「自由な出版」として知られている宣伝省
2019年6月27日
Paul Craig Roberts
私が何度も報じたように、売女マスコミは、自由な出版ではなく、政府と寡頭支配階級の政治権益のための宣伝省だ。ベン・ノートンは、ニューヨーク・タイムズが記事を印刷する前に、ワシントンの許可を得ていると説明している。
ニューヨーク・タイムズが、刊行前に「国家安全保障当局者」から承認を得るため、アメリカ政府に一部の記事の送っていることを公的に認めたのだ。
彼は、CIAによるメディアの支配と操作は長い伝統で、ジャーナリストたちによって暴露された伝統だと説明している。
ウォーターゲート事件を暴露するのを助けた元ワシントン・ポスト記者で、有名ジャーナリストのカール・バーンスタインが、1977年にローリング・ストーン誌に「CIAとメディア:アメリカの最も強力なニュース・メディアが、どのように中央情報局と緊密に働いたのか、チャーチ委員会がなぜそれを隠蔽したのか。」という題名の重要な特集記事を書いた。
バーンスタインは、過去25年で、400人以上のアメリカ人ジャーナリストが「密かに中央情報局の仕事をして」いたことを明らかにするCIA文書を入手したのだ。
バーンスタインはこう書いている。
諜報機関と「こうしたジャーナリストの一部との」関係は暗黙だった。一部はあけすけだった。協力と忖度と重複があった。ジャーナリストは単なる諜報情報の収集から、共産主義国家のスパイへの秘密仲人まで、ありとあらゆるサービスを提供した。記者はCIAとノートを共有した。編集者たちはスタッフを共有した。ジャーナリストの中には、ピューリッツァー賞受賞者や著名記者がおり、彼ら自身、国家のための無任所大臣だと思っていた。大部分の人々はそれほど高位ではなかった。諜報機関との彼らの関係が彼らの仕事に役立つのに気付いた海外特派員たちが、機関の仕事を支援した。大胆な行為に興味を持っている地方通信員やフリーランスは、記事を提出するように、スパイ活動をしており、最も小さいカテゴリーとして、国外ジャーナリストのふりをしているCIA正規職員がいる。多くの場合、ジャーナリストたちは、アメリカの主要報道機関経営者の同意を得て、CIAのための仕事に関与していたことを、CIA文書は示している。」
ABCや、NBC、AP、UPI、ロイター、ニューズウィーク、ハースト新聞、マイアミ・ヘラルド、サタディ・イブニング・ポストやニューヨーク・ヘラルド・トリビューンを含め、事実上すべての主要アメリカ放送局がCIAに協力したとバーンスタインが明らかにした。
だが「CIA当局者によれば、これらの関係で遥かに貴重なものは、ニューヨーク・タイムズ、CBSとタイム社だった。」と彼は付け加えた。
こうした幾重もの、国による操作や、検閲や、直接ニュース・メディアへの工作は、彼らは独立していると主張するが、ニューヨーク・タイムズや他のマスコミが、政府や、少なくともアメリカ国家安全保障体制のための事実上の広報官として効果的に働いていることを示している。
http://www.informationclearinghouse.info/51828.htm
ドイツ新聞フランクフルト・アルゲマイネ・ツァイトゥング編集者ウド・ウルフコッテは著書、Gekaufte Journalisten(買収されたジャーナリスト)でヨーロッパの主要ジャーナリストは、CIAの影響から自由ではないことを説明した。英語版、Journalists For Hire: How The CIA Buys The Newsは発禁になった。少数のコピーが隠滅から逃れるのに成功した。現在、二冊がアマゾンで、910.99ドルで、一冊が1,994.99ドルで入手可能だ。
私がしばしば報じているように、「欧米民主主義国家」では真実は抑制され、管理された言説に置き換えられている。欧米の大半の人々は、安全保障体制と支配層の狙いに気が付かない。あらゆる職業や地位の人々がそれと知らずに、こうしたものを流布している。彼らに真実を知らせようとする人々は、通常「陰謀論者」として切って捨てられる。選挙民が本当のことを知らされないままであれば、民主政治があり得ないのは明らかだ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/
記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/06/27/the-propaganda-ministry-known-as-the-free-press/
----------
G-20で訪日中の各国元首を迎える二人のニュースを、ボーッと見た。良いニュースもあった。賠償金額の桁が少ないと思ったが。
昨日のIWJインタビューは圧巻。
【録画配信・IWJ_Youtube Live】20:00~「電機産業は崩壊!? 凋落する日本のものづくり! 岩上安身による『「空洞化」と「属国化」 ~日本経済グローバル化の顛末』著者 名古屋経済大学・坂本雅子名誉教授インタビュー 後編」
今の政権は、売国行為ばかりの傀儡政権と思っているが、妄想ではなく、やはり事実だと確信した。嬉しいことではないが。大本営広報部は、Paul Craig Roberts氏のおっしゃる通り、自由な出版ではなく、政府と寡頭支配階級の政治権益のための宣伝省だ。
こういう先生の授業を聴講させていただきたいもの。せめてご著書の『空洞化と属国化―日本経済グローバル化の顚末』を拝読予定。無職には、いささか、つらい価格。
« G20ではロシア-インド-中国が目玉 | トップページ | 檻の中で愛国的な詩を暗唱して亡くなったムルシ »
「アメリカ」カテゴリの記事
- バイデンのF-16の動きは絶望を意味する空想飛行(2023.06.04)
- 2023年選挙におけるエルドアン成功の秘訣(2023.06.03)
- モスクワでのドローン攻撃-ウクライナでのミサイル攻撃(2023.06.02)
- トルコ大統領選挙結果でロシアは何を期待できるのか?(2023.06.01)
「マスコミ」カテゴリの記事
- プロパガンダを管理するため存在している欧米ニュース・メディア(2023.05.23)
- スラヴァ(栄光)? いや栄光どころでなく、恥を知れウクライナ!(2023.05.17)
- 世界報道自由デーにアメリカの対アサンジ偽善で問い詰められた複数のアメリカ当局者(2023.05.11)
- 全てが偽物で愚かなため、今やアトランティック誌表紙イラストを描くボノ(2023.05.09)
- タッカー・カールソンとたもとを分かったフォックス・ニュース(2023.04.25)
「NATO」カテゴリの記事
- モスクワでのドローン攻撃-ウクライナでのミサイル攻撃(2023.06.02)
- トルコ大統領選挙結果でロシアは何を期待できるのか?(2023.06.01)
- アジア太平洋地域にしっかり照準を合わせているNATO軍産複合体(2023.05.29)
- 政権転覆活動家ラマン・プロタセヴィッチと彼のライアンエアー・ミンスク飛行事件落着(2023.05.28)
「ポール・クレイグ・ロバーツ」カテゴリの記事
- ポール・クレイグ・ロバーツは大量虐殺が好きなのか?(2022.05.01)
- ロシアの安全保障提案をワシントンが拒絶したのはまずい判断(2022.01.31)
- 欧米で、ジャーナリズムは宣伝省にとって替わられた(2021.11.23)
- ワシントンは世界の悪の中心(2021.08.19)
- 真珠湾:画策された出来事? (2020.12.10)
最近のコメント