イラン:戦争のうわさ。このような攻撃は「暗闇への跳躍」だ
リース・アーリックによる『イラン・アジェンダ・トゥディー:イラン国内の本当の話と、アメリカ政策で間違っていること』書評
Dispatches from the Edge
2018年12月1日
夜あなたを寝かせない話題を、もう一つ、お望みだろうか?
長年の中東特派員リース・アーリックと、アメリカ前サウジアラビア大使チャールズ・フリーマン Jrが、現在トランプ政権のイランに向政策を動かしている人々について話し会いる対話をご検討願いたい。ジョン・ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官のイラク侵略擁護について、フリーマンはこう言う。
「ネオコン・グループは、彼らの良い考えが、イラクでは完全には実行されなかったと考えていて」、500,000人以上の人々を死なせ、地域全体を不安定にした2003年侵略の教訓は「もし最初に成功できなければ、他のどこかで再び同じことをしろ」なのです。
その「他のどこか」がイランで、ボルトンは、テヘラン政権と対決し、過酷な制裁を通して「音を上げるまで」イランを締めつけるよう要求する主要な発言者の一人だ。制裁が大きな効果をあげる可能性は低く、北朝鮮には効かなかったし、ロシアにもほとんど効果が無く、キューバでも政権転覆を引き起こし損ねているので、次の論理的な措置は、イランに対する軍事攻撃だ、とアーリックは示唆している。
このような攻撃は暗闇の中への跳躍だ 我々が戦争に一緒に行くことに疑いがないように思われる国について事実上心得がない状態で、特定の - での彼らの政府がそうである大半のアメリカ人-そして。その暗闇にいささかの光を投げかけるのがアーリックが本を書いた主な理由だ。18年以上、彼は政府の重要人物や普通の人々と話をして、イランについて報道しており、益々、我々の次の小戦争の対象になりそうな国ついての記事を書いている。それが「小さい」どころではないだろうことは除いて。
戦争のような生死に関わる決定の話になると、歴史が重要だが、不幸にも主流メディアで明白に欠如している一つが、主題に対する興味の欠如だ。もし「ニューヨーク・タイムズ」のような新聞が、アフガニスタンに対し、わざわざラドヤード・キップリングや、イギリスによるイラク占領に対して、T.E.ローレンスを読んでいれば、編集者は、ブッシュ政権による、それらの国への侵略支援に、二の足を踏んでいたかも知れない。もちろん、単に歴史的目くらましをしているだけではない。アーリックが指摘するように、主流メディアは、ほとんど常に、お目付役というより、チアリーダーとして、アメリカの外交政策のあとを追ってついて行く。
罪をイランに転嫁
だが、もしアメリカ・マスコミが、中央アジアと中東における大惨事から何かを学んでいるとすれば、イランについての報道の話になると、それは外見上明白ではない。ほとんどのアメリカ人が、イランは、アメリカを憎む頭のおかしなムッラーに動かされており、ドナルド・トランプ大統領の言葉で「テロ国家」だと考えている。アメリカ国民は、たまたまそういうイランのイメージを抱いているわけではなく、マスコミが、イランをそのように描いているためだ。
1953年、アメリカ政府(イギリスの若干の手助けも得て)が民主的に選出されたイラン政府を打倒し、100万以上の死傷者をもたらした、1980年のイランに対するサダム・フセインの攻撃を支持した事実は、記憶穴の中へと消え失せている。
本の長所の一つは、イランの核インフラ開発などに関し、記録を事実通りに訂正し、アメリカ-イラン関係を注意深く解明していることだ。シャーが権力の座にあった際、ワシントンは、イランが武器開発に向かう可能性があることを知りながら、核燃料濃縮技術を含め、原子力発電所をイランに押しつけた。実際、インドは、まさに、そのようにして、1974年、その最初の核兵器を生産したのだ。
