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2019年3月26日 (火)

サウジアラビアのストレンジラブ博士に核爆弾を渡す

2019年3月3日
Chris Hedges
TruthDig

 トランプ政府の最も危険な外交政策決定と私はこれが大いに - きわめて機微な核技術をサウジアラビアと共有し、アメリカ企業にサウジアラビアで原子炉を建設する権限を与える決定だと言っているのを知っている。私は中東で7年を過ごした。私はニューヨーク・タイムズ中東局長として抑圧的な専制王国を報道していた。私は大半のアメリカのアラブ研究者と同様、無情で道徳規準のないムハンマド・ビン・サルマーン皇太子支配下で、サウジアラビアに核能力を与えれば、サウジアラビアが核兵器計画に着手し、最終的に、一連の過激聖戦戦士や、アメリカの不倶戴天の敵を含む、サウジアラビアの同盟者や代理人と兵器技術を共有するだろうことにほとんど疑いを持っていない。核保有国となったサウジアラビアは、中東、究極的には、アメリカに対する重大な実存的脅威だ。

 サウジアラビアで原子炉を作る動きは、大統領の愚かな義理の息子ジャレッド・クシュナーに率いられており、ホワイトハウスによれば、火曜、彼はサウジアラビアの首都リヤドで「経済投資を通して地域全体の条件を改善する方法」を論じるためサルマーンと会った。この経済計画に関係しているもののなかに、そうした取り引きで何百万ドルも儲ける立場にある゛数人の退役陸軍・海軍大将や他の連中に率いられたアメリカ企業コンソーシアム企業、IP3インターナショナルがあるのが目立っている。

 原子炉入札を要求しているサウジアラビア政府は、アメリカから装置とサービス購入を認可するようトランプ政権に圧力をかけるため、月に450,000ドル以上ロビー活動に費やしたと報じられている。ウェスティングハウス・エレクトリック社と他のアメリカ企業は、ウラン濃縮、再処理を可能にする施設を、サウジアラビアに建設する準備をしている。サウジアラビアに核装備を与える秘密の企みは途方もなく愚かなだけでなく、法律で要求されている通りの議会による精査なしで行われており、原子力法にも違反している。

 その精神病質の特徴がサダム・フセインを連想させるサルマーンは、2018年10月にイスタンブールのサウジアラビア領事館でのジャーナリスト、ジャマル・カショギ暗殺を命じたと広く信じられている。彼は反体制派分子を投獄し、ライバルを残酷に追放し、王室メンバーを拉致し、拷問にかけ、ゆすりで1000億ドル以上強奪し、近代史で無比の、抑圧社会の中で、常に恐怖を浸透させている。

 皇太子がワシントン・ポスト記者殺害と手足切断を命じたという「確信」を持っているというCIA宣言に直面してさえ、恥知らずにサルマーンを擁護するドナルド・トランプとクシュナーは殺人共犯者だ。驚くほどのこともないが、上院外交委員会がカショギ暗殺報告に対し設定した今月の期限を、ホワイトハウスは無視した。サウジアラビア指導者が「完全に支配下に置いている」と主張したと報じられているクシュナーは、先週の会談、暗殺以来、サルマンとの最初の会談で、カショギ殺人を取り上げたようには見えない。

 サルマーンは原子力発電所を兵器用に転用する可能性を排除しなかった。彼は2018年に述べていた。「もしイランが核爆弾を開発したら、我々は確実に、できるだけ早く同じことをするつもりだ。」彼は、ウラン濃縮、プルトニウム処理に関しても、いかなる制限も受け入れるのを拒否した。

