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2019年2月19日 (火)

トランプ、再選スローガンを発見 - 「悪の社会主義」

Finian CUNNINGHAM
2019年2月15日
Strategic Culture Foundation

 2020年のアメリカ大統領選挙は、これまでのところ少なくとも6人の民主党の競争相手が立候補する状態で、本格化している。現職のドナルド・トランプ大統領は新たに再選の大義を造り出した。「忍び寄る社会主義からアメリカを救う」だ。

 トランプは先週の一般教書演説で、「アメリカ国民」に社会主義の悪とされるものについて、どぎつく警告した。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の「社会主義独裁」を彼は激しく批判し、この南米の国のあらゆる経済苦難は社会主義の失敗だと愚かにも、間違って非難を浴びせた。まるで、ベネズエラ石油資産の最近の没収や、ベネズエラに対する長年のアメリカの経済制裁が、ベネズエラの混乱に何の関係もないかのように。

 一般教書演説の次のセリフで、トランプは政敵を、ベネズエラの社会主義者マドゥロ大統領と結び付けた。「一部の人々がアメリカに社会主義をもたらそうと望んでいる!」

 この論理は示唆に富んでいる。まず大統領が一般教書演説で、これほどとげとげしく社会主義に触れたことは、「異端者」とされているトランプが、実際は、その完璧な部内者であるアメリカ寡頭支配者の間に、いやな予感の懸念があるのを示している。資本主義に対する大衆の拒絶と、社会主義に対する親近感の増大で促進されている、労働者階級の権利に対する関心の急増だ。

 第二に、アメリカ国内の政敵を、ベネズエラの「マドゥロ政権」と軽べつ的に一括りにするのは、実証済みの政治的中傷手法だ。階級問題や資本主義の体系的な欠点について率直な意見を述べるどの大統領候補希望者であれ、ベネズエラのマドゥロと団結する「社会主義の手下」だと計画ずくで中傷される。

 2016年選挙で、トランプは「アメリカを再び偉大にする」で立候補した。2020年選挙運動の新しい再選スローガンは「アメリカに社会主義を入らせない」の線で進むだろう。

 「アメリカの危機的状況」から救い、アメリカの偉大さを復活させるというトランプのかつての公約はセールス詐欺師の空しいいかさまなのがあきらかになった。彼の大統領の任期が半ばも過ぎたが、働いている普通のアメリカ人の圧倒的多数の生活はより楽になってはおらず、多分状況が更に悪化している。トランプが世界で「最もホットな経済」を監督しているのを自慢するのは、アメリカ人経済学教授リチャード・ウォルフが詳述している通り、すべてたわごとだ。株式市場指標の上昇は実際にものを生産する経済の再活性化ではなく、むしろ不動産大物から転じた大統領が、超金持ちや企業経営者に与えた実に膨大な減税のおかげだ。

 大半のアメリカ人にとって、社会情勢の悪化が継続したことで、大企業資本主義やウォール街に対する敵意が高まり、益々多くの国民が、「民主主義」のふりをしている金権政治だと正確に認識するようになっている。資本主義と「アメリカン・ドリーム」の神話からの疎外から、一般市民が社会主義を積極的に受け入れるようになったのだ。資本主義の腐敗と窮乏が人々に代案を捜すよう追い込んでいる。世論調査で、アメリカ人の過半数が、社会主義政治に肯定的な認識を示している。社会主義はもはやタブーの概念ではない。これは、何十年も政府やマスコミや学術的な宣伝が、アメリカ国民の心から社会主義のあらゆる概念を削除しようとしてきたアメリカにおいて、なかなか衝撃的な実績だ。

 この傾向の反映は、一部の民主党政治家の、経済的不正についての益々批判的な言説に見ることができる。民主党のアレクサンドリア・オカシオ・コルテスやトゥルシー・ギャバードなどのニューウェーブを含むバーニー・サンダース派は、公然と「社会主義」という単語を口にする。これは何十年ものマッカーシーの赤狩りと、エドガー・J・フーバー風の「裏切りのアカ」という社会主義者迫害の悪魔化後のアメリカにおける劇的進展だ。

 最近、大統領立候補を発表した民主党議員はマサチューセッツのエリザベス・ウォーレン上院議員だ。先週末、ブルーカラー・コミュニティーの集会における候補者演説で、ウォーレンは「アメリカ体制の破綻」について痛烈に語った。アメリカ社会における寡頭支配者の1パーセントと、それ以外の大規模な貧困の間の深い分裂について彼女は語った。暗黙の先鋭的な演説だった。

