゆる軍備管理協定の中でも、おそらく最も重要なものだった。条約はヨーロッパに対するロシア・ミサイルの脅威と、ロシアに対するヨーロッパに配備するアメリカ・ミサイルの脅威を除去した。条約の重要性は、偶然の核戦争の可能性を縮小したことにある。警告システムには誤警報の歴史がある。ロシア国境のアメリカ・ミサイルの問題は、誤警報を受けて、モスクワが熟考したり、ワシントンと接触したりする時間的余裕を与えないことだ。クリントン政権以来のアメリカ政府の、ロシアとの緊張を高める上での極端な無責任さを考えると、ロシア国境のミサイルは、警報が鳴ったら、ロシア指導部には、ボタンを押す以外、選択肢がほとんどないのだ。

 今やワシントンが、ロシア国境にミサイルを配備するつもりで、この唯一の目的のためにINF条約から離脱したのは明白だ。条約離脱のわずか二週間後に、ワシントンは、条約の下で、配備だけでなく、研究と開発が禁止されていたミサイルを実験した。もしワシントンが二週間で新しいミサイルを設計し生産したと思われるなら、あなたは当コラムを読むのに十分知的とは言えない。ロシアを非難しながら、条約に違反していたのはワシントンだったのだ。おそらく、この更なる裏切り行為は、ロシア指導部に、何についてであれワシントンを信頼するのは愚かで自滅的だということを教えるだろう。今や全ての国がワシントンとの協定は無意味であることを、とっくに知っていなくてはならない。

 確かにロシア政府は、ワシントンがロシア国境にミサイルを配備するには、理由は二つしかがないことを理解している。 (1)ワシントンが、ロシアに反撃時間を与えない核兵器先制使用ができるようになる、あるいは(2)そのような攻撃で恫喝して、ロシアにワシントンの意志をおしつけるため。明らかに、これらの理由のどちらかが、誤警報で核戦争を引き起こす危険をおかすのに、ワシントンにとっては、十分に重要なのだ。

 軍事アナリストは「合理的な当事者」についていくらでも好きなだけ話をできるが、悪者にされ、国境に敵ミサイルで威嚇されている国が、ゼロに近い応答時間の警告を受けたら、それが誤警報だと期待するのは、もはや合理的ではない。

 レーガンとゴルバチョフが実現した1988年の条約が、この脅威を排除した。このような脅威を復活させて、一体どんな狙いの役にたつのだろう? なぜアメリカ議会は沈黙しているのだろう? なぜヨーロッパは沈黙しているだろう? なぜアメリカとヨーロッパのメディアは沈黙しているのだろう? なぜルーマニアとポーランドは、アメリカ・ミサイルを彼らの領土に配置するのを認めて、この脅威を可能にするのだろう?

 新しいミサイルを製造する数十億ドル契約を望むアメリカ軍安保複合体から、ルーマニアとポーランド政府が大金をもらったのは疑いようもない。ここに我々は小国の極端な無責任を見る。ルーマニアとポーランドの不正な、ばかばかしい政府がなければ、ワシントンはレーガンとゴルバチョフが31年前に埋めた脅威を復活できなかったのだ。

 占領されたアメリカ傀儡国家ドイツさえミサイル配備は拒否した。だが、ルーマニアとポーランドの少数の政治家が数百万ドルを懐に入れるため、世界でも取るに足らない二国が、全世界に核戦争の危険を与えているのだ。

 対応時間を与えないロシア国境のミサイルはロシアにとって重大な問題だ。ルーマニアあるいはポーランドからのミサイル発射の最初の兆しがあり次第、国がすぐに存在を停止するだろうと、モスクワが公式発表するのを私は待ち続けている。それでルーマニアとポーランドの住民が、彼らの腐敗した政府がもたらす脅威に目覚めるかもしれない。

 なぜルーマニアとポーランドの挑発が、ロシアが両国を先制的に占領するのに十分な正当化にならないのだろう? ロシアが二国を占領するほうが、二国がロシアに対して、アメリカ・ミサイルを配備することより挑発的なのだろうか? なぜ前者だけが挑発的で、後者は、そうではないと考えるのだろう?

 たとえ誰にその気があったとしても、誰もルーマニアとポーランドの支援に行くことはできない。NATOは冗談だ。それはロシアとの戦いで、一日ともたないだろう。ルーマニアやポーランドのために、アメリカが自殺すると一体誰が思うだろう?

 ロシアと自国の国境にアメリカ・ミサイルを配備することで、ルーマニアとポーランドが核戦争の恐怖を復活させたことを強く非難する国連決議はどこにあるだろう? 世界丸ごと非常に無頓着で、この狂気の行為のあり得る結果を理解できないのだろうか?

 人類生存の必要条件として、人間の知性は十分でないように思える。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/08/23/the-irresponsibility-of-small-nations/

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 イージス・アショアも同じこと。

米軍は日本を守ってなどいない! 田岡俊次が在日米軍を詳細分析して分かった実態とは

 カジノで経済活性化などするわけがない。宗主国カジノ都市を見ればわかる。だから、外国で搾り取ろうとするのだ。経済が活性化する産業を、わざわざ外国に出す阿呆がどこにいるだろう。まともな大物がおられるようだ。「カジノでなくF1とディズニーを」"ハマのドン"が激怒。

日刊IWJガイド・土曜版「『泥を塗らせた人がいるということはハッキリわかっている』! 『ハマのドン』藤木幸夫・横浜港運協会会長がカジノ反対の記者会見で林文子市長にIR誘致を表明させた黒幕の存在に言及!」2019.8.24日号~No.2536号~(2019.8.24 8時00分)

2019年8月23日 (金)

科学的刊行物を沈黙させて言論の自由を抑制するアメリカのソーシャル・メディア・サイト

2019年08月15日
New Eastern Outlook

 7月下旬、ロシア科学アカデミー・東洋学研究所のNew Eastern Outlookという分析的な論説誌の公式ページを、「人を欺く刊行物」と戦うという口実で、Facebookが削除した。2010年に開設されたこのページは、本ジャーナルが、ほぼ10年間、読者とやりとりするのを可能にしている。現在世界中で起きている出来事に対する異なる見方を抑圧しようと、Facebookが率いる口封じの取り組みに、更にもう一つのアメリカ・メディア・サイトのTwitterが何の口実も示さずに加わった。

 ジョセフ・マッカーシー上院議員が、きっと誇りに思うだろう実にオーウェル風手口のそうした行動が、言論の自由を踏みにじる欧米の取り組みであることは否定できない。これらの措置は、反体制派の意見に対する、年々悪化するだけの身勝手な攻撃だ。
NEOが世界の百以上の国々で、鋭敏な読者から高い人気を維持する中、FacebookとTwitter両者が、国際的な科学的、公的議論を毀損する措置をとったことに疑問の余地はない。世界中で起きている出来事に関する率直な議論なしでは、西であれ東であれ、現在最も喫緊な課題に対する、どんな解決も見いだし得ない。国際平和の問題への、いかなる懸念もなしに、言論の自由を踏みにじっているのだから、Twitter、Facebook両者が、このような解決策の探求に関心がないのは明確だ。

ロシア科学アカデミー東洋学研究所理事会

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/08/15/ras-america-s-social-media-sites-suppress-freedom-of-speech-by-silencing-scientific-publications/

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 Twitter、Facebookからアカウントを削除されるサイトの記事を翻訳しているブログが、Googleや、Yahoo検索で隠蔽されるのも当然。

軍事情報包括保護協定破棄!

日刊IWJガイド「韓国が軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄を発表! 『「安全保障上の理由で信頼を損ねた」と、根拠を示さず「ホワイト国除外」してきた日本と、安全保障上の敏感な情報共有するなんて無理!!』」2019.8.23日号~No.2535号~(2019.8.23 8時00分)

2019年8月22日 (木)

シリアにおける同盟国からはほど遠いトルコとアメリカ

2019年8月16日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook


 最近のシリア内の「安全地域」設置に関するアメリカとトルコ間の合意にもかかわらず、二国間の権益の基本的相違は、見かけ以上、明らかに存在し続けている。だから協定は、二つのNATO加盟国が、シリア領土から一部を切り取るのに同意したことを意味するように一見思えるが、この両国がなぜそうしたかの理由は著しく異なり、そうした地域の長期的な意味も同様だ。最初に、我々は「安全地域」というトルコの提案が、2013-2015当時のオバマ政権時と同じ論理に基づいてはいない事実を見失ってはならない。当時、トルコはアサドの確固としたライバルで、彼を退陣させたがっていた。トルコは紛争へのロシアの軍事関与に反対し、アメリカ作戦を支援した。だがこれは変化し、2018-19年のトルコは、アサドを退陣させずに、シリアで平和を作り出すことを目指すロシアとイランを含む多国間プラットホーム、アスタナ和平策定プロセスの主要メンバーだ。言うまでもなく、アメリカ/ NATOに不利益なことに、トルコは既に戦略上ロシアと同盟している。

 言うまでもなく、2016年7月のクーデター未遂の企て以来、アメリカはトルコ外交政策の方向で生じた変化に十分気付いている。最近の合意にもかかわらず、両国関係が戦略上、強固からほど遠いままでいることは、合意を巡る深刻な曖昧さからも明白だ。例えば、協定には「トルコの安全保障上の懸念に対処する」ための措置がとられることになっており、「平和廊下」を確立するための共同作戦基地が「できるだけ早急に」トルコ内に設置されると書いてある。

 「トルコの安全保障上の懸念に対処する」ことや、共同作戦基地を設置するための具体的な線表が全くないのは明白だ。「安全地域」設置予定の期限がなく、その地理的広さも全く決定されていない。協定が極めてあいまいで、実体に欠けていることが、「安全地域」政策の主な反対者、すなわちダマスカス、モスクワとテヘランから強い反応がなかった理由の説明になる。

 トルコにとってさえ、この協定はシリア領土の分裂を意味しない。トルコは2015年まで、この考え方の支持者だったが、トルコは、もはやシリア分割を戦略上有益だと考えておらず、シリアで、アメリカとトルコは異なる方向を目指しているのだ。

 アメリカが現地の主な同盟者、すなわちクルド人のために「安全地域」を恒久的領土の塊として使うことを目指しているが、トルコはこの「平和廊下」をトルコ領内で暮らしている何百万というシリア難民を行かせるためだけに使おうと狙っている。

 トルコ内のシリア難民にとって、トルコ世論が益々不利になっていることに疑いがないが、シリア内のクルド地域を侵略するというトルコの明示的な脅迫を背景に、協定が締結された事実は、二つのNATOメンバー間に共通利益が欠如していることが目立つていることを雄弁に物語っている。

 協定が多くの重要な局面に関して沈黙している事実は、アメリカが本気で、トルコの懸念に「対処する」するつもりはなく、アメリカがシリア現地に持っている唯一の同盟者の立場を強化するため、時間稼ぎをしていることを意味する。

 アメリカがトルコにしたこれまでの類似の誓約を重んじていないのを忘れないようにしよう。それに加えて、クルド民兵に提供していた全ての重火器を取り戻すことに関して、アメリカがした誓約がある。それら武器を供給した時の、アメリカの意図は、ISISを破り、シリアを去ることだった。この政策は、アメリカがイランとの「やり残した]仕事」を優先して明らかに変化した。イランに対処するため、アメリカは地上戦力を保有する必要があるが、アメリカが持っている唯一の戦力はクルド民兵だが、アンカラは、それを軍事的に殲滅するか何かしたがっており、アメリカはともかく守りたいと望んでいる。それ故、トルコがアメリカとの一見重要な合意の後にさえ直面し続けているジレンマなのだ。

  こうした矛盾を考えると、アメリカが、またもや、シリアを二つの異なる支配を受ける地域に分け、アメリカが地域で拠点を維持し、イラク同様の方針で、影響力を維持することを可能にするような「安全地域」に、トルコが関心を持っていない時に、アメリカが本気で、トルコの核心的懸念に対処するつもりがないのを示したのだから、トルコの懸念が、実際多方面で増加したと主張しても、し過ぎることにはなるまい。

 一方、トルコは、極めて近い地域に、恒久的クルド領土を作ることになり、トルコ内のクルド人に、「別の領土」という似たようなの要求をさせ始めかねないため、このアメリカの関心に対応する可能性はありそうもない。ある意味、アメリカの計画はトルコの利害関係と根本的に正反対なのだ。それ故、アメリカには、シリアにおけるトルコの関心に「対処する」能力は皆無なのだ。これが協定がなぜあいまいかという説明だ。なぜ線表がなく、明確な目標がなく、シリア内や周辺で、力の均衡を変える上で、なぜこの協定が大きな違いをもたらさないのかという理由だ。

 アメリカとトルコの間の基本的対立は二国間関係を更に悪化させることになろうが、これはアメリカ/ NATO陣営からアンカラを独立させる、もう一つの機会を提出するだろうから、ロシアとテヘランは、この進展を大いに関心をもって、しっかり観察するだろう。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題の専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/08/16/turkey-the-u-s-far-from-allies-in-syria/

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 今、シリア軍がカーン・シェイクンを激しく包囲攻撃しているようだ。ロシアの航空支援で、トルコからの兵站もたたれているという。Moon of Alabama記事は下記。

Syria - Army Cuts Off Khan Shaykhun - Russia Bombs Turkish Reinforcement

 録画しておいた『昭和天皇は何を語ったか』を見て、いくつか関連記事を読んだ。

沖縄タイムス 社説 [ 昭和天皇「拝謁記」] 今に続く「捨て石」発想

澤藤統一郎の憲法日記
鴻毛より軽い責任感の希薄さ。田島道治「拝謁記」に見る天皇の「肉声」

しんぶん赤旗 侵略戦争 昭和天皇 自己弁護と「反省」

琉球新報 一部の犠牲やむを得ぬ 昭和天皇、米軍基地で言及 53年宮内庁長官「拝謁記」

 横浜市長選時期の翻訳記事の末尾に、ざれうたがあるのに気がついた。どなたかからのぱくりか自作か記憶なし。

よこはま たそがれ
カジノの小部屋
賭け金 残りが タバコの煙
育鵬 待機児 市民の涙
あの人は受かってしまった
あの人は受かってしまった
もう先はない

2019年8月21日 (水)

サウジアラビア油田に対する長距離攻撃が対イエメン戦争を終わらせる

2019年8月17日
Moon of Alabama

 今日サウジアラビアは、とうとう、対イエメン戦争で敗北した。サウジアラビアにはイエメンのフーシ派が入手した新兵器に対する防衛策はない。これらの兵器はサウジアラビア経済の生命線を脅かす。今日の攻撃は決定的なものだった。

土曜日、イエメンのフーシ派反政府派が発射した無人飛行機が、サウジアラビアの不規則に広がる砂漠奥深くの巨大なガス・石油田を攻撃し、重要なエネルギー産業に対する最近で二度目の攻撃で、王国が「限定的な火事」と述べたものをひき起こした。

サウジアラビアが攻撃を認めたのは、フーシ派の軍報道官ヤヒア・サリエが反政府派が、彼らの「これまでで最大」の作戦として、ガス・石油田を標的に定め、爆弾を搭載した無人飛行機を10機の発射したと主張するビデオ声明を発表した数時間後のことだ。彼は更に多くの攻撃を行うと脅していた。

 2019年7月にイエメンのフーシ派-連合軍が展示した新無人機とミサイル

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 今日の攻撃はサウジアラビアに対する王手だ。シャイバーはフーシ派が管轄する領土から約1,200キロ(750マイル)だ。範囲内には、ずっと多くの重要な経済的目標がある。

イエメン反政府派が支配している領土からの油田の距離は、フーシ派ドローンの射程距離を示している。国連調査者たちは、イエメンでのサウジアラビア率いる連合による戦争で、ここ数カ月、見られるフーシ派の新しいUAV -X無人飛行機は、多分最高1,500キロ(930マイル)の射程だと語っている。その射程距離内には、サウジアラビアの油田、首長国で建設中の原子力発電所や、ドバイの交通量が多い国際空港がある。

パイロットが遠隔操縦して飛行させるのが可能な、人工衛星を利用する高度なドローンとは異なり、フーシ派の無人飛行機は、多分特定の緯度と経度を攻撃するようにプログラムされていて、電波範囲から出たあとは制御できないものだと専門家たちは考えている。フーシ派は、レーダーによって追跡することが困難な無人飛行機を、敵の兵隊と、サウジアラビアのパトリオット・ミサイル部隊を攻撃するために使っていた。

 この攻撃は、サウジアラビアの最重要資産が、今や脅威下にあることを決定的に示している。この経済的脅威は、IMFがサウジアラビアに対し予測している7パーセントの赤字予算に加えてだ。フーシ派に対する更なるサウジアラビア爆撃は、今やサウジアラビアの生存能力さえ危険にさらしかねない非常に重要な代償を引き起こすだろう。フーシ派は、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の急所を握り、思うままに締めつけられるのだ。

 フーシ派が使用した無人飛行機とミサイルは、レバノンからのヒズボラ専門家の助けを借りてイエメンで組み立てられた、イランが設計したコピーだ。四日前、フーシ派代表団がイランを訪問していた。訪問中、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイは、フーシ派がイランの支援を得ていることを初めて公的に認めた。

訪問中のフーシ派交渉責任者ムハンマド・アブドル・サラムとの会談で「私はイエメンの敬けんな男性と女性の抵抗に対する私の支持を宣言する。イエメンの人々は強い政府を設立するだろう」とハメネイがと言ったと国営テレビが報じた。

初めて、フーシ派代表幹部とテヘランで会議を開催したハメネイは「イエメンを分裂させるサウジアラビアに率いられた陰謀」に対する強い抵抗を呼びかけたと半官的なファルス通信社が報じた。

「主権と領土を持ち、統一され、一致団結したイエメンは支持されるべきだ。イエメンの宗教的、民族的多様性という条件を考えれば、イエメンの保全をはかるには国内対話が必要だ」と彼が述べたと、テレビは報じた。

 テヘラン訪問は、フーシ派が、もはや未承認の孤立した組織でないことを証明した。

イラン、イギリス、フランス、ドイツとイタリアの当局者とイエメンのアンサール・アッラー(神の支持者)フーシ派組織がアラビア半島の国で長引く戦争の政治的解決について意見を交わした。

会談は、アンサール・アッラーと四つのヨーロッパ諸国の代表団とで、土曜日、イラン、テヘランの外務省で開催された。

会談では、各代表団が、政府的、軍事的進展と人道的状況を含む、イエメンにおける成り行きに対するそれぞれの見方を説明した。
各代表団は戦争の即時終結の必要を強調し、政治的手段が危機に対する究極の解決だと述べた。

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 2015年3月に、MbSが始めた対イエメン戦争は、ずっと前から勝てないことが証明されていた。今やサウジアラビアは決定的に敗北している。アメリカもヨーロッパもサウジアラビアを助けには来るまい。適度にこのような攻撃から保護する技術的な手段がない。貧しいイエメンが金持ちのサウジアラビアを破ったのだ。

 サウジアラビア側は政治的和平交渉に同意するしかあるまい。イエメンは涙が出るほどの補償を要求するだろう。だが、フーシ派の要求が何であれ、サウジアラビアは渋々支払う以外に選択肢はないだろう。

 UAEが、ここ数カ月で、イエメンから手を引いたのは賢明だった。UAEの戦争目的はアデン港の支配を確保することだった。今都市を支配している南イエメン分離主義者との同盟がそれを保証するのだ。ハメネイがイエメン分割を否定している中、彼らが、一体いつまで、それに固執することが可能かは、まだわからない。

 今日の攻撃は対イエメン戦争の終わりを告げる以上に大な意味がある。イランがイエメンの同盟者に射程距離1,500キロのドローンを供給したことは、レバノンやシリアやイラクの同盟国も類似手段を入手が可能なことを意味する。

 イスラエルとトルコはそれを考慮に入れなければなるまい。ペルシャ沿岸や、アフガニスタンの米軍基地も警戒しなくてはならない。イランはそれらの基地を攻撃する弾道ミサイルのみならず、アメリカのミサイルと防空体制は、ほぼ役に立たない無人飛行機も持っているのだ。ドイツ製トラック台車上(!)の、ロシア・パーンツィリ-S1防空システムを買ったUAEだけがそれらのドローンを撃墜する多少の能力を持っている。国防総省も、おそらくこれらをいくつか購入したいだろう。

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 アメリカがイランに対してステルス・ドローンを使ったことで、イランはその一機を捕獲し、分析し、複製する機会を与えたのだ。イランの広範なドローン計画は自前で、非常に歴史があるが、アメリカが意図せずに提供した技術から利益を得たのだ。

 アメリカとその同盟国が、アフガニスタン(2001)、イラク(2003)、レバノン(2006)、シリア(2011)、イラク(2014)とイエメン(2015)に対し、中東で行った全ての戦争は、意図せずに、イランとその同盟国をより強くして終わった。

 ここには学ぶべき教訓がある。だがワシントンDCの阿呆連中がそれを理解する能力を持っているかは疑わしい。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2019/08/long-range-attack-on-saudi-oil-field-ends-war-on-yemen.html#more

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 この記事原文には多数のコメントが書かれている。いずれも状況を歓迎するもの。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名は下記。田中三彦氏が当時から主張しておられた記憶がある。今、検索したら、あのオバ様の反論がでてきて驚いた。

「福島第一原発は津波が来る前に破壊」元東電社員“炉心専門家”が決意の実名告発、文春 /「自然循環」停止の原因が、ジェットポンプ計測配管の様な「極小配管の破損」であれ ば、耐震対策は想像を絶する。福島原発破壊の原因が津波でなく地震なら他原発に影響大。

 日刊IWJガイドの見出しも「横浜IR」

日刊IWJガイド「横浜市がIR誘致を決定! 夢洲に続いて2例目となるか!? 林文子市長は『IR白紙』の公約を掲げて当選! 裏切りではないか!?」2019.8.21日号~No.2533号~(2019.8.21 8時00分)

 今日は下記配信があるそうだ。

本日午後7時より「小笠原みどり帰国報告会 Vol.3 スノーデン・ファイル徹底検証―日本はアメリカの世界監視システムにどう加担してきたのか ―講師:ジャーナリスト 小笠原みどり氏」を録画配信します!

