精神病質者アメリカ上院議員、マドゥロはカダフィの運命を味わうべきと公然と主張
ケイトリン・ジョンストン
2月24日
有力アメリカ上院議員で、2016年の大統領候補だったマルコ・ルビオが、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領に対して、露骨な死の恫喝と暴力の煽動をツイートした。本記事執筆時点で、この投稿は現時点で13000シェアされている。
ツイートは、2011年、いつわりの人道的口実をもとに開始されたアメリカ率いるNATOによるリビア介入後、街頭で切り刻まれ殺された前リビア指導者ムアマル・カダフィの「事前」「事後」写真で構成されている。最初の写真は、生きて微笑んでいる自信に満ちたカダフィの姿で、二枚目は、武装集団に捕獲され血まみれになった、死の数分前の姿だ。
ルビオ上院議員は、連邦議会でも、ベネズエラへのアメリカ介入の唯一最も悪意に満ちた提唱者で、それについて常時ツイッター投稿していた。ワシントンのエセ「人道支援」物資送付がコロンビア・ベネズエラ国境で紛争をひき起こして以来、意図された通りに、ルビオは介入応援を最大限に強化した。ベネズエラで公然とクーデターを画策している政府が、大量の無検査物資を、自国ベネズエラの反政府派に渡すのをマドゥロが許そうとしない事実は、ベネズエラの邪悪な独裁者が、計画された貧しい民衆への支援から意図的に遮っているという言説を売りこむのに使われた。この言説は、きわめていかがわしい写真写りの良い火事に助けられ、ルビオ、ビルとヒラリー・クリントンや、ダイアン・ファインスタイン、バーニー・サンダース、カメイラ・ハリスやトランプ閣僚全員によって、ヒステリックに、慌ただしく、大方の意識に注入された。それは完全にウソだ。
第一に、マドゥロは、ベネズエラ国民のための人道支援を断ってはいない。(偶然地球最大の石油埋蔵の真上にたまたまいる)最新の公式悪人が、意図的に自国民を剥奪し、餓死させようとしているのだと信じるのはばか者だけで、このような主張をする人々は、一体どのように、そう考えるのか説明すべきだ。正確に、その背後の考えは一体何なのだろう? 彼は国民を憎んでいるので、国民全員を飢えさせ、医療用品を彼らから遮断しているのだろうか? 国丸ごと一人占めできるよう、ベネズエラ国民全員を殺そうとしているのだろうか? 国民全員を緩慢に餓死させる、何か奇妙な性的執着が彼にあるのだろうか? これは具体的にどう機能するのだろう?
実際は、国家主権をはなはだし侵害し、彼の国で公然とクーデターを画策している政府以外のすべての国から、マドゥロは支援物資を受けとっている。先週だけで、カラカスは中国、キューバ、インドとトルコから933トンの食物と医療用品を受け入れ、ロシア自身は、300トンの支援物資を出荷した。
ニコラス・マドゥロ大統領は、ロシアから、7.5トンの医療支援物資がベネズエラに届いたと発表した。https://t.co/1jI6ONL28v
第二に、アメリカ国際開発庁USAIDが送った、わずか2000万ドルの医薬品や食物や衛生用品供給は、アメリカの新原油禁輸措置が、今年ベネズエラに犠牲を払わせた1日3000万ドルと比較すると見劣りする。もしアメリカがベネズエラ国民を支援したいなら、できる最良のことは、景気回復をほとんど不可能にしたと専門家が言っている、ベネズエラに対する壊滅的な経済戦争を終わらせることなのだ。アメリカ制裁が影響を与えたのはベネズエラ指導部だけだというCIA/CNNの言説を信じるのは、アメリカの爆弾は悪人しか殺さないと信じるよりおろかだ。前国連特別報告者アルフレッド・ドゥ・ザヤスは、アメリカに率いられる制裁はベネズエラ国民を殺しており、人類に対する犯罪として国際法の下で裁判にかけることが可能と述べた。アメリカがベネズエラ国民を支援する最善の方法は、全ての干渉を終わらせ、彼らに対する経済戦争を終わらせることだ。
第三に、実際、アメリカが、例えば、ロシアや中国やトルコやインドに送付したいと望んでいると主張する支援荷物を渡し、彼らがそれを届けるのを阻止するものは何もない。国連や赤十字社でも同じことができるはずだ。軍用機で送る大いに挑発的物品なしで、ベネズエラ国境の町での攻撃的な膠着状態もなしで、本当にベネズエラ国民のことを気にかけていると主張するアメリカ政府が「人道支援」をベネズエラ国民に渡す様々な方法がある。ワシントンが、そうした経路をとるのを拒否している事実は、目的は常に挑発であって、決して博愛主義ではないのを認めているに他ならない。
