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2019年4月10日 (水)

ウクライナ選挙:ポロシェンコは破れても政権は生き残る

ドミトリー・バビッチ
2019年4月3日
Strategic Culture Foundation

 これまでの数日間、欧米マスコミで、ウクライナ大統領選挙を担当している人々全員、面倒な綱渡り芸を演じなければならなかった。2014年、マイダン「革命」における役割のため、大統領はアメリカ、EU両方で英雄と賞賛されたにもかかわらず、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの信じやすい読者に、期待を裏切るポロシェンコ大統領の終わりを一体どのように説明することができただろう? ポロシェンコは票のわずか15.96%しか得られず、多くの投票者が公然と第2ラウンドにそれを加工するべき彼の能力に関して疑いを表明した。テレビ・コメディアンのヴォロディミル・ゼレンスキーはどのように「ロシアの侵略」に対するポロシェンコの「英雄的」戦争の後、ポロシェンコを、15パーセントも(30.4%)しのぐことができたのだろう? 2012年から2014年まで「親ロシア悪党大統領ビクター・ヤヌコーヴィチに投獄された」ユリア・ティモシェンコが、二年の禁固刑と、彼女が「ロシアの侵略」と呼ぶものに対する東ウクライナでの積極的な戦いの後、わずか13.4%で、大きく水を空けられて、三位で終わってしまったのだろう?

有権者の評決

 ウクライナ選挙の最終結果はまだ公表されていないが、2014年のマイダン・クーデター後、彼らがウクライナで樹立した粗野な国家主義政権の道徳的、政治的、経済的破産は、誰の目にも明らかなのが真実だ。本記事は、欧米マスコミでさえ間接的にこの事実を認めていることを明らかにするつもりだ。2014年、アメリカとEUが公然と支持したキエフ、マイダン広場での暴力的「高潔な革命」の二つの衝撃的な真実を証明するために、欧米とウクライナの情報源だけを用いるつもりだ。

 ここに欧米報道機関が等しく認める事実がある。まず第一に、これまでIMFに率いられた改革の5年間で、ウクライナは(デア・シュピーゲル紙が報じているように)ヨーロッパで最も貧しい国になった。第二に、マイダンは独立国家としてのウクライナの歴史で(ブルームバーグが「高潔な革命」を何年も称賛した後、認めるのを強いられた通り)「最も汚く、最も恥ずかしい」大統領選挙戦をもたらした。実際、欧米自身既にペトロ・ポロシェンコ大統領政権に「有罪」判決を出したのだ。アメリカとEUは、進行中の大惨事に対する彼らの責任を認めることを好まず、ドンバス(マイダン後、初のウクライナ首相アルセニー・ヤツェニュークが、愛情を込めて「人間以下の人」と表現したロシア語話者の地域)におけるロシアの「侵略」について語るのをより好んでいる。欧米マスコミが二番目に好きな話題は(ウクライナでの自治的立場が、2014年に彼らが権力得た直後、マイダン後のウクライナ政府極右メンバーによる剥奪が予定されていた)クリミア「占領」だ。

ヨーロッパ最貧国

 ウクライナの経済崩壊は誰の目にも明白だ。現職大統領ペトロ・ポロシェンコが、選挙運動中、ロシアとの対決に焦点を合わせることを好み、あえて経済の話を持ち出すことをしなかったのは実に明白だ。「[投票者がしなければならない]本当の選択は、私かプーチンかだ」とポロシェンコが選挙運動の頂点で述べて、むしろ当惑する選択を押し出した。「ポロシェンコかプーチンか」 - 何百万という選挙運動ポスター、多数のTV、新聞広告で繰り返されたスローガンだ。ポロシェンコの選択肢は非常にばかばかしかったので、ユーロニュースさえ、反マイダン・ジャーナリストで(マイダン後に追い出され、大いに中傷されたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領政権中)元ウクライナ議員だったイリーナ・ボンダレンコによるフェースブック・コメントを引用し、「プーチンは、彼が三月に大統領に立候補しているのを知っているだろうか?」という発言を掲載した。だがももちろん、ユーロニュースは、その意見がウクライナに関する欧米の主流伝説に反するボンダレンコにインタビューするのを思いとどまった。モスクワへの短い訪問中に、ボンダレンコは、私にウクライナ経済貧困の理由に関する彼女の見方を語ってくれた。

 「ウクライナの経済は、欧米マスコミのが報じているように汚職のせいだけではなく、キエフが伝統的なロシア市場からの隔離を自ら課したことで破壊されています。この不幸は、ロシアが反撃するずっと前に、キエフが最初に、ロシアは敵対的な国だと宣言し、制裁を課して、自ら課しているものです」とボンダレンコは言った。「ポロシェンコの約束とは反対に、EUとの連合協定は、ウクライナが失ったロシア市場の穴埋めにはならなかった。実際ヤヌコーヴィチが追い出された後、ウクライナのEUへの輸出が最初の年、36%減少しました。」 ボンダレンコによるウクライナ経済状態の厳しい評価は、ウクライナ経済開発省データのみならず、ほかならぬワシントン・ポストに実証されている。マイダンに、かつて大いに熱狂的だった新聞が、(大いに非難されたヤヌコーヴィチの下での)一ドル、8.2フリヴニャが、ポロシェンコの「若き改革者」に、わずか一年ウクライナがさらされた後、25.3フリヴニャになるという、ウクライナ通貨(フリヴニャ)の崩壊を報じた。このフリヴニャ下落は、ウクライナ自身をロシアから無理やり「分離した」後、ロイターが報じているように、ウクライナのGDPが、2014年には、6.8%、2015年には、9.8%も急落し、ウクライナ経済が下落したのを反映している。