 

2019年8月20日 (火)

「文字通り、命より金」

8月13日
Paul Craig Roberts

 金鉱のために環境を犠牲にするというアラスカのマイク・ダンリービー知事と、アメリカのドナルド・トランプ大統領による決定は極めて良くないものだが、なぜそういうことになったのか私にはわかる。メキシコやアジアに、アメリカの雇用を海外移転したため、何百万というアメリカ人の暮らしが不確実になった。保護された環境や国定記念物を採鉱に開放するのは、トランプにとって、実際の仕事を作る唯一の方法なのだ。問題は、この雇用の外部費用の環境被害が、賃金の価値と鉱山の生産高を超えることだ。換言すれば、採鉱はその費用をカバーできないが、代替の見込みがない人々は、未来について考えることができない。未来というのは先のことだが、多くのアメリカ人は、もう自分たちが、この先そこにいられる確信がない。多く人にとって、今しかないのだ。

それで、私がこれまでの記事で説明してきた、アメリカ雇用の海外移転という外部費用に、増やすことができる海外移転された雇用の一部を置き換えようとする努力で、積極的な政府が、生態学的に脆弱な土地を採鉱業に与えることによる生態系破壊が加わることになる。人々は、鮭と鮭に依存している生態系鮭を破棄したとトランプを非難するだろうし、トランプには一部責任はあるが、本当の責任は、アメリカ市場向けの生産を外国に移転したグローバル企業と、その過程を推進したウォール街にあるのだ。資本主義にとって、略奪すべくアメリカに残されたものは、国定記念物碑森林と自然保護区だけだ。

アメリカ雇用の海外移転は、アメリカによる自殺行為だった。

https://www.globalresearch.ca/gold-over-life-literally-how-trump-forced-reversal-mining-project-epa-scientists-warn-could-destroy-alaskan-salmon-ecosystem/5686195

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/08/13/gold-over-life-literally/

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 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

人類はなぜ賭博行為を制限してきたのであろうか。公共機関が賭博の胴元を行っても、賭博 行為に付随する悪,不幸は消滅しない。人の弱点を利用し潤うという思想は間違っている。副次的 に悪助長が間違いない事業を公共機関が行うべきことか。横浜カジノ誘致へ。

 個人的なカジノ体験を書いたことがある。ニュージャージー州アトランティック・シティーのカジノ閉鎖、アメリカの悪化する雇用危機の兆候

 トランプの大スポンサーの利益のために、属国は公式賭博場開設を強いられ、進んで受け入れる。大本営広報部は『カジノ幻想』をふりまいて、地ならしをする。

 文字通り、命より金。

 宗主国にいじめられつづけるストレスを隣国にぶつける、当たり前のことが、当たり前ではない属国。

日刊IWJガイド「本日午後6時より、『日本軍慰安婦制度は、国内法上も国際法上も明らかに犯罪である』『韓国併合は無効である』~岩上安身による国際人権法学者・戸塚悦朗氏インタビューを再配信します!」2019.8.20日号~No.2532号~(2019.8.20 8時00分)

 記事の中にこういう文章がある。さもありなん。

IWJ記者が河村たかし・名古屋市長に「『表現の不自由展・その後』中止要求は脅迫煽動ではないか?」と質問! 河村市長ははぐらかした挙句、芸術祭を「日本国直営」と公の場で相変わらずのデマ煽動!

2019年8月19日 (月)

トランプが戦争に反対しているという根強い神話

2019年8月9日
ケイトリン・ジョンストン
CatlinJohnstone.com

 私が現アメリカ政権の外交政策を批判すると、この大統領は「闇の国家と戦い」、一般的に「我々を戦争から遠ざける」上で、害以上に益をもたらしていると強く主張するトランプ支持者から、必ず何らかの反発を受ける。

 ドナルド・トランプは、何らかの種類の平和大統領だ、あるいは彼は、アメリカの戦争マシンに対し、前任者がした以上の勢いはつけていないという概念さえ、我々が入手可能な全ての事実と証拠によって否定される。トランプは前任者が始めた戦争の一つも終わらせておらず、ベネズエライラン核武装したロシアに対する危険なエスカレーションを追加したのだ。

 この頑固な神話に対処する上での困難の一つは、今や全員、バイアスがかかった情報検証ループのしっかり隔離された
反響室の中で暮らしているという明白な事実に加えて、この神話がある意味、超党派的なことだ。トランプが非介入主義原則という彼の空念仏をつぶやくと、彼の支援者はそれを喜んで聞き、民主党の半分が、十分にタカ派でないという理由で大統領を非難し始める。シリアからの撤退に関するトランプの言説はこの完ぺきな例だ。軍隊はまだそこにいるのに、民主党員は、無責任な「孤立主義」行動のかどで彼を攻撃し、彼の支持者は、戦争を終わらせる彼らの大統領についてのおとぎ話を受けとるのだ。トランプが反対するふりをしている軍産複合体を含め、全員が、欲するものを手に入れるのだ。

ISISに占領された最後の領域が解放されて以来4カ月、シリアには依然ほぼ1,000人のアメリカ兵がいる。アメリカ主要基地は北シリアにあり、シリア平原を切り取って、ジェット輸送機を運用するのに十分な長さの滑走路が建設されている。https://t.co/qxGcJT6F2C pic.twitter.com/XpRrGPwSmg

- CBSイブニング・ニュース(@CBSEveningNews) 2019年7月23日

 だがリベラルなタカ派が、彼が全ての分野で可能なほど好戦的ではないという理由でトランプを攻撃している事実で、ネオコンが同じ理由でオバマを攻撃しても、彼は平和大統領ではなかったのと同様、彼が平和大統領になるわけではない。ロシアに対しウクライナを武装させるのを拒否し、化学兵器使用という「越えてはならない一線」のかどで、ダマスカスを攻撃するのを拒否したという理由で、右翼タカ派がオバマを意地悪く非難したが(ついでながら、いずれもトランプがそれに完全に一致しているネオコンの狙いだ)それで、リビアやシリアの干渉政策や他のどこかにおける、オバマの下劣な行為が否定されるわけではない。トランプとオバマ両者が、非常に悪意に満ちた戦争屋が欲するだけすることを時に拒否したが、それが両者が戦争に反対することを意味しない。

 もし、現職大統領がどれほど戦争売女であるかについて、公正な、正確な、超党派の見解がご希望なら、平和反戦団体St Pete for Peaceによる「反戦という見地からのトランプの外交政策概況報告:トランプ政権外交政策の善悪の最新年表」という題のリストを得るためこのハイパーリンクをクリック願いたい。この概況報告は、政権の外国政策声明や決定についてのニュース記事を、「善」「悪」欄に並べている。金正恩とのトランプの会談や、アメリカ無人飛行機を撃墜に対して、イランを攻撃することを彼が拒絶したことなど、「善」欄には、いくつかあるが、下にスクロールして、「悪」欄が「善」よりどれぐらい長いか、御自身で見て頂きたい。

 私にとって、これ自身、この大統領が反戦を根拠に支持し得る人物だというと考えとはほど遠いことのかなり強力な反論だ。私のこの政権に対する批判に反対してトランプ支援者が主張するときは常に、彼らの議論は、「悪」欄を完全に無視した、「善」欄のものだ。これは政党支持者に、彼らのお気に入り政党に関する否定的なものは一切聞かずに、良いニュースだけを吸収するのを可能にエコー室効果のおかげで、そうなっているに過ぎない。エコー室の壁は非常に厚いので、私が大統領の戦争挑発行動についてトランプ支援者に話しても、私の主張の証明を示すまで、しばしばウソを言っていると非難される。それでも、連中は、自分たちの立場に対する完全な反論を封じこめて、まるで見なかったように振る舞う方法を見いだすのだ。

@StPeteforPeaceのお手柄だ。この連中は驚くべき仕事をして、所属政党にかかわらず、全員の責任を問うている。https://t.co/um13yxjtlJ

- ブライアン・アクラ(@BryanAccra) 2019年4月22日

 反戦という根拠で、トランプを弁護したがる人たちから私が受けるもう一つの主張は、ヒラリー・クリントンは、もっと酷い戦争屋だったはずで、彼女が当選していれば、彼女の非常識なシリアのタカ派計画で第三次世界大戦が燃え上がるのを目にしていたはずだというものだ。私は両方とも、実際に同意するが、だからといって、これがすべき正統な議論であることを意味しない。ガンがあるからと言って、心臓麻痺になるのが良いわけではないのと同様、ヒラリー・クリントンが悪いことが、トランプを良くするわけではない。トランプは前代未聞の最強力な軍隊の最高司令官で、その軍隊の行動は我々が今話をしていることだ。ヒラリー大統領での線表のおしゃべりは注意をそらすおとりでしかない。

 現在この政権は、アメリカの戦争犯罪をあばいたジュリアン・アサンジを送還させ、一生幽閉するべく動いている。地球上で最大の石油埋蔵国で政権転覆を実現しようとする試みで、飢餓制裁によって何万人ものベネズエラ人を殺しており、トランプが月曜日に法律にすべく署名した新しい完全な経済制裁の結果として、その何倍もの人々が容易に死にかねない。この政権は飢餓制裁や、CIA秘密活動無謀な軍事エスカレーションにより、イランでの政権転覆というジョン・ボルトン長年の計画を推進している。

 ロシアゲートという、やらせのプロレスドラマにもかかわらず、トランプはベルリンの壁崩壊以来のどのアメリカ大統領より、モスクワとの緊張をエスカレートさせた。主要なアメリカ-ロシア関係専門家スティーヴン・コーエンは、我々が最後の冷戦の最高潮にも見なかったレベルの、これらエスカレーションの結果、核による全滅の危険があるとを2017年以来警告している。この政権のロシアに対する実に多くの攻撃的行為は、前述のウクライナへの武器供給や、ロシア国境での益々多くの兵隊増員、ロシアの同盟国シリアやベネズエラに対する攻撃、INF条約からの離脱ロシアに対して遥かに攻撃的な核態勢見直しの実施、RTスプートニクへの外国代理人としての登録強制、ロシア送電網へのマルウエア投入とされるもの、多数の外交官追放、モンテネグロを加えるNATO拡大対ロシア・タカ派のカート・フェルカーのウクライナへの特別代表としての任命、ドイツでのロシア化石燃料権益への反対がある。

 この政権はサウジアラビアに率いられたイエメンでの大虐殺を促進し、兵器をサウジアラビアに売り続けている。この政権は戦争をソマリアまで広げている。この政権は世界中での軍事拡張主義を一層可能にするため、既に非常識なほど膨れ上がったアメリカ軍事予算を膨張させた。この政権は、一日のうちに投下される爆弾の数を、前の政権より増やし記録的な人数の一般人を殺害し、そうした空襲に対する軍の説明責任を減らした

トランプは制裁で40,000人以上のベネズエラ人を殺した。「制裁は、意図的に致死的な力で、ある国の一般国民に標的を定めることが完全に受け入れられ、合法的と考えられる戦争の唯一の形式だ。」#Venezuala #MAGAhttps://t.co/LTKZnFNgSr

- ケイトリン・ジョンストン(@caitoz) 2019年4月26日

 状況を把握頂けただろう。どんな道理をわきまえた人にとってても、この大統領は、オバマよりよりも戦争屋の度合いが低いと信じ続ける妥当な理由はない。もし我々が幸運なら、彼はジョージ・W・ブッシュより少ない死者数で退任するだろう。状況が変わったという言説は、強力な連中のためにしかならず、そう信じる人たちが、本当の変化のための戦いを止めてしまうのを確実にする。もしアメリカ人が、実際に戦争に反対する人物に、アメリカ軍を任せることができたら素晴らしいだろう。それがすでに起きていると信じるのは、無謀で、妄想的だ。

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 インターネット検閲を回避し、私が公開する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトで、メーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて、電子メールで通知が行く。私の記事は全て読者の支持によるものなので、本記事を良いと思われたら、共有し、Facebookで「いいね」評価し、私のTwitterをフォローし、私のpodcastをチェックし、PatreonPaypalに投げ銭し、新刊『Rogue Nation: Psychonautical Adventures With Caitlin Johnstone』や前の著書『Woke: A Field Guide for Utopia Preppers』を購入頂くようお願いしたい。人種差別的サイト以外、どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事も)再配布したり、使用したりされるのを私は無条件に許可している。

 

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2019/08/09/the-persistent-myth-that-trump-opposes-war/

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 外国の国旗をかかげる運動というのが、どうしても良く分からない。どちらの国も露骨な植民地政策のチャンピオンなのに。大本営広報部、香港の民衆の言論の自由はとても心配するが、自分たちの言論の自由は全く気にしていない。ジュリアン・アサンジ問題を香港と同じくらい取り上げれば、本当のジャーナリズムだが。そういうことはありえない。
 ゴロツキ集団が「買わない」といっているシュウマイ、最近、良く食べている。これからも食べようと思う。取り上げて騒ぐからその気になるのだから、取り上げなければよいのが分かっていて、取り上げて支援するのが大本営広報部のお仕事。韓国映画の「共犯者たち」そのもの。

日刊IWJガイド「『逃亡犯条例』改正案・拡大する抗議デモ、中国当局の矛先は知名度の高いキャセイパシフィック航空へ!?~香港境界には『中国共産党体制の番人』人民武装警察が装甲車両100台で威嚇行為!?」2019.8.19日号~No.2531号~(2019.8.19 8時00分)

 

2019年8月18日 (日)

モスクワ・ミッチ、秘密のロシア潜水艦とロシア嫌いという錯乱

Finian Cunningham
2019年8月11日
Strategic Culture Foundation

 主要共和党上院議員のミッチ・マコーネルは「ロシアの手先」として、主要アメリカ放送局や政治集会であざけられている。一方イギリスのデイリー・テレグラフはイギリス領海で「人目につかずに活動して」いる「超秘密」ロシア潜水艦について報じている。

 アメリカとイギリスの主流政界における合理的な考え方の崩壊は見境がないロシア嫌いによって浮き彫りにされている。核保有超大国間で国際緊張が高まっている時に、このような思考は、妄想で、偏執的で、究極的に、恐ろしいものだ。

 まず、マコーネル上院議員に対して、ロシアの手先というレッテルを貼っている馬鹿げた騒ぎを考えよう。上院多数党院内総務は、アメリカのニュース放送局MSNBCとワシントン・ポストに「モスクワ・ミッチ」と「プーチンの命令を実行している」と呼ばれた。表向きは「外国の干渉」を防ぐため、選挙制度の安全性を強化することを目指した法案を、マコーネルが阻止した後に、こうしたあだ名がつけられたのだ。

 マコーネルがなぜ法案に反対したかは明らかではない。彼は、州レベルの選挙制度に対する連邦による過剰な支配に同意していないように思える。彼は、既に何億ドルも選挙制度を改良するのに費やされており、そのため追加出費は正当化できないとも主張している。彼は結局、財政上のタカ派なのだ。

 それでも、提案された選挙法案に対するマコーネルの反対を、アメリカ選挙で、ロシアのハッキングを可能にするので、彼がロシア工作員である「証拠」だと、アメリカ政治とメディアの被害妄想ロシア嫌い連中が推論するのは全く正気の沙汰ではない。

 彼の地元ケンタッキー州の最近の政治的催しで、マコーネルは「モスクワ・ミッチ、モスクワ・ミッチ!」と唱える民主党支持者に野次られ、ブーイングされた。抗議行動参加者はTシャツを着て、ソ連時代の槌と鎌がついたコサック帽をかぶったマコーネル画像のプラカードを振り回した。

 77歳の上院議員が、政治的攻撃に、がくぜんとしたのも無理はない人。彼は冷戦時代の赤狩りを思い起こして、それを「現代のマッカーシズム」と呼んだ。彼はそれが過去のマッカーシズムよりもっと悪いとさえ言った。この点、彼に一理ある。

 マコーネルのいらだちは、非難が全く非合理的な空虚さから生じたものだ。6回選出された議員は最も長く勤めている共和党上院議員だ。彼は、ロシアとウラジーミル・プーチン大統領に対してタカ派である「完ぺきな」実績から伝統的に右翼党の重鎮だ。

 気さくな南部男マコーネルが、ロシアの手先と解釈するなどというのは、ばかばかしくて、言葉にもならないほどだ。非難が暴露しているのは、アメリカ主流政界やメディア文化のまったくの錯乱と政治的無知だ。

 プリンストン大学のスティーヴン・コーエン教授が最近のインタビューで言ったように、ロシア嫌いと、アメリカ政治に対する干渉とされるものへの偏執は、余りにも多くのアメリカ政治家、評論家、軍諜報機関、民主党支持者の中で、永久の固定観念になっている。二年間のマラー捜査が、いかなる実質的な詳細や証拠も、見事に提供し損ねた後も、「ロシアゲート」という根拠がない物語が、最終的に捨て去られずに、生き続けているのを、コーエンが遺憾に思って当然だ。

 だが、それでも、最近の議会聴聞会で、元FBI長官ロバート・マラーは、2016年大統領選挙にロシアが干渉したという空虚な非難を繰り返すのを許され、モスクワは2020年の選挙で再びそうするだろうと断言した。これは全く教義的信条に過ぎないが、ロシアのプーチン大統領が「妨害作戦」で、アメリカ民主主義をくつがえすことを命じたという「事実」として受け入れられてしまう。(モスクワは常に激しくそれを否定している。)

 それが、上院多数党院内総務ミッチ・マコーネルのようにロシアに反感を持った人物が、相対的な健全さを発揮して、「外国の干渉を防ぐ」ために必要とされる選挙の安全性の強化を拒絶すると、「ロシアの手先」だとヒステリックな非難で襲われる理由だ。ロシアの悪意に関する錯乱した妄想ゆえに、全くの不合理さは自己強化するのだ。証拠は不要だ。それは「我々が本当だと信じる」から「本当なのだ」。

 マコーネルは、彼らを「左翼ハッカー」や「共産主義者」と呼んで、中傷する連中に反撃した。彼は、アメリカ国民のために無料医療を拡張しようと努める民主党の政策に言及して結論を出した。彼は自身を誇らしげに、アメリカを「社会主義の狙い」から守る「死に神」と呼んだ。

 これほどうつろなやりとりは、アメリカ政治文化がどれほど知的レベルが低下したかを実証している。ますます痛烈な党派的非難や中傷は事実も証拠も理由も政策や歴史や政治哲学に関するいかなる知的理解もなしに飛びかっている。

 だが、遺憾なことに、基本的に、狂気の政治言説は根強いロシア嫌いに依存している。ロシアは政治的コインの両側で、悪、悪意があると見られている。アメリカ社会の固有の問題を扱うより、言説はよくあるエセ説明を探して、ロシアや、共産主義とされるものに関連することの責任にする。アメリカ政治とプロパガンダの冷戦虚無主義は一度も止まったことがない。それは一層妄想化し、うわべだけの現実からも乖離する。この文脈で、現代のロシア嫌いは、不合理さと証拠不要の教義上の信念ゆえ、おそらく一層危険だ。

 そこで、デイリー・テレグラフによる、イギリスをしつこくつけ回す「超秘密」ロシア潜水艦の話になる。イギリスの政治支配階級がアメリカと共有している、いわゆる報道(より正確には心理作戦記事)は、錯乱した反ロシア妄想を暴露するために絶対必要な読み物だ。

 「軍の情報提供者[原文のまま]によれば、新種の超低騒音ロシア潜水艦[原文のまま]が人目につかずに[原文のまま]イギリス領海で活動しているのではないかと懸念される」とテレグラフが報じた。

 情報提供者は、テレグラフがイギリスの諜報宣伝の道具に良く使われることを表して、例によって匿名だった。

 「目に見えない」ロシア潜水艦という「不安」を裏付けるための一片の証拠も提供されていない。おそらく「目に見えない」船は、ロシア人がどれぐらい卑劣で、コソコソしているかの「証明」だ。記事の狙いは、イギリス海軍に更に多く軍事出費をするための広報だった。

