ベネズエラと二者択一
2019年5月1日
クレイグ・マレー
世界最大の石油埋蔵量を有する国で、ジョン・ボルトンががなりたて、ブラックウォーター傭兵派遣の申し出で支援されて、長年のCIA傀儡が軍事クーデターを企てる際で、私がどちら側に与するかの判断は実に簡単だ。

フアン・グアイドはCIAの長期プロジェクトとして15年間育て上げられた。いまのところ阻止されたように見える彼による昨日のクーデターの企ては、ベネズエラの石油埋蔵をアメリカ覇権に戻そうとする取り組みの頂点だった。
リビアやイラクやベネズエラのように、石油埋蔵量が豊富だが、アメリカにくみしようとしない国々には、自由民主主義を、武力で、急いで押しつけようとすることが多いのに、例えばサウジアラビアのように、膨大な石油埋蔵量があっても、アメリカの軍事支配を認め、欧米やイスラエルにくみする国なら、どれほど好き勝手に非民主的であっても良いというのは奇妙だ。ベネズエラの民主主義は不完全だが、サウジアラビアより遥かに民主的で、人権実績でも、ずっとましだ。欧米メディアと政治家の偽善は驚異的だ。
偽善と身勝手は馬が合うのだが、あからさまな軍事クーデターを声援していた「リベラル」評論家連中が、自分の側が負けている今、人々が負傷させられたり、殺されたりしているとやかましく文句を言っているのは、重層的な身勝手だ。注意を怠らない人なら誰でも、明らかに軍事クーデター未遂だとわかるのに、昨日のマスコミは、平然とクーデター未遂と呼んでいた。

今日、マスコミ報道は、驚くべきことに、クーデターの企ては全く起きなかったことになっており、ただ自然発生的な非武装抗議行動に過ぎず、それをクーデターとして描写しようと試みているのはベネズエラの悪の政府なのだ。今朝、BBCの番組「ブレックファースト」の大見出しは「マドゥロ大統領、クーデターをしかけたと反対派を非難」だったが、明白な事実の問題として、まさにそれが起きたことであるのは疑いようがない。
今日のマスコミは「抗議行動参加者」に対する放水銃の映像や、抗議集団に激しく突っ込む軍用車両の恐ろしい映像で満ちている。だがそれは全て、その軍用車両が何時間も投石され、火炎瓶で火をつけられ、発砲されている映像を削除するため極めて入念に編集されたものなのだ。この見せ方は実に衝撃的だ。
どんな文明国においても、軍事クーデターをしかけようとすれば、終身刑になるはずで、それが今フアン・グアイドに起こるべきことだ。知的誠実さの大義からしても、軍事クーデター未遂が決して起きなかったふりをして、連中の傀儡を守ろうとする欧米の試みには抵抗しなくてはならない。
暴力に訴えようとすれば、二者択一の強制になる。私は、過去も今も、多くの点でマドゥロに批判的だ。議会を迂回する憲法改正は間違っていたし、間接的に選出された憲法制定議会は良い形の民主主義ではないと私は思う。ベネズエラでは汚職問題か蔓延している。アメリカの経済制裁は、悪化させたが、経済政策の失敗の根本原因ではない。人権の問題もある。だがチャベスは、貧しい人たちを教育し、権利を与える上で革命的変革をなしとげ、アメリカが据えつけるだろうCIA傀儡政権の下でより、大多数の国民にとって遥かに良く統治された国だ。マドゥロは合法的に選出された。暴力の試みは二者択一を強制する。
私は自分がどちら側か知っている。グアイドとCIAの側ではない。
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記事原文のurl:https://www.craigmurray.org.uk/archives/2019/05/venezuela-and-binary-choice/
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東京新聞、「承継の儀に国費支出 反対・賛成」を見た(読む気力がでない)。反対派のお二人の記事は拝読した。
賛成派の一人は、有名な日本会議の人物。
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