若き改革者たちと古き外交政策

 選挙直前、欧米マスコミの一部は、アルセニー・ヤツェニューク政権の(その大部分が、ウクライナ国民ではなく、2015年-2017年に組織的汚職にまつわる争いの後、ポロシェンコに解雇された)「若き改革者たち」を更生させようと必死に試みた。ブルームバーグは、ヤツェニューク時代の経済大臣、リトアニア人銀行家アイヴァラス・ウブロマヴィチュスを閣僚に選んで、極悪な「旧制度」と戦うサインを見せている候補ヴォロディミル・ゼレンスキーの魅力の一部だと吹聴した。ロシア語を話すウクライナ人コメディアン、ゼレンスキーは、世論調査でポロシェンコより先行しており、選挙数週間前に、ワシントンとブリュッセルに完全な忠誠を誓った後、アメリカとEUで好意的に報道され始めた。現在、ゼレンスキー(ポロシェンコと異なり)が人前で、ウクライナ国民36-40%の母国語であるロシア語で話すことを恥ずかしく思わないというだけの理由で、ゼレンスキーは(例えば)ポリティコ紙に、ポロシェンコに代わり得る良い選択肢と見なされている。

 ゼレンスキーが、マイダン後の政権の悲惨な反ロシア外交政策姿勢を変える約束さえしていない事実は、アメリカでもEUでも新聞は一般に見落としている。だが、NATO加盟や他の反ロシア連合に加入するポロシェンコの姿勢から変わらずに、「ドンバスのロシア語を話す地域」として知られているドネツクとルガンスクの反抗的な地域に対するウクライナの5年にわたる軍事行動、「ロシアとの戦争」とキエフが呼ぶものを終わらせるのは不可能だろう。(ロシアはこの軍事行動を、ウクライナとの戦争とは考えず、ウクライナ内戦と呼び、以前、選挙中に、一緒に学校に行っていた、同じ国の国民だった人々の間に大量殺人をもたらし、東西ウクライナ間の政治的分裂をエスカレートさせたとしてマイダン・クーデターを非難している。)だから、ゼレンスキーは本当に「戦争の問題」に対する解決を示唆していない。一方、ウクライナについての戦争で荒廃した地域からの報道でロイターが確認しているように、ドンバスでの戦闘を終わらせることは、ウクライナ有権者の過半数が最も高い優先事項と見ている。だから、平和に対するウクライナ人の希望は候補者ゼレンスキーにも打ち砕かれる可能性が極めて高い。

戦争が法律で大切にされる

 たとえポロシェンコが大統領の座を去ったとしても、彼の遺産が、ウクライナが近いうちに戦争を終わらせるのを阻止するだろう。カウンターパンチ誌が正しく認めている通り、ウクライナ東部での戦争は、1990年代半ば、モスクワの賛同なしに、ワシントンとブリュッセルが開始したNATOの東方拡大の果実だ。EUに向かい、NATOに加盟するというウクライナの進路は、ウクライナのNATO加入は「超えてはならない一線」だというその姿勢をモスクワが隠そうとしないにもかかわらず、ポロシェンコの在任期間に、憲法に銘記にされることとなった。だから、たとえ我々が、実際はウクライナとロシアの間で戦争が行われているという欧米の見解を採用するとしても、ポロシェンコは、その戦争を更に長びかせるためにあらゆることをした。2018年、ポロシェンコ派閥が与党のウクライナ議会は、ドンバス非占領化法律として知られるものを採択したが、それはロシアに「侵略者」という烙印を押して、ポロシェンコとドンバス反抗者の代表者が署名した、2015年2月(「ミンスク合意」と呼ばれるもの)にミンスクで公表された平和協定にウクライナが従うのを不可能にするものだ。その法律を採択した後、ウクライナは、なぜミンスク合意の約束を重んじることができないのだろう?なぜならウクライナの非占領化新法は、恩赦とその特別な地位が、2015年ミンスク合意の中核だったにもかかわらず、反抗者の恩赦と、ドンバスの特別な地位を不可能にするためだ。エコノミスト誌は、非占領化の法律が、ロシアを「激怒させた」ことを指摘した。明らかに、もし何かが、紛争関係者の一方を「激怒させ」た場合、この紛争の仲介者、あるいは善意の立会人だったならで、その人はその「何か」を拒絶するべきだ。エコノミスト誌は、そうではない。同誌は実際「いじめっ子を、いじめっ子と呼んだ」と言って、この法律を称賛しているのだ。