 デイリー・テレグラフがこのようなばかげた脅し記事を報道できるのは、全てではないが、多くのイギリス人が、ロシア嫌いを組織的に吹き込まれているおかげだ。

 アメリカの政治文化同様、イギリス政治文化は堕落し下劣になっている。それは中世の魔術や「呪術的思考」と同じだ。証明や理由や適法手続きという基準は放棄された。啓蒙時代前への退行のようだ。アメリカとイギリスがロシアを狙う核兵器庫を所有している事実は、彼らの政治支配階級の狂った考えゆえ、全世界にとって本当に恐ろしい可能性だ。

 Finian Cunningham
主要ニュース報道機関の元編集者、記者。記事がいくつかの言語で発表されており、広範囲に国際問題について書いている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/08/11/moscow-mitch-secret-russian-subs-and-russophobia-derangement/

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 模範的右翼議員まで、「モスクワの手先」扱いするというのは、末期的症状に見える。

 大本営広報部のニュースというもの、ほとんどみないが、『京都人の密かな愉しみBlue修業中「祇園さんの来はる夏」』をみた。ドラマの中で、祇園祭にまつわる実に様々な情報を知った。楽しい京都広報番組?毎回見ている。

 お台場の競技問題、日刊IWJガイドでも扱っている。

日刊IWJガイド・日曜版「東京五輪2020のテーマは虐待と人権無視!? 汚水のお台場・大腸菌が最悪の『レベル4』で、パラトライアスロン大会スイム中止!しかし前日、その汚水の中でトライアスロン五輪予選は実施!?」2019.8.18日号~No.2530号~(2019.8.18 8時00分)

 ガイドの中にある、れいわ議員の活動実績は気になる。

2019年8月17日 (土)

シリアとロシアによるイドリブ爆撃の対象は誰か?反政府勢力かテロリストか

2019年8月10日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

 北西部のイドリブ県内や周囲でシリアとロシアが再開した共同軍事行動を、イギリス、バーミンガム大学教授スコット・ルーカスは他の欧米マスコミと一緒に非難している。

 ロイターはその記事「シリア軍が北西シリアで反政府派に対し軍事行動を再開」でこう主張している。

月曜日、シリア軍は、停戦協定の約束に従わなかったとしてトルコを非難し、北西シリアでのロシアが率いる作戦で軍事行動を再開し、何万人も根こそぎにし、何百人も殺害したと述べた。

 ルーカスとロイターの両方とも、多くの他の欧米マスコミ連中やパーソナリティ同様、「反政府勢力」が実際、一体どういう連中で成り立っているかについて決して述べないようしっかり気を使い、その代わり、シリアとロシアが一般人や「穏健な反政府派」に対して戦争を行っているとほのめかそうとしている。

 ジャーナリストのピーター・ヒッチンスに、シリアの反政府勢力が実際誰かについて説明するように頼まれ、ソーシャル・メディアへの投稿でルーカスはこう答えている。

やあ、ピーター! #シリアの状況は、北西だけでなく北東も皆、地元の評議会、地元の軍事集団やサービスを提供する地元活動家組織のクモの巣です。あなたは#イドリブや#ハマ州というように、特定の町や市を指定する必要があるでしょう。

 ところが彼の主張を説明するためルーカスが使った写真は(人権・自由・人道救援財団)IHHが組織した会議のものだ。IHHはトルコが本拠で、決して「地元ではない」。

 IHHは、人道的理念に隠れて、テロ組織の兵站支援ネットワークもつとめており、アルカイダとも直接つながっている。

 IHHのテロとのつながりは最近のものではない。イスラエルのマスコミYnetよる2012年「報告:IHHは財政的にアルカイダにつながっている」と題する記事がこう報じている。

IHHのビュレント・イルディリム理事長は、悪名高いテロ集団と金融上提携しているかどで、トルコ当局に捜査されていると言われている。

金曜日、トルコの新聞日刊ヒュッリイェトは、イルディリムが彼の組織を通して、資金をアルカイダに移していたと報じた。

 イスラエルを本拠とする対テロ国際研究所(ICT)の「IHH:ジハード主義の非営利の顔。詳細報告」と題する最近の報告書は、こう書いている。

IHH(人権・自由・人道救援財団)は135の国で活動しており、一見、もっぱら人道目標に献身的なトルコの非政府組織だ。実際は、IHHが、中東や東南アジアの紛争地域で、トルコ政府の隠れた部門として事業を行っていることを増大する証拠が示唆している。IHHは2012年からイスラエルにより、テロ集団と指名されており、ヨーロッパの検察官によってアルカイダの重要な兵站支援者として捜査されている。

 紛争が2011年に始まった時から、現イスラエル政府の多くの連中が、トルコやアメリカや他の欧米諸国や、いくつかのペルシャ湾岸独裁国と共に隣接するシリアでのテロ組織支援に関与しているのに、イスラエルのメディアや政治機関がIHHをあばくのを助けているのは運命の皮肉だ。

 まだ知られしものを描写して、シリア領内で活動して外国テロ集団を確認したから、ルーカスが「反政府勢力」がそれ自身、あからさまに暴力的であることを暴露していない一枚の写真を見つけることが可能だったことは、テロリストが、人道主義者のふりをして、シリアのイドリブ県にどれほど深く根付いているかを語っている

戦略上の辛抱強さ

 状況が逆転して、欧米が、アルカイダとその無数の関係団体による州全体の占領に直面していれば、総力戦が始まり、標的とされた地域が過激派戦士から完全に解放されるまで、終わらないだろう。一般人犠牲者は数えられないか、過小報告されるか、許し難い武装テロの要塞と対決する上で不可避だと歪曲されるだろう。

 実際、ワシントンの目的は対テロ関連であるより、地政学的だったにもかかわらず、イラクやアフガニスタンでのアメリの戦争中、似たようなに言説が使われた。

 戦略的な現実は、シリアで、ダマスカスと、その同盟国が、いかにうまく、ワシントンの代理戦争を切り抜け、打ち勝っているにもかかわらず、アメリカは強力な政治的、軍事的、経済的脅威のままだ。最終的にイドリブを、今、現地に強固に根付いている、外国に支援されたテロ勢力からもぎ取るには、戦略的な辛抱強さや、複数の「停戦協定」や、地政学的譲歩が必要とされるだろう。

 シリア軍が、シリアのほとんどあらゆる他の人口の多い地域から彼らを押し出したので、テロ勢力はイドリブに集中している。アレッポの解放さえ実現するのに何年も要した。イドリブは県全体が、トルコ領内でも、トルコ軍に占領されたシリア領内でも、テロ組織に武器を与え、守っているトルコと国境を接している。

 トルコは最近地政学的に目的を変え、ロシアに近づく兆しを示しているが、それはこの8年の紛争が作り出した緊張を元に戻す長期間の困難な過程だろう。

 もしこのまだ危険な、命取りの紛争のさなかに、一縷の希望があるとすれば、欧米マスコミやスコット・ルーカスのような頑固な戦争宣伝屋は、彼らが2011年から援助し、けしかけてきたテロリストの本質をもはや隠すことが可能ではないことだ。

 それにもかかわらず、連中は試み続けるだろうが、ルーカスができたように、アメリカとその同盟国が、ダマスカスに対する、連中の代理戦争で使ったネットワークの更に多くをあばくのに成功するのに過ぎず、シリアでの政権転覆の取り組みを一層弱体化させ、将来、他の国に目標を定めて打倒する類似の試みを面倒にするだけだろう。

 Tony Cartalucciはバンコクを本拠地とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/08/10/opposition-or-terrorists-who-is-syria-and-russia-bombing-in-idlib/

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 お台場の五輪遠泳コース、大変な実態が報じられている。ほとんど『トイレアスロン』。首相や都知事、夏休み、あそこで泳いでもらいたい。

日刊IWJガイド・土曜版「8月1日より始まったIWJの第10期。 8月のご寄付・カンパは前半15日を経過して月間目標額のわずか5%にとどまっており、衝撃的なスタートとなってしまいました! 皆様からの緊急のご支援をよろしくお願い致します!」2019.8.17日号~No.2529号~(2019.8.17 8時00分)

 経費の実情を伺うたび下記記事を思い出す。一部を引用しよう。「悪貨は良貨を駆逐する」ことになっては困る。

ロバート・マクチェズニー『資本主義がインターネットを民主主義の敵にする』について語る

ロバート・マクチェズニー: 我々は絶対にこの戦いに勝てると思っています。私が指摘したどの問題についても、本に書いた他の全問題についても、あらゆる世論調査で、大部分のアメリカ人は我々の側なのが分かっています。このカルテルが我々を貪りつくすのを好む人はいません。プライバシー侵害は皆いやなのです。インターネットを、大企業が鉄条網を至る所に張る場所にしてしまっている厄介な著作権制限は嫌われています。人々は我々の側なのです。我々が直面している問題は、民意に、この番組で皆様が良くご存じの諸問題に対処しようとしない腐敗した政治制度です。私は楽観的です。そうならなかったら失望します。我々の仕事は、ただ人々の利益を結びつけ、こうした問題で我々が実際に勝てるよう、政治力を持たせることです。

二つ目の点については、これについては、既にこの番組で、皆様はクレイグと話しておられましたが、この国は途方もない人数の有能な人があふれています。この国は有能な人に満ちています。ここで不足しているのは、彼らを支える資金です。素晴らしいメディアの仕事をしている沢山の人々がいる事実は嬉しいことですが、彼らがきちんと食べられるようになって欲しいと思います。家族を持てるようになって欲しいものです。彼らの頭上には屋根があって欲しいですし、昼間の別の仕事や家事の残り時間で、ジャナーリズム活動をするというようなことを無くしたいものです。子供達を寝かせ着けた後、家を掃除し、会社での仕事に行くべく目覚めるよう床につく前、夜11:00に作業する人々が、報道や文化を担っていては、自由な社会は築けません。資金の保障がなければいけません。我々に必要な良いもの、文化、ジャーナリズムを生み出すことが出来る人々が、まともな報酬を得られるようにすべきです。

 

2019年8月16日 (金)

キルギスタンでの危機:もう一つのカラー革命か、内戦か?

アンドリュー・コリプコ
Global Research
2019年8月9日


 前大統領が降伏要求に従うのを拒絶した後、収賄容疑での逮捕令状を執行すべく緊急派遣された特殊部隊に、前大統領と彼の支持者が発砲した最近の紛争が、最悪の場合、カラー革命や内戦にさえ陥りかねない状態で、歴史的に不安定な中央アジアの国キルギスタンを突然もう一つの危機に陥れた。

***

 ロシアの集団安全保障条約機構CSTOの相互防衛同盟国で、ユーラシア経済連合加盟国のキルギスタンは、今週早々、現大統領と前大統領間の長年くすぶり続けていた権力闘争が、とうとう暴力的になり、突然もう一つの危機に陥った。前大統領アタンバエフは、彼のかつての子分、現職大統領ジェーンベコフによって、この夏早々、免責特権を剥奪され、汚職で告訴されたが、彼は降伏するという要求に従うのを拒否した。従って、当局が、彼の逮捕令状を執行するため特殊部隊を緊急派遣したが、彼らは首都郊外のアタンバエフ邸宅構内で銃撃に出くわした。最初の作戦は完全な失敗に終わったが、彼は最終的に、翌日出頭することに同意した。前大統領は自分は政治的抑圧の被害者だと主張したが、現大統領は、前大統領は、彼の犯罪だとされていることの中でも、前大統領が彼を逮捕すべく派遣された部隊を銃撃し、逮捕に抵抗したことが、明らかに憲法に違反したと主張している。これに対し、アタンバエフは支持者に、ビシュケクで抗議をするよう呼びかけ、近年の不安定な中央アジアの国キルギスタンの不穏な歴史を考えると、最近の紛争は、カラー革命、あるいは最悪の場合、内戦にさえ陥るかもしれない恐怖を引き起こした。

 現在の問題の核心は、アタンバエフが、ジェーンベコフを支配して、国家に対し、間接的な影響力を無期限に行使し続けることが可能だと想定したが、後継者は別の計画を持っており、自分のかつての後援者を法律違反とされるものの責任を問うことで、自分の独立を主張すると決めたことであるように思われる。現職大統領は、本物の反汚職活動の一環としてそうしたのかもしれないが、彼は前任者が確立した「国家内国家」として機能していた可能性がある影のネットワークを排除するという政治的動機を持っているのかも知れない。結局、以前の憲法改訂で、キルギス大統領は、6年の在職期間を一期しか勤められないようになっており、アタンバエフは、種々の代理人、つまり、ジェーンベコフのような公職にある人物や、最初の襲撃の試み失敗した際、彼の邸宅内に集まっていた武装支持者のような非公式な代理人の双方を利用して、事実上の国家指導者の役割を果たし続けることを望んでいた可能性はあり得る。任期を終えた後でさえ、アタンバエフは大きな影響力を持っていたので、彼はプーチンとの結びつきを維持しており、不可避のこう着状態を避ける窮余の策として、ロシアによる調停の試みで、先月末モスクワに彼を訪問さえした。

スーダン:カオス放出される。 カラー革命

 事情にうとい人々は気が付いていないかもしれないが、キルギスの政治文化は、依然かなりの程度、氏族に基づいており、ここ15年のうちに、2005年と2010年、不満な氏族の連中が抗議で街頭に繰り出して、二つのカラー革命が既に起きているので、最近の状況が極めて爆発的なものになる可能性があるのだ。伝統的なカラー革命モデルに従って、警察はその際、種々の挑発に対応し、状況は急激にエスカレートし、現職大統領が最終的に大統領の座から追放されるに至ったのだが、フェルガーナ渓谷におけるキルギス人とウズベク人の民族的衝突後におきた最近の政権交代は、特に血まみれのものだった。前国家指導者が究極的に降伏した後、木曜日夜に失敗したものの、彼の支持者に、首都で結集するようにというアタンバエフの呼びかけが、こうした二つの前回シナリオの繰り返しを引き起こしかねないがゆえに、極めて煽動的だったのだ。来る週末に、そういうことになるのか否かはまだわからないが、もしキルギスタンを最近の歴史のような不穏状態に戻す積極的な取り組みがなされれば、治安機関は、もう一つのカラー革命の企みに対処する用意を整えているように思われる。

 将来を考えると、唯一の持続可能な解決策は、キルギスタンで、一族中心の影のネットワークが「国の民主主義」の上で果たす影響を減らし、究極的には無くすことであり、振り返って考えれば、前大統領に対する今週の劇的な作戦は、キルギスタンの長期的な安定のためには遅かれ早かれ起きるしかなかったのだ。キルギスタンの治安機関や他の機関に、既にそうしたネットワークの連中が潜入している可能性があるので、国自身が、適切に対処する用意ができていないかもしれず、苦しい戦いになる可能性が非常に高い。そのため、キルギスタンにとって、これからの課題は、「闇の国家」(永久の官僚制)を「浄化し」同時に(時に「闇の国家」勢力の傘下である)組織犯罪を厳しく取り締まらなければならないと単純化して表現可能だろうが、これは問題がどれほど強固なのか次第で、重大な社会混乱をもたらすかもしれない。これまでの大統領たちや影響力を持った連中が、既成体制を改革して利己的な特権を失う危険を冒すより、自分たちの利益のために、既に存在している体制を利用するのを好んだ可能性が高い。そういうわけで、キルギスタンは、おそらく、これから多少厳しい時期になるだろうから、注目し続けるべきだ。

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 アンドリュー・コリプコは、モスクワを本拠とするアメリカ人政治評論家。アフリカ-ユーラシアのアメリカ戦略と、一帯一路グローバル構想という中国新シルクロードの接続性とハイブリッド戦争の関係が専門。彼はGlobal Researchの常連寄稿者。

この記事の初出はGlobal Research 著作権 アンドリューKorybko、Global Research、2019

記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/will-kyrgz-crisis-lead-another-color-revolution-even-civil-war/5685994

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 映画『東京裁判』を見た後、気になって『パル判事――インド・ナショナリズムと東京裁判』を読んでいる。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

『日本国の正体』(9月下旬発行)スティムソンは第二次大戦時陸軍長官。〈当面の問題は、 我々が大きな危険にさらされることなしに、いかに、日本側に最初の攻撃の火蓋を切らせる よう追い込むかだ。〉米国は参戦望むも中立法で戦争できない状況。日本に攻撃させる工作

 景気後退の始まり?

日刊IWJガイド「世界的な景気後退の始まり!? 米英で長期国債金利が短期国債金利を下回る『逆イールド』現象が発生! 大量の米国債を保有する日本にも影響が!」2019.8.16日号~No.2528号~(2019.8.16 8時00分)

 

2019年8月15日 (木)

ボルトンとボリスとビビ:「三人のBはその時は短いが、激しい怒りを持っている」

マーティン・シーフ
2019年8月8日

ヨハネの黙示録12:12

 それゆえに、天とその中に住む者たちよ、大いに喜べ。しかし、地と海よ、おまえたちはわざわいである。悪魔が、自分の時が短いのを知り、激しい怒りをもって、おまえたちのところに下ってきたからである」。ジェイムズ王欽定訳聖書。

 洗礼者聖ヨハネは、予言と神学と同様、政治と心理学も知っていた。権力を愛好する連中を脅せる最悪のことは、連中から、すぐさま権力を奪う可能性だ。そのような極めて悲惨な悪夢は、 そうでなければ冷静な人々たちにさえ、特に無謀なギャンブラーに、必ずや彼らの住宅で二つ目のローンを借り、ルーレット盤がくるくる回る時、非常に分が悪いにもかかわらず、赤に賭けるようにさせるのだ。それは常に破滅と荒廃の処方箋だ。

 現在、イギリスとイスラエルとアメリカの政治的未来は三人の心もとない政治的ギャンブラーで扇動家で危険を冒す連中の手中にある。このことの世界平和の維持に対する危険性は、いくら大きく見積もっても過大評価にはなり得ない。

 ボリス・ジョンソンがイギリス首相になった今、アメリカ国家安全保障担当補佐官ジョン・ボルトンとイスラエルのベンジャミン「ビビ」ネタニヤフ首相に対し世界平和を危険にさらす無謀な冒険主義とギャンブルのための共通の大義を彼が作り出すのは確実だ。

 ジョンソンがイギリス首相として、おそらく最後のものとなる確率が高いのは、彼がこの権力に取り付かれた指導者トリオに欠けていた小片を埋めることで確認できる。

 私とこのサイトの他の寄稿者たちが繰り返して書いているように、アメリカで、ボルトン国家安全保障担当補佐官は、彼がこれまでに到達した最高の地位について、わずか一年半で(この男は実際一度も何にも当選したことがない)民主的に選出されたベネズエラ大統領ニコラス・マドゥロを打倒し、茶番傀儡フアン・グアイドで置き換えるという、彼が意気満々画策したばからしい基本計画をやりそこなって、既にドナルド・トランプ大統領から嫌われている。

 グアイド策謀の失敗が賢明からはほど遠いアメリカ・マスコミにさえ明確になるやいなや、まるで魔法のように、イランとアメリカ間の緊張が高まり、トランプ大統領が、極めて明瞭に、テヘランとの戦争を欲しないという主張を表明しているにもかかわらず、緊張はいまだに高いままだ。

 洗礼者聖ヨハネは、黙示録で、何が起きているかについて、心理的洞察を与えてくれている。ジョン・ボルトンは彼の時が短いのを知っているが、激しい怒りと、それを実行する決意を持っているのだ。

 今ボリス・ジョンソンは、全権を有した英雄的なイギリス首相になるという、彼の生涯を支配していた一つの偉大な本当の目標を実現した。唯一の問題は彼が実際に国を動かして、国を救うため何をすべきか全く分かっていないことに疑いの余地がないことだ。

 戦略上の判断が、才知に長けたものから、実にひどいものにまでわたった彼が尊敬するチャーチルとは違って、ジョンソンは生まれつきクールで勇敢なわけではない。彼は感情的に大いに不安定で、自制できない大酒飲みで(チャーチルは酒を控えることができた)、チャーチルや、ついでながら、トランプやネタニヤフと違って、今まで政府運営の上で経験や実績がない。

 ジョンソンが一瞬の間でも、イギリス経済の完全崩壊や、「ハードな」合意なしブレグジットの避けられない結果、既に大いに進展しているイギリスからの海外直接投の資膨大な流出に、いかに対処するかを熟慮した兆候は皆無だ。

 ボルトンのように、ジョンソンはいじめっ子で、威張り屋で、無謀なギャンブラーで、危険性が高い災難を決して熟慮したり十分に計画したりしない。ボルトンと同様、彼の基本的な立場は、常にロシアをあざ笑い、憎悪し、卑劣な言動することだ。

 イスラエルのネタニヤフは、実際三人の中で最も経験豊富で、今まで、最も用心深く、安定している。彼は、建国の父デイビッド・ベン・グリオン自身の任期さえ越え、イスラエル史上、他の誰よりも長くイスラエル首相をつとめている。彼はモスクワとの安定した良い関係を求める上で、自身賢明で責任があることを繰り返し示し、アメリカのネオコン同志の正気でない極めて危険なたわごとのロシア憎悪には一度も熱中したことがない。

 だがネタニヤフは最終的に、退任するかもしれないし、 退任しないかもしれない。存続能力のある政治勢力として彼自身が作り出した彼の長年の政治同盟者、元国防大臣および元外務大臣で「イスラエル我が家」党首のアヴィグドール・リーベルマンが、ネタニヤフの13年間の基本的に安定した壮大な自由市場-宗教・国家主義者連合への参加を拒否し、連合を破壊した。これで9月に、一年以内に二度目の新たな選挙を行うことになった。ネタニヤフは、果てしない汚職調査ドラマでも、依然、取り調べを受けている。

 また、もしネタニヤフが彼の長年の友人で、何十年もの同盟者ジョン・ボルトンが、トランプの国家安全保障担当補佐官を退任する方向にあると見るなら、彼はパニックになって、イランや何か他の大国をアメリカとの対決に駆り立てようと試みるため、何らかの危険な挑発や、エスカレーションや一方的行動を継続する可能性が非常に高い。

 アメリカ大統領になって以来ずっと、トランプはネタニヤフに対する親密さを誇りにしており、恥知らずにジョンソンを支持してきた。

 だから、ほぼ40年以上も大統領官邸での狡猾と陰謀の巨匠ボルトンにとって、トランプの恩寵を復活させるため、旧友ネタニヤフや新しい仲間ジョンソンの両者に接触するのは自然の動きだ。イランやトルコや中国やロシアや彼らの全てと危機を引き起こすよりもうまい方法があるだろうか?