階級構造からイランの複雑な民族性まで、アーリックは全てを分析し、イスラム共和国がどのように政治的、経済的に機能しているか説明する。アーリックはアメリカ外交政策の長年の批判者だが、イラン政治制度の崇拝者ではない。ワシントンが緊密に連合しているが到底民主主義とは言えないペルシャ湾岸専制君主国よりイランは遥かに民主的だ。
「イランはそれ自身の国民を圧迫する反動的な独裁的な徒党によって支配されている」、と彼は書いているが「しかしながら、だからといって、イランがアメリカに対する脅威になるわけではない。」テヘランが脅かしているのは「アメリカを支配している政治、軍、企業エリートの権益なのだ」。イランは、何度となくアメリカに講和の打診をしたが、すべてが拒絶された。
イランは非常に長い歴史を持った国で、たとえ住民の多くが、イランのトップダウン式政治制度が大好きというわけでなく、日常生活に対する聖職者の干渉が好きでないにせよ、人々は強い愛国心を持っている。政府に対する経済制裁や軍事攻撃のせいで、イラン国民が立ち上がり、政府を打倒するだろうという考えは、アーリックによれば、全くの幻想だ。
『イラン・アジェンダ・トゥディー』は、千年にわたる歴史の過度に詳細な記述にはまりこむことなく、様々な分野をカバーしている。おそらくサウジアラビアとアラブ首長国連邦も巻き込み、イスラエルさえ巻き込む可能性がある対イラン攻撃が、地域の混乱を解き放ち、国際的反響をひきおこすと結論するのに十分な歴史文脈を提供している。
このような戦争は主に空戦で、トランプ政権でさえ、8000万人もの国民で満ちた巨大な国への地上侵攻を考えるほど、十分ばかげてはいるまいが、確かに巨大な損害を与えるだろう。だが一体何のために? イランは決して降伏しないだろうし、国民は自国防衛に集結するだろう。テヘランは全く型破りな手段を使って反撃が可能だ。石油価格は急騰するだろうし、イランと商売を継続する国々、中国、ロシア、トルコとインドは最初に、成長率が影響を受けることになる。ヨーロッパ諸国はこのような戦争を支持しないだろう。
もちろん混乱を引き起こすのはトランプ政権のお得意で、さしあたり、イランは重大な損傷を負うだろう。だがテヘランは打撃を切り抜け、アメリカは、今回は、アフガニスタンのパシュトゥーン人、あるいはイラクのジハード戦士よりも手ごわい敵と戦う、もう一つの永久戦争に入ることになる。
ボルトンとイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は、彼らが望む戦争を手に入れられるかもしれないが、戦争は非常に不確実な事業だ。近代戦争の創始者の一人、プロイセンのヘルムート・フォン・モルトケ参謀総長がかつて述べた通り
「いかなる作戦も、いったん敵と遭遇すると役に立たなくなる。」
ピーボディ賞の受賞者で、5冊の本の著者であるアーリックは、もし我が国が、現在の道を進めば、我々と世界は、長、暗いトンネルに向かうことになるのはなぜかというイランに対するアメリカ外交政策の時宜を得た分析を書いた。
記事原文のurl:https://dispatchesfromtheedgeblog.wordpress.com/2018/12/01/iran-a-rumor-of-war/
----------
知人と話をしている中「この国を出て行くしかないのかな」といわれた。残念ながら正解のような気がしてならない。
空母にF-35を載せて、彼らが望む戦争、中国と戦争をさせられる日も近いのだろうか。
孫崎享氏の今日のメルマガ、末尾をコピーさせていただこう。
だから、ワシントン・ポスト紙には「事実を曲げてまで」と書かれたのである。米国では政治家に「integrity」(高潔性、誠実性)を求める伝統がある。「事実を曲げてまでへつらう」政治家は侮蔑の対象以外の何物でもない。