 この特定の出来事は問題を表している。エコノミスト誌や圧倒的多数の欧米マスコミは、善意の立会人ではないのだ。彼らは、まさにマイダン後政権の最初から、キエフ側だった。しかも、彼らがそうしているのは、ウクライナに対する本当の愛からではなく、「プーチンのロシア」と呼ぶ組織、ロシアそのものに対する憎悪からに過ぎない。

 欧米報道:事実は言説と矛盾している

 今、ウクライナ選挙がウクライナの貧困と政治制度の退廃の程度の全貌を引き立たせている中、欧米報道機関によるウクライナ言説に矛盾が出始めている。実際、ウクライナに関する欧米報道の注意深い読者は、マラー報告の結論を読んだ後、「ロシアゲート」信者が経験したと同じような衝撃を感じているかもしれない。アメリカン・コンサーバティブ紙が正確に表現したように、すべて嘘だったのだ。事実(ウクライナの貧困と汚職、汚い、非民主的な大統領選挙、ドンバスの平和実現に対するキエフのやる気のなさ、ロシアに対する挑発的姿勢) - これらの事実は、何らかの方法で、常にロシアに再活性させられている「旧制度」と戦う、素晴らしい若い改革者たちに関して欧米マスコミが広めている支配的言説とは相容れない。

 ウクライナ選挙の第一回投票後、欧米言説の穴は、もはや隠すことは不可能だ。例えば、マイダン後のウクライナ・エリートと、オバマが任命したマリー・ヨヴァノヴィッチ大使が依然率いているアメリカ大使館間の不適当なつながり、それに続くスキャンダルで明らかになったのは、ポロシェンコに対する欧米の「反逆」の恐れだ。政治専門紙ザ・ヒルのインタビューで、ウクライナ検事総長ユーリ・ルツェンコが、個人的会合の際、ヨヴァノヴィッチ大使が、ウクライナ支配体制内の、アメリカによって同盟者として見なされていて、いかなる状況下でも起訴すべきではない個人のリストを彼に渡したことを明らかにした。以下がヒルからの引用だ。

 「不幸にも、キエフ・アメリカ大使との初対面で、[ヨヴァノヴィッチ]は、我々が起訴してはならない人々のリストを私に渡した。それに対する私の回答は、それは承認しがたいということだった。この国の誰も、大統領も議員も大使も、犯罪があるか否かにかかわらず、私が告訴するのを阻止できないと、ルツェンコ検事総長はヒルのインタビューで述べた。

 アメリカ国務省は、手を出してはならない人々のリストを受け取ったというルツェンコの主張を「全くの作りごと」と呼んだが、秘密はばれてしまったのだ。マイダン後の政権にアメリカが与える直接の影響は、長い間、疑われていたが、大半のウクライナ人にとって、ルツェンコの陳述は、広く知られている「秘密」の「天啓」だった。

 だから、ポーランドのシンクタンクNowa Europe Wschodnia(New Eastern Europe「新しい東ヨーロッパ」)が最近号で問うたように、ウクライナが、ヤヌコーヴィチ支配下より貧しく、更に腐敗しているなら、マイダンの目的は一体何だったのだろう? 答えは単純だ。狙いは、ロシアに敵対的な国ウクライナを、隣人との不変の対立状態におき、自国民の大部分と一触即発状態の紛争に巻き込むことだった。この狙いはアメリカ、欧州連合の共同作業とウクライナ人超国家主義者によって実現された。そして今回の選挙は、近いうちに、この情勢を変える希望を与えていない。選挙はこのひどい状態を、欧米マスコミにさえ、さらしたにすぎない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/04/03/ukrainian-election-poroshenko-loses-the-regime-survives.html

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 ウクライナ傀儡ファシスト政権の話で思う。南西諸島の基地の狙いは、隣国に敵対的な国を、隣人との不変の対立状態におき、一触即発状態の紛争に巻き込むことだ。

 『金子文子と朴烈(パクヨル)』という国策反日映画」の記述を週刊誌で読んで驚いた。一方、岩波書店の『世界 5月号』の「メディア批評 第137回」で神保太郎氏は(1)「三・一独立宣言が駆け抜けた100年の孤独」と題して、過去の歴史について、「劣化きわまる日本メディア」を指摘し、「韓国映画が日本メディアを批判する」として『金子文子と朴烈(パクヨル)』を挙げている。いっそEテレかBSで放送してはどうか。と提案されている。大賛成。
 『世界 5月号』では『アベノミクス批判 四本の矢を折る』の著者、伊東光晴京都大学名誉教授の「アベノミクス 病理の淵源 五つの特徴から」を最初に拝読した。

 日刊IWJガイド「自由党共同代表の山本太郎参議院議員が離党し、新党『令和新選組』を立ち上げ!? IWJは山本議員の記者会見を中継予定!」 2019.4.10日号~No.2400号~(2019.4.10 8時00分)

 個人的に、新撰組には違和感はないが、元号が。

 福沢諭吉をお札から無くす運動を知って、本を読んでいたが、これほど早くなくなるとは。渋沢栄一は、韓国がいやがっているようだ。

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