 過去一世紀、世界大戦は、常に8月か9月に起きたと、私のオックスフォード時代の恩師でウルフソン大学学長のハンス・シェンク博士が好んで指摘していた。世界の首脳と各国政府は、今後数週間「三人のB」の出張と行動をしっかり注目すべきだ。洗礼者聖ヨハネは我々に警告したように、彼らの時間は短く、彼らの激怒が大きいのだから。

 マーティン・シーフは、24年間、上級海外特派員としてワシントン・タイムズとUPI通信社で70以上の国から報道し、12の戦争を担当した。彼はアメリカとグローバル経済問題が専門。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/08/08/bolton-boris-bibi-three-bs-have-short-time-but-great-wrath/

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 今日という日にちなむ東京新聞朝刊の「映画作家 大林宣彦監督インタビュー」を読んだ。今朝は他にも戦争関係記事が多く、読みごたえがある。
 第32回東京国際映画祭、日本映画界のレジェンド・大林宣彦監督を特集!という話題をネットで見た。先のことだが、行きたくなった。

日刊IWJガイド「本日、74回目の敗戦日! IWJは今年も靖国神社と千鳥ヶ淵戦没者墓苑に参拝する方々に、ライブインタビューを行います! 新天皇は平和主義をどう継承するか! 韓国の光復節はデモで盛り上がる!?」2019.8.15日号~No.2527号~(2019.8.15 8時00分)

 終戦ではなく、敗戦日。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

ポツダム宣言とその条件「日本國ノ主權ハ本州、北海道、九州及四國竝ニ吾等ノ決定スル 諸小島ニ局限セラルベシ」、さらに、責任アル政府ガ樹立セラルルニ於テハ」「占領軍ハ直ニ 日本國ヨリ撤収セラルベシ」。外国軍の撤退が国際社会の条理なのである。

 ネットで話題のお笑い芸人事務所、第1回経営アドバイザリー委員会に関するリテラ記事を読んだ。すごいメンバーが一体どういう助言をするのだろう?決して改善する意図皆無なことがわかる面々。さすがのお笑い茶番。

吉本興業“改革”の委員会が酷い! 自民党に護憲派攻撃を指南した学者、裏金隠蔽に加担の検察警察幹部、三浦瑠麗…

 

2019年8月14日 (水)

エプスタイン・ミステリー

2019年8月12日
ポール・クレイグ・ロバーツ

 読者の皆様が私を信頼して下さっているのをありがたく思っている。だが、私は皆様のためにエプスタイン問題を解明することはできない。多分私は皆様がそれについて慎重に考えるのをお手伝いできるだろう。

 まず第一に、多くの拘置所「自殺」は殺人だ。1995年にジェシー・トレンタドゥエの兄弟ケネスは、オクラホマシティー爆撃に関係していた「行方不明の男」と誤解され、連邦捜査官に連邦刑務所で殴り殺された。刑務所は、ケネスは獄房で首をつったと主張した。州検死官は、自殺という判断を承認するのを拒否し、ずっと後に、たくさんの圧力を受けて、隠蔽に対する抵抗をやめた。刑務所は埋葬のために死体を家族に返すより、遺体を火葬にすることを望んだ。だがソルトレークシティー弁護士のジェシーは怪しく思っていた。遺体が返却された時、激しいメイクアップで覆われていた。調査で、明らかに自らつけたものではなく、首吊りで生じるはずがない頭部裂傷や、いたる所の痣や火傷や他の打撲傷が見つかった。明らかに、ケネスは拷問にかけられ、自白を得ようとする取り組みで殴り殺されたのだ。ジェシーは、24年間家族のために公正な結果を得ようとしているが、アメリカ司法省に妨害されている。

 自殺監視されている時、人は自殺できない。元被収容者や看守や矯正関係者がエプスタインは首吊りで自殺していないと確信をもって語っている。

 我々にとって唯一の疑問は次のことだ。エプスタインはエリート・メンバーを守るために殺されたのだろうか? エプスタインは闇の国家によって抜け出し、良く似た容姿の遺体に置き換えられたのだろうか?

 先週、非常に多くの著名な人々が関係しているから、エプスタインは裁判まで行けないだろうと言った人たちは「陰謀論者」として捨て去られた。今週我々は「陰謀論者」が正しかったことを知っている。エプスタインは裁判まで行き着けなかったのだ。

 だが我々は彼が死んでいることを知らない。Intellihubのこの記事は読者を引き付けるために公表されたでっちあげかもしれない。https://www.intellihub.com/prison-workers-4chan-post-10-minutes-before-news-of-jeffrey-epsteins-death-hit-media-guy-in-a-green-dress-military-outfit-switched-him-out/

 あるいはそれは疑念を持たれる自殺から注意をそらすため闇の国家が発表した虚報かもしれない。CIAの対諜報トップ、ジェームズ・ジーザス・アングルトンは、かつて私にCIAが何かをうまくやろうとする時には、異なった、相いれない言説をメディアに流して、混乱させると言った。その結果、調査するべきことが余りに多く、人々は互い、どの話が正しいか議論することになり、出来事の事実は決して捜査されないと彼は言った。今は、インターネットであらゆる種類の言説で、出来事を混乱させて、隠蔽できる。

 誰かが、ある見解を「陰謀理論」と呼んで、信頼性を損なおうとしているのを聞いたら、疑っていただきたい。CIAは、公式説明に対する懐疑論者の信用を失墜させて、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺の説明を支配するため「陰謀理論」を発明した。

 彼の小児性愛行動の捜査によって危険にさらされることがない、彼を良く知る人々が、彼の遺体を確認し、非公式専門家がDNAで遺体確認するするまで、エプスタインはCIAアジトで、未成年の女性と一緒に暮らし、人生を楽しんでいるのかどうか我々は知ることができない。これらの措置でさえ、捜査官たちが賄賂をもらわなかったり、脅迫されたりしなかったのかどうか我々は知るよしもない。

 混乱や疑いを増やすため多くのことが行われるだろう。既にケネディ大統領殺人で、遅れた検死報告書や、信じ難い一発の銃弾説明を支持する病理学者が関与した例がある。https://www.zerohedge.com/news/2019-08-11/epsteins-autopsy-results-delayed-pending-further-information

 矛盾する情報が日ごとに増える。エプスタインが彼の「自殺」の少し前に、自殺監視から外されたという当局筋からの情報が報じられている。自殺防止獄房では自殺できないから、自殺という判断を裏付けるには、この報道が必要なのだ。

 我々に対して明快な説得力ある説明が与えられる可能性は少ない。知るための唯一の方法は、状況をきわめて慎重に検討し、絶えず変わる話を考慮して決めることだ。ケネディ大統領暗殺、ロバート・ケネディ暗殺、マーティン・ルーサー・キング暗殺、アメリカ艦船リバティー号へのイスラエル攻撃や9/11事件などの公式説明は決して本当ではない。

 エプスタイン裁判はアメリカ・エリートの信用を失墜させたはずで、決して起きてはならないことだった。同じ理由で、何が本当にエプスタインに起こったか、我々は決して知ることはないだろう。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/08/12/the-epstein-mystery/

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 突然、雨が降り出し、やんだ。巨大台風の余波?

 10日「Was Jeffrey Epstein Murdered Over Nuclear Thefts?」という記事を読んだ。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

米の対中国輸出が貿易摩擦で減少。それで日本はその穴埋めをしてあげるんだと。そんなことは 前の日米首脳会談で予測されたこと。トランプのツイッター「貿易交渉で大進展。農業と牛 肉7月の選挙まで待つ。大きな数字を予測」むしられるだけむしられ、それを是とする国民

 今度は農産物爆買い。我々は遺伝子組み換え食品やらホルモン剤たっぷりの肉やらの爆食いを強いられる。巨大倉庫建設が必要になるのだろうか。不沈空母住民はつらいよ。

日刊IWJガイド「『失業や不安定雇用は 個人の問題ではなく社会問題!』本日午後7時より、8月7日録画収録した岩上安身による渡辺照子氏インタビューを、公共性に鑑み特別にフルオープンで公開いたします!れいわ新選組を応援されていた皆様もぜひご覧になってください!ご覧になった後、ご評価いただけましたら、IWJの会員の入会をお願いします!」2019.8.14日号~No.2526号~(2019.8.14 8時00分

2019年8月13日 (火)

暴政へのあからさまなお誘い

2019年8月7日
Paul Craig Roberts

 FBIは「陰謀論」が、それを信じる人々に、犯罪を行う動機を与え得ると結論する文書を発表した。https://www.scribd.com/document/420379775/FBI-Conspiracy-Theory-Redacted#download

 事前逮捕、つまり犯そうと計画した嫌疑をかけられている犯罪を行う前に、誰かを逮捕することに対する容認が高まっていることを考えると、ジョン・F・ケネディやロバート・ケネディやマーティン・ルーサー・キング暗殺の公式説明や、9月11日に関する公式説明のようなものに対する異議申し立てが、今や事前逮捕の理由を見いだす目的での当局による監視をもたらしかねない。ジョージ・W・ブッシュとオバマ大統領は、嫌疑だけで、適法手続きなしで、人身保護令停止し、市民を暗殺する警察国家の先例を作った。もしアメリカ人が無期限に事前拘留され、先制的に暗殺される得るのなら、アメリカ人は、犯していない犯罪のために事前投獄されることが予想できる。

 ローレンス・ストラットンと私が共著「The Tyranny of Good Intentions(善意の暴政)」で説明したように、人々の盾になる法律を作り出した歴史的偉業は、現在、法律が政府手中の武器へと作り変えられて、反転させられている。https://www.penguinrandomhouse.com/books/155833/the-tyranny-of-good-intentions-by-paul-craig-roberts-and-lawrence-m-stratton/

 FBI書類は、陰謀論は「通常、出来事の公式、あるいは支配的言説とは合わない」と言う。「公式の」「支配的」いう単語の使用に注目願いたい。公式説明とは政府が提供する説明だ。支配的言説とはメディアが繰り返す説明だ。公式の支配的言説の例はこうしたものだ。サダム・フセインの大量破壊兵器、アサドの化学兵器使用、イランの核兵器、ウクライナへのロシア侵略や、リビア破壊に関するアメリカ政府による公式説明。もし人がこれらの公式説明を疑えば、その人は「陰謀論者」になる。

 公式の支配的言説は事実と首尾一貫する必要はない。それが公式で、支配的あるだけで十分なのだ。それらが本当かどうかはどうでも良いのだ。そのため、真実を擁護する人々は陰謀論者というレッテルを貼られ、監視され、多分事前逮捕されかねないのだ。

 9/11事件をお考え願いたい。9/11事件の法医学的捜査は今まで公式に行われていない。その代わり、ビルの破壊はオサマ・ビンラディンのせいにされ、真実を見つけるためにではなく、この主張を裏付けるために、シナリオとシミュレーションがでっち上げられた。建築家や、エンジニア、科学者、パイロットや初動要員は、公式の支配的言説と、現場での事実と一致させることができずにいる。彼らが作成した科学的証拠と供述証拠は「陰謀論」として切り捨てられている。陰謀論者だと定義されるのは、オサマ・ビンラディンの9/11事件陰謀物語をでっち上げた人々ではなく、証拠に依拠する専門家たちだ。

 ロシアゲートをお考え願いたい。公式の支配的言説だったトランプとロシア間の陰謀とされているものがある。それでもロシアゲート陰謀を信じても、この陰謀が公式の支配的言説だったので誰も陰謀論者にはされなかった。だがロシアゲート陰謀を疑うと、人は陰謀論者にされた。

 FBIレポートが、意図的、あるいは意図せずに行っているのは陰謀論支持者を、公式説明を疑う人と定義することだ。言い換えれば、政府のあらゆる説明責任を避ける方法だ。政府が言うことは何であれ、いかにウソであることが明らかだとしても、事実として受け入れなければならず、さもなくば我々は先制的逮捕用監視リストに載せられる。

 結果的に、FBI文書は、修正第1条、すなわち言論の自由を、公式の支配的言説を繰り返す権利におとしめる。他のあらゆる言説は犯罪をもたらし得る陰謀思想なのだ。

 このFBI書類を、ワシントン政府が暴政へのあからさまなお誘いとして見ていないことを、アメリカ国民全員大いに懸念し、それを拒絶し、その撤回を要求すべきだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/08/07/an-open-invitation-to-tyranny/

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 類は友呼ぶ?幹事長の本を昔読んだことを反省している。

N国代表 マツコ批判演説1時間…生出演のTV局前で「出て来たらいい」現場騒然

 あいちトリエンナーレを連想。初期にオウムを批判した坂本堤弁護士一家殺害事件も。大本営広報部は、お仲間だから、彼らをあおっても、問題点を指摘することはしないのはわかるが、まっとうな批判の欠如、まさに、暴政へのあからさまなお誘いだろう。

 十二年も昔の2007年8月26日に訳した(が検索エンジンという隠蔽エンジンではみつからない)記事を思い出す。

 簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)

日刊IWJガイド「韓国が日本を『ホワイト国』から除外する報復措置を電撃発表! 『韓国政府はいつ、どこでも日本政府の協議要請に応じる』とも!」2019.8.13日号~No.2525号~(2019.8.13 8時00分)

 ガイドには、

米露のINF条約破棄で、再び核軍拡の危機の今こそ見つめなおしたい映画「ひろしま」が8月16日(深夜)にNHKのEテレでオンエア!

 とも書かれている。思い出したが、この映画、見たことがある。下記記事で触れた。

 はだしのゲンが見たヒロシマ・原発切抜帖・ひろしま・あしたが消える日

2019年8月12日 (月)

香港とカシミール:二つの占領の物語

ペペ・エスコバール
2019年8月7日
Strategic Culture Foundation

 無数の地域の読者が、香港について私に質問しておられる。彼らはそこが私の昔の住処の一つであることをご存じなのだ。私が広範囲にカバーした1997年の返還以来、私はずっと香港とは複雑で多面的な関係を維持している。今、読者にお許し頂けるなら、私はずばり要点を申し上げたい。

 ネオコンや人道的帝国主義者連中にとって大いに悩ましいことに、香港では中国本土のような抗議行動参加者に対する血まみれの取り締まり、天安門2.0はないだろう。なぜだろう? なぜなら、その価値がないからだ。

 北京は抗議に組み込まれたカラー革命挑発を特定しているのは明らかだ - ソフトなCIAとして卓越するNEDが、官公庁内にさえ第五列の蔓延を促進している。

 もちろん他の要素もある。事実上の実業界の大物クラブ寡頭政治が、経済の隅から隅まで支配しているのに香港人が腹を立てるのは正しいという事実がある。「本土人の侵略」に対する現地の反発。そして広東対北京、北対南、地方対政治的中心地の容赦ない文化戦争。

 これらの抗議が速めたものは、中国の大規模な統合/開発計画にとって、香港は重要なノードとして信用に値しないという北京の確信だ。香港を冷遇するのではなく、粤港澳大湾区一部として、大陸と統合するべく、北京は188億ドル以上を投資して、香港-珠海-マカオ橋を架けた。

 今「役に立つ馬鹿」の一団が、彼らが、もはやいかなる優遇にも値しないことをまざまざと証明したのだ。

 香港での大騒ぎは残忍で非生産的な抗議行動(マクロンの軍隊が実際、Gilets Jaunes/黄色いベストたちの体を不具にし、殺害さえしているフランスを想像願いたい)でさえない。大騒ぎはHSBCを消耗させる腐食で、それには新たなドイツ銀行スキャンダルとして全ての特徴が揃っている。

 2.6兆ドルの資産を有するHSBCは銀河系間のゴキブリの大群を地下室に抱えており、グローバル超資本主義エリートが操作する不正資金浄化と怪しい取り引きで問われている。

 結局香港は、その内部機構が腐食するまま放置されるだろう。最終的に、欧米風のうわべの中国ディズニーランドという安っぽい立場へとゆっくりと衰退してゆく。既に上海は中国最大の金融中心に上昇しつつある。深センは既にハイテクの最高中枢だ。香港はただの補足だろう。

 ブローバックに備えろ

 「香港占拠」は単に欧米が吹き込んで、手段として利用している策謀だと中国は判断したのだが、インドは、カシミールで完全占拠を目指すと決めている。

 カシミール渓谷全域に外出禁止が課された。インターネットは切断された。カシミール人政治家は全員駆り集められ、逮捕された。実際、全てのカシミール人、(インド政府)支持者や国家主義者、分離主義者、独立主義者やノンポリは、敵という烙印を押された。隠れファシスト、ヒンドゥトヴァ下のインド風「民主主義」にようこそ。

 我々が知っていた「ジャンムー・カシミール州」は、もはや存在しない。彼らは今二つの別の組織だ。地質学上、壮観なラダクはニューデリーに直接支配されるだろう。ブローバックは確実だ。既に抵抗委員会が出現しつつある。

 カシミールでは、近いうちに選挙がないだろうから、ブローバックはさらに激烈だろう。ニューデリーは、正当な代表との交渉のような厄介なものを欲していない。ニューデリーは全面支配を望んでいる、以上、おわり。

 1990年代初期から、私は数回カシミールの両側に行ったことがある。パキスタン側はアザド(「自由」)カシミールのように感じられる。インド側は明らかに占領されたカシミールだ。この分析は、IOK(インドに占領されたカシミール)で暮らすのは、どういうことを意味するかという描写と同じことだ。

 ヒンドゥー至上主義政党インド人民党の手先が、ギルギット・バルチスタン州、あるいは北部地域を、連邦管轄地域としてパキスタンが「違法に」指名したと絶叫している。それについては何ら非合法なことはない。私は中国-パキスタン経済回廊地帯(CPEC)をたどって、去年末、ギルギット・バルチスタン州で報じた。誰もいかなる「違法性」についても不平を言っていなかった。

 パキスタンはカシミールにおいて、「[インドの]非合法な措置に対処するため、あらゆる可能な選択肢を行使する」と公式に述べた。これは極めて外交的だ。イムラン・カーンは対立を欲しない。イスラム教徒が過半数の州を、ヒンズー教徒が過半数の州に変えることを目指して、モディがヒンドゥトヴァ狂信者に迎合しているのを彼は十分過ぎるほど知っている。だが長い目で見れば、避けられないものが出現するのは疑いようがない。断片的に、ゲリラ戦として、あるいは共同戦線として。

 カシミール版インティファーダにようこそ。

 ペペ・エスコバールは地政学専門家、著者、ジャーナリスト

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/08/07/hong-kong-kashmir-a-tale-of-two-occupations/

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 今の異様な二国間関係を先取りしていたかのような人物。

日刊IWJガイド「『事実をうやむやにし、風化させる』!? 小池都知事『関東大震災式典朝鮮人追悼文』を3年連続で見送り! 落語家・立川談四楼氏が痛烈批判『虐殺そのものを無かったことにしたいのだとしか思えない』」2019.8.12日号~No.2524号~(2019.8.12 8時00分)

 

2019年8月11日 (日)

新彊のためのワシントンの本格的な行動

2019年8月4日
ジーン・ペリエ
New Eastern Outlook

 アメリカと中国間の言論戦と制裁が激化する中、ワシントンは中華人民共和国の新彊ウイグル自治地域で、分離主義感情を益々かき立てる決意を強くしている。新彊を独立地域に変えるか、混乱に陥れるかすることで、地政学上の主要な競合相手に実際の損害を与える能力が、ウイグル分離主義問題を、グレート・ゲーム現代版の北京に対する闘いの上で、ワシントンお気に入りの武器に転換した。

