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2019年4月15日 (月)

シリコンバレーと「戦争通信兵器」

 1944年のウエスタン・エレクトリック社広告が、グーグルとフェースブックについて我々に教えてくれること

2019年4月2日
Yasha Levine's Influence Ops

 最近、ニューヨーク公立図書館の記録文書保管所で調査していた際、アメリカの古い電話独占企業ウエスタン・エレクトリック社の1944年のパンフレットに偶然出くわした。それは「勝利のための回線」という題名の見栄えの良い巧みに作られた40ページの本で、もっぱら一つのことを説明している。アメリカ政府が戦争し、勝利するのを助けた同社電気通信技術のあらゆる手段の称賛だ。

 パンフレットは歴史的文書だが、それを良く見て、「ウエスタン・エレクトリック社」を、例えば「Facebook」や「グーグル」や「アマゾン」に置き換えれば、実際、シリコンバレー独占の現在の実態を正確に把握できるのだ。アメリカ帝国の民営化された延長。

 ドット・コム・ブーム以来、シリコンバレーは、アメリカ地政学や国家安全保障上の利益には全く無関心で、全く無関係な、世界の頂点にある新種のグローバル企業-中立プラットホームとして、自身を世界に売りこんでいる。大衆はそれを信じた。シリコンバレーの人々さえそれを信じた。それは政治色が薄い新しい企業の国際主義の夜明けだった。それはすべて、国籍や言語にかかわらず、人々を結びつけ、力を与えるユートピア技術革命だった。本当に、シリコンバレーは「国」を時代遅れにするはずだった。

 もちろん、これは常に見え透いたごまかしだった。

 そして、おそらくロシアゲートと、インターネットで広まる情報によってロシアがアメリカ民主主義を攻撃したと言うばかばかしい主流の考え方からもたらされた良いことの一つは、もう誰もこのシリコンバレーのグローバルな夢想的理想を信じていないことだ。

 ロシアゲートは私の著書「サーベイランス・バレー」の主題で私が何年も言ってきたこと、つまりアメリカ・インターネット企業は抽象的なグローバル・プラットホームではなく、アメリカ地政学的権力の民営化された手段」だということをシリコンバレーが公的に認めるよう強いたのだ。

 それは今公然のことになっている。グーグルCEOサンダー・ピチャイさえ、それを認めており、ドナルド・トランプがそれを世界に明らかにしている。

@グーグル社長、@SundarPichaiと会ったばかりだが、彼は非常に良くやっている。 中国軍でなく、米軍にもっぱら尽力すると彼は断固として語った。

ドナルド・J・トランプ(@realDonaldTrump) 2019年3月27日

 この頃は、業界の企業ユートピア国際主義は、これまで目立たずにいた政策にずっと近いものに次第に置き換えられつつある。愛国心と軍国主義政治だ。

 アメリカ政界とマスコミは彼らと歩調を合わせ、この変化を引き起こしているのだ。

 民主党、共和党、外交官、諜報関係者、ジャーナリストやあらゆるシンクタンクの連中は今完全に意見が一致している。インターネットは規制の必要がある危険な兵器なのだ。国家安全保障体制下で規制しなければ余りに危険だ。

 さほど昔ではないが、ダイアン・ファインスタイン上院議員が「ロシア」にインターネットを反米兵器に変えるのを許したと、グーグルやフェースブックやツイッターの弁護士をひどく叱った。「我々は激変について話をしているのだ。我々は、自ら大統領選挙に関与する高度な知識と能力を持った主要な外国大国で、あなた方にこの責任があるという話をしているのだ。あなた方が、このプラットホームを作ったのだから、あなた方がそれに対し何かすべき当事者だ。」そして彼女はこうして恫喝で追い打ちをかけた。シリコンバレーが自発的に解決を見いだすか、政府がそうするかどちらかだ。

 あるいは「スレート誌」の国家安全保障担当フレッド・カプランはこういっている

 開放性は、表現考えの自由なやり取りや反体制意見を可能にするが、このシステムやその中の皆全員を、犯罪者やテロリストや、この場合、外国スパイや宣伝者の餌食にする可能性がある。連中全員が匿名に隠れている。このシステムに若干の規制を課す頃合いかもしれない。