マルコ・ルビオは、ベネズエラ国民には興味皆無だ。戦争売春婦のアメリカ議員全員と同様、彼はアメリカに集中している帝国の覇権推進にしか関心がないのだ。ルビオは、2011年のカダフィと、シリアのバッシャール・アル・アサド両方の打倒を支持した。今シリアでは、50万人が帝国の失敗した政権転覆介入の結果、亡くなっており、リビアへの「人道介入」は、人々が奴隷として公然と売られる人道的大惨事を生み出した。
「ベネズエラから帰ったばかりだが、多くの人々が、アメリカが彼らの国をもう一つのリビアに変えようと望んでいる恐怖を語るのを聞いた」とルビオのツイートに応えてジャーナリストのアーロン・マテが報じた。「彼らの懸念には十分根拠があると思う。」
ルビオが恫喝し/浮かれ騒いでいるのはこれだ。「砂の上をカダフィがうつ伏せにひきずられる中、暴徒が周りに集まった。反乱者のトラック集団の方に彼が拉致される際、戦士の一人が、おびえる捕虜の後ろで、泥の上にかがみこみ、銃剣を彼の肛門に突っ込んだ」 https://t.co/2z4wcVWQvW https://t.co/tvam9KWraV
アメリカによるベネズエラ政権転覆介入の顔ぶれはこれだ。ドナルド・トランプ、ジョン・ボルトン、エリオット・エイブラムス、独立国指導者を拷問のようなリンチにかけるのを要求する、戦争の豚野郎上院議員。このクーデターの狙いの一部でも支持する人は、彼らの側に立っているのだ。これが彼らが掲げている旗だ。
アメリカ権益の要求に屈服するのを拒否する地政学的に極めて重要な国の指導者について、アメリカ政府は嘘をつく一貫した明白な実績があることを、全員何らかのレベルで知っている。あなたが何人のベネズエラ人と話をしたと言おうと、マドゥロがどれほど邪悪だと言おうと、トランプがどれほど感動的に素晴らしいと言おうと、あるいは社会主義がどれほど酷いと言おうと、これは依然事実だ。あなたもそれが事実であることを知っている。真実だと知っている事実を切り離すのをやめ、現在起きている現実に直面すべきだ。
_________________________
お読みいただいたことに感謝!
インターネット検閲を回避し、私が公開する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトで、メーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて、電子メールで通知が行く。私の記事は全て読者の支持によるものなので、本記事を良いと思われたら、共有し、
Facebookで「いいね」評価し、私のTwitterをフォローし、私のpodcastをチェックし、PatreonかPaypalに投げ銭し、新刊『Rogue Nation: Psychonautical Adventures With Caitlin Johnstone』や前の著書『Woke: A Field Guide for Utopia Preppers』を購入頂くようお願いしたい。
Bitcoin寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
----------
植草一秀の『知られざる真実』の2019年2月25日記事は
25%基盤安倍内閣に38%民意が突き付けられた ところが、現実は、こういう状態。
菅官房長官「あなたに答える必要ない」=東京新聞記者の質問に
下記インタビューの伊波洋一参議院議員のお話、大本営広報部では報じられない。それを知って「回答拒否」報道を読むのと、大本営広報部呆導だけで「回答拒否」報道を読むのとは認識は全く違う。残念ながら、大多数の方は大本営広報部呆導で満足しておられる。
辺野古埋立積み出し港で砕石と赤土を混ぜ合わせ!防衛省は「知らないふり」!? 辺野古の海を汚しながら「値の付かない」赤土と高額な予算との差額を懐に入れているのは誰だ!? 岩上安身による会派「沖縄の風」幹事長 伊波洋一参議院議員インタビュー 2019.2.18
昨日、明石順平弁護士が公述人として意見陳述されたという。
明石順平弁護士は『アベノミクスによろしく』を書いておられるが、新刊の『データが語る日本財政の未来』の線に沿って話をされたのだろうと推測する。
岩上氏は3月1日に、新刊に沿ったかたちで明石弁護士にインタビューされるという。
« トランプの下でイラン・コントラ時代に逆戻り | トップページ | トランプさん、あなたは本当にノーベル平和賞に値しますか? »
「アメリカ」カテゴリの記事
- 土地強奪は「明白な天命」‒ 良いパレスチナ人は死んだパレスチナ人だ:イスラエル-シオニスト-アメリカ政策進行中!(2024.11.09)
- NYタイムズ、ウクライナに関する報道の変更を発表(2024.11.07)
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
「チュニジア・エジプト・リビア・アルジェリア」カテゴリの記事