 中国内の分離主義運動の問題が持ち出される時は常に、チベットと新彊について考えさせられる。後者は、現地の分離主義者にも、彼らの欧米スポンサーにも、東トルキスタンと呼ばれることが多いが、彼らのいずれも、この地域に10.3兆立方メートルの天然ガスと推定210億トンの石油埋蔵がある事実には言及さえせずにいる。更に新彊の石炭埋蔵は中国の合計のほぼ40%を占め、またレアアース金属とウラン鉱床は、中国の鉱物埋蔵量の4分の3以上を構成している。アメリカの権益集団が、この富に足を踏み入れたがっているのは言うまでもない。

 だが、新彊は単なる天然資源だけでなく、人口も2300万人より遥かに多く、省レベルでて中国最大の地域でもある。この地域が合計8つの省と国と境界を接している事実から、新彊は中国の世界インフラ構想、一帯一路で枢要な役割を果たす主要輸送ハブになっている。上海からフランクフルトまでのユーラシア横断光ファイバー線が、新彊ウイグル自治地域を通っていることも注目に値する。カスピ海地域からアジア太平洋まで邪魔されない炭化水素の流れを保証する主要な石油と天然ガス輸送ハブも、ここに設置される計画になっている。

 今やウイグル分離主義は、多面的な現象になっている。最前線にはミュンヘンに本拠を置く世界ウイグル会議がある。この組織は、彼の支持を得るため、2007年にホワイトハウスで伜ジョージ・ブッシュと会ったラビア・カーディルに率いられている。同年アメリカ議会は、ウイグル分離主義者は、新彊で自己決定を追求することを許されるべきで、北京はこの立場を示すべく、国内政策を変えるべきだという法案を採択した。アメリカ国務省が毎年この組織の活動に、約21万5000ドルを割り当てているのは驚くべきことではない。

 2008年のチベット反乱、2009年のイランの環境保護運動や、多くの「カラー革命」を支援した全米民主主義基金が、世界ウイグル議会も支援していることはさほど驚くべきことではない。さらに、この組織は、ラビア・カーディルに率いられるアメリカ・ウイグル人協会を通し義援金を受けている。全部で、この組織が受け取る資金は、本の出版、世界のあらゆる場所から何百という参加者を惹きつける会議開催、イギリス、トルコ、オーストラリア、スウェーデンとカナダで多くの事務所を維持・管理するのを可能にしている。

 それらの活動は、サウジアラビアやトルコの機関と協力して働く欧米諜報機関のために「ウイグルの大義を推進する」完ぺきな煙幕となっている。トルコの情報局員は、新彊で活動する分離主義者と連絡を持続する仕事を与えられ、偽造パスポートを与え、機関が維持している活動家のための安全な経路の手がかりを与えている。サウジアラビア情報局員は、ずっと昔に慣れた新彊での様々な活動に従事している。布教活動やモスク支援を装った潜入工作や、未来の過激派戦士を訓練するため、宗教教育を促進するという口実の下で渡される補助金だ。

 だから、 The New Great Game: Blood and Oil in Central Asia(新しいグレート・ゲーム:中央アジアの血と石油)という題の新彊での大失敗に関する本を書いたドイツ人従軍特派員ルッツ・クレヴマンによれば、外交交渉という欺瞞的装いの背後に隠した人の目を欺く仕掛け戦術で、その狙いを達成することができると確信しているので、アメリカは中国の本当の封じ込め戦略には、さほど興味を持っていない。

 新彊での人権侵害とされていることに対し、メディアで反中国ヒステリーを強化しようとして、ワシントンは、興味深い非政府組織Chinese Human Rights Defendersが作成した報告書を衆目を引くため、国連人種差別撤廃委員会のゲイ・マクドゥガルを使った。この最初の狙いが達成された途端、ガーディアンを含めた欧米メディアが、報告書で提示されている主張は事実だと言い始めた。だが、多数の憤激した個人が、シリアから帰国した元ISIS戦士を社会生活に再度順応させる教育キャンプを閉鎖するよう中華人民共和国に要求することで状態で終わり、この報告を巡って、いかなる国際的当事者にも公的に中国を非難するよう強いるのに十分な勢いをアメリカは得損ねた。

 2月中旬、トルコ外務省は「100万人以上のウイグル族テュルク人が恣意的に逮捕され、捕虜収容所と刑務所で拷問と政治的洗脳を受けさせられた」という主張を含むハミ・アクソイ報道官による声明を発表した。更に、ハミ・アクソイ報道官は著名な民族詩人、アブドゥレヒム・ヘイットを、とんでもない状態において、早過ぎる死を招いたと言って北京を非難し始めた。二日後、反撃として、中国はステージで演じている当の詩人のビデオを公開して、この最近の中傷の企みにとどめをさした。

 一カ月前、イェニシャファク紙の政府寄りジャーナリスト、イブラヒム・ カラギュルがツイッターで、新彊を巡る中国に対する広告キャンペーンが、CIA作戦以外の何ものでもなかったことを明らかにしたのは興味深いが、このツイートが削除されるまでに長くはかからなかった。だが彼の新たな暴露は「CIAは中国に圧力をかけるためトルコを使っている」という題の記事を書いた著名なフランス人評論家ティエリー・メイサンも支持している。

 反中国連合を作ろうとして、ワシントンは世界各国の宗教的自由の状態を論じるための外務大臣と市民運動の著名代表者による年次会議を設立しようとしている。今年、会議は7月中旬に行われたが、アメリカは最終的に報道価値のある材料を得損ねた。新彊を巡って、イスラムの反中国連合を集めることの失敗は、デイリー・シグナルのインタビューで、国際的な宗教的な自由のためのアメリカ特使が認めた。それ自身がしている主張に対する信頼を自身がほとんど持っていないため、国際監視団がこの中国の自治区を訪問するのをワシントンが阻止しようとしているのも興味深い。

 テロリストや過激組織が論争を起こすという手強い課題に直面して、北京がこの状況に対処するため多くの処置をとるのは当然のことで、その一つは、新彊住民への教育を促進して、より良い就職の機会を提供する試みだ。三年以上、大規模テロ攻撃や大規模市民暴動事件がなかったことで、この戦術が機能しているように思われる。中華人民共和国は、ウイグルの社会情勢も改善しようとしている。中国は、欧米が繰り広げる挑発と、その後に続く主張の両方に対する完ぺきな答えを見いだしたように思われる。

ジーン・ペリエは、独立研究者、評論家、近東・中東の著名専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/08/04/washingtons-major-push-for-xinjiang/

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新彊を巡る中国に対する広告キャンペーンが、CIA作戦以外の何ものでもなかったことを明らかにしたのは興味深い

 というので、それにつながる記事。

日刊IWJガイド・日曜版「声を発する草の根運動 憲法改正への危機感と地域で繋がるIWJ」2019.8.11日号~No.2523号~(2019.8.11 8時00分)

 題名にはないが、記事を読むとある。ごく一部だけ引用させていただこう。

はじめに~CIAの別組織とも言われるCSISと関係の深い小泉進次郎衆院議員、総理官邸・婚約会見の裏で「有志連合」への自衛隊参加要請に暗躍する米国高官の姿が!?

 詳しくはガイドをお読みいただきたい。ただ、下記の部分には驚いた。国会討論、自民党、公明党、維新のものは全くみないので、知らなかった。選挙応援人集め要員だけのはずはないだろうが。

政治家・小泉進次郎氏の成果に焦点を絞ってみると、国会議員の重要な仕事に挙げられる本会議や各委員会での質問、議員立法、質問趣意書の3点について、2009年の初当選以来通算4期に渡る衆議院議員でありながら前国会ではただの一度も行ったことがない「実績ゼロ」の議員であることがわかります。

 

2019年8月10日 (土)

トルコを反米にしたフェトフッラー・ギュレン

2019年8月5日
マーティン・バーガー
New Eastern Outlook

 トルコは、昔からの中東でのアメリカ同盟国として、ワシントンによって、常に前哨基地と見なされてきた。これはアメリカが、トルコの海外政策、国内政策の両方に大変な注意を払っていること、そして、モスクワと、ワルシャワ条約崩壊のずっと後も、ロシアに忠実なままでいる多くの中央アジア諸国との和解をアンカラが求めるのを阻止するためにホワイトハウスが駆使してきたあらゆる画策の説明にもなる。

 ワシントンはトルコ転向作業を、1947年という早い時期に、1952年、NATOへのアンカラ加入で終わったマーシャル・プランを実施することで開始した。その期間中に、Cumhuriyet紙が述べている通り、アメリカはトルコ当局に通知せずに、この中東の国の領域中にその核兵器を配備した。この措置で、アンカラはハバナと同じようなものだとばれて、この措置はキューバ危機を引き起こし、アメリカ政策立案者手中の武器へとトルコを変えた。ほぼ70年後も、ワシントンは、中東地政学の地図を描き直すという願望から、アンカラを破城槌として依然利用しようとしている。

 だが、正気のトルコ政治家なら、自国に有害で、ワシントンに有益な措置をとるはずはないだろうから、アメリカがトルコに割り当てた役割を果たさせるため、トルコをだましたり強制したりするため、アメリカが多くの戦術を使うだろうことを実際に理解している人々が極めて少ないのは明確だ。

 それらペテン道具の中でも、いわゆるフェトフッラー・ギュレンの並列政府、別名「ギュレン主義テロ集団」(FETO)が重要な役割を演じている。今日に至るまで、ワシントンはアンカラの同盟者だと主張しているにもかかわらず、アメリカはペンシルベニアに住む亡命聖職者に避難所を提供している。彼の権力基礎は、目ざましい教育水準を提供している私立学校のネットワークにある。トルコには、かつて、このような学校が300校以上あり、世界中の合計数は千施設を超えていた。

 当初アメリカは、それらの学校を、何であれ欧米に忠実な新しい政治エリート集団を作るために使おうきしていた。このような干渉の主要目標は、そこに多数のテュルク民族集団が住んでいる中央アジア諸国だった。モスクワとしっかり結びついた現地のイスラム教共同体を、モスクワから離反させるため、FETOは旧ソ連共和諸国の中で、急進的イスラムと汎テュルク主義を推進して分離主義思想を広めようとした。

 90年代当時、FETOが促進したチュルク愛国心という考えは、タイップ・エルドアンが採用した汎テュルク構想と協力していた。これは、アスタナのテュルク・アカデミーと国際テュルク文化機構と、テュルク評議会(TurkPA)設立をもたらした。これら全ての組織は、アンカラが中央アジア中で大規模なソフト・パワーの行使を可能にした。

 それが、あっという間にアンカラの非宗教エリートにとって不倶戴天の敵になった賢明な穏健派イスラム主義者タイイップ・エルドアンに対し、FETOが長期間好意的でいた理由だ。

 だが、エルドアンと彼の支援者が、トルコ政治制度での立場を固めた途端、彼はアメリカの厳しい命令に対して、益々批判的になり始めた。するとワシントンは、彼らがかつて擁護していた人物の頑固さに苛立って、トルコでのエルドアンの権力を弱体化する企みでFETOを使うという決定に至った。

 それが、まさに我々がトルコで、クーデターの企みを毎回目にしている理由で、まもなく我々はタイイップ・エルドアンに対するさらにもう一つの攻撃で、イスラム教徒や軍の派閥を使って、元同盟者を打ちのめそうとしたのがギュレンの秘密ネットワークだったことを知ることになった。2016年に起きた最近の企みで、FETOに対する全ての主張が本当だったことを証明するのに十分な証拠を集めるのにアンカラは成功した。

 トルコ警察学校報告によれば、FETOは、トルコに対する脅迫であることに加え、国際平和と安全の脅威である「新世代テロ集団」であることが指摘されている。報告は、ヨーロッパ、バルカン、中東、アフリカ、ロシア、中央アジアとコーカサスでの組織の歴史、基本的特徴と目的と構造と、メディアと教育部門とのつながりについての情報を含んでいる。

 ワシントンが、アフガニスタンをアメリカ軍に占領されたままにして、この国の状況を特徴づける権力の空白の前提条件を作って、中央アジアのFETO本部をアフガニスタンに置くように選んだ理由がある。2016年のクーデター未遂の余波、トルコ警備機関により、起訴から逃れることに失敗した逮捕されたFETOメンバーに明らかにされたように、この決定は、2008年という昔に行われていた。彼らの証言によれば、フェトフッラー・ギュレンは各国の状況の発展に直接の影響力を及ぼそうとして、多数の中央アジア諸国で、現地警察と軍組織へ潜入を手配しようとしていた。

 この期間中、FETOは、NATOの付属機関とアメリカ外交団からの全面的支援を享受している。その狙いを推進するため、NATOは、アフガニスタン警察は、2011年の二国間交換留学プログラムでトルコ警察学校に入学した、ギュレンの元弟子たちに組織されるべきだと決定した。この狙いを達成するため、長い間、FETOはアフガニスタンのマザーリシャリーフとシェベルガーン地域のアフガニスタン人、ウズベク人キルギス人学生を採用してきた。これらの学生は、現在、ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタンとアゼルバイジャンの法執行機関において、ワシントンの権益を推進している。

 しかしながら、翌年、エルドアン打倒計画の全てがなされたペンシルベニアの管制センターと反政府陰謀者の手順調整をしていたアメリカ薬物取締局(DEA)との連絡役メティン・トプスをアンカラが逮捕したため、2016年のクーデター未遂が、アメリカ-トルコ関係で最悪期間ではなかったことが分かった。逮捕後、トプスが政府に陰謀を企てたとして告訴されるトルコの高位警察幹部と親密なつながりを持っていたことが分かった。

 最近、アメリカのシンクタンクが、既存のものに取って代わるべき新たなトルコ国家という考えを推進し始めるにつれ、トルコ当局の現在の反米姿勢は一層極端になっている。彼らはこの統一体の名前さえ考え出し、アナトリア共和国と呼んでいる。

 このような状況下では、ワシントンがトルコでの起訴から、フェトフッラー・ギュレンを隠し続ける限り、トルコとアメリカ間の二国間関係に本格的な進展があるはずがないのは明確だ。この背景で、世論調査によれば、大半のトルコ人がワシントンがトルコの安全保障に対する最大の脅威がと考えているのは、ほとんど驚くべきことではない。

 マーティン・バーガーはフリージャーナリストで地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/08/05/fethullah-gulen-made-turkey-anti-american/

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 ギュレン関連記事、以前いくつか訳している。

 深川江戸資料館を見学した。下記企画が目的。

<つなぐ 戦後74年>大空襲忘れぬ 平和への夏 江東で6日から体験者ら集い

 企画展「杉浦日向子の視点~江戸へようこそ~」を拝見してから、東京大空襲のほか沖縄戦、広島、長崎への原爆投下、ベトナム戦争など。最初に主題の東京大空襲の惨状を伝えている写真展を拝見した。夜は、神田香織一門三人の講談を拝聴。全員、空爆、原爆が演題。弟子の神田伊織氏は「東京大空襲」を初演。神田香織氏は「はだしのゲン」。

 東京大空襲といわれる1945年(昭和20年)3月10日の夜間空襲は死者数が10万人以上、3月10日空襲だけで、罹災者は100万人を超えたという。

 東京大空襲や広島原爆投下やベトナム戦争に関与していた有名なアメリカ軍人がカーチス・ルメイ。「ベトナムを石器時代に戻してやる」という言葉でも有名。英文ウイキペデイアでは「ベトナムを石器時代に戻す能力があると言った」というのが本人の弁(I said we had the capability to do it. )

 彼は後に、勲一等旭日大授章を得ている。ウイキペディアには下記文章がある。

これは参議院議員で元航空幕僚長源田実と小泉純也防衛庁長官からの強力な推薦によるものであった】という。

 故日隅一雄弁護士の記事「日本への無差別爆撃実行者に勲一等旭日大綬章が与えられたことをご存知ですか?~実行者の名はルメイ」にも詳しく書かれている。

 小泉純也防衛庁長官は、驚きの官邸記者会見で有名な議員の祖父。
 父親は、郵政民営化という郵政破壊で、今の簡保保険の不適切営業問題の本当の原因を作り出し、郵政破壊で苦難を味わっている自国民はさておき、オトモダチ作戦に参加した米軍兵士支援をしている。
 議員本人は、大学卒業後、ジェラルド・カーティスに師事し、その後、アメリカ合衆国にある戦略国際問題研究所CSIS非常勤研究員を経験している。当時の上司はマイケル・グリーン氏。

 そういうことで、彼にまつわる大本営広報部の提灯呆導には興味がない。

 

2019年8月 9日 (金)

ネオコンの戦争挑発 広島爆撃を賛美するフリー・ビーコン

2019年8月7日
ケイトリン・ジョンストン
CaitlinJohnstone.com

 アメリカによる残虐行為について毎日情報を発表する卓越したツイッター・アカウントのアメリカン・バリューが広島原爆攻撃記念日の新しいスレッドをたてたところだが、私は全員今日それを一目見るべきだと思う。そこには次のように書いてある。

「1945年のこの日、日本の都市広島に核兵器を投下して、140,000人の人々を殺した時、アメリカは人類史上最悪な[残虐行為]の責任を負った。広島は爆弾の致死力を増大する谷地形であるために選ばれた。


「爆弾は直接島病院の真上で爆発し、2.6平方キロを破壊し、12.2平方キロを火事にした。70,000人の人々が即死し、70,000が負傷した。爆撃は広島の全医療関係者の90%を死亡させた。負傷者は皮が剥離する中、倒れて死ぬまで、ぼんやりと、あてもなくさまよい、生存者に、生きた木炭のかけらと描写された。生存者の多くが放射線中毒の犠牲者になり、一部の人々は吐きながら暴力的に亡くなった。

「驚くべきことに、広島に爆弾を投下した三日後、アメリカは長崎にもう一つの原子爆弾を投下した。爆撃は本質的に実験で、プルトニウム爆縮爆弾が戦時環境で適切に爆発するかどうか見ようとする試みで、80,000人の日本人を殺害した。

「戦中に使われたアメリカ宣伝の多くが日本人を下等人間として描写したが、この態度が、アメリカ政府が自身と国民にこれらの残虐行為を正当化するのを助けた。

「爆撃を取り巻く最も非難されるべき神話の一つは、生命を救うため、それらが「必要だった」という考えだ。本格的歴史研究が、それが誤りであることを証明している。ここで見る->ここでも - > にもかかわらず、そうでなければ、アメリカ人が人類の最も法外な戦争犯罪の一つを犯した自国政府に対して感じるはずの罪悪感を軽減するがゆえに、この神話は残っているのだ。」

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戦中に使われたアメリカ宣伝の多くが日本人を下等人間として描写したが、この態度が、アメリカ政府が自身と国民にこれらの残虐行為を正当化するのを助けた。pic.twitter.com/220krapn3I

- American Values (@Americas_Crimes) 2019年8月6日

 日本に対して核の恐怖を解き放つというアメリカの決定が、完全に戦争に勝つためには不必要な、理由のない野蛮な行為だったということの、歴史的に明白な事実についてのより多くの読みものは、オリバー・ストーンとピート・カズニックによる、このLAタイムズ記事と、ミーゼス研究所によるこれをご覧願いたい。当時の将官や意志決定者連中によれば、日本に対する核使用の本当の理由は、わずか4年後の1949年に自身の核兵器を続いて獲得したソ連を威嚇するためだった。そうなのだ。広島と長崎の人々に加えられた恐怖や、それらを作るために費やされた、あらゆる頭脳集団と資金は、合計四年続いた軍事的優位以外の何も与えなかったのだ。四年間の軍事的優位性と引き換えに、地球の表面から全ての生命をぬぐい去ることができる核のこう着状態が何世代も続いている。

 そして、もちろん我々はネオコンのワシントン・フリー・ビーコンが今日ツイッターで、この恐怖を慶賀しているのを目にしている。

 「74年前の今日、アメリカの最も素晴らしい世代が自由の敵に対し決定打を与えた。フリー・ビーコンは我々の退役軍人に敬意を表する。#Hiroshima」とキノコ雲の画像とともに、このメディアはツイートした

 Antiwar.com創設者故ジャスティン・レイモンドが、かつて「ウイークリー・スタンダードの大衆市場版」と描写したワシントン・フリー・ビーコンは、その創立からネオコン戦争宣伝屋のための基盤として機能してきた。それはPNAC同窓生のマイケル・ゴールドファーブが会長を務めるシンクタンクが出版しており、編集長のマシュー・コンティネッティは超ネオコン、ビル・クリストルの義理の息子だ。ネオコンのこのしっかりまとまった、大いに影響力を持ったアメリカ至上主義価値体系の徒党は、アメリカ政策当局とマスコミ言説管理者の超党派的合意世界観になるほど深く押し込んでいるので、今もし主流言論界で、アメリカ永久戦争に疑問を呈するトゥルシー・ギャバード下院議員のような意見を言えば、即座にその意見は「反アメリカ的で」「孤立主義」で、クレムリンと提携していると酷評されてしまうのだ。

74年前の今日、アメリカの最も素晴らしい世代が自由の敵に対し決定打を与えた。フリー・ビーコンはアメリカ退役軍人に敬意を表する。#Hiroshima pic.twitter.com/2WIWQ5jVX8