 あまりにも自由で、我々を「ロシア人」から守ってはくれないので、インターネットを検閲するというのは、アメリカ政治において、今日容認できるエリートの意見だ。

 そしてシリコンバレーは、まさにそれをしたのだ。

 軍需契約の獲得に加えて、彼らは地政学手段にふさわしく、彼らのプラットホームの不透明な自己規制や取り締まりを始めたのだ。彼らは諜報機関との協力を強化し、今やあらゆる種類のいかがわしい国家安全保障シンクタンクやニュー・ノレッジや大西洋協議会やドイツのマーシャルファンドのような団体と提携している。彼らは、検閲し、彼らのプラットホームを「加減する」今日の政治情勢で、「ロシア人」を追跡することと、を意味するアメリカ「国家安全保障」を防衛して、ことアメリカ大企業と軍の権力を妨害する声沈黙させること. それにはアメリカの反ファシスト団体も含まれる。

フェースブックが、軍の大西洋協議会シンクタンクの支援を得て、いかにして二つの反ファシスト団体をロシアによる影響作戦の一環と認定し、潰したかがここにある。

フェースブックは民主主義を守ったことで喝采された。https://t.co/mez7DWNjJB

- Yasha Levine(@yashalevine) 2018年8月7日

 現在我々はそういう状態にあるのだ。

 状況の流れからして、ウエスタン・エレクトリック社が「勝利の回線」で示したような誇り高い軍国主義に益々満たされた広報資料を、Facebookやグーグルが、発表するのが遠い先でないのはかなり明白だ。彼らはそうすべきだ。それがするべき正直なことのはずだ。

今日、勝利の絶頂の中、ウエスタン・エレクトリック社の男女は、彼らの最も偉大な業務、我々の戦士が戦闘で勝利するのを支援し、アメリカ人の生命を救うのを助け、重要な国内通信網の維持を支援して、戦争用の通信兵器、無線、レーダー、交換台、電話や電線などの製造に携わっています。本書は、ウエスタン・エレクトリック社がそれにより、この戦争での勝利に寄与したものをご説明するものです。

ウエスタン・エレクトリック社長 クラレンス・G・スティル。

 これをご覧願いたい。

 「通信は、一番重要な軍事手段の一つ」

 

 「通信は、一番重要な軍事手段の一つ」で、「通信」を「インターネット」に置き換えれば、基本的にグーグルやアマゾンやフェースブックを手に入れることになる。

 「電話は戦争の基本的通信兵器」

 1970年代にARPANET構築を監督した元ARPA長官スティーヴン・J・ルカシクにインタビューした際、彼は私に軍の指揮統制システムの意味を説明してくれた。「指揮は、あなたが私が言った通りにすることを意味する。統制は、私があなたがそうするのを望まないことをしないことを意味する。」 人は電話がなければ、そのいずれもできない! 今、人はインターネットなしでは、それのいずれもできないのだ。

 「軍事通信がどのように機能するか」

 これが実際、全て無線と電話通信次第なのだが、国防総省が一つの戦闘部隊としてまとめるのに現在使っているのは、安全なインターネット・チャートだ。このチャートを見れば、軍がなぜ第二次世界大戦後間もなく、デジタル・ネットワーク開発し始めたか、インターネットがなぜ最終的に構築され、実装されたかが理解できる。ほかにどうやって、複雑な現代の戦闘部隊を運営できるだろう?

