過度の楽観主義にご用心
2019年6月24日
Paul Craig Roberts
私の好きな評論家の一人で、私もしばしばその記事を再投稿させてもらっているケイトリン・ジョンストーンは、どうやら一部の読者から、少し楽観的になるよう圧力を受けたようだ。彼女は、だまされて戦争にひきこまれるアメリカ人の「根本的な善良さ」にそれを見いだした。もしアメリカ人が本当に悪人なら、だまされて、戦争に行くよう操られなくて良いはずだと彼女は言うのだ。彼女は、彼らがだまされ、操られるという事実は、彼らが悪いのではないことを意味すると結論している。ケイトリンによれば「我々は怒りを、操られた人々にではなく、巧みに操る連中に向けるよう慎重でなくてはならない。決して被害者ではなく、常に詐欺師が悪いのだ。」 すると彼女は、自分たちの国が他の民族に対して行っている大規模犯罪に対して、アメリカ国民は責任を免除されるというのだろうか。https://caitlinjohnstone.com/2019/06/22/the-fact-that-americans-need-to-be-deceived-into-war-proves-their-underlying-goodness/
アメリカについて言っているだけなら、大方のアメリカ人の受けは良いだろう。だがもし彼女が第三帝国のドイツ人のために、同じ主張をしたらどうだろう? 彼女は徹底的に非難され、悪者にされるはずだ。
あのコラムはケイトリンの最良の一つではない。自分ではなく、他人を非難するのは、いつでも気分がよいものだ。ケイトリンは、あのコラムを書く前に、古いことわざを思い出せば良かったのかもしれない。「一度だまされたら、だましたやつが悪い。二度だまされたら、だまされたやつが悪い」
ケイトリンが見過ごしているのは、何度も、何度も、何度も、またもやだまされても、決して理解しないアメリカ人には何か決定的に良くない点があることだ。特に、9/11事件、アフガニスタン、サダム・フセインの大量破壊兵器、アサドの化学兵器、イランの核兵器、ロシアによる侵略、MH-17、カダフィに関する嘘の長いリスト、パキスタン爆撃、自国民を飢えさせているマドゥロなど、21世紀における欺瞞の集中利用にもかかわらず、彼らがだまされやすいのは到底理解しがたい。次から次ぎと素早く欺瞞が続くのに、良いアメリカ人の心には決して疑問が浮かばないのだ。
「女性を攻撃する」のは男性優越主義者だと言って私を非難するにはおよばない。ケイトリンなら自分で対処できるはずだ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/
記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/06/24/be-wary-of-undue-optimism/
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またしても、彼の発言で騒ぎになっている。今日の孫崎氏のメルマガ題名をコピーさせていただこう。
トランプ、日米安保条約破棄に言及。安保条約第五条は「自国の憲法上の規定及び手続に従つて対処」と記載、米国での交戦権は議会。この条約で米国が自動的に日本防衛を行う訳でない。他方第六条に米軍の基地使用権。米軍がこれを放棄する訳がない。T流脅し。
今日のIWJガイドの見出し、この翻訳記事と、つながっている。親が親なら子も子。
まっていた録画インタビュー、今日拝見できる。
<本日のインタビュー配信>日本経済の長期不況は、政策だけでは解決できない! 不振の根本原因も再建の鍵も産業政策にある!! 本日午後7時より、「 電機産業は崩壊!? 凋落する日本のものづくり! 岩上安身による『「空洞化」と「属国化」 ~日本経済グローバル化の顛末』著者 名古屋経済大学・坂本雅子名誉教授インタビュー 前編」を冒頭以降は会員限定で配信します!
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