- Free Beacon (@FreeBeacon) 2019年8月6日

 この影響力を持った徒党の機関が国家テロの比類ない行為を称賛している事実は、ワシントン・フリー・ビーコンが、インチキなスティール調査書類の初期推進役として、ロシアとアメリカ間で世界を脅かす核の緊張をエスカレートさせる上で直接の役割を果たした事実によって一層不快になる。その扇情主義的主張が、それを裏付ける証拠を発見できなかったロバート・マラー報告によって無効にされたロシアゲート陰謀理論形成の上で基礎的役割を果たしたスティール調査書類は、トランプ政権がロシアに対して実施した実に多くの新冷戦エスカレーションに対する支持を生み出した。緊張緩和に反対して、ロシアに対し、アメリカを一層タカ派にすることは、その発端からネオコンの主要目的だった。

 「ネオコンの屑連中が、世界史上、国家テロの最も極悪な一つの行為を祝賀する」とフリー・ビーコンの投稿に応えてジャーナリストのダン・コーエンがツイートした。「彼らはナチと同じぐらい多くのちょう笑に値する。」

 コーエンは絶対に正しい。健全な世界なら、軍事大虐殺の果てしない行為を促進し、無辜の人間の核による無意味な焼却に栄光を与えるイデオロギーのメンバーは、どこにでもいるナチや、児童レイプ犯や連続殺人犯と同様、社会的な嫌われ者同様に扱われるはずだ。彼らは同じぐらい邪悪で、今日の世界で、彼らは実際に遥かに大きな脅威だ。我々は、ネオコンや連中の関係団体が他のあらゆる種類の殺人怪物と全く同じように扱われた時、我々は健全な社会に住んでいることになるだろう。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2019/08/07/warmongering-neocon-free-beacon-glorifies-hiroshima-bombing/

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 「日米価値観外交」というものがあるらしい。宗主国ネオコンのこういう視点を共有するのだろう。核兵器禁止条約など、とんでもないわけだ。

 岩波書店の月刊誌『世界』9月号 特集1は、なぜ賃金が上がらないのか。
 特集ではないが、日米FTAについて記事が三つある。

  • 片務的かつ非対称な異形の貿易交渉 内田聖子
  • 失うだけの日米FTA 鈴木宣弘
  • 米韓FTA改正は何を示唆するか 柳京煕

 内田聖子氏も鈴木宣弘教授も、大本営広報部の呆導番組、洗脳バラエテイには決して呼ばれない。

 Dmitry Orlov氏のClub Orlov、7月30日の記事「マスコミによる幻惑」冒頭そのまま。

 欧米(アメリカ、EUやオーストラリア、ニュージーランドのような種々の属国)に暮らして、世界で一体何が本当に起きているかを知ろうと望む誰にとっても、主な障害は欧米マスコミが現実に押しつける強力なフィルターだ。現実が大衆に漏れ出るのを防ぐため、マスコミは能動的方法と受動的方法、二つの方法を使っている。

 受動的方法は省略と不明瞭化の活用だ。ある特定の出来事や事実を全く報じないのだ。

 長崎への原爆投下では、ジョー・オダネル氏による「焼き場に立つ少年」が有名だ。彼の夫人による『神様のファインダー』という本がある。最近、写真展があったと新聞は報じている。

栃木)被爆地撮った米軍カメラマンの写真展、25日から

写真が語る平和への願い 元米従軍写真家の遺作20点を展示 あすから宇都宮

 広島市原爆資料館新展示にまつわる番組を見た。旧展示でみたのか、写真でみたのか、三輪車は忘れられない。原爆関係の記事を多数翻訳している。せめて下記記事はお読み頂きたいと思う。

2019年8月 8日 (木)

私は何のために戦っているか

ロシア語版著書の序文
Andre Vltchek
2019年8月2日
The Unz Review

 私はロシア人だ。私がそう感じているのだから、そうなのだ。私はロシア、ソ連で生まれた - レニングラードと呼ばれるネバ川沿いにあり、驚くほど美しかったし、今もそうである都市で。

 何らかの理由で、私が書いた約20冊の本のうち、わずか二冊だけが(もし私が間違っていなければ)ロシア語に翻訳され、ロシアで出版されている。なぜだろう? 私の本はおよそ40の言語で刊行されている。トルコでさえ、トルコ語で五冊刊行されている。

 多分ゴルバチョフとエリツィン時代、ロシアと私は疎遠になったのだ。完全にではなく、かなりの程度。

 私は国際主義、反植民地主義戦士だ。私はおよそ160カ国で働き、欧米帝国主義によって広められている恐怖について書いてきた。私は何度もだまされ、めった打ちにされ、怪我をさせられ、拷問にかけられ、死刑宣告さえされた。私のロシアは、道義の、公正と勇気のロシアだ。私の祖父母はこのような国のために戦い、私の親類の半分が、それを守って死んだ。過去、北アメリカとヨーロッパの安物の金ピカとウソに、ロシアが幻惑されていた酷い年月の間、我々はお互いが、不幸にも遥かに離れることになった。

 もちろん、欧米に対するロシアの熱中は長くは続かなかった。ロシアは余りにも教養を身につけており、余りに独立志向だ。ロシアは何十年間もだまされる続けられはしない。 「私の国」、私の抽象的な、想像上ながら、それにもかかわらず最愛の祖国は、ワシントン、ロンドン、パリの政治・市場原理主義者に恥辱を味合わされ、ドロボウに入られ、ほとんど破壊された。ソ連崩壊後、ロシア人の平均寿命はサハラ以南アフリカの水準に下がった。当時、ある訪問の際、私は厳しい冬の寒さの中、アカデムゴロドクの科学者がノボシビルスク地下鉄の地下道で蔵書を売っているのを見た。ロシアはぐらつかされ、精髄を奪い去られ、踏みつけられた。欧米は何も与えず、もっぱら奪うだけだった。かつてのソビエトの国際主義が始末された後、アメリカとイギリスとフランスは世界でとどまるところを知らない略奪を始めた。イラク、セルビア、リビア。

 数年間、私は、ロシアが崩壊し、尊厳を失い、偉大な明有形・無形の資産をはしたがねで売る様子を、絶望して見ていた。欧米はそれを大笑いしていた。鼻先でにっこり笑って、深遠な身勝手な態度と嘲りを表現して。

 そう、これはロシアと私が短期間別れた時期だ。私はロシアがひざまずくのを望まなかった - 私はロシアが戦うのを望んでいた。ロシア自身のために、そして世界のために、それが常にしていたように。大半のロシア国民と同様に、私はソ連を取り戻したいと思っていた。安っぽい、いかがわしい資本主義が、共産主義と国際主義理想と置き換わったのを見るのを私は恥ずかしく感じていた。ゴルバチョフのだまされやすさと、すぐ後の、エリツィンの倒錯した破壊的盲従に、私は深い軽べつを感じていた。それ自身の国民と、それほど多くロシアに依存している世界のため、ロシアには弱者でいる権利は無いのだ。

 私は、それについて何を私が目撃したか書いたが、ロシアは当時、私を受け入れる準備はできていなかった。そこの多くの人々は手っ取り早い方法を捜していた。無数の正直な人々はつばを吐かれ、貶められていた。

 最終的に大多数の人々が理解した。政府は変わった。誇りが戻った。屈辱の暗い日々は長く続かなかった。憤慨した、道理のあるロシアは、ひざまづいた状態から再び立ち上がり、欧米侵略者と帝国主義と対決した。ロシアはその魂、深い思いやりと偉大な文化を取り戻した。

 まさしくその瞬間から私は母国を取り戻した。これは私が知り、敬意を払い、好きだったロシアだった。私が喜んで、進んで、そのために戦うのをいとわなかったロシアだ。

 そして、ロシアがその国益と国民と、世界中の何十億人という虐げられた人々を守り始めた瞬間から、大きな、厳しいイデオロギーの戦いが続いている!

 私はロシア語を流ちょうに話す。それは私の「母国語」だ。だが英語は私の「業務用語」だ。私は英語でおよそ15冊の本を書いた。英語は「イデオロギーの戦い」の言葉となり、私はこの目的のために英語を使うのを快適に感じている。英語はお気に入りの武器だ。

 私が先に言った通り、何らかの理由で、私の精神的、感情的なふるさと「故郷」ロシアでは、さほど多くの私の本は知られていない。私が生まれ、愛してはいるが、暮らすことには決して成功しなかった国。

 素晴らしいロシア語翻訳者アンドレイ・マイソフによる私の何十ものエッセイ翻訳は、まもなく、この全てを変えるかもしれない。そうなるよう願っている。彼の決然とした仕事に私は感謝している。彼が知っている以上に。

 何年も、私は全世界を旅し、ドキュメンタリー映画を制作し、本を書いてきた。この全ては、知的、イデオロギー的戦線の「最前線ため」だ。"私の"国々のため。ロシアや中国、ベネズエラやキューバやシリアや他の多くの国々のためだ。

 私は「客観性」を信じない。客観性は、イギリス植民地主義のもう一つの発明だ。世界中で行われてきた犯罪の隠蔽、何十億という脳が感染させられてきたプロパガンダだ。客観性の名のもとに、最も途方もない破壊的なウソが投げ散らかされてきたのだ。

 私はエッセイや本や映画で欧米プロパガンダと戦っている。そして、それと戦うことで、私はロシアと植民地化された世界の全ての人々の両方を守ろうとしているのだ。

 欧米帝国主義が今この地球が今直面している唯一本物の危険だと信じているので、私はこの全てをしている。もし欧米帝国主義を打ち破れなければ、人類は生き残れるまい。

 私の仕事は欧米による洗脳に対する解毒になるよう意図している。それはその唯一の目的が被害者と虐待者両方を虚無主義者知識人ゾンビに変えるはずである北アメリカとヨーロッパで主流メディアのウソに対する、研究所全体とNGOに硬いカウンタードーズだ。

 私はロシアや中国が「完ぺきである」ことを期待していない。私は完ぺきを信じない。私は彼らが人間的であることだけを望んでいる。そして彼らは人間的だ。そして彼らはそういうものとして振る舞っている。相手側はそうではない。欧米は何世紀も、あらゆる大陸を強奪し、人を殺し、だましてきたのだ。

 この本がロシアで、私の著作の人気を高めるかどうか私にはわからない。私はそうなることを願っている。もちろん私自身のためにではなく、今私は世界独裁がどのように機能するか、はっきり理解していると思っているので、「私の国」にも、それを知ってもらいたいと願っているのだ。用意し、準備万端、警戒態勢を取るために。

 私は「国に帰り」たいと思うが、著者にとって、それが意味するのはこれだけだ。いかに遠く離れていても、自分の母国の人々と、考え方や感情や恐れや希望を共有できることだ。

 [私のロシア語の本:書名『あなたが読むはずではないもの』]

 アンドレ・ヴルチェクは、哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼の最新著作は『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』、革命小説『オーロラ』、政治的ノンフィクションのベストセラー『Exposing Lies Of The Empire』。ここで彼の他の本を見られる。ルワンダとコンゴ共和国に関する彼の画期的ドキュメンタリーRwanda Gambitや、ノーム・チョムスキーとの対話『欧米のテロリズム』(日本語翻訳は『チョムスキーが語る戦争のからくり: ヒロシマからドローン兵器の時代まで』)を見る。Vltchekは現在東アジアと中東に住み、世界中で働いている。彼のウェブサイトツイッターで彼と連絡を取れる。彼のPatreon

記事原文のurl:http://www.unz.com/avltchek/what-i-am-fighting-for/

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 大本営広報部、郵政民営化の悲惨な現状は追求せず、表なし。裏だけ。見た瞬間チャンネルを切り換えている。

 かなり昔、テレビやラジオ・テキストを購入して何度かハングル講座聴講を試みたが、日本語にない母音や子音の発音が聞き取れず挫折。文字を何とか判読する段階で終わった。それでも地下鉄に乗るのは不安ではなかった。彼らが掲げるプラカード「NO日本」ではなく「NOアベ」であるのは判読できる。大きな違いだが、日本の大本営広報部は報じているのだろうか?ちなみに、ネット翻訳ためしてみているが、韓国語から日本語への翻訳は、同音異義の漢字がハングルであるため、時にとんでもない結果になることがあるようだ。それでも、漢字部分以外は驚くほど意味が通じる。

日刊IWJガイド「岩上安身によるれいわ新選組の参院選候補者の4連続インタビューが決まりました!昨日の第一弾は、元派遣労働者でシングルマザーの渡辺照子氏に、1959年生まれの同級生、岩上安身が直撃インタビュー(録画収録)! 続いて8月9日に安冨歩氏、8月10日に野原善正氏と三井義文氏!」2019.8.8日号~No.2520号~(2019.8.8 8時00分)

 ガイド記事中に、韓国の新聞記事の話題がある。

一方、あいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展・その後」の中止問題は国際的な反響も呼び、「少女像になる」運動が国際的な広がりを見せています。

※ [SNS 世界] 日展示中止対抗海外で「少女像になる」運動(本タイトルは、ハングル文字ですがハングル文字は機種依存文字のため、グーグル翻訳にて日本語に翻訳し記載しています)(聯合ニュース、2019年8月6日)
https://www.yna.co.kr/view/AKR20190806117800505?fbclid=IwAR2TeZQOwJbJbqnv92D6fhNT6snsYREbyHqJ20cdOWP_6BU9Lm7QmB4lED8
※ 記事の引用はグーグル翻訳によって翻訳したものをベースとしています。

 聯合ニュースによれば、イタリアのナポリで活動する女性彫刻家のロザリア・イアゼータさんは8月4日、自身のツイッターにあいちトリエンナーレの検閲に反対する平和の像とし複数の写真を上げ、ツイートで「(少女)上のようにポーズを取ろう。これを『表現の不自由像になる』と呼ぼう」とフォロワーに呼びかけています。

2019年8月 7日 (水)

トゥルシー・ギャバードよ。安らかに眠れ。

2019年8月5日
Paul Craig Roberts

 トゥルシー・ギャバードがイスラエル圧力団体に屈したのは残念だ。帝国勢力はそれを弱さの兆しと見て、彼女を破滅させる作業に取りかかった。

 彼らがトランプを脅威と見たのと全く同様、支配層エリートはギャバードを脅威として見ている。帝国の狙いを問題にする魅力的な政治候補者は脅威なのだ。トランプは軍安保複合体が画策しているロシアに対する敵意を問題にした。ギャバードは、中東での帝国戦争を問題にしている。これは軍安保複合体とイスラエルロビーの狙いを侵害する疑問だ。もしギャバードが、イスラエルへの恐れから、AIPA路線であるイスラエル批判を禁じる法案に賛成投票したのであれば、彼女は中東におけるワシントン侵略に反対という彼女の方針を固執するのは不可能だろう。それがイスラエル権益のためになるから、イスラエルはアメリカ攻勢の背後にいるのだ。

 だが帝国は即座に動いた。帝国は彼女に、売女マスコミ大隊をけしかけた。ジョシュ・ロギン(ワシントン・ポスト)、ジョイ・リード(MSNBC)、ワジャハット・アリ(ニューヨーク・タイムズとCNN)と、もちろん帝国が標的を定めた有名人を中傷し、誤り伝えるために雇っているツイッターの荒らし屋連中を。グーグルはギャバードを困惑させるべく注力している。

 民主党大統領候補者指名を競う民主党候補者の第二回「討論」で、ギャバードは、卑劣なカメイラ・ハリスを易々と打ちのめし、即座に「アサド弁護者」で、プーチン工作員としてホワイトハウスに自身を送り込むのためロシア陰謀支持者というレッテルをはられた。https://www.paulcraigroberts.org/2019/08/01/crazed-democrats-now-claim-it-is-tulsi-gabbard-who-is-in-conspiracy-with-putin/

 中東におけるイスラエルの敵に対する戦争と、イラン、ロシアと中国に対する本格的な戦争のための準備は、強力なアメリカ軍安保複合体ロビーにとって飯の種だ。軍安保複合体にとって重要な全ては、彼らの利益であって、我々全員が殺されるようなるかどうかではないのだ。言い換えれば、アメリカを守るという連中の宣伝はウソだ。彼らはその膨大な予算と権力を正当化するための敵を得るべく、我々全員を危険にさらしているのだ。

 我々の中でも、私自身やスティーヴン・コーエンのように実際に知っている人々は、何年にもわたりロシアに対して画策されている敵意は、元の冷戦より遥かに危険な冷戦を生み出していることを警告してきた。実際、アメリカとソビエトの指導者による多大な政治的出費で実現された軍縮協定は、犯罪的なジョージ・W・ブッシュ政権に始まって、ワシントンにより無効にされた。軍/安全保障ロビーへの奉仕のため、ワシントンに破棄された最近の条約はロナルド・レーガン大統領とソ連指導者ミハイル・ゴルバチョフが交渉した中距離核戦力条約(INF)だ。この条約は、ワシントンがヨーロッパのロシア国境に置くことができ、わずか、あるいは全く対応時間のないミサイルでロシアを攻撃するミサイルと、ロシアがヨーロッパとイギリスで、ワシントンのNATO傀儡諸国を攻撃するのに使えるミサイルを禁止した。条約は2,692発のミサイルの撤去と、合意への両方の関係者を満足させる10年の検証点検をもたらした。だが突然ワシントンは条約から脱退した。条約からの脱退の主目的は、軍安保複合体が納税者の費用負担で新しいミサイルを開発し、生産することができるようにするためだが、ワシントンはINF条約から離脱することにおける軍事的利点も見ていた。

 ワシントンがワシントンが攻撃するつもりであるあらゆる国を非難するのと全く同様、ワシントンは、もちろん、アメリカの離脱をロシアのせいにしている。だがロシアは条約を無効にすることに全く興味がないことは阿呆にさえ全く明白だ。ロシアの中距離ミサイルはアメリカには届かない。ロシアには、いかなる本格的な軍隊も持たないヨーロッパを攻撃する理由がない。問題なのはヨーロッパ領にあるアメリカの核弾頭ミサイルだ

 だがワシントンは、INF条約を引き裂くことで利益を得るのだ。アメリカではなく、ヨーロッパを危険にさらして、ヨーロッパのロシア国境に配置された、ワシントンの中距離核弾頭ミサイルが、対ロシア先制核攻撃を可能にしている。近さのおかげで、警告時間はわずか数分に過ぎない。ワシントンの狂気の戦争立案者は、ロシアの報復能力の大半が破壊されるだろうから、ロシアは衰えた力で報復して、二度も攻撃される危険を冒すより、降伏するだろうと信じている。

 ロシア軍同様、プーチンはこの危険を強調している。ロシア国境のアメリカ・ミサイルは世界を一触即発状態に置いている。犯罪的ネオコンの意志として、ロシアに対する核攻撃がありそうな事実は別として、核警告システムは誤警報で悪名が高い。第一次冷戦の間は両国が信用を形成しようと努力していたが、犯罪人クリントン政権以降のワシントンは二大核保有国間の全ての信頼を破壊しようと努力してきた。ワシントンの完全に狂ったばか者のおかげで、地球の生命を壊滅するのに必要なのは、ロシア人が受けとる一つの誤警報だけになった。過去の誤警報と異なり、次回ロシア人はそれを信じる以外選択肢が無いだろう。

 中距離核弾頭ミサイルはプーチンとトランプ間で電話をする余裕を与えない。何百という外交的侮辱、彼個人と彼の国の悪魔化、非合法制裁、果てしない冤罪と果てしない脅迫を経験しているロシア指導者は、警告が虚偽だと推定することはできない。

 ワシントンのばか者と売女マスコミは世界の終わりプログラムしたのだ。警報が鳴りだした時、ロシア指導者には、ボタンを押すこと以外、いかなる選択肢もない。

 ロシアに対するワシントンの敵対的意図に関して、ロシア政府に残っていたいかなる疑問も、トランプの国家安全保障担当補佐官ネオコン戦争屋ジョン・ボルトンに一掃された。最近ボルトンは、最後に残った戦略兵器削減条約STARTを、ワシントンは、2021年に更新しないと発表した。

 ジョン・F・ケネディ大統領から始まり、レーガンとゴルバチョフの間で最大の成功に達した核保有国間で形成された信頼はこうして消滅した。もし世界が二大核保有国間の信頼の破壊を生き残れれば幸だ。

 ワシントンのアメリカ政府は、その傲慢な思い上がりゆえに、アメリカだけが自ら作り出した危険な状況を全く理解できないのだ。我々は、平和にすることで、彼らの予算と権力を危うくする、あらゆるアメリカ大統領を破滅させる決意が強いアイゼンハワー大統領が半世紀以上前に我々に警告したが効果がなかった組織的な強力な戦力、アメリカ軍安保複合体の権力のおかげで、我々の生命には終始危険があるのだ。

 ドナルド・トランプは強烈な個性だが、イスラエルロビーと軍安保複合体に恫喝された。軍安保複合体と民主党が画策した攻撃が、アメリカ・マスコミによる100%の協力で、弾劾の根拠とするために、彼をロシア工作員として描こうとする中、現行大統領としてのトランプはツイッターし続けていた。

 世界で最強とされる立場にありながら、彼を罪に陥れ、大統領の座から追放しようという取り組みで、最初の任期全てを、彼に反対する連中に浪費されるのを可能にしている強烈な個性こそ、我々がトゥルシー・ギャバードのあり得る運命について知る必要がある全てだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/08/05/tulsi-gabbard-r-i-p/

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 聞きたくはなかったニュースだが事実。The Sakerにも同じ話題の記事がある。

What Tulsi Gabbard’s caving in to the Israel Lobby really shows

 オカシオ・コルテス下院議員やイルハン・オマル下院議員は反対票を投じている。

 植草一秀の『知られざる真実』記事 郵政民営化なれの果てのかんぽ生命不正販売

 残念ながら、大本営広報部から、植草一秀氏は招かれない。出るのは茶坊主芸人ばかり。事実は決して語られない。

 間もなく、イギリスに続くのだろうか?