 「ケーブルは極めて重要な戦争通信の運搬人」

 今それはインターネット主要幹線と人工衛星だ。

 「戦争通信の神経中枢、交換台」

 

 これがインターネット以前のルーターの姿だ。上半身裸の二人の新兵がケーブル操っている。

 「空中、陸上、海上での無線」

 5G技術導入で、アメリカが中国と戦っている理由をほのめかしている。

Yasha Levineは、「Surveillance Valley: The Secret Military History of the Internet(サベイランス・バレー: インターネットの秘密軍事史)」著者。

記事原文のurl:https://yasha.substack.com/p/american-tech-giants-and-their-communication

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 アサンジ逮捕とマスコミの言論の自由の問題にほとんど触れない大本営広報部大政翼賛会は、当然、IWJに対するスラップ訴訟にも全く触れない。ジャーナリズムではなく、帝国属国支配のための民営組織。ここで紹介されているパンフレットと同じ時代の「新聞」を一目みるだけでわかる。

 今日の「日刊IWJガイド」から一部を引用させていただこう。

日刊IWJガイド「『憲法改正のうねりが大阪の松井さんから始まると思う』維新圧勝を受けて橋下徹氏が自民と維新での改憲に言及! 本日は『「9条入門」と加藤典洋の世界~岩上安身による「戦後再発見双書」刊行責任者・矢部宏治氏インタビュー』を配信!」 2019.4.15日号~No.2405号~(2019.4.15 8時00分)


【IWJ_Youtube Live】19:00~「『9条入門』と加藤典洋の世界~岩上安身による『戦後再発見双書』刊行責任者・矢部宏治氏インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 岩上安身による作家・編集者 矢部宏治氏インタビューを中継します。これまでIWJが報じてきた矢部宏治氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%9F%A2%E9%83%A8%E5%AE%8F%E6%B2%BB

※【特別寄稿】安倍官邸が狙う!?「消費減税」という壮大な「ちゃぶ台返し」!! 衆参W選圧勝!! そして緊急事態条項を含む改憲へ!! ~永田町の闇の底からのディープレポート 2019.4.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/446899

■ジャーナリスト浅野健一氏が橋下徹氏による岩上安身へのスラップ訴訟の第6回口頭弁論をハーバービジネスオンラインへ寄稿! 橋下徹氏からのスラップ訴訟により反訴原告・岩上安身の損害はすでに直接・間接合わせて1800万円超!

 3月27日に大阪地裁の大法廷で行われた、橋下徹氏による岩上安身へのスラップ訴訟の第6回口頭弁論を、IWJでもおなじみのジャーナリスト浅野健一氏が取材して詳細に記事化し、ハーバービジネスオンラインへ寄稿してくださいました。記事では、IWJの独自取材により、橋下氏のこれまでの法廷での説明が覆されたことを始め、岩上安身の弁護団が橋下氏を追及する様子なども詳しく書かれています。

※橋下徹・元大阪府知事がジャーナリストを名誉毀損で提訴。しかし、法廷で証言の矛盾を追及される(ハーバービジネスオンライン、2019年4月13日)
https://hbol.jp/190077

◇<橋下徹氏による岩上安身へのスラップ訴訟が原因で、1800万円を超える大きな損害を被っています!>

 2017年の年末、岩上安身は橋下徹氏から名誉毀損のスラップ訴訟で大阪地裁に提訴されました。内容証明など事前通告なし、話し合いの機会もなし、問答無用の提訴です。しかも、名誉棄損の提訴だといっておきながら、橋下氏の訴状には、名誉や社会的信用の回復を求める訂正文の公表の要求など、一切ありませんでした。記されていたのは、100万円という金銭の要求だけでした。橋下氏が自身の社会的信用の回復を真剣に目指していたのか、きわめて疑わしいものがあります。

 日本におけるスラップ訴訟問題の研究の草分けであり、スラップ訴訟問題についての著書『スラップ訴訟とは何か』(https://amzn.to/2G2imM1)もあるジャーナリストの烏賀陽弘道氏は、岩上安身によるインタビューで、橋下氏による岩上安身への訴訟について次のように語りました。

 「僕が、岩上さんに対する橋下さんの提訴文を読んだ時、瞬間に頭に浮かんだ言葉は、『このケースはスラップの教科書に載る』と。典型ですよね。アメリカのロースクールだったら教科書に載ってケーススタディになりますね、この提訴は。絵に描いたようなというか、教科書に載るようなスラップ裁判ですよね」

※スラップ訴訟!LEGAL TERRORISMの危険性を訴える!岩上安身によるジャーナリスト烏賀陽弘道氏インタビュー・パート1 2018.4.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/417455

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします。
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