- 刑務所暮らしこそ相応しいバラク・オバマ(2023.09.19)
- 中東とトルコ選挙(2023.05.14)
- ワシントンは熊のわなにエルドアンを誘い込んだのか?(2021.05.05)
- アメリカとNATO同盟諸国は、一体いつリビア略奪の責任を取るのだろう?(2021.04.10)
- バーレーンで革命を潰しながら、アメリカ-イギリスはリビアとシリアで政権転覆を企んでいた(2021.02.23)
「Caitlin Johnstone」カテゴリの記事
- 大量虐殺の「多すぎる証拠」(2024.11.06)
- スパイダーマンやスポンジ・ボブなどのヒーロー擬きしかいないアメリカ(2024.10.31)
- そうだ、そうだ、UNRWAはハマスだ。イスラエルが嫌っているものは皆ハマスだ。(2024.11.08)
- イスラエルのイラン攻撃を自衛に見せようと躍起になっている嘘つき欧米メディア(2024.10.29)
「ベネズエラ」カテゴリの記事
- ベネズエラ政権転覆はありそうにない(2024.08.04)
- ブリンケンは言うべきことを言ったが、実行するだろうか?(2021.03.13)
- 最近アメリカとイギリスは、クーデターをどのように起こしているのか(2021.03.10)
- 全員トランプを誤解していた(2020.12.26)
コメント
« トランプの下でイラン・コントラ時代に逆戻り | トップページ | トランプさん、あなたは本当にノーベル平和賞に値しますか? »
メタボ・カモ様(こんなお名前を名乗っていらっしゃるとは知りませんでした)
早速お返事ありがとうございました。次回の私たちの会にプリントアウトしてお勉強します。大変助かります。今後ともよろしくお願いいたします。
野薔薇
投稿: 野薔薇 | 2019年2月28日 (木) 20時39分
野薔薇様
下記記事のことでしょうか。
大量移民がローマ帝国を破壊した。大量移民がアメリカ帝国を破壊するだろうか?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/post-ea3d.html
下記記事リストからも簡単に見つけていただけるのではと思います。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/20181.html
投稿: メタボ・カモ | 2019年2月28日 (木) 09時42分
海坊主様
ハーニー・サンダースの名前があるのは間違いと思いました。しかし読んでみると、おかしな発言をしているのですが、嬉しいことに、膨大な数の人々が彼への反論を書き込んでいます。本当に大変な人数が。
投稿: メタボ・カモ | 2019年2月28日 (木) 09時37分
管理人様(とお呼びしていいのでしょうか?)
いつも貴重な情報を提供していただき感謝申し上げます。友人たちと、「英文記事を読む会」を作り、月2回新聞記事やネットの記事を英語で読んでいます。ときどきこちらの記事の原文をプリントさせていただいて使っております。Paul Craig Roberts さんの記事が私はもっとも好きです。彼の英文も難しいですが、歯に衣着せぬ鋭さが大好きです。
海坊主さんの「サンダースをまったく信用していない」と書いておられるところ・・・お気持ち分かります! あっという間に大統領選から抜けて、呆れましたね。初めから、そういうシナリオだった?
先月でしたか、中米からの移民キャラバンのことを書いた記事で、アメリカの崩壊をローマ帝国の崩壊に譬えた文章がありましたね。あれを上記の会のテキストにさせていただきました。英文はとても難解でした。メンバーがもう一度訳をやってみたいと言います。管理人様の日本語をプリントアウトして、参考にさせていただきたいのですが、読めるように「最近の記事」のところにでもアップ(と言いますか?)していただけませんか? ぜひよろしくお願いいたします。
管理人様の英語の読解力は驚異的です。教わることばかりです。
投稿: 野薔薇 | 2019年2月27日 (水) 20時26分
メタボ・カモ様、いつも素晴らしい記事の翻訳とご紹介、誠にありがとうございます。
私にとってこの記事の価値は、一点。
バーニー・サンダース氏の立ち位置です。ヒラリー・クリントン氏に民主党指名を譲る、という最大の裏切りを見せて以来、この人物は全く信用していません。引いたのなら、引退して沈黙し、余生を静かに送るべきでした。恐るべき人物です。
過激かも知れませんが、サンダース氏はあの選挙で命を賭けて大統領への道を歩くべきであったし、その最中で落命したとしても、後に続く民主主義の擁護者の象徴になったはずでした。
相変わらず笑わせてくれますね。
投稿: 海坊主 | 2019年2月27日 (水) 13時01分