日刊IWJガイド「ボリス・ジョンソンの英国が有志連合に正式参加! 安倍総理は『総合的に判断する』と参加に一歩近づいた!? 日本が有志連合に参加すれば中東外交に大きな禍根を残す!」2019.8.7日号~No.2519号~(2019.8.7 8時00分)

 ガイドの一部をコピーさせていただこう。はからずも、批准を否定する映像を見てしまった。

 昨日8月6日は74回目の広島原爆の日でした。広島市の平和記念公園では「原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)」が行われ、被爆者や遺族ら約5万人が参列しました。松井一実広島市長は平和宣言で「核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受け止めていただきたい」と、日本政府に訴えました。

※<つなぐ 戦後74年>核廃絶 日本が主導を 広島原爆の日 世界に軍縮促す(東京新聞、2019年8月6日)
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019080690135625.html

 しかし、安倍晋三総理は式典後、広島市が開いた「被爆者代表から要望を聞く会」に出席し、「アプローチは異なるが、核兵器廃絶の目標はわが国も共有している」、「目標の実現で重要なのは、核兵器の保有国と非保有国の橋渡しに努め、双方の対話を粘り強く促し、具体的な核軍縮の取り組みを積み重ねていくことだ」と、従来通りの説明を繰り返し、条約の署名・批准を否定しました。

2019年8月 6日 (火)

テヘランで「喜んで」もったいぶって話すとポンペオが語り傲慢なアメリカ専制を暴露

Finian Cunningham
2019年8月3日
Strategic Culture Foundation

 こういう光景を想像願いたい。テヘランで、イラン国営メディア・インタビューで、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官が、イラン国民に彼らの政府がどれほど「悪」かを語るのだ。ワシントンがそれほど横柄で、妄想を抱いていれば、イランとの緊張が発火点に達しつつあるのも少しも不思議でない。

 先週、ポンペオはアメリカ・マスコミに、彼はテヘランと外交関係のないアメリカ人であるにもかかわらず、イランに行くのをいとわないと言った。ポンペオは突然イラン当局者と会うつもりだったわけではない。そうではなく、彼は国営メディアに出演し、イラン国民に「直接」演説するテヘラン訪問をしたかったのだ。

 彼がテヘランに行く用意があるかどうかについての質問に答えて、アメリカ国務長官は言った。「もちろん。もしそれが天命なら、私は喜んででかける。イラン国民に直接話す好機は大歓迎だ。」

 「私は[テヘランに]行く好機で、プロパガンダではなく、彼らの指導体制が一体何をしたか、それがどのようにイランに害を与えたかについて、イラン国民に真実を話したいのだ」と彼が付け加えた。

 それは外交活動ではない。単にテヘランで、もったいぶって語る機会を求めているのに過ぎない。彼が「プロパガンダはしない」と主張しているにもかかわらず、ポンペオがイランのメディアで繰り返すだろう話の要点は、ワシントンによるイランの標準的描写になっている、いつもの根拠がない誹謗のはずだ。ドナルド・トランプ大統領同様、ポンペオが個人的に広めている描写だ。

 ワシントンの教条によれば、イランはテロリストを後援する悪の政権で、無慈悲に8000万人の国民を弾圧し、中東いたる所の対立に拍車をかけ、密かに核兵器を製造しているのだ。典型的に、アメリカは、イランに対する彼らの誇張を実証する証拠を決して提供しない。それは空虚な申し立ての容赦ない反復で固められた「真実」に過ぎない。要するに、プロパガンダだ。

 そしてポンペオは、イラン国営メディアで説教壇に上がり、イラン人の知性を侮辱したいと望んでいるのだ。

 彼はイラン国民に「直接話をする」ことを望んでいるといって、ポンペオは政権転覆を煽動するアメリカの本当の狙いを宣伝しているのだ。

 アメリカ公式の横柄と偽善は無限だ。ワシントンがイランを非難するあらゆる有害な活動は、より正確な多種多様な事実によって、そのままアメリカに投げ返せる。アメリカは多数の犯罪戦争や内密の政権転覆作戦で中東を破壊し、アメリカの代理としてテロリストを支援し、イスラエルを不法に何百という大量破壊兵器で武装することで、核戦争の危険に油を注いでいる。

 トランプ大統領は陰険にここ数週間で、イランWMDを使用する可能性をほのめかし「政権を終わらせる」ため圧倒的な勢力を派遣すると脅した

 確かに、アメリカ大統領は時に、イラン政府との協議に門戸を開いていると言う。彼の「申し出」は本物の対話の意図で、説得力がない。トランプはイランが彼の「武装解除」の合意を受け入れるため、降伏し、自己卑下で交渉の席に来るのを期待している。その間、終始、全滅の脅威を交渉手段として使っている。

 さらに彼が言ったように、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は「アメリカに来て有害な宣伝を広めるアメリカの自由」を許されているのだから、ポンペオはイラン人に講義して、彼ら自身を「神政の専制政治」から解放するよう促す資格が自分にあると言ったのだ。

 ポンペオは外交会議のためニューヨークの国際連合に出席した今月早々のザリーフのアメリカ公式訪問に言及した。全ての外国外交官は国連に出席する主権を持っている。ポンペオ発言は、アメリカ政府が国連と国際法を支配しているというを推定を示している。

 ポンペオが広めたと言ってザリーフを非難した「有害宣伝」とされているものは、彼がイラン大使公邸でNBCニュースチャンネルに行ったインタビューだ。インタビューで、ザリーフはアメリカが責められるべき、実際証明可能な戦争犯罪の長ったらしい説明をして非難したわけではない。

 ザリーフが言ったのは自制と外交のモデルだ。彼はイランに対する害が大きい制裁をアメリカが撤廃すれば、未来の交渉のための「ドアは大きく開いている」と言ったのだ。

 戦争回避を主張して、イラン外交官は、テヘランと世界大国間の2015年の核合意から離脱することによって、外交に悪影響を及ぼしたのは、イランではなく、アメリカだったことを指摘したとNBCが報じた。

 「交渉の席を離れたのはアメリカだ。いつでも彼らが戻るのを歓迎する」とザリーフは付け加えた。

 ポンペオが「有害な宣伝」と呼ぶものを、他の多くの人々は、イラン外交官は現実が一体どうなのかを(抑制されているとしても)正確に語っていると見なすだろう。

 トランプ政権が、イランの重要な石油貿易に対して行っている経済戦争や、核搭載のB-52爆撃機増強を含め、ペルシャ湾における軍備強化で、イランに対して行っている不法な攻撃に対して、イランは地域と世界平和を持続するための壮大な自制心を示している。

 交渉のためのイランの条件は実に合理的だ。イランが主権国家として尊重され、議論が事実と国際法を基に行われる対話に、当事者として入ることが含まれている。

 アメリカには例外的な資格があり、優越しているというポンペオの最高の横柄は、不幸にも、ワシントンには普通の国としての能力がない兆候だ。本当の「神政専制政治」は、他国が自分の足元に十分ひれ伏さないなら、アメリカには他国を破壊する神権があるという倒錯した信念を持っているワシントンにこそある。だがその足は、イランの尊厳と果敢な抵抗が暴露しているように、良く知られている崩壊する運命にある国を意味する粘土でできているのだ。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/08/03/pompeo-happy-to-pontificate-in-tehran-revealing-us-tyranny-of-arrogance/

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 いつも拝読しているブログで知った映画『夏少女』を見た。早坂暁は個人的経験から、これを作らずにはいられなかったのだろう。デジタルリマスター『東京裁判』を見て驚いたのは、東郷茂徳・梅津美治郎両被告を担当したアメリカ人弁護士ブレイクニーが、原爆投下にふれていたこと。「原爆を投下した者がいる。この投下を計画し、その実行を命じ、これを黙認したものがいる。その人々が裁いているのだ。彼らも殺人者ではないか」と語っていた。この部分の発言に対する同時通訳はなく、日本語の記録でも残っていないという。意図的隠蔽の一つ。

 原爆関係の記事を多数翻訳している。下記記事はお読み頂きたいと思う。

 宗主国も属国も、そろって、とんでもない自傷行為を推進中。

 大本営広報部の昼の洗脳番組、改元以来全く見ていないが、リテラはまとも。

八代弁護士、河村たかし、松井一郎が“慰安婦問題はデマ”とネトウヨ並みフェイク! あらためて中曽根証言など日本軍関与の証拠を見ろ

日刊IWJガイド「連日、暑い日々が続いておりますが、米中間では貿易戦争がますますヒートアップ!! NY株急落、一時500ドル安! 他方、立憲民主党・枝野幸男代表が立憲3野党・会派に衆院で立憲会派への参加を呼びかけ! 共産党には『ご理解をいただいている』と呼びかけず!? 自民党案の緊急事態条項には『立憲主義の空洞化だ』と明言!」2019.8.6日号~No.2518号~(2019.8.6 8時00分)

日刊IWJガイドの中には下記案内もある。

【タイムリー再配信 397・IWJ_Youtube Live】20:00~「戦後史の謎を解く鍵は『核』にある! 原爆・原発・被曝の真実に迫る! 岩上安身による木村朗氏・高橋博子氏インタビュー 前編」
YouTube視聴URL: https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 2016年4月に収録した、岩上安身による鹿児島大学教授 木村朗氏、広島市立大広島平和研究所講師 高橋博子氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた原爆関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%8E%9F%E7%88%86

2019年8月 5日 (月)

欧米同盟は崩壊しつつある

ピーター・ケーニッヒ
2019年8月2日
Global Research

 2018年8月、イムラン・カーンが第22代パキスタン首相になって以来、風向きが変わった。彼の前任者は、一般に東方に傾斜していたが、しばしばアメリカと中国の軌道間で、揺れ動くことが多かったが、カーンは明らかに東との、特に中国との連合を決定する過程にある。これは彼の国の国益、中東の利益、最終的に世界の利益になる。

 数日前、RTは、中国が、ハッサンアブダルを中国国境と結ぶ、カラチとラホールを結ぶ道路、カラコルム・ハイウェイの再建を含め、いくつかの道路と、列車が最高時速160キロで走行するカラチ-ペシャワールの主要鉄道を2019年の終わりまでに完了する鉄道の改良プロジェクトに加え、バローチスタン州グワーダル新港の拡大に加えて、パキスタンに新たな軍/空軍基地、人口約50万人の中国都市を造る協定をパキスタンと締結したと発表した。

 老朽化したパキスタンの輸送インフラ修復は、パキスタンの将来のGDPで2%から3%、貢献することだけではなく、イランのガス/炭化水素にとって、ホルムズ海峡経由以外の、もう一つの経路になるのだ。例えば、鉄道で、新たな中国の海軍基地でもあるグワーダル新港まで。グワーダルから、イランの炭化水素貨物は、中国、アフリカやインドを含めて、どこにでも送ることができる。新しい中国の輸送インフラでイラン・ガスが中国に陸路での出荷が可能になるのだ。

 実際、これらのインフラ整備、プラスいくつかの発電プロジェクトは、まだ主として化石燃料に供給されているパキスタンの慢性エネルギー不足を解決するための、新しいシルクロードとも呼ばれる中国の一帯一路構想(BRI)の一部なのだ。これらは2015年、中国習近平主席訪問時に、最初に構想され、当時、約460億米ドルの価値がある約51の了解覚書(MoU)が署名された、新しい、いわゆる中国-パキスタン経済回廊(CPEC)の中核部分だ。パキスタンは明らかに、アメリカの軌道から逸れている。

 今日、CPECの実行段階で、計画されたか建設中のプロジェクトは、600億米ドルを越えると見積もられている。推計で、80%は大規模にパキスタンが参加する直接投資で、20%が中国の無利子融資だ。明らかに、パキスタンは中国の確固たる同盟者で、中東におけるアメリカの役割を損ねている。

 中東におけるワシントンの覇権国気取りは急速に弱まりつつある。ミシェル・チョスドフスキーの詳細な分析「壊滅状態にあるアメリカ外交政策:NATOと中東。同盟者なしで,どのように戦争をするのか?」も参照のこと。

 数日前、ドイツは、このイランに管轄される狭い航路を通る炭化水素出荷を確保するという口実で、アメリカに率いられたホルムズ海峡での海軍任務に参加するというワシントンの要請を拒否した。現実には、誰が誰に何を出荷するかを支配することでの、西の「敵」領域に向かうタンカーに対する封鎖や、むき出しの海賊行為によって「制裁」を適用することによる、水路の新たな一層の兵器化だ。

 先週水曜日、ポーランドのワルシャワで、ドイツのハイコ・マース外務大臣は、ペルシャ湾での現在の危機に「軍事的解決はあり得ず」、ベルリンは「ホルムズ海峡の海上航行を守り、いわゆる「イランの攻撃」と戦うことを目指すアメリカとイギリスとフランス作戦に参加するというワシントンの要請を断ると発表した。

 ワシントンの戦争タカのこの考えは、二週間前、イラン漁船に激突した後、イランによるイギリス国旗を掲げた石油タンカー、ステナ・インペロの全く合法的な拿捕の後に考え出されたものだ。しかしながら、数週前の、スペイン水域(もう一つの国際法違反行為)、ジブラルタル海岸沖で、イランのスーパータンカー、グレイス1号の全く非合法な、アメリカに命令されたイギリスの海賊行為については何も言われていない。グレイス1の乗組員は解放されても、タンカーはいまだイギリスに拿捕されているが、欧米メディアはそれについては沈黙したまま、イランがホルムズ海峡でイギリス・タンカーを拿捕したことを激しく批判している。

 ドイツは、アメリカが一年前に一方的に離脱し、2015年の包括的共同作業計画JCPOA(イラン核合意)を遵守しており、従ってドイツはアメリカのために介入しないだろう。

 これに加えて、その要衝となる位置と、NATOの実際の軍事力からして、NATOの主要加盟国であるトルコは、ロシアの最新S-400防空システムを購入することに対するワシントンの警告を無視した後、一層東へと動いて、ロシアの堅実な同盟者になっている。「敵と寝たこと」、すなわちロシアにずっと近づいたことを理由に、アメリカは既に、2018年の初めからトルコ通貨約40%低下させるよう操作して、トルコ経済を罰した。トルコは上海協力機構(SCO)のメンバー候補であり、イランもそうだ。

 トルコはNATO加盟国として事実上の役立たずとなっており、まもなく公式に北大西洋連合に対する強烈な打撃となるNATO離脱をするかもしれない。他のヨーロッパNATO加盟国に同じように行動する気にさせるかもしれない。おそらく突然にではあるまいが、一層機能不全なNATOという考え方は植えつけられてしまったのだ。

 あらゆる兆候は、経済的にも、安全保障の上でも、未来は東洋にあることを示している。ヨーロッパさえも、最後には、まずはロシアと中央アジアと、最終的には、中国とより良い関係に向かって「あえて」飛躍するかもしれない。

 決して確実なものではないブレグジットが、もし起きればだ。万一に備えて、イギリスは、イギリスがEUを離脱したなら、その時に中国と二国間貿易関係を署名できるよう既に準備している。

 もう一つの確固たるアメリカ同盟国イギリスは逃げ出すだろうか? - ありそうもない。だが同時に両方にいい顔をするのは、アングロサクソンのよくある作戦だ。イギリスはワシントンのご主人からそれを学んだに違いないが、ワシントンのご主人は、大西洋を越えて、植民地帝国としてのイギリスから、何世紀もそれを学んだに違いない。

 イランに対するアメリカに率いられた欧米戦争は、それゆえ、ありそうもない。余りに多くのことが危機にさらされている。特に地域には、もはや信頼できる同盟国がないのだ。想起しよう。我々は連中を傀儡、あるいは手先と呼ぶべきか、同盟諸国が、通常ワシントンのために汚れ仕事をしているのだ。
 だから、アメリカと、その長年の西欧同盟諸国の一部による恫喝や、警告や、うっとうしい挑発は、しばらくの間続くかもしれない。それはプロパガンダとしては役に立つ。結局、荷物をまとめるのと帰郷はアメリカ政府のおはこではない。西欧同盟はもはや、かつてのものではない。実際それは壊滅状態にある。イランはそれを知っている。

 Peter Koenigは経済学者で、地政学専門家。彼は水資源と環境専門家でもある。彼は30年以上、世界銀行や世界保健機関で、世界中で、環境と水資源について広範囲に働いた。彼はアメリカ、ヨーロッパや南米の大学で講義している。彼は、Global Research、ICH、RT、Sputnik News、PressTV; The 21st Century、TeleSur、The Vineyard of The Saker Blogや、New Eastern Outlook(NEO)や他のインターネット・サイトに良く寄稿している。彼は事実と世界銀行での世界中での30年間という経験に基づいたフィクション「Implosion - An Economic Thriller about War、Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者でもある。彼は「The World Order and Revolution! - Essays from the Resistance」の共著者でもある。ピーター・ケーニッヒはグローバリゼーションの研究のためにセンターの研究員。

記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/western-alliance-falling-apart/5685408

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 川村たかしという人の言動、小生、昔から、ひどいものと思っていたが、今回は、完全にアウト。

日刊IWJガイド「『平和の少女像』展示に『ガソリン携行缶を持ってお邪魔する』と京アニの悲劇を悪用した卑劣な脅迫!企画展は8月3日で中止に! 脅迫者を責めずに展示関係者に謝罪しろと迫る河村たかし・名古屋市長は脅迫者サイドに立つつもりか!?」2019.8.5日号~No.2517号~(2019.8.5 8時00分)

 ガイドを良く読むと、ハンギョレが事前に取材しており、懸念をかいていたという。さすが。

2019年8月 4日 (日)

雇用に関する更なるニセ「明るいニュース」

2019年8月2日
Paul Craig Roberts

 労働統計局は、アメリカ経済が、7月中に、148,000件の新しい民間部門雇用を作ったと報告している。益々多くのアメリカ人が二つかそれ以上の仕事をしているので、雇用件数は雇用人数を意味しない。例えば、BLSは6月から7月までに、複数の仕事をしている人の数が233,000人増えたと報告しているが、148,000件の新規民間部門雇用よりも85,000人多い。我々が見ているのは、より多くの人々が雇用されたのではなく、複数の仕事をしている人がより多くなったものだ。5月以来、複数の仕事をしている人の数は534,000人増えた。https://www.bls.gov/news.release/empsit.t09.htm

 これまで10年間にわたって失業率が低下しているという主張は、労働市場参加率が減少しているのと矛盾する。通常、雇用の見込みが良い時には、労働市場参加率は増加するのだ。首尾一貫していない点を説明するため、エコノミストは労働市場参加率の下落は、ベビーブーマー世代の退職の増加を反映していると主張する。だがBLSは、退職年齢の、より高齢労働者の労働市場参加率は、7年で最高のレベルに急上昇していると報告している。

 すると、本当は一体何が起きているのだろう? 答えは、ここ10年にわたり、連邦準備銀行の低いゼロ金利のおかげで、退職者は年金と貯金では暮らすことができないのだ。彼らは収支の帳尻を合わせるため、パート仕事をしなければならないのだ。だが、より若い人々は、パート仕事では、独立した家庭を形勢することができず、彼らにはパートタイム雇用のわずかな給料を補う年金収入もなく、労働市場参加率から脱落する。

 報告される失業率が低い理由は、彼らが生活-持続可能な雇用を見つけることができないので、労働市場参加をやめた何百万人もが失業とみなされないということだ。これらの人々は何をするだろう? 彼らは親や祖父母と一緒に住み、犬の散歩や、芝刈りや、留守番や、様々な便利屋の現金仕事をする。

 雇用統計報告には多くの問題があるが、常にそうなのだ。例えば、7月報告書には16,000の新しい製造業雇用があるが、製造業景況指数は連続4カ月弱含みだ。生産活動が下落しているのに、どうして製造業雇用が増加するのだろう?

 もう1つ異常なのは、今年7社のトラック運送会社が倒産したことで、もし経済が本当に良ければ、生産者から倉庫まで、倉庫から小売店まで商品を移動する輸送の需要がなぜ下落したのだろう?