 大企業二大政党、共和党と民主党、両方の政権が監督した何十年もの新自由主義資本主義でアメリカの富を吸い上げた上位1パーセントの超金持ちの中にトランプはいる。

 だが、民主党左派の中には、2020年に大統領を勝ち取るには、党は、2016年の大統領選でヒラリー・クリントンが典型を示したような大企業やウォール街による支援から離脱しなければならないという認識がある。

 トランプの「アメリカ労働者」への思いやりというだましの無駄話を暴露できる本物の競争相手にとっては、格好の標的のはずだ。トランプの露骨な金持ちの向け大減税山賊行為は、社会主義候補者がつけこんで存分に活躍する好機だ。ベネズエラ民主主義に対するトランプ政権の法外な干渉で明らかになったアメリカ帝国主義戦争挑発継続も同様だ。

 大言壮語の不動産業者ドナルド・J・トランプは、左翼から本物の政治的攻撃を受けやすいことを知っている。確信を持った社会主義候補者がそれを生かすことができれば、一般市民の間には「体制」に対する反対の高まりがある。これは、トランプがなぜ最近「我々の偉大な国」に対する社会主義の脅威を「見いだした」かの説明になるだろう。

 問題は、そのような対抗候補者が、現在のアメリカの政治舞台に存在しているかどうか疑わしいことだ。週末、エリザベス・ウォーレンの集会で、彼女は入念に「資本主義」あるいは「社会主義」という単語を使うのを避けているように思われた。トランプの赤狩り風一般教書演説後、彼女のライバルの民主党候補者、ニューヨークの女性下院議員アレクサンドリア・オカシオ・コルテスは、先週のマスコミ・インタビューで、社会主義者とみられないように距離をおいたと報じられている。

 2020年大統領選挙に向かう準備段階の来年、我々はトランプや、既成政治支配層による更なるそうした萎縮させる試みで、たとえ対抗候補者本人が実際、社会主義という単語を使わないにせよ、余りに社会主義者のように聞こえるよう中傷する大義名分を見いだすだろうと想像できる。

 これは皮肉のきわみだ、いや超きわみだ。トランプは彼のロシアとのつながりとされるものに対し魔女狩りを行っているワシントンの政敵や商業マスコミに文句を言っている。それなのにこの少数支配政治詐欺師は、対抗候補者を中傷するため「邪悪な社会主義者」とレッテルを貼る政敵迫害戦術を使うのに良心のとがめもためらいもないのだ。

 社会主義を恐ろしいものとして利用するトランプのこの窮余の策略は、アメリカの支配的富裕階級が、実際、階級政治と社会主義の復活を、資本主義の下で富を吸い上げる自分たちの特権に対する実際の脅威と見なしているのを無意識のうちに示している。

 アメリカ有権者は、彼らの大義に取り組む勇敢な候補者を見いだすことができるだろうか? それはアメリカと世界の国々が必要としている現状打破だ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/02/15/trump-finds-reelection-slogan-evil-socialism.html

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 国会中継、国民民主党、立憲民主党、共産党議員の質問、音声を出して聞いた。

 日刊IWJガイド、小川淳也議員の追求について詳しく報じている。

日刊IWJガイド「統計偽装と違法な辺野古埋め立てを強行する安倍政権!事実を捻じ曲げているのはどっちだ!」 2019.2.19日号~No.2350号~(2019.2.19 8時00分)

 IWJ、先に明石氏の鋭い指摘も報じている。

 『アベノミクスによろしく』明石順平氏「別人の身長を比較して、身長が伸びたと言っているようなもの」~1.22賃金偽装問題・野党合同ヒアリング「毎月勤労統計」の調査が不適切だった問題について 2019.1.22

 明石氏の新刊『データが語る日本財政の未来』では、第5章、アベノミクスの失敗をごまかす「ソノタノミクス」が詳しく語られている。

 小川淳也議員の追求、素晴らしく鋭いが、ノーベル賞については「どれ一つとってもノーベル平和賞に推薦する事はあり得ないし、日本国として恥ずかしい」とは小生思わない。属国ポチ、ご主人にじゃれて当然。たとえ年中虐待されても。典型的ストックホルム症候群。

 リビア、ホンジュラス、ウクライナで政権転覆に成功し、シリアでもほぼ成功しかけたオバマが受賞しているのだから、オバマのシリア転覆作戦を継続し、ベネズエラス政権転覆に邁進し、更にイラン政権転覆を狙っているトランプ、十分資格があるだろう。彼の叔父もベトナム戦争を多いに支援したが、受賞している。彼らは爆薬・兵器を元に富を築いたノーベルの遺産から賞金をもらうのに相応しい。もちろん受賞者全員が戦争犯罪人だというつもりは皆無。アリバイのように、立派な方も混じっている。だが、オバマや、キッシンジャーを見ると、ノーベル戦争賞と呼ぶ方がより相応しく思える。

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