人々が知りたいとは思わない新駐ウズベキスタン・アメリカ大使
2019年6月2日
マーティン・バーガー
New Eastern Outlook
中央アジアにおいて常に増大しつつあるロシアと中国の影響力が、アメリカをかなり興奮状態に保っている。十分予想された通り、過去2年間、地域を支配する取り組みで、ワシントンは経済的、軍事的措置を目立って強化している。
この文脈で、アメリカがウズベキスタンとの結びつきを発展させようと力を入れているのは特段の言及に値する。二国間関係を深めるために投入された努力は、しばしば陰のCIAと呼ばれるアメリカ企業ストラトフォーによって、かなり詳細に評価されている。予想通り、旧ソ連圏全ての国の中で、ウズベキスタンが遥かに最強なのだから、この全ての精力的な動きは無駄におこなわれたわけではない。それがまさに、ワシントンができるだけ早急に、モスクワと北京両方をこの共和国から追いだしたいと思っている理由だ。ウズベキスタンの経済開発のため、ロシアと中国により行われている投資の件数が常に増大しているにもかかわらず、アメリカは、タシケントとの経済的な結びつきを復活させようとしていると言われている。同時に、ストラトフォーは、アメリカがまたしても、アメリカの外交政策には役立たない、地域じゅうの、あらゆる協定や組合や連合を台無しにさせようとしている事実を全く隠そうとしていない。
アメリカが一帯一路(OBOR)構想を急停止させることが望める唯一の方法は、中央アジアを不安定化することで、それはかなりの大業だが、北京は完全にこの事実を知っている。加えて、もしワシントンが多くの国々の首都で足場を得るのに成功すれば、中国のイスラム教徒人口が多い新疆ウイグル自治区の状況に、より強い支配力を行使することが可能になるだろう。そして、もしアメリカが現地住民を過激化する試みに成功すれば、ロシアは、ビザ制限がないため、頻繁に中央アジアに旅行する大規模なイスラム教徒の共同体を抱えており、モスクワ自身、特に脆弱なことに気がつくだろう。
ウズベキスタンを欧米影響力の大黒柱に変えるワシントンの取り組みは、地域の国の全てと国境を共有する人口の多いイスラム教国であるという事実が、アメリカが世界のこの地域で、長期的外政策目標を確保する助けになるかもしれない事実から規定される。
去る2月、国防総省が中央アジアと南アジア両方の高位将官の会談を要求して、ウズベキスタン-アメリカ協議の更にもう一回の会合がタシケントで開かれた。アフガニスタンとの対立解決を目指す交渉で調停者の役割を果たすよう、ウズベキスタンをアメリカが応援していることが最近明らかにされた。
ウズベキスタンとアメリカ間の軍事協力が、9/11テロ事後、ピークに達したことに留意すべきだ。当時、アメリカは、アフガニスタンでのワシントンの作戦を促進するために使われるであろう軍事基地をこの共和国に置くつもりだった。しかしながら、当時の状況のへの対処で、タシケントを非難するほど十分大胆にワシントンが思ったアンディジャン事件の余波の中、状況は変化した。ウズベク当局は自尊心を抑えようとはせず、彼らは駐留するアメリカ軍に、荷物をまとめ撤退するよう要求した。だが近年、アメリカウズベキスタン間の二国間関係が次第に改善し始め、両国が共同で様々な軍事活動を行うことに対する興味を見いだしており、これはウズベキスタン首都へのアメリカ軍事使節の頻繁な訪問で明白だ。
この背景に対し、ワシントンは、タシケントで種々の地位を占めるべく経験豊かなベテランを派遣し、この国の大使館を早急に強化しようとするはずだ。そのため、ウズベキスタンの状況をじっくり見てきた人々にとって、ダニエル・ローゼンブルムがタシケントの新アメリカ大使に任命された発表は驚きではない。
この決定は、アメリカ大使がしばしば変わる今の傾向と、彼らの一部、特に最近中央アジアに派遣される人々に一致しているように思われる。それら紳士、特にウィリアム・メーザーや、ジョン・ポマーシャイムは有名なトラブル・メーカーという評判を享受している。だがダニエル・ローゼンブルム任命はこの傾向と一致しない。結局、彼は正規の下院議員やもう一人大統領選運動スポンサーではなく、経験豊かな専門家なのだ。
ダニエル・ローゼンブルムはエール大学卒業生で、ソ連時代の研究と国際経済学の学位を持っている歴史家だ。実際、彼は南アジアと中央アジア担当国務次官補だ。さらにこのポストの前任者とは異なり、彼は単なる専門家ではなく何年も現場で働いた人物だ。
ローゼンブルム大使が、NGOや公共団体の管理で広範な経験を持っている外交官なのは奇妙だ。さらに彼の父親はソ連からの移住を促進するユダヤ組織の枠組みを使って、ソビエト社会主義共和国連邦を傷つける取り組みで数十年を費やしていた。ローゼンブルム・ジュニアは、米国国際開発庁から、独立国家共同体CIS中の非政府組織の資金調達をして、アメリカ外交政策を進め、彼が標的に定めた国々の一部に、不安定化やクーデターを経験するようにさせて、その伝統を受け継ぐはずだ。
だから、ダニエル・ローゼンブルムの任命は、中央アジア地域がアメリカ外交政策の基礎になった証拠なのだ。タジキスタンとカザフスタンでの任命同様、この地域をロシアと中国から離れさせるという最終目的を達成する窮余の動きで、ウズベキスタンや中央アジア全体での政治プロセスの発展に影響を与えるため、経験豊かなトラブル・メーカーが、長年蓄積した経験を活用するのを、ワシントンは期待しているのだ。
マーティン・バーガーはフリージャーナリストで地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/06/02/new-us-ambassador-to-uzbekistan-you-just-dont-wanna-know/
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演劇『みすてられた島』を見た。「終戦後の一時期、日本から切り離されようとした伊豆大島で「大島大誓言」と呼ばれる「暫定憲法」が作られた実話をもとにしたもの。前文で平和主義を謳っているとは驚き。実際は、結局、分離されずに終わったので、独立に向かう動きの部分はユートピア。笑いと涙満載ながら、経済市場主義の今と逆の、人間をおもいやる世界の建設をめざすお話。土日の二日だけの上演は残念。
近々『新聞記者』を見る予定。近くで森羅万障ステルス氏の出現予定がわかれば一緒に「やめろ」といいたいもの。
日刊IWJガイド「安倍総理が中野で街頭演説、自慢話と民主党政権批判の繰り返しに飛び交う『安倍やめろ』の怒号!」 2019.7.8日号~No.2489号~(2019.7.8 8時00分)
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