我々から真実と言論の自由が剥奪されつつある
2018年12月10日
Paul Craig Roberts
読者の皆様
これは皆様のご支援に対する私の年4回のお願いだ。
支援者の多くは、現在、月例寄付者だ。この呼びかけは年4回の要請にお答え下さる方々、まだ答え下さっていない多くの方々に思い起こしていただくきっかけだ。余裕のない方々は、お願いの対象ではない。
言論の自由と真実を話す能力は封鎖されている。封鎖は印刷とTVメディアとリベラル/進歩派/左翼とアメリカ司法省と法科大学院と弁護士会と議会と司法府の共謀による。
ジュリアン・アサンジに対する攻撃は、真実を公表する能力の核心に向けられた矢だ。もし腐敗した政府が、その犯罪を隠すため、機密扱いした漏洩文書の公表に対して、ジャーナリストがスパイ活動容疑で起訴されなら、憲法修正第1条は機能を失っている。
さらに、ウィキリークスが真実を公表したことで政府が傷つけられたという主張の通り、アサンジの秘密起訴は、真実は政府にとって有害だという先例を作ってしまう。この先例は、機密扱いされているか否かにかかわらず、政府が有害と見なすあらゆる情報や意見の公表も含めるよう拡張されるだろう。マスコミは、既に実質上ほぼそうなっている、政府と政府を支配する連中用の宣伝省に、「公式」になるのだ。
高度なセキュリティークリアランス資格を持っていた者として、機密情報で、国家安全保障の領域に入るものは1パーセントに満たないと私は自信を持って言える。大半の機密扱いは、単に、人々や議会が何が起こっているか知るのを阻止するだけだ。機密扱いは、政府のさまざまな連中が、彼らが望んでいるものを歪曲するのを可能にするのだ。常に「国家安全保障」は、政府が、その悪事と隠された狙いを隠すのを、愛国者に受け入れられる口実だ。
ブラッドリー・マニングによって漏洩された情報と、不法アクセスされたのではなく、セキュリティー専門家が証明したように、USBメモリにダウンロードされたクリントン電子メールを公表しているウィキリークスによってな害がなされたと主張されているのをお考え願いたい。エドワード・スノーデンが明らかにした、NSAによる令状なしの、それゆえ非合法のスパイ行為を証明している書類をお考え願いたい。そうした情報で、政府はどのように傷ついたのだろう? 政府は傷つくべきだったが、そうではなかった。売女マスコミは問題を取り上げなかった。政府の誰も、漏れた書類の公開が明らかにした戦争犯罪や、嘘や、非合法で違憲の行為に対して罰せられなかった。ワシントンの属国政府のいずれも、彼らがスパイされ、だまされたことを明らかにした情報を基に、その隷属を拒絶しなかった。ワシントンの属国政府は、とっくに、ワシントンが嘘をつき、彼らをだますことを知っていたのだ。ドイツ首相は、ワシントンが彼女の私的電話会話を盗聴しているのを認めただけだ。家臣は、隷属の結果、侮辱を受け入れるしかない。唯一罰せられた人々は、真実を明かした人々である、マニング、スノーデンとアサンジだった。
ワシントンはマニングを投獄し、ワシントンがこうむらなかった損害のかどで、アサンジを投獄しようと努めている。
国が自由を失うと、かつては自由を守るはずだった法学者が、権力のご機嫌をとるために、自由に敵対する。最近私は『ペンタゴン・ペーパーズ』が出版された際、修正第1条は、実際は、エルズバーグと「ニューヨーク・タイムズ」を守らなかったが、どの大統領も、このような保護の手を差し伸べる伝統を壊す最初の人物になるのを望まなかったのだという、まことしやかな法律的主張を読んだ。著者は、アサンジはジャーナリストではあるが、彼は修正第1条によって保護されないと主張している。論文の筆者は、彼の主張が、ジャーナリストが修正第1条による保護の、不法占拠者の権利を持っているのを意味することを理解していない。司法省にとって、アサンジに対して訴訟を起こすのは、慣習法でも憲法でも、定まっている権利をひっくり返すことを意味する。
ワシントンは自身が欲することをする権利以外、いかなる権利にも興味がないことを示している。法廷での証拠提示なしで、刑務所で無期限に市民を拘留することができると宣言して、ジョージ・W・ブッシュ政権は、憲法による人身保護令を否定した。オバマ政権は、適法手続きを破壊し、嫌疑だけを理由に、市民を暗殺することができると宣言し、憲法上の生存権を破壊した。両政権は、法令と憲法上の拷問禁止を無視し、拷問を暴露した人々を罰しただけだった。もしブッシュとオバマが拷問の権利を持っていたなら、拷問が行われたことを暴露した人々を起訴したことに何の意味があったのだろう?
