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2019年2月18日 (月)

政府は一体誰に奉仕しているのか?

2019年2月14日

 ペロシが医療を売り渡し、ポンペオが平和を売り渡す時、一体誰の権益が守られるのだろう?

Paul Craig Roberts

 アメリカ医療制度は、世界で最も費用が高く、機能しない医療制度だ。理由はそれが民営化されていることだ。アメリカ以外の欧米文明では、医療制度は社会化されている。

 文明国での医療が社会化される理由は、支払う余裕がない市民に医療を提供するだけでなく、コスト低減だ。民営化された制度では、全分野で利益をあげなければならない。一般開業医、専門医、画像診断施設、救急会社、緊急治療室、病院、ホスピス、健康保険会社。これら全ての分野の利益がコストを上げる。

 アメリカが悩まされているハイブリッド制度では、規制が経費を押し上げる。メディケアとメディケイドの政府規制のみならず、私企業の保険会社に制定された私的規則もある。世界中でアメリカだけが、医療は文書業務の二の次なのだ。

 医療クリニックで働く医者は、公共であれ、私営であれ診療請求書支払人を満足させるため、診断、治療など診察した患者の結果を十分詳しく記述しなければならない。口述時間は医者の治療時間に食い込む。言い換えれば、文書業務の必要条件が、医者が患者を診察する時間を減らすのだ。文書業務で、看護師も書類を整理編集するよう要求される。だが、これで終わりではないのだ。

 メディケアや、メディケイドや、私営保険会社が、請求可能な医療証拠として受け入れられだけ、医師が十分詳しく説明するのを確認するため、医者を監視する人員を、医療企業は雇用している。

 経費の上に経費が積みあがるアメリカ医療制度には、リバタリアン経済学者でさえ、私企業制度のおかげの経済性を見いだすことができない。

 社会化された医療制度では、多くの分野いずれも、稼働し続けるために利益を必要としない。私企業による、メディケアやメディケイドや私営保険会社の支払い請求がないので、詐欺を防ぐための高い経費が必要ないのだ。看護師と医者は、文書業務の代わりに、患者の治療看護に専念できる。もちろん、どのような制度においても、コスト節減の規制がコストを産み出す官僚主義に肥大する可能性はあり、いかなる制度も、医療従事者側に共感と責任ある態度を植えつける美徳なしには、うまく機能するまい。

 もしアメリカに、利益や文書業務や必要ない社会化された医療だけする医療制度があれば、アメリカの医療経費が劇的に減少することに疑いない。そしてこれこそが、そういうことが起きない理由なのだ。

 アメリカの制度では、医療は私益が儲かるのだ。彼らは人々に対する医療経費ではなく、自らの利益に専念している。あらゆる詐欺防止機関や公的機関、私的機関、官僚制度に利益がある。私営医療企業が大口献金者主要なので、アメリカ上院・下院議員に利益がある。

 もしあなたがこれを疑うなら、民主党員や彼らの多くが、利益や規制用の経費がない社会化された医療制度を意味する単一支払い健康保険制度に賛成だと言っていることをお考え願いたい。だがナンシー・ペロシ下院議長の健康保険顧問が保険会社経営者に明らかにしたように、彼らは本当にこのような制度に賛成ではないのだ。ペロシ民主党議員の医療問題顧問、ウェンデル・プリマス、単一支払い健康保険制度に反対する戦いで、保険業界支持を誓約。https://theintercept.com/2019/02/05/nancy-pelosi-medicare-for-all/?utm_source=The+Intercept+Newsletter&utm_campaign=0df09bdfa1-EMAIL_CAMPAIGN_2019_02_09&utm_medium=email&utm_term=0_e00a5122d3-0df09bdfa1-131966649

 ペロシの計画は、オバマの適正価格医療保険法によって「全員加入健康保険制度」を実現することだ。この誤った名前の法律は、健康保険として私営保険証書購入することを義務づけて、アメリカ人の健康保険適用を実現している。控除免責金額や自己負担額も保険の掛け金も非常に高いので、ほとんどの人が保険契約を使う余裕がないので、多くのアメリカ人は購入しなかった。健康保険企業にとって完ぺきな契約は、控除免責金額や自己負担額がそれを使うには余りに高価な保険契約の保険料を集めることだ。

 我々が自問すべきことはこれだ。我々アメリカ人は、なぜ手の届く価格の医療を受けることができないのだろう? 社会化された制度では、医者と看護師に、彼らの献身を確保できるだけ給料を払うことができる。彼らの教育には助成金が支給可能だ。製薬会社は国有化が可能だ。治療法発見にひたむきな科学者たちは、自分が誰のために働いているのか気にしない。起業家精神論議は目をそらす、おとりなのだ。