安倍首相ひとりが世界の笑いものになっているのであれば、それも一興だろう。しかし、日本にとって事態は深刻だ。トランプに対して「廷臣」を演ずる首相だからこそ、当然、自分の周りにも事実を曲げて媚びへつらう「廷臣」のみを求める。そう思って眺めると、なるほど、今の取り巻きの政治家、官僚、大手マスコミ……の全てが「廷臣」と言っていい。
廷臣の売国発表があるという。聞くに絶えないウソのてんこもり。政府、官僚、司法、立法、学者、マスコミ、支配層全員廷臣。ウソではない下記のような発言を聞こうと思う。
【安倍政権による「売国政策」シリーズ特集再配信 2・IWJ_Youtube Live】19:00~「『本物の保守』がすべきことは『国を守ること!』米国側の要求に従って日本の農業を売り渡そうとする政府を痛烈に批判! 岩上安身による東京大学大学院農学生命科学研究科・鈴木宣弘教授インタビュー第2弾」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/424311
『澤藤統一郎の憲法日記』最新記事に感動。
「発音練習・エクササイズ」なるものが我が家の壁に貼ってある。
滑舌をよくする訓練のためのもののようだが、これが実によくできていてたのしい。ありさんあつまれアエイウエオア
かにさんかさこそカケキクケコカ
さかだちさかさまサセシスセソサ
たのしいたこあげタテチツテトタ
ならんでなわとびナネニヌネノナ
はなたばはなびらハヘヒフヘホハ
まえよりまじめにマメミムメモマ
やっぱりやさしいヤエイユエヨヤ
らくだいライオンラレリルレロラ
わんぱくわいわいワエイウエオワ
がまんだがんばれガゲギグゲゴガ
ざわざわざぶざぶザゼジズゼゾザ
だんだんだぶだぶダデヂヅデドダ
ばんごうばらばらバベビブベボバ
パラソルぱらぱらパペピプペポパ「らくだいライオンラリルレロ」「わんぱくわいわいワイウエオ」など、ステキなフレーズではないか。
最初読んだとき、反射的に「アベさんらくだいラリルレロ」と口を突いて出た。
余り楽しい気分にはならないが、私も「憲法日記」風に真似してみよう。あべさんあぶないアエイウエオア
かくりょうかねかねカケキクケコカ
さつきはさんざんサセシスセソサ
たろうのたちわるタテチツテトタ
なんくるないさーナネニヌネノナ
はいきだはいろだハヘヒフヘホハ
まじめにまなぼうマメミムメモマ
やとうはやるきだヤエイユエヨヤ
らいねんらくせんラレリルレロラ
わしらはわかいぞワエイウエオワ
がんこにガツンとガゲギグゲゴガ
ざるほうざせつだザゼジズゼゾザ
だんごうだんぱんダデヂヅデドダ
ばんみんばんざいバベビブベボバ
パワーだパンチだパペピプペポパもう、一つ。
あべさんあかんよアイウエオ
あべさんかいけんカキクケコ
あべさんさよならサシスセソ
あべさんたいじんタチツテト
あべさんなくなくナニヌネノ
あべさんはんせいハヒフヘホ
あべさんまじめにマミムメモ
あべさんやりすぎヤイユエヨ
あべさんらくだいラリルレロ
あべさんわるずれワイウエオ
あべさんがっかりガギグゲゴ
あべさんざんげをザジズゼゾ
あべさんダウンだダヂヅデド
あべさんばったりバビブベボ
あべさんパンチだパピプペポ(2018/12/09)
« スティーヴン・コーエン教授の『ロシアとの戦争』書評 | トップページ | 軍安保複合体に粉砕されたトランプ »
「イラク」カテゴリの記事
- クレイグ・マレー - 中東における多元主義の終焉(2024.12.09)
- 欧米帝国主義は常に嘘の溜まり場だったが、今やメディア・トイレは詰まっている(2024.11.30)
- フィクション 歩きながら政治について語る二人のアメリカ人(2024.07.20)
- アメリカは「中東で紛争を求めていない」と言いながらに中東に積極的爆弾投下するバイデン(2024.02.16)
コメント