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2018年12月27日 (木)

単なる貿易戦争ではない。中国だけではない。ロシアも

Alastair CROOKE
201年12月24日
Strategic Culture Foundation

 それは単なる貿易戦争ではない。背後にはハイテク戦争があり、その背後には、宇宙からサイバーに至る、完全なスペクトル軍備競争の計画がある。あるアメリカ人現役指揮官が言ったとように「現代の戦争は、データと情報の分野で行われている。 「我々が現在、宇宙で行っているミッションは何だろう? 情報提供。情報用の経路提供だ。紛争時には、我々は敵の情報へのアクセスを拒否する」。 だから、新しい軍備競争は、兵器用のチップ開発、量子コンピューティング、ビッグ・データと人工知能(AI)で、アメリカの技術的指導力を維持、推進することだ - 経済領域での技術系優位と同様に、我々全員が買うことになるスマート電子機器の次世代の優位を占める民間産業標準の支配だ。

 何が起きているのだろう? アメリカ軍複合体はこの点「本気だ」。彼らは中国とのこれからの軍事紛争に準備を整えている。中国がアメリカ技術、ノウハウとデータを盗んでいるという話題に関する絶え間ない言及 - 中国「ハッキング」についての申し立ての嵐、(ロシアゲートの陰)がアメリカ選挙に干渉し、本質的に(しかし完全にではなく)中国に対する、戦争の原因を形成するのが狙いだ。アメリカ軍が、ハイテク兵器でロシアと中国からどれほど遅れているか気づいて衝撃を受けているというのが、不都合な事実だ。

 超党派専門家によるアメリカ国防省報告が11月議会に提出した報告でこう警告した。

「アメリカの軍の優位は衰え、ある場合には消滅している - ライバル諸国は、より賢く、より強く、いっそう攻撃的になっているが、中国あるいはロシアに対して行う次の戦争で、アメリカは敗北しかねず、勝つためには、苦闘するかもしれない。もしアメリカがバルトでの偶発事で、ロシアと、あるいは台湾を巡る戦争で中国と、戦うことになれば、アメリカは決定的な軍事的敗北に直面する可能性がある」

「敵はアメリカの軍事戦略を研究し、それに対処する方法を学んだ」と委員会共同議長エリック・エデルマンは述べた。「彼らは我々の成功から - そして我々が異なった種類の戦争をすることをやめていた間に、我々が本当に長い間交戦していなかった戦争で、連中は高度な場所で戦う用意を調えている 」。

 普通のアメリカ人は、中国を「脅威」と考えることに慣れていない。商業上の脅威としてなら、そうかもしれないが、本質的に軍事的な敵ではないと。だが、中国がどのようにアメリカの繁栄と雇用を「盗み」、それを変えようと狙っているかについての主張の奔流で、紛争のための世論が「育て上げられて」いる。

 これはすべてアメリカと中国のハイテクにおけるライバル関係を巡るものなのだろうか? 不幸にも、そうではない。ロシアに対して、開戦原因が不要なだけだ。ロシアは、しっかり敵対的対立になっている。大衆へのいかなる「教育」も余分なほど、アメリカ国内政治の中に混じりこんでいるのだ。今、ロシアが「敵」であるということは、当然の事と思われている。ジョン・ボルトンやマイク・ポンペオのような、外交政策「タカ派」は、中国と同じぐらいロシアに連中の照準を定めている。議会への防衛報告はそれを明確にしている。それは中国とロシアなのだ。だが、中国について説得すべき大衆がいるので、「タカ派」はロシアの悪意について、さほど大騒ぎしないのだ。

 この技術冷戦のための戦術は、政府高官によって非常にはっきり計画されている。新興、あるいは「基礎的」技術の輸出禁止だ。企業と同様、個人も、技術へのアクセスを制限する。基礎的技術の範囲と、技術製造ノウハウを対象にするよう制裁を設計するのだ。中国を重要部品のな供給路から切り離すのだ。ヨーロッパ人に、中国の技術をボイコットするように責めたてるのだ。

 ロシアは? この「戦争」からロシアは何らかの形で離れているだろうか? ロシアは、明らかに異なっている。 技術で、アメリカにそれほど浸透しておらず、必要な要素技術に関しての、若干限定された脆弱性はあるが、国防と航空能力は主に自製だ。