 核兵器はウランあるいはプルトニウムから作られる。ウラン235同位体は、原子炉と核爆弾で使われる。しかしながら、それは天然成分の1パーセント以下で、原子炉内でつかえうためには、この比率を約5パーセントに増やさなければならない。そのための処理は濃縮と呼ばれている。核爆弾を作るには、約90パーセントに濃縮しなくてはならない。濃縮は、高速遠心分離機を使うことで行われている。これは民間用途で核核燃料を作り出す機械が、同様に核爆弾を作り出すのに使用可能であることを意味する。核兵器を持っている、あるいは、イランのような核兵器を生産しないことを約束した国の民間濃縮施設中の核物質がしっかり国際原子力機関(IAEA)に監視されるのはこの理由だ。

 一基の原子炉に燃料を供給するのに使われる濃縮プラントは、約300基の遠心分離機を使うことで、ウラン235を90パーセントのレベルに濃縮して、年に20発の核爆弾を作り出す能力を持っている。核爆弾は約55ポンドの高濃縮ウランを必要とする。より高速の遠心分離機を持っていれば、兵器級ウラニウムを、より速く生産することが可能だ。

 イスラエル諜報報告書を含め、逆のことを報じている、あらゆる諜報報告にもかかわらず、サルマーンとイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は秘密のイラン核兵器計画があると強く主張している。彼ら独自の現実のもとでは、今こそサウジアラビアが兵器計画を始めるべき時なのだ。イスラエルは何百発もの核備蓄を持っている。

 下院監督・政府改革委員会の委員長、エリヤ・E・カミングス下院議員は、核科学技術の差し迫った移転について警告する複数の内部告発者証言を載せた暫定スタッフ報告を公表した。それは年代順に詳細に、トランプ・ホワイトハウスによるサウジアラビアの原子炉購入と建設を容易にする、秘密裏の露骨に非合法な取り組みを説明している。

 サウジアラビアとアメリカによる取り組みは、トランプ就任前に始まっていた。ハーリド・アル=ファーリハ・エネルギー・産業・鉱物大臣を含むサウジアラビア当局者が、就任式前にニューヨークでクシュナーと会っていた。サウジアラビア代表団は、アメリカとの国防契約で、4年にわたり、500億ドル使うと約束した。

 IP3幹部のキース・アレクサンダー大将、ジャック・キーン大将、バッド・マクファーレンや、他の6社- エクセロン、東芝アメリカエネルギー・システムズ、ベクテル、セントラス・エネルギー、GEエネルギー・インフラストラクチャーとシーメンスUSAの最高経営責任者と、マイケル・ヒューイット海軍少将は、トランプ就任式3週間前に、サウジアラビアで原子炉を作る計画を提案するサルマーンへの手紙を送った。彼らはそれを「鉄橋プログラム」と呼び、それを「中東のための21世紀のマーシャル・プラン」だと特徴づけたと報告書にある。

 当時の次期国家安全保障補佐官で、このベンチャーの前共同経営者の一人マイケル・フリンが就任式の日に、核プロジェクトが「予定どおりに進んでいる」のを保証する文章を、ACUストラテジック・パートナーのアレックス・コプソンに送り「ものを適所に配置するよう知らせる」ためコプソンに同僚と連絡を取るよう提案したと報告書に書いてある。

 2017年1月27日、就任式の1週間後に、2017年1月から7月まで、国家安全保障会議で、中東と北アフリカ問題の上級部長だったデレク・ハービーが、ホワイトハウスで彼が招待したIP3の指導者の集団と会っていた。

 「会談直後、ハービーは、NSCスタッフに、トランプ大統領のサルマーン国王[皇子の父親で、サウジアラビア首相]との[予定されている電話会談]用のブリーフィング・パッケージにIP3の「40の原子力発電所の計画」に関する情報を加えるように指示したと報告書にある。「フリンが、トランプ大統領が、サルマーン国王との会談で「40の原子力発電所計画」の話題をだすよう望んでいて、これは大統領の移行の間に、フリンが作成し、承認された「エネルギー計画」だったとハービーは述べた。」