 アメリカ人は言説が管理されている世界に住んでいる。何であれ支配層の権益に役立つものが事実なのだ。アイデンティティ政治は、アメリカ国民が分裂されたままにしておくのに役に立つ。我々は、我々の存在を支配している策略についてより、遥かに多く「白人優越論」や「女性差別」について聞かされている。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/08/02/more-fake-happy-news-about-jobs/

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 「あいちトリエンナーレ2019」問題。下記は新聞記事の一つ。

表現の不自由展、中止に実行委が抗議「戦後最大の検閲」

 澤藤統一郎の憲法日記には、「表現の不自由展・その後」が実証した、我が国の表現の不自由。という記事がある。 
 植草一秀の『知られざる真実』の記事 検閲による中止が「表現の不自由展」目玉企画だった?

 そして、モリ・カケ、ヨシモト。

日刊IWJガイド・日曜版「吉本興業と経産省のクールジャパン機構や大阪府の”蜜月”と収益システム」2019.8.4日号~No.2516号~(2019.8.4 8時00分)

 

2019年8月 3日 (土)

アメリカ覇権と混乱の政治

2019年8月1日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 共同で対処すべき普遍的な問題があるとすれば、それはアメリカ覇権だ。「極端な単独行動主義」というかたちで現れる、アメリカ覇権は、確かに、民主的に選出された政府を打倒し、独裁国を据え、更には戦争まで始めて、何万という無辜の一般人を殺して、世界に対し、人が想像できる以上の損傷をもたらしている。10日でアフガニスタン戦争を終わらせることができるし、アフガニスタンを「地表から消し去る」ことができると言った現職アメリカ大統領トランプはアメリカの典型的な「例外的な過激主義」を反映している。無数の本が、最も破壊的な武器の使用さえ、アフガニスタン人を服従させるのに十分でないと書いているのに、そうした衝動が、最近、アメリカが望むような権益を支援するのに失敗しているのに、アメリカにおいて、覇権と単独行動主義の衝動が、非常に強い状態のままであるのをほとんど否定することはできない。

 その覇権的地位は、戦争に決定的に勝ったり、手強い重大な課題に直面したりする上でアメリカの助けになってはいないが、このいわゆる覇権的地位の存続は、世界中での継続的な混乱、すなわち、より多くの対立の煽動、より多くの混乱、より多くの戦争に依存するという事実は変わっていない。これらの戦争は、本国から遥か離れ、特にワシントンの主要な戦略ライバルがいる地域で行われる傾向があるためだ。

 最近、中国の外務大臣が欧米の「黒い手」が香港で問題を起こしていると述べた。イラン外務大臣も、ベネズエラ、カラカスでの非同盟運動NAM外相会談での声明でそれに触れた。

「アメリカの極端な単独行動冒険主義の新たな波は、我々のほとんど全員が何らかの形で今直面している最重要の課題だ。それは国際レベルで、法による統治を傷つけ、全世界で、平和と安定を異なった方法で脅かしている。」

 現在アメリカ覇権に直面する最前線にいて、この「非常に極端な単独行動主義」が、湾岸で新たな戦争を燃え上で実権を支配しているのだから、イランがそう言うのは正しい。アメリカは最初、ペルシャ湾で石油タンカーに対する攻撃を仕組み、それをイランにせいにすることで、それをしようとした。今アメリカは、イギリスとイランの間に対立のシナリオを作成することで、より多くの圧力をかけようとしている。

 例えば、最近のジブラルタル湾岸におけるイギリス当局によるイラン船拿捕は、イギリスとジブラルタル当局が、アメリカ以外誰にも提供され得ない「諜報情報」に頼って行動していたかを示している。彼らがどの特定の国にも言及せず、情報源を特定しなかったが、イギリスとジブラルタル当局いずれもこの情報を明らかにすることを望んでいなかったのは明確だ。

 BBC報道が「諜報情報はアメリカからのものだ」と言った。スペインのジョセップ・ボレル外務大臣は、7月4日にイギリスの拿捕は「アメリカからイギリスへの要求」に従っていたと発言した。7月19日、ロイターは「アメリカがイギリスに船を拿捕するよう求めたと外交筋が語った」と報じた

 没収のさらなる調査で、2月に、パナマ海事庁(AMP)が59隻のイランに関連がある船をその登記所、ShareAmericaから除籍していたが、5月に航行を始めた際、拿捕されたイラン船グレイス1は、まだパナマ船籍を持っていたことが明らかになった。イラン船は、航行を始めた後に除籍され、拿捕されやすくなっていたのだ。イラン船の拿捕が、まだイギリスのジブラルタル領海外にいるうちに起きたことは、その狙いが、船を拿捕して、イランとイギリス間に危機を引き起こし、イランの「脅迫的な行動」に対し、イギリスにアメリカを支援させるようにすることだったことを示している。

 極めて重要なことに、パナマ国家安全保障会議も、問題のタンカーは「いくつかの政権に対する、テロ集団に率いられた不安定化行動を支援するテロ資金調達に参加しているかもしれない」と主張し、テヘランに対する声明を出していた

 これら主張の背後には実質がなく、今まで、それらを支持するために証拠が提供されておらず、有意義な議論をすることは、結局、この挑発の目的ではなかった。目的は、イランを壁際に追い詰め、イランが報復的行動をとるよう強いることができる状態を作ることだった。イランによるイギリス船拿捕は、まさにこの話の続きだ。

 こうして危機を作り上げることにより、アメリカは、そのパートナー、イギリスを、イランに対する銃撃戦に向けて操って陥れ、混乱を引き起こして、覇権を維持する措置をとっているのだ。もしアメリカが、イギリスにイラン船を奪うよう「助言して」いなかったら、ロンドンはおそらく決して、そうしなかっただろう。同様に、もしアメリカがパナマ当局にイラン船をリストから除籍するよう「助言して」いなかったなら、この事件は決して起きてはいなかっただろう。アメリカの「黒い手」は、アメリカ-イランの膠着状態を、多数の当事国との、より広範な対立に変換するよう活動しているのだ。だから、ロシアと中国の両国が、多極世界を確立する彼らの取り組みを断固続けているのに何の不思議があるだろう?

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題の専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/08/01/the-us-hegemony-and-the-politics-of-chaos/

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 今日の孫崎享氏のメルマガ題名をコピーさせていただこう。

トランプ中国からのほぼすべての輸入品に関税かける措置に。米国はノートパソコンやゲ ーム機は輸入の9割強を中国に依存、スマートフォンも中国製品。関税引き上げは消費者 を直撃する。来年の大統領選に向けて対中強硬姿勢をアピールした方が得策との判断。

 昨夜は放送大学高橋和夫名誉教授インタビューを拝聴。

日刊IWJガイド「戦争する国は弱くなる! 戦争しない国は栄える! 米国がイラクやアフガニスタンで無駄な金と血を流し続けてきた間に戦争をしなくなった中国が台頭した! 日本は米国主導の有志連合に自衛隊を派遣するのか!? 岩上安身による放送大学高橋和夫名誉教授インタビュー」2019.8.3日号~No.2515号~(2019.8.3 8時00分)

 後で下記を見る予定。

※「安倍総理がトランプ・米大統領の親書をイランに持って行って突き返された」という一部報道を外務省が完全否定するも、防衛省はホルムズ海峡への自衛隊派遣の法的根拠は明言せず ~ホルムズ海峡有志連合問題 野党合同ヒアリング ―外務省、防衛省、内閣官房、経済産業省よりヒアリング 2019.8.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/454776

2019年8月 2日 (金)

最近の日本の選挙はアメリカの「インド太平洋」戦略を減速させるかもしれない

2019年7月31日
Andrew KORYBKO
orientalreview.org


 先月の日本の選挙で、安倍首相の連立与党が、日本の平和憲法を変えるために必要な3分の2の議席という圧倒的多数を失うことになり、アメリカの「インド-太平洋」戦略の速度、特に、湾岸での反イラン海軍連合の形成と、インド-日本合同の「アジア-アフリカ成長回廊」の軍拡を大幅に減速しかねない。

 安倍首相の連立与党は議論の余地なく先月の選挙で勝利したが、彼が実に長い間すると約束してきたように、日本の平和憲法を変えるのに必要な議会の3分の2の圧倒的多数は得られなかった。この問題は日本社会では極めて微妙で、昔の日本帝国が、第二次世界大戦を始め、敗北した侵略国家の一つだったから、国際関係でも極端に論争の的であり、それ故、日本は、戦後、国際社会によって、再び軍を維持することを禁じられたのだ。日本は以来、「自衛隊」と呼ぶものを作り出すため抜け穴を利用して、地域の海賊行為と戦うという口実の下、2011年、ジブチに前例がない外国軍事基地を建設さえしたが、日本の軍事力は、多くの人々が客観的に、世界主要大国の一つとしての地位に相応しいと考えるものより遥かに下にある。

 まさに、日本が地域で最強の軍を支配した時代に、アジアで何が起きたかを他の誰よりも良く知っているがゆえに、中華人民共和国がそれほど心配しているのだが、中国に対して、日本を比類なく不利にしていると感じているため、安倍首相はそれを変えようと望んでいる。この安全保障のジレンマは、最近、大洋横断のこの広大な地域に関して国防総省が最近発表した戦略報告書で、日本との同盟は「インド太平洋の平和と繁栄の要」だと宣言したアメリカに、巧みに利用されている。アメリカが自身のために構想する戦略軌道のどこか近くに到達するためには、日本は平和憲法を変え、その過程で国際的に認識されている第二次世界大戦の結果も修正しなければなるまい。だが、アメリカがしっかり後に控えているので、戦後国際秩序の基礎の一つの一方的な廃止も、国連安全保障理事会の他のメンバーが何と言おうとも、彼らによる、いかなる懲罰行動もありそうにない。

 少なくとも今のところ、これが起きるのを阻止しているのは、憲法を変えるのに必要な3分の2の圧倒的多数を安倍首相から奪った日本人自身だ。日本国民は、明らかに、憲法を変えるより、現状を維持したがっているのだが、日本の首相は、それでも彼の理念を実行するのに必要な支持を得るべく邁進すると誓ったのだ。しかし今のところ、アメリカの「インド-太平洋」戦略は、アメリカが日本が湾岸でアメリカの反イラン海軍連合に加入する責任を持つ安倍首相の不本意によって最もはっきりと見られるそれがその同盟者を任じるために意図している地域横断の「後ろからのリード」役職に関して速やかにとることを当てにすることができないサインの速度を遅くした。日曜日、彼は記者団にこう語った。「我々は、これに関するアメリカの考えを聞き始めており、我々は慎重に聞き続けたいと望んでいる。日本はイランとも友好関係を持っている。」 彼の立場は二つの理由で理解できる - 連合への支持を誓えば、有権者が怖がって、逃げてしまうかもしれず、連合に加われば、イランからは、敵対的な動きとして見られるだろう。

日本の首相で自由民主党(LDP)の党首でもある安倍晋三首相は、2019年7月22日、東京、日本の自由民主党本部で参議院選挙一日後に記者会見に出席。

 湾岸連合への加入という問題に関して、アメリカ「インド太平洋」の二本柱、インドと日本との間に、ひびが現れていることを意味するので、この後者の事実は極めて重要だ。この南アジアの国家は、イランがこのような動きに否定的に反応するだろうと日本がいくら懸念しようとも、湾岸地域に、海軍、空軍を急派することに何の良心の呵責もない。インドはアメリカ率いる連合に加入することを否定してはいるものの、数年前に締結したロジスティクス交換覚書(LEMOA)軍事協定の一部として、アメリカ海軍から燃料と後方支援を受けていることを認めており、インドは本質的にこの地域の集団の一部なのだ。もしアメリカが我を張れば、インドと日本はアメリカのサポートを現実の作戦という文脈で、軍隊の集団的相互運用性への大きな第一歩として、彼らの海軍や他の活動を調整して、湾岸で共に活動するだろう。最終目標は、最終的に、始まったばかりのインド-日本「アジア-アフリカの成長回廊」(AAGC)を武装化し、中国がBRIでするはずだとアメリカが騒いだのと、まさに同じことを、善人ぶって、することなのだ。

 今のところ、日本の選挙で、安倍首相が、日本の平和憲法を修正して、軍に関連する出来事の連鎖反応を引き起こす最も容易な「法的」方法を失った後、これらの壮大な戦略上の目標は凍結されている。それはアメリカの「インド太平洋」構想が打ち破られたことを意味せず、単に日本が第二次世界大戦による結果の事実上の修正を「正当化する」ための別の回避策を見いだすまで、展開が延期されたに過ぎない。日本人の意志に反しているにもかかわらず、このような動きの背後にある巨大な勢いを考えれば、それは遅かれ早かれおそらく現実に起きるだろうが、いずれにせよ最近の選挙は、「法的に」うまくやり通すのをこれまで以上に困難にした。同時に、それは日本社会が、インドがそうであるのと同じほど、国防総省が考える「インド太平洋」での日本の戦略的役割を固く支持していないことを示している。そうであれば、この南アジアの国は中国「封じ込め」という地域構想の本当の要だとアメリカが究極的に考えるようになるかもしれないのだが。

 お断り:著者は本人の個人的見解以外、誰か、あるいは、いかなる組織の代表でもなく、個人の資格で、本記事を書いている。著者が書いたいかなるものも、編集部の見解、あるいは他のいかなる放送局や団体の公式の立場とも混同してはならない。

 出典ORIENTAL REVIEWを銘記しての転載歓迎。

記事原文のurl:https://orientalreview.org/2019/07/31/the-recent-japanese-elections-might-slow-down-the-us-indo-pacific-strategy/

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 『慰霊と招魂 ─靖国の思想─』を読んでいる。明治維新の内戦も、中国やアジアでの侵略戦争も、靖国と直結していた。祭神数の急増だ。今度は、日本軍ではなく、宗主国の命で、そうしたものへの関与がはじまりそうなご時世。この本を読もうと思ったきっかけは、笙野頼子氏の小説『金比羅』。

 宗主国は、さらなる搾取を狙っている。金も、命も。

日刊IWJガイド「ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が7月の来日時、在日米軍の駐留経費大幅増額を要求! その額は従来の3倍以上とも5倍とも!? 本日午後6時半より、岩上安身による放送大学高橋和夫名誉教授インタビューを冒頭のみ公開で、その後は会員限定で生配信します!」 2019.8.2日号~No.2514号~(2019.8.2 8時00分)

 IWJガイドの冒頭の一部をコピーさせていただこう。

はじめに~「私たちが求めてきた、介護を必要とする障害者が訪問介護サービスを使って就労するという要望は認められませんでした」初登院のれいわ新選組・木村英子参議院議員の重い一言! 維新の松井一郎大阪市長や吉村洋文大阪府知事は参院が介護費用を負担することを「優遇」「不公平」と批判!? 【中略】

松井氏のツイートは、障害者が健常者と同じように国会において議員として活動を行えるように国が支援することが、あたかも障害者の特権であるかのような主張です。また吉村氏のツイートからは、障害者が社会活動に参加できないという問題を財源論にすり替え、障害者差別を容認することが「公平」だとの意図が見えます。松井氏、吉村氏の考えは、優生思想につながる危険な考えではないでしょうか。

2019年8月 1日 (木)

人類に対するブラジルの大規模犯罪

2019年7月29日
Paul Craig Roberts

 ワシントンに据えられた不正なブラジル政府はアマゾン熱帯雨林を破壊することに決めた。大きな二酸化炭素吸収源を絶滅することで、地球気候に悪い影響を与えるだろう。

 雨林消滅の受益者は、ブラジルのヤイル・ボルソナーロ大統領のお友達である材木伐採業者とリカルド・サレ環境大臣と農業ロビイスト、テレサ・クリスティーナ・デイヤスだ。

 人は、炭素の増加と炭素排出の影響が地球の温度を上昇させて、地球を安定させる独特な生態学的環境を破壊するよりも、気候より多くの注意深い、責任がある政策をもたらすだろうと思ったかもしれない。アマゾンの熱帯雨林が破壊されるには、材木伐採業者の利益を最大にする以外、どのような理由もない。これは野放図な国際ギャング資本主義活動だ。ひと握りのギャングの財産獲得のために、ほかの全員にとっての惑星を破壊するのだ。

 デイヤスが地球温暖化現象を「国際マルクス主義者の陰謀だ」と捨て去る政府に知性は期待できない。炭素エネルギー圧力団体が支援する反地球温暖化現象シンクタンクのため、デイヤスはおうむ返しをしているように聞こえる。その長期費用にもかかわらず、短期利益を制限する何であれ、ペテンや共産主義者陰謀として捨て去られるのだ。

 ルーラ・ドゥ・シルバ大統領と、後継者ジルマ・ルセフは、悪徳資本家ではなく、広範囲な国民の利益のために、ブラジルを運営しようと試みた。野放図な資本主義は、より広範な社会と環境に大規模な外部費用を転嫁することで、少数の人々が短期的に、大きな利益をつかむのを許す搾取機構だ。ルーラとルセフの責任ある政策は、ワシントンでブラジルの悪徳成金と、連中の支援者を激怒させた。資本主義者に支配される報道機関を使って、ブラジルのギャング資本主義者はルーラとルセフを悪者にした。彼らは資金洗浄と「収賄罪」のかどで非難された。最も不正な政治分子が、彼らを濡れ衣ではめたのだ。ルーラは投獄され、ルセフは弾劾され、国を、ワシントンと不正なブラジルの資本主義者に戻して、大統領の座を解任された。愚かなブラジル国民はこれを受け入れた。ばか者は彼らの敵を信じたのだ。

 現在、雨林は毎分、フットボール競技場三つの速度で壊滅されている。雨林は既にその樹木の17パーセントを失った。山林伐採が20から25パーセントに達すると、雨林はサバンナに変わり、炭素を吸収する能力を失うと科学者が報告している。だがブラジル国立アマゾン研究所が表明している雨林環境に依存する多くの種と一緒に雨林が破滅する懸念は、ボルソナーロと彼の友人にとって利益が一時的に上昇することほど重要ではないのだ。

 ワシントンに支援された、ひと握りのブラジル資本主義ギャングが責任を負っている政策は大規模な影響をもたらし、彼ら以外の人類に膨大なコストを課すだろう。更に多くのメタン放出や、氷の融解、上昇し、更に酸性化する大洋、干ばつ、水分供給障害、一層激しい嵐など全てが食糧生産に影響を与える。種の絶滅率は増加する。外部費用は多く、大規模だ。アマゾン熱帯雨林略奪から得られる資本主義者の利益に対し、ひと握りのブラジル政治ギャングにより、他の世界全体に課される外部費用は、10億倍を超えるだろう。

 今ブラジルで起きているのは、人類に対する大規模犯罪だ。非常に大規模な犯罪なので、地球上の国々は団結して、不正ギャングのブラジル政府に最後通牒を与えるべきだ。アマゾンの熱帯雨林の山林伐採を止めるか、侵略され、人類に対する犯罪で裁判にかけられるべきだ。地球を住めなくすること以上の大きな罪はない。世界的な気候と地球の生活を守ること以上に、戦争を正当化するものはない。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/07/29/brazils-massive-crime-against-humanity/

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 マツコ・デラックスさんに、座布団十枚。

マツコ、“NHKから国民を守る党”にコメント「この目的のためだけに税金払われたら、受信料もそうだけどそっちのほうが迷惑」

 郵便局が保険を“押し売り”!?という不祥事、大本営広報部は原因逸らしにおおわらわ。根源は郵政民営化だろう。

 責任者は、オトモダチ作戦に参加して放射能を浴びたアメリカ兵士の支援活動やら原発廃止運動ではなく、郵政民営化の被害を受けた日本国民に、自らの罪を詫びて、民営化廃止運動を始めるべきだろう。
 政商納言は、巨大人材派遣会社で儲けたり、大学で講義をしたりするのではなく、自らの罪を償うべきだろう。もちろん、この二人が反省などするわけなどないが。

 大本営広報部の洗脳電気板は、アニメ会社の事件はおっても、吉本問題や、郵便局問題の根源は追求しない。吉本問題「モリ、カケ、ヨシモト」級大事件だろう。

 ところで、ネットで、保険問題の本質をついた記事を拝読した。

 郵便局員を「かんぽ乗り換え」の不正に走らせた2つの国策

 奇跡の経済教室【戦略編】を読んだ。「レント・シーキング活動の疑い」という項目で、128ページには、パソナ・グループ会長、東洋大教授の話題も書かれている。

 MMTはよく分からないが、お説ごもっとも。「全国民が読んだら歴史が変わる」とうたっている。その通りと思うのだが、全国民が読むことはないだろうから、歴史は変わらないという悲しい結論を考えてしまう。それではいけない。「おわりに」にある通り、間違っていた平成の構造改革は、止めたり逆行させたりするしかないだろう。今日は、臨時国会召集。

日刊IWJガイド「本日、臨時国会召集!自民党・萩生田光一幹事長が暗躍! 国民民主党の一部議員が改憲勢力へ鞍替えすることを期待!? 『国民民主 参院、維新と会派構想』は日経の捏造記事!? 」 2019.8.1日号~No.2513号~(2019.8.1 8時00分)

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