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2019年5月 8日 (水)

ゼレンスキーがポロシェンコに勝利 - 次に何が起きるだろうか?

2019年4月24日
The Saker

[この分析はUnzレビューのために書かれた]

 皆の予想通り、ポロシェンコは選挙に完敗した。私が以前のコラムに書いたように、ポロシェンコの巨大な広範囲の資源と、対抗者が文字通り、ピエロだった(もし読者がおなら漫画)という事実を考慮すれば、これは驚くべきことだ。同様、彼の敗北は、ほぼ不可避なほど予測可能だった。この人物がウクライナ中で(リボフ地域のナチ変人以外)心から全員に憎まれていたが、彼をいつもより更に一層忌まわしくした致命的大失敗をしたのだ。

 まず、この傑作だ。

 

翻訳:4月21日。 重要な選択!

 今ならポロシェンコに同情できる。単にこの「プーチン、オバケ」は、ウクライナ・ナチ・クーデターの主要スポンサーや、伝統的シオニスト・メディアには驚くほど効果があるように思われただけでなく、大半のウクライナ人は全くこのたわごとを買っていないと、誰もあえてポロシェンコに言わなかったのだ。全ての他の候補者がプーチンの代理人だという示唆も、これに劣らずばかばかしい。(このポスターはポロシェンコ公式選挙運動ではなく「ボランティア」が掲示した)ポロシェンコが考案した関係責任否認の権利とい見せ掛けは失敗し、全員すぐに全てを見破り、ポロシェンコ選挙運動の最初の自業自得になった。

次にこの大惨事だ。

https://youtu.be/TYc63d9SvrM

 またしても、このビデオを制作したのはポロシェンコ公式選挙運動ではなかったが、皆がこれも見破った。ゼレンスキー殺害というほぼ公式の脅迫は、ウクライナでは恐ろしいものとして受けとられ、このPR大惨事はポロシェンコの二度目の自業自得だった。

 そして哀れな人物は「負けた」。私はこの人物が、言い、行った、全ての愚かな、ばかばかしいことを列記するつもりはないが、大いに期待されていたスタジアムでの討論における彼の出来ばえは惨たんたるものだったと言っておこう。

 しばらくの間その兆しはあって、二人の候補者は(ドイツとフランスでは直接対面で、「アメリカを再び偉大にする御仁」とは電話で)彼らのご主人と話をするよう命じられ、いくつかのことを言われていたのだ。

  • ポロシェンコは、戦争を引き起こしたり、ぎりぎり最後の偽旗を画策したり、ゼレンスキーを殺したり、他の何らかの「創造的な選挙運動方法」を行ったりしてはならないとはっきり言われたのだ。
  • ゼレンスキーも、もし彼が選挙に勝ったら、ポロシェンコに触れてはいけないとはっきり言われたのだ。アメリカはポロシェンコに身の安全保障をしたように思われる。

 欧米の計算は単純だ。ポロシェンコを(比喩的、政治的に)生きながらえさせておいて、彼がどれだけ議員を維持できるか見るのだ。さらに、ゼレンスキーは極めて弱い(彼にはいかなる個人的な権力基盤もない)ので、コロモイスキーが、ゼレンスキーは言われた通りのことをするようにさせるが、コロモイスキーは、帝国に、行儀よくしろと言われるはずだ。最終的に、彼の手が(少なくとも、トゥルチノフやアヴァコフのように凶悪犯と比較すれば)血にまみれておらず、クレムリンと一緒に、要注意人物リストに載るような動きをせず、非常に目立たない姿勢を維持した現首相ヴォロディーミル・フロイスマンがいる。フロイスマンも、ユダヤ人(イスラエルとウクライナは、大統領と首相の両方がユダヤ人という世界で二つだけの国だ。ユダヤ人とウクライナ民族主義者間の歴史的愛憎関係を考えると皮肉)だ。彼は帝国にとって、ポロシェンコやゼレンスキーよりずっと有用なウクライナ大管区指導者になるかもしれない。今、フロイスマンは、既にポロシェンコの党を捨て、彼自身の党を作っている。いずれも、無辜の人々の血にまみれていて、支配下の種々のナチ暗殺団を使って、かなりの権力を手放すまいとするだろうアヴァコフやパルービーを忘れずにおこう。最後に、まだその政治的野心を抑制する必要がある、手ごわい(比較的人気が高い)ユリア・ティモシェンコがいる。だから巨大な富とコネがあるポロシェンコは、まだ帝国がウクライナを支配するための有用な手段であり得る。

 欧米の計算は間違っているかもしれない。一つは、ゼレンスキーは、確実に、ウクライナ国民に対して、*何も*意味あるものを、まず繁栄や正直を、与えることができないのだ。かなりすぐ、彼らがゼレンスキーというを「新人」選出した際、ウクライナ国民は、コロモイスキーの「決して新しくない」顔と、その悪名高い名前がもたらすあらゆるもので終わったことを理解して目を覚ますだろう。ゼレンスキーは、スタジアムでの討論の際に、そうすると半ば公約した、ポロシェンコを刑務所に送る以外の選択肢はないかもしれない。ゼレンスキーは、ポロシェンコと話し合うつもりで、何らかの公的資格で、彼を使いさえするかもしれないとも言っている。ウクライナの選挙公約は、それを作るのに要する時間より長期間、決して守られたことはないのだ。最終的に、誰も彼と一緒に没落するのを望んでいないので、ポロシェンコの権力基盤は非常に急速に損なわれつつある。彼が一晩で政治的死体になったので、ポロシェンコは、英米シオニストにとって彼の有用性が尽きた後も生き伸びてしまったと私は考える。だがこれはウクライナなので、あり得ないと決めてかかることはできない。

 最終的に、国会により多くの権限を、大統領により少ない権限を与える、ウクライナ政治制度改革を帝国は要求している。ゼレンスキーが未知の俳優で、(全ての党と派閥の)国会議員が基本的にアメリカに雇われている事実を考えれば、これはつじつまがあう。

 こうした全てに関して、ロシアは一体どうなのだろう?