 だがアメリカには他の、「基礎的」、技術ノウハウがある。そして中国に対する「技術戦争」での技術利用否定の原則は、ロシアにも、同じぐらい容易に適用可能だ。多少異なったモードではあっても。トランプはアメリカが世界的に、エネルギーで優勢だとはっきりと宣言した。アメリカ内務長官は、並行して、ロシアの石油輸出に対するアメリカのエネルギー優位を、物理的封鎖の可能性と結び付けた。ライアン・ジンキ内務長官は、9月に、エネルギー供給支配の上で、アメリカ海軍にはロシアを封鎖する能力があるとワシントン・エグザミナー紙に語った。「イランとロシアに対する経済オプションは、程度の差はあれ、燃料を置き換える影響力による。アメリカが石油とガスの最大生産国なので、我々はそれができる。」

 実際は、このような動きはありそうもない。それは大言壮語だ:アメリカは、原油価格を上げるのではなく、下げたいのだ。だがここでのポイントは、アメリカは、ロシアのエネルギーに焦点をあてていることだ。ジンキ発言はワシントンの固定観念を表している。「ロシアは一つしか能力のない国だ」と、エネルギーを売るロシアの能力が、その経済的な生き残りに最も重要だと強調して彼は言った。

 だが、要素技術の提供拒否や、技術移転制裁に関する対中国技術戦争の先例は、単にロシアに関して、一層ありそうなだけではない。それは既に(ファーウェイの5Gインフラを購入しないよう、ヨーロッパに無理強いしているのを反映して、ノルドストリーム2を巡る威嚇で)起きている。やはり中国の場合と同様、アメリカはロシアに対して、複数の地政学的弱点で圧力を加えている - 同時に制裁によって、経済的に妨害しようとしている。来年 - ほぼ確実に(法的要件だ) - アメリカはスクリパル事件に関し、新たなロシア制裁を連発するだろう。

 これはアメリカの帝国精神を高揚させておくための、単なる武力威嚇なのだろうか? 「世界体制」にわずかに残されたものを揺さぶるに十分な地政学的衝撃を、アメリカ政権が引き起こすという考え方を我々は真剣に受けとめるべきなのだろうか? それは非常にありうると私は考える。トランプ大統領は、一方では彼自身や家族や彼の商売を、無数の捜査から救うことで、来年は忙殺されるだろう。他方、彼は議会で民主党と戦うだろうが、もし市場がひどく急落すれば、上院共和党員に対する彼の影響力は消滅するだろう。条件さえ熟せば、ブルータスを声援する準備ができているRINO(名ばかりの共和党員)が十分いるのだ。

 そしてアメリカ以外で多くの潜在的な発火点が明白だ。湾岸は恐ろしい。サウジアラビアは内部混乱にある。ポロシェンコは政治的自己保身をしようとしている。(昨日まで)アメリカは、トルコが激しく反対している、シリアでの長期軍事占領を維持しようと試みてきた。イスラエルはヒズボラの戸口で、実力行使を示唆しており、ヨーロッパは、景気下降しそうな変わり目にあり、それに対応し、黄色いベスト症候群が様々な形で噴出しそうだ。ブレグジット、イタリア、政府債務増大、銀行 -すべてが増大する危険を意味しているが、それを我々が、それを封じ込むことができるか否かは、これから見ることになるだろう。

 だが要点はこれだ。トランプが、TVにはりついて、国内で彼の敏感な自尊心に対する攻撃のさまざまな紆余曲折を追跡している間も、彼の2つの軍団、中国タカ派と中東タカ派が、この商売の司令官ジョン・ボルトンの下で国家安全保障会議NSCを支配している。

 主要な政策ミスや、悪政や、アメリカ国内の機能停滞や、アメリカ市場の沈滞や、狂った大統領が、タカ派イデオローグに、一触即発のどこかの火種に火をつけるのを可能にするリスクはどうだろう? 非常に高いかも知れない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/12/24/its-not-just-trade-war-its-not-just-china-its-russia-too.html

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 東京に住んでいて、大阪を笑えないが、またしても選挙とは一体なんだろう。ああいう連中が一体なぜ、何度も当選するのか意味がわからない。瞬間、テレビを消したくなる。

 週刊誌記事話題、電車の中吊り広告でしか見ないが、今日の日刊IWJガイドで読んでびっくり。「DAYS JAPAN」問題。

 東電刑事裁判 旧経営陣に禁錮5年を求刑 指定弁護士 「何ら対策を講じなかった責任は極めて重い」
 「わが国で非常用発電機のトラブルで原子炉が停止した事例はない。冷却機能が失われた事例もない」と答えた、たわけ者も同罪のはずなのだが。

 一昨日読了した 「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか、この記事の話題そのもの。傀儡政権や、提灯持ちマスコミの歪んだ宣伝ではなく、ロシアをしっかり体験された方の下記最新記事を拝読した。こうした知見、正論だが、日本では圧倒的少数派。

 銃で日本を脅した米国より紳士的だったロシア 詳説:北方領土問題と日本・ロシアの近代史

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