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2019年5月 4日 (土)

日本の政治的野心はエネルギー依存により危険にさらされかねない

2019年4月29日
ヴァレリー・マトヴェエフ
New Eastern Outlook

 外交政策を際立って強化した日本に関して、最近色々議論がある。日本は日米豪印四カ国戦略対話(QUAD)の枠組みによる多国間協力で、インド太平洋戦略を促進するためにアメリカと共に働いており、これには自衛隊の強化と、ロシアとの集中的な平和条約交渉も関連している。

 日本の外交政策目的の一つが、国家が進んでいる国内の、社会的、経済艇発展を確保することであるのはよく知られている事実だ。それ自身のために全てのエネルギー需要を満たす十分な国内エネルギーを持たない日本のハイテク産業と工業化した経済にとって、経済成長のための最も重要な前提条件の一つは、途切れない輸入エネルギー資源を確保することだ。しかしながら、この問題解決に成功するには、ここで二つの鍵となる要因を強調する必要がある。十分な供給と、魅力的な価格だ。日本経済の、エネルギー源と、供給が一体どこから来るのかに関しての理解を試みよう。

 日本の面積は37万平方キロメートルを超えるが、現在、日本は自身のエネルギー需要を満たすのに十分な天然資源を持っていない。主に、これが過去に行われた天然資源の積極的な開発と結びついており、全ての油田やガス田や、日本で活動した全ての採鉱企業の地図を見れば、かなり良く分かるはずだ。

 日本はアメリカと中国に次いで世界3番目の石油消費国だ。日本は年間約20億バレルの石油を消費するが、そのうち99.7パーセントが輸入だ。東京は、輸入については、北京を越えて第二位で、世界ランキングの大物だ。日本の石油の供給を脅かす重要なリスク要因は、日本がその地域(サウジアラビア 31.1%、UAE 25.4%、カタール 10.2%、イラン 11.5%、クウェート 8.2%)から、全輸入石油の86パーセント以上を購入している中東での紛争 - 激化しかねない暴力的突発事件だ。

 だから、アジア太平洋のガス市場で、日本の当局が状況を心配してモニターしているのは少しも不思議ではない。「青い燃料」に対する需要がひたすら増大する構造になっている中国は、アジア太平洋からの液化天然ガス(LNG)の主要購入国だ。

 それほど大昔ではないが、日本はロシアからガスを輸入することにより、この市場における立場を強くする試みさえした。日本企業が、サハリンから、年間200億立方メートルの容量のガスパイプライン建設プロジェクトを開発した。現在の日本の、1230億立方メートルのガス消費を考えれば、もしこのガスパイプラインが建設されれば、東京はこのタイプの燃料に対する国の需要の6分の1を満たすことが可能になるはずだ。だが、2014年、日本は「クリミアのため」ロシアに対する制裁を課し、エネルギー輸入国として、島国の際立って脆弱な状況を改善することができたはずなのに、プロジェクトを放棄した。

 結果的に、東京はLNG供給を確保するため、他のアジア太平洋の国と競争する以外に他のどのような選択もなく、それはエネルギー経費を高騰させ、十分な供給の保証がないままになっている。

 日本には、多少の石炭埋蔵量はあるが、世界最大のLNG輸入国だ。2017年、日本は2億900万トンの天然ガスを購入するため、230億ドルを費やした。世界の石炭供給の約18パーセントが日本に行く。鉄鋼業用の冶金用石炭輸入とともに、日本は火力発電用の石炭輸入も増やしている。これは、まだその時点まで稼働していた原子力発電所の停止によって引き起こされた電力不足のためだ。この背景に対して、今後数十年の展望は日本が多数の新しい火力発電所で、主に電力生産のために石炭を使うだろうことだ。

 日本の石油とガスと石炭輸入のデータは輸入エネルギー供給に対する東京のほぼ完全な依存を強調している。この輸入エネルギー資源の入手可能性は、主として、それが生産される地域中東と、中国の影響が増大しているパイプライン沿いの地域の安定性/不安定によって決定される。成長するアジア太平洋市場が毎年ますます多くのエネルギーを消費するにつれ、エネルギー価格は、現在今までで最高になっている。

 所与の状況下では、日本のエネルギー安全保障にとって、経済的な意味で最も費用効果が高い方法の一つは、東京が必要とするあらゆる種類のエネルギー資源を所有し、輸出する能力があるロシアとの、より大規模な協力だ。ロシアと日本が共有する国境は、エネルギー供給が途中で中断されないことも保証する。

 この記事としての結論は、ワシントンに対する日本の過度の依存が、モスクワとの平和条約の欠如もあって、(直接の供給と、他の国を通過しての)エネルギー供給分野での、日本とロシアの協力を増す努力を挫折させる障壁の役割を果たしているということだ。一つ目の要因、アメリカに対する日本の過度依存の影響は、日本がロシアに制裁を課するアメリカ政策に表明を支持して、日本とロシア間の二国間の協力を挫折させて、日本の国益に矛盾するだけでなく、日本の国家安全保障という基本的権益にさえも反しているのは、明白だ。2番目の要因は平和条約だ。安倍晋三首相政権は解決を見いだそうと懸命に努力しているが、彼らがとっている手法は双方が恩恵を受ける条約には向かっていない。

 地政学の大ゲームへの回帰という日本の野心が、東京のエネルギー輸入依存によって押さえられているのは明確だ。ドイツで起きたことは、ヨーロッパ最強力の経済で、主要エネルギー消費国で輸入国の一つとして、よく似た状況の国の良い例になっている。ベルリンは「ヨーロッパ経済の機関車」に燃料を供給するため、費用効果が高い天然ガス供給を保証すること重要さを承知しており、現在、ワシントンの強い反対にもかかわらず、バルト海底にガスパイプラインを敷設するノルドストリーム2プロジェクトを実施している。

 だから、東京がベルリンの経験に習って、近い将来、ワシントンに細心の注意を払うことをやめて、日本自身の利害を図り始め、両国に有益なロシアとの二国間関係を発展させる先例に続く可能性は排除できない。

 ヴァレリー・マトヴェエフは経済評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/04/29/japan-s-political-ambitions-could-be-jeopardized-by-its-energy-dependence/

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 満州を経営した戦犯が、宗主国による支配政策の走狗として、絞首刑を免れ、首相になり、日本そのものを満州化した。今も孫が、宗主国支配政策の走狗をつとめる国で、軍事や外交や経済政策が、自立をめざすものになるわけがない。そういうことをした瞬間、ヤヌコヴィッチとはいわずとも、田中角栄のような運命が待ち受けているのはご本人も官僚も大企業幹部も重々ご承知。非合理な兵器爆買いは強制されても、合理的なエネルギー資源調達が許されるわけがない。植民地がいつの日か独立できれば別だが。宗主国広報機関のマスコミは、こういう話題は報じない。

 澤藤統一郎弁護士による記事
 安倍君、これ以上、沖縄をいじめるのはやめなさい! 大事な憲法をいじるのはやめておとなしく身を引きなさい!

 ジャーナリストの岩垂弘氏による記事

 「改憲を急ぐ安倍政権を打倒しよう」 - 東京の憲法集会にこれまで最高の65、000人 -

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