 NSCスタッフが、外国への核技術移転は、原子力法に従わなければならないことをハービーに知らせると、彼は、報告書の言葉によれば「核技術をサウジアラビアに移す決定は、既に大統領移行中にされており、フリンはトランプ大統領がサルマーン国王との電話会談で「原子力発電所」を話題にするよう望んでいた」と言って、この主張を却下した。

 2017年1月28日、「「中東のためのマーシャル・プラン開始」と題するメッセージで、IP3の共同創設者・取締役で、1988年、イラン・コントラもみ消しに関与したことで罪を認めた、元レーガン大統領国家安全保障補佐官だったマクファーレンから、フリンと、K.T.マクファーランド国家安全保障補佐官は、彼らの公式のホワイトハウス電子メールアカウントあてに、二通の文書を受け取った。」と報告書にある。

 文書には、フリンからトランプ宛の草稿に関するメモと、トランプ就任式委員会を運営し、トランプ用に資金を集めたトーマス・バラックを支援するよう政府機関トップに指示する「大統領が署名するための」覚書草稿があるが、彼の投資会社コロニー・ノーススターは、IP3計画の実行で、取り引きから利益を得るはずなのだ。

 「二番目の文書は、大統領から国務長官、国防省、財務省とエネルギー省、CIA長官、統合参謀本部議長に宛てた閣僚覚書の形だった」と報告書にある。「それはトランプ大統領が、中東マーシャル・プラン実行を監督するため、バラック氏を特別代表として任命したと述べていた。「私はトム・バラック特別代表に、この重要な構想を率いる役を当てた、今後30日にわたり、彼が諸君と対話し、我々の中東のためのマーシャル[原文のまま]計画のための情報と支援するよう諸君に要請する。」

 2017年3月14日、トランプは、クシュナーとともに、大統領執務室でムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と会った。彼らは「今後4年内で、直接、間接の投資で、エネルギー、産業、インフラと技術で、2000億ドル以上の価値の可能性がある、新しいアメリカ-サウジアラビア計画」を論じた。

 IP3の取締役会メンバーで、CBSの国家安全保障専門家で、ジョージ・W・ブッシュ大統領の国土安全保障担当補佐官だったフランシス・タウンゼントが、2017年3月28日に「中東マーシャル・プランについて、ホワイトハウスのトーマス・ボサート国土安全保障問題担当補佐官と連絡を取った」と報告書にある。

 「タウンゼンド女史は、その後NSCスタッフに数通の文書を送った。 (1)IP3に作成されたように思われる中東マーシャル・プランの概要。(2)2017年3月10日付けの「トランプ中東マーシャル・プラン(トム・バラックによる白書)」という題の書類。 (3)2017年3月17日の、IP3幹部、マクファーレン、キーン大将、ヒューイット海軍少将とアレクサンダー大将が、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン副王太子に宛てた手紙; そして(4)2017年1月1日、IP3幹部、アレクサンダー大将キーン大将、バッド・マクファーレンと、6社の最高経営責任者と、ヒューイット海軍少将: エクセロン社、東芝エネルギー、ベクテル社、セントラス社、GE力とシーメンスUSAが署名した、ムハンマド・ビン・サルマーン副王太子宛ての手紙。」

 バラックの白書は「トランプ大統領は中東マーシャル・プランの特別代表を、大使級の外交地位か、大統領特別顧問に任命するだろう。」とある。報告書には、特使はクシュナーを含めた政府当局者と「連携し、協力して働く」べきだともある。

 「白書は、大統領は、大統領行政命令によって、中東マーシャル・プランを実行すべきだと述べた」と報告書にある。「特使は「彼らの参加に対する、伝統的地域の規制上の障害を乗り越える上で促進役を務めて、アメリカ民間部門の指導者と長年の関係」と「GCC[湾岸協力会議]諸国、イスラエル、エジプト、ヨルダンとイラクの最高指導者との信頼関係」」を築いていると描写している。

