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2018年12月16日 (日)

エマヌエル・マクロン失墜

Ivan DARAKTCHIEV
2018年12月12日
LawRockwell.com

 18カ月前「国際エリート層の苦闘:プロジェクト「エマヌエル・マクロン」、ひどく信頼を失い致命的に傷ついたEUという発想の避けられない崩壊を延期する国際エリート層最後のチャンス」という題名の記事を私が書いて発表した。今日、上記題名では多くの単語で語ったことを簡潔に発表する時が来た。エマヌエル・マクロン失墜!

 組織的行動につけこんで、店を略奪し、自動車に放火し、機動隊とさえ戦い、その過程で血を流す非行者連中による暴力を非難しながら「黄色いベスト」とレッテルが貼られた何週間もの自然発生的街頭抗議運動に大衆は同情的だったが、フランス大統領は姿をあらわさないことで悪名が高かった(無視に等しいが、ジュピター(木星)での優先度の高いことで忙しかったのだ、と言う向きもある)。

 そして今日、彼は芝居がかった演技をして、地球に戻って来た。ハンサムで、雄弁で、謙虚で、おこぼれで、わずかな要求に対応すると約束しているが、金がなく、政府債務が約2兆ユーロで、対GDPで110と120%の間で、赤字予算がECが要求する上限を超え、つまり、更なる借款、すなわち、エリート層が避けると約束していたせん状悪化を、すべての予算計画のたびごとに繰り返して計画し続けるだろうことを、皆知っているのだ。

 あまりにもわずかで、あまりにも遅過ぎる。フランス全体に広がる多くの抗議集団は、テレビで抗議を続ける述べた! だが、たとえ彼らが屈伏し、この波が最終的に引いても、政治の天才として売りこまれた操り人形には、あらゆる打撃が加えられたのに、治療法が存在しないのだ。

 マクロンは彼の態度が適切ではなかったことを認めさえした。多くの人々によれば、彼の行動は、まさに大統領職の始めから、ずっとごう慢で横柄だったが、今日彼は急転換している。彼のボディーランゲージは一部国民の怒りをおさめるだろうが、今日の演説は少なくとも罪の一部だ。野党は既に非難を定式化している。彼は前任者たちの政策を変え、かつての良い生活をとり戻すと約束したが、逆に彼の政策は状況を悪化させ、金持ちは一層速く更に金持ちになり、貧しい人々は前より速く、明かに更に貧しくなった。

 フランス大統領は「社会経済緊急事態」を宣言した。結構だが、十分結構ではない。(i)もしこのような緊急事態を、マクロン以前の数人の大統領が発表していれば、フランスの役に立っていただろう。そして(ii)金がないのだ!

 上記は、自身の繭の中で暮らすエリート層が、自国の一般市民(まして世界の他の場所の人々は言うまでもなく)の日常生活についての手がかりを持っていないことを思い出すきっかけ用メモだ。同様に、エリート層は、彼らがわからないものを、いかに改善すべきるか見当がついていないこと、そして、大衆をなだめるのに最小限いくらかかるのか分からないことを意味している。フランスは今日、意欲的指導者のシャルル・ドゴール将軍が似たような街頭活動や暴力の後辞職しなければならなかった、まさに半世紀前と同じ状態にある。大きな疑問は、そこで類似が、終わるのか、それとも、我々は、ルイ16世や、ニコライ2世に対する大衆の怒りについても検討するべきかだ。

 「黄色いベスト」による反乱は、エリート層が降参したという事実だけでも、大成功をおさめた。この本当に人気が高い、自然発生的な、政治以前の、イデオロギー以前の運動(本物の「我々人民」)が今後更に進展するのか、あるいは鎮静化させられるのかは分からないが、私の考えでは、これは既に21世紀のフランス革命の始まりを示しており、単に私だけの夢想ではない。国営テレビで、コメントした二、三人の最も有能で最も経験豊かな数人の評論家が、抗議運動報道官を「トランプ主義者」と呼んだ。現在、未曾有の反大統領選キャンペーンを推進しているマスコミと立法府の卑屈な共同戦線に応援されて、彼の前任者たちが適切に従ってきた陰の国家の方針に逆らって、(言い替えれば)「国民の利益が第一だ」と言ったドナルド・トランプの革命的態度を意味している。我々ヨーロッパの反体制派は、ドナルド・トランプが、なぜ21世紀アメリカ革命の創始者で実行者と見なされるべきか説明した。フランス抗議参加者と共鳴する彼の革命方針の主な特性は愛国心だ。「黄色いベスト」は流入する移民が益々気前良く扱われる一方、彼らの苦境は何年間も全く無視されていたと不平を言う(暗黙のうちに、彼らの費用負担を意味し、暗黙のうちに、もしEU政策に逆らい、移民の流れを止めれば、「自国民」用に、もっと多くの金があるはずなのを意味している)。最近、EUを代表して、ヨーロッパ人がどれほど(アメリカ大統領の)民族主義に賛成でないかを語ったのは、国民が(「民族主義」マリーヌ・ル・ペンの代わりに)大統領として選んだ、この未熟な男エマヌエル・マクロンだった。彼らは確かに「民族主義者」ではなく「愛国者」だろう。それで今街頭の人々は、この二語がお互い同意語で、単に誰かの宣伝をする必要がある連中により、「民族主義」には否定的な意味が刷り込まれているだけである事実を良く理解しているように思える。彼らは「トランプ主義者」であることを誇りに思っている - すなわちフランスの愛国者も民族主義者も同時に、移民に資金供給するため、彼らから益々多く資金を奪っているヨーロッパの指令を無視することを含め、もっと彼らに注意を払うよう要求しているのだ。マクロンは、EUや、政策や指令や共通の目的や、あらゆる新移民に対しても永続する暖かい歓迎には、一度も言及しなかった。

 欧州連合のひび割れはますます増え、更に広がっている。

 Ivan Daraktchiev [彼にメールを送る]は、マイクロエレクトロニクス技術専攻で、長年エレクトロニクス、マイクロエレクトロニクス産業で、科学者、科学研究マネージャーを、後に、アメリカ、ベルギー、スイス企業の幹部つとめた。2004年以来、社会政治問題、社会経済理論、変革マネージメント、政治評論についてのコンサルテーション、執筆、講演を行っている。

 記事原文のurl:https://www.lewrockwell.com/2018/12/no_author/emmanuel-macrons-free-fall/

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 彼のことを、ジュピターのようだと褒めそやす宣伝があるらしい。モーツァルトの交響曲第41番に失礼だろうに。それで「失墜」という表現になるのだろうか。原文は自由落下。

 彼我のトップの大きな違い、学歴だけかも知れないとつくづく思う。政策や態度はうり二つ。

 田中龍作氏の最新報道を拝読すると、悪辣さが良くわかる。
【パリ発】3千人拘束、「最賃上げる」もウソ 第5波デモ封じ込めたマクロンの冷酷

 自由落下しているのは、マクロンではなく、庶民の方ではと思える。

 豊洲を訪れ、豊洲市場を訪れない「ブラタモリ」。大本営広報部ここにあり。

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コメント

最近は1日2記事翻訳されているのですね。
ありがとうございます。楽しみに読んでおります。
翻訳に頼らず英語で読まなきゃと思いつつ、やはり翻訳でないと読まない自分がいます。
今後もお元気で、貴重な記事をご紹介ください。

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