ウィキリークスにより開示された真実が、ワシントンに対して悪影響がないのに、ワシントンがアサンジを攻撃するのに何の意味があるだろう? ワシントンに立ち向かうほどあつかましい個人に対する復讐という部分もあるが、政府にとって極めて重要な真実を語るのを犯罪にするためという部分もある。
かつて、アサンジ擁護と報道の自由のために、マスコミが武器を持って立ち上がっていたはずの時代があった。それはマスコミが、クリントン政権により、不法に少数の手に集中する前、マスコミが、イデオロギー的に集中される前のことだった。マスコミは、ドナルド・トランプを憎み、そのせいで、ヒラリー当選をダメにしたとマスコミが信じているヒラリー電子メールを公にしたことで、アサンジが嫌いなのだ。マスコミは、修正第1条保護を弁護するより、闇の政府がアサンジを葬り去るのを支援するのに熱心だ。
リベラル/進歩派/左翼は同じようにそれを見ている。リベラル/進歩派/左翼の政治はアイデンティティ政治で、アイデンティティ政治はトランプを選んだアメリカ中部の白人を憎んでいる。これが、軍安保複合体が、アサンジをトランプ、プーチンと「ロシアゲート」に結び付けるのをマスコミとリベラル/進歩派/左翼が助けている理由だ。アサンジを「ロシアゲート」につなぐためにでっち上げた、明らかに誤った情報を発表することで、「ガーディアン」紙は、かろうじて同紙に残っていた僅かの信頼性を破壊した。以下を参照。 https://www.paulcraigroberts.org/2018/11/30/the-guardian-is-a-professional-liar-not-a-newspaper/ および http://www.informationclearinghouse.info/50715.htm
軍安保複合体は、強姦に対する起訴から逃れるため、アサンジがエクアドル大使館に逃げたという話をマスコミの手先に植えつけた。イギリスのテレグラフで、ハリエット・アレクサンダーが「アサンジ氏は強姦、性的暴行と強要の告訴を避けるため大使館に逃れた。全ての告訴は2017年5月までに取り下げられた」(http://www.informationclearinghouse.info/50716.htm)でそうしているように、売女マスコミは絶えず嘘を繰り返している。
アサンジに対し、そのような告訴は決してされていない。彼がスパイとして見せしめ裁判されるであろうワシントンに引き渡すされそうだったのが明確だったので、アサンジは大使館に亡命したのだ。ハリエット・アレクサンダーとテレグラフ編集者がこれを知らなかったことなどあり得ない。にもかかわらず彼らは嘘を繰り返すが、目的は、アサンジを不利な立場に置いて、虚偽の告訴での、彼の有罪判決を幇助するためだ。
ワシントンは、# MeTooや他の急進的フェミニストが、男はそういうことをするのだと信じていて、更にもう一人の名士が連中の公然の非難に供されれば# MeTooは大いに喜ぶだろうことを知っていたので、アサンジの女性強姦に関するこの嘘をつくことができること分かっていたのだ。
配下の売女マスコミが連中が持っていない高潔さと勇気を持っているアサンジが嫌いで、鋲くぎブーツで、喜んで彼を踏み殺すだろうことも、ワシントンは知っていた。
アメリカ司法省は、虚偽訴訟を仕組み、意図的にそれを秘密にしているのを知っているが、無頓着なアメリカ人は、それでも起訴を信じるだろうから、悩んでなどいない。
全ての裁判官が、批判されたり、わなにはめられたりするより、出世を望むので、司法省は、虚偽の訴訟が連邦裁判所で裁判されるのを許すだろうし、マスコミによるアサンジの公開有罪判決に反するの恐れる余り、陪審は彼が無罪だとは判断できまい。
陪審の有罪判決は修正第1条を台無しにするだろうが、陪審は排斥されずに、地元の家に帰ることが可能だろう。
言論の自由を攻撃しているのは政府だけではない。「被害者集団」について言って良いことを支配するための「ヘイト・スピーチ」発明のおかげで、「感情を害される」と主張するあらゆる人々や、パレスチナ人に対する虐待のかどで、イスラエルをボイコットすることを禁止し、イスラエル政府への批判を、反ユダヤ主義と同等扱いする法律を通過させたイスラエル圧力団体により、言論の自由は全面攻撃下にある。 ( 例えば、以下を参照。https://www.globalresearch.ca/the-film-the-israel-lobby-does-not-want-you-to-see/5661958 )。ツイッターやフェースブックやグーグル、全てが、何を言って良いか・否かを決めるのに積極的だ。(例えば以下を参照。https://www.paulcraigroberts.org/2018/11/30/stating-the-fact-that-men-are-not-women-gets-feminist-banned-from-twitter/ )他の人々によって承認されない人々は公開討論会に参加できない。
言論の自由や討論や真実に敬意を払い、守ろうとしない国民は、言論の自由と討論と真実に起因する自由を長いこと保持できるはずがない。このウェブサイトは、真実を尊重するが、そのためには皆様のご支援が必要だ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/12/10/truth-and-free-speech-are-being-taken-away-from-us/
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「OBの子優遇」は医学部に限らない。あらゆる組織の原則。通り魔に責任が問えるかどうか調べる前に、傀儡政党の売国行動を止めるのが喫緊の課題だろう。
「今年の漢字」呆導を見て、麻薬も同様の傀儡宗教とあきれた。自然災害が起きないように祈願するのは原始的迷信。人災を起こさないよう防ぐべきだろうに。
2018年最大の「災」いは安倍内閣が存続したこと
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