 政府は市民に奉仕しないというのが答えだ。政府は、上院議員、下院議員や大統領に在職できるように選挙献金する人々に奉仕する私的事業に過ぎない。政府は公益団体ではなく、資本主義の事業と同じ、私的活動であることを、リベラル派や保守主義者やリバタリアンは理解できないのだ。

 政府は一つの民営部門に過ぎない。政府は金を支払ってくれる人々に奉仕する。医療を必要とする人々は大して支払えないので、制度は私営保険企業の手中にあるのだ。
アメリカにいつかできるだろう単一「医療制度改革」は医療費を更に高く押し上げる改革でしかない。

 ペロシの保険会社への売り渡しは「公共財」つまり、政府による国民に対する財・サービスと提供の概念の再考が必要だという更なる証拠だ。例えば国防を考えて頂きたい。助成金を求めるごく少数の私企業に対する納税者から供出される利益と対照して、アメリカの膨大な軍安保複合体予算は一体どんな意味で「公共財」だろう? アメリカ外交政策が、兵器会社や石油会社やイスラエル圧力団体に対するものと比べて、一体どんな意味で、国民に役立っているだろう? アメリカ政府予算を見れば、強力なロビーを持った私的権益団体を食わせているのを見ずにはいられない。

 外交政策と軍/保全予算間の共生関係をお考え願いたい。大規模な国防総省予算や、CIAとNSAの大規模な権限は、危険な敵を必要としているのだ。それでアメリカの外交政策が「ロシアの脅迫」「中国の脅威」「イランの脅威」「アルカイダの脅威」「ISIS の脅威」「サダム・フセインの脅威」「カダフィの脅威」「アサドの脅威」や、今の「マドゥロの脅威」を作り出しているのだ。利益を最大にするため、軍安保複合体は戦争の危険を増すのだ。換言すれば、納税者に課される予算より大きな出費でこそ、利益が得られるのだ。ロシアとの戦争の場合、その代償は地球生活の破壊だ。

 独裁国でと同様に、宣伝は、民主主義国家でも役割を果たしている。大衆は、自身より他の連中に役立つ狙いを受け入れさせるため、だまさなければならない。大衆の愛国心とだまされやすさが、宣伝成功への道を開いている。現在、マイク・ポンペオ国務長官とジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官は、キューバがベネズエラの治安部隊の支配権を掌握し、ヒズボラとイランがベネズエラで活動し、その活動細胞があるという誤った主張で、ベネズエラへのアメリカ軍事介入に国民を備えさせている。ベネズエラでも「地球全体で」も、アメリカにとっての危険と主張されているものは「打倒」されなればならないというのだ。

https://www.blacklistednews.com/article/70923/pompeo-attempts-to-link-iran-hezbollah-to-crisis-in.html

 欧米中いたる所で、政府によって、大衆は売りとばされている。それでもフランスでのみ効果的な抗議運動がある。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼
の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/02/14/who-does-government-serve/

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 国営大本営広報部で、とうとう真面目なドキュメンタリー制作部門まで解体されるようだ。先日、アンケートと称する人々がやってきた際、「ドキュメンタリーは素晴らしいが、ニュースという名の宣伝番組は何ですか。あなたがたは戦争中の大本営広報部と同じ犯罪をしていますよ。」といっておいたが、それからわずか数週間。

 手元に『経済学入門』という本がある。昭和37年、西暦1962年初版。227ページに、「アメリカの医療制度は日本に劣る」という小見出しがある。社会主義さえアカとされ、排撃される悪夢の宗主国。

229-230ページを引用させていただこう。

 なぜアメリカほどの国で健康保険制度がしけないのかといえば、資本主義が進んだアメリカでは、資本主義が進みすぎて、利益があがる部面にはどこでも資本が進出して、医療保険もその対象になってしまったためである。だから、新しく社会保障として、国家や労働組合が健康保険制度をしくとなると、この保険会社の現存の利益に抵触する。アメリカは、資本主義をたてまえとし、世界における、そのチャンピオンであり、擁護者である。だから資本の利益をそこなうことはできない。そこなうような制度はアカであり、危険思想だということになっているから。

 『経済学入門』の著者は『アベノミクス批判 四本の矢を折る』の著者。

 うれしくしくおもうことも、うらやむこともない。宗主国既得権益団体に奉仕する属国政府を構成する傀儡連中の努力のおかげで、日本の医療制度も間もなく宗主国並になるのは確実。

 昨日の岩上氏による『知ってはいけない2』著者・矢部宏治氏インタビュー、しっかり拝聴した。矢部氏が「ストックホルム症候群」といわれた。御意。今日のインタビューも必見。閣議決定までする売国「一狂」政権。

 日刊IWJガイド「本日午後4時より、『岩上安身による伊波洋一参議院議員インタビュー』を全編フルオープンで生中継! 東京新聞・望月衣塑子記者を「事実誤認」と主張する官邸の嘘を暴きます! 」 2019.2.18日号~No.2349号~(2019.2.18 8時00分)

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