 下院委員会スタッフレポートは、委員会に話をした内部告発者の大部分が、政権初期の数ヶ月間に開発を文書化することが可能だったと言う。核取り引きでは、ほとんどホワイトハウス内部からの最近の漏えいがなかった。リック・ペリー・エネルギー庁長官、クシュナーとIP3経営者が、現在プロジェクトを監督している。

 「2018年1月、ブルックフィールド・アセット・マネジメントの子会社、ブルックフィールド・ビジネス・パートナーが、ウェスティングハウス・エレクトリックを46億ドルで買収する計画を発表した」と報告書は指摘している。「ウェスティングハウス・エレクトリックは倒産している核事業企業で、サウジアラビアで原子炉を作るためIP3が提案したコンソーシアムの一員で、中東マーシャル・プランから利益を得る立場にある。2018年8月、ブルックフィールド・アセット・マネジメントは、五番街666のパートナーシップ持ち分、ジャレッド・クシュナーのファミリー企業が所有する建物を購入した。」

 「2018年2月27日、ゴールドマン・サックスは、サウジアラビア皇太子とジャレッド・クシュナーとムハンマド・ビン・サルマーンの関係を円滑にし、トランプ大統領の2017年のサウジアラビア訪問計画を手伝った前国務次官補ディナ・パウエルが、ゴールドマン・サックスのソブリン・ウエルス・グループに参加する予定だと発表した」と報告書にある。「ゴールドマン・サックスは内部メモで「ディナが世界中のソブリン顧客と同社との関係を高めることに注力するだろうと書いた。」伝えられるところによると、パウエル女史は「特にサウジアラビアの公共投資ファンドと、支配者一族に近い」。

 「2018年3月、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は「土壇場のニューヨーク訪問」を企て、報道によれば「四半期全体で」13パーセント「ホテル収入を引き上げるのに十分な」滞在として、マンハッタンのトランプインターナショナル・ホテルに彼のお付きを5日宿泊させた」と報告書にある。

 2019年2月12日、トランプはホワイトハウスで何人かの民間原子力業者と会った。報道によれば、会談は「IP3インターナショナルが音頭をとった」。

 「会談は「ヨルダンやサウジアラビアを含む中東諸国とアメリカ核技術を共有する合意を保証する」アメリカの取り組みに関する議論を含むと報じられた」と報告書にある。

 サウジアラビアへの核技術移転を止めるための残り時間はほとんどない。もしサウジアラビアが原子炉を作ったら、サウジアラビア不倶戴天の敵イランは、核兵器計画を始めること以外にどんな選択があるだろう。核兵器がサダム・フセインの最新版サルマンの、究極的には、サウジアラビア国内の有力者連中に支援され、資金供給される非国家主体の過激派聖戦戦士の手に入ると考えると恐ろしい。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/giving-the-bomb-to-saudi-arabias-dr-strangelove/

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 イスラエルが核を先制攻撃で使えば、反撃で国丸ごと消滅しかねないが、サウジアラビアが先制攻撃で使っても、国丸ごと消滅することはないだろう。狙われた相手は壊滅的打撃を受けるだろう。自分の手をよごさずに、宿敵を破壊できる。しかも、放射能がおさまったあと、壊滅したサウジアラビアの天然資源は使い放題になるだろう。という、かなりの長期的計画で、例外的で、必要欠くべからざる国二国は、サウジアラビア原発を推進しているのだろうという発想、妄想であってほしいものだと『二つの祖国』を見ながら考えた。二度も使った国だ。

 いよいよ明日、直接対峙。

 日刊IWJガイド「いよいよ明日! 大阪地裁大法廷で岩上安身と橋下徹氏が直接対峙! 橋下氏によるスラップ訴訟で直接・間接の被害額はすでに約1800万円超! 今期はこのままだと1000万円の赤字の見通しに! ボロボロの体調になりながらも言論の自由を守る戦い挑み続ける岩上安身とIWJをどうぞご支援ください!」 2019.3.26日号~No.2385号~(2019.3.26 8時00分)

 

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