 ロシア人は極めて用心深く、誰もゼレンスキーに幻想を抱いているようには思われない。実際、当選翌日、既にゼレンスキーは、あらゆる種類の反ロシア発言をしている。実際、ポロシェンコ・ポスター(彼の敗北は、プーチンにとっての勝利を意味する)の論理的なほのめかし以外、ロシアの誰も祝ってなどいない。ウクライナという話題全体についての主要な考え方は、全くの嫌悪感で、我々のいわゆる「兄弟」は、聖書中のケインという意味での兄弟に過ぎないという、緩やかな、苦痛を伴う事実の認識と、キエフには話をするべき誰もいない事の受け入れだ。それで、ロシアは、ウクライナに対して、一方的行動の政策に着手しなければなるまい。これには次のものが含まれる。

  • 選挙結果を認めるかどうか決める。ロシアは、大半のウクライナ人が、ゼレンスキーに投票をしたことを認め、その認識は、それ以上の何も意味しないという事実を認識することが一番ありそうだと私は思う。事実を認めることだ。
  • ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国共和国の国民へのロシア・パスポート発給ペースを加速する。
  • ウクライナ(ロシアはちょうど、ウクライナへのエネルギー源輸出を禁止したところだ - 最終的に、とうとう!)に対し、それ以上の経済封鎖を課す。
  • 何百万人というウクライナ人が投票しなかったのだから、それを宣言しろ(ウクライナ国内、ドネツク人民共和国 / ルガンスク人民共和国、ロシアでそしてミンスク合意が死んでいる(もしまだ法律上じゃないなら、それがデファクトだ)から、ロシアはこの選挙を認めず、代わりに二つの共和国を認める。(ウクライナ国内、ドネツク人民共和国 /ルガンスク人民共和国、ロシアで、何百万人というウクライナ人が投票しておらず、(法律上ではまだでも、事実上)ミンスク合意は死んでいるのだから、ロシアはこの選挙を認めず、代わりに二つの共和国を認めると宣言する。私はノボロシアに対するウクライナ・ナチによる攻撃(その場合、ロシアはサーカシビリによる南オセチア攻撃後にしたことをするだろう)がない限り、クレムリンがそうするだろうとは私は思わない。

 これまでのところ、ロシア報道官は、単に彼らは「ウクライナ国民の投票を尊重し」、「彼の言葉ではなく、彼の行動で」ゼレンスキーを評価するつもりだ述べただけだ。このやり方は、確かにバランスがとれていて、合理的だと私には思われる。

 結論

 コロモイスキーや、ゼレンスキーさえ、誰も次に何が起きるかわからないというのが真実だ。余りに多くの考慮すべきパラメータがあり、この選挙後の本当の力の均衡は、まだそれ自身明らかになっていない。ウクライナ人々の本当の念願と希望は全く無視された。ポロシェンコは、ゼレンスキーというマスクをつけたコロモイスキーに代わられるのだ。到底、大喜びの理由にはならない。

 多数候補者がいたにもかかわらず、ウクライナ国民は有意義な選択を与えられていなかった。それで彼らは、できる唯一のことをしたのだ。彼らはポロシェンコを追い出よう投票をした。それは確かに、とても言い気分だったに違いない。

 だがゼレンスキーは多少まともだということになるのだろうか? 私が間違っていること大いに願うが、私はそれを強く疑っている。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/zelenskii-beat-poroshenko-what-will-happen-next/

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 以下のあとがきを省いて、上記翻訳記事だけを勝手に転載する連中は、憲法破壊推進確信犯だ。

 同じ話題しか流さないので、久しぶりに2015年12月20日放送の新・映像の世紀「第3集 時代は独裁者を求めた」録画を再度見た。権力は悪事を働く際に、ウソを言って正当化する。緊急事態条項というのは、婉曲語法で、実態は「全権委任法」だったことを思い出した。

 2007年8月26日に、下記のナオミ・ウルフ記事を掲載した。その時に「全権委任法」を知ったのだった。劣等の現状、この記事だけで理解できる。このステップが着実に推進されるのを目にしているのだ。改元騒ぎもその一環。

 簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)

日刊IWJガイド「明日9日の衆議院憲法審査会で、改憲の国民投票のテレビCM規制をめぐって民放連幹部を参考人招致! 本日午後8時より、岩上安身による長谷部恭男・早稲田大学教授インタビューを再配信!」 2019.5.8日号~No.2428号~(2019.5.8 8時00分)

 日刊ゲンダイ・デジタルの斎藤貴男氏記事に驚いた。

 大メディアが黙殺する「倉敷民商弾圧事件」の“異常”さ

彼ら3人を逮捕し、取り調べたのは、なぜか岡山県警の公安部だった。勾留期間も禰屋氏が428日間、他の2人は184日間。あのカルロス・ゴーン氏は2カ月でも国際的な関心を集めたが、倉敷民商事件はマスコミにも黙殺されたまま。

 党名を変えないから支持率があがらない、とたわごとを言う連中、党名を変えれば、こういう冤罪攻撃がなくなると思っているのだろうが?

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