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2018年12月12日 (水)

もしアメリカが消費者天国なら、なぜ共和党と民主党が唯一可能な選択なのだろう?

ロバート・ブリッジ
公開日時:2018年12月7日 16時14分
RT

 アメリカ人は過剰と冗長と言っていい程、消費者運動の行き過ぎを享受している。それでも選挙時期が来ると、毎年擦り切れた棚の上で見られる唯一の選択は共和党と民主党だ。

 アメリカのどの食料雑貨店に入っても、頭がしびれるほど多様な種類を消費者が選択できるのに、人は多分カルチャーショックを経験するだろう。買い物客は長い通路を、朝食用冷蔵シリアル、スナック食品、炭酸飲料やら、アメリカの消費者が無しで済ませるのが想像できない他の何百もの肥満の元を探し購入するのに何時間も過ごすことができる。スーパーマーケットでのこの過剰は政治情勢に顕著に欠けているものの補償に過ぎないのだろうか?

 もしアメリカ政治組織をスーパーマーケットだと想像すると、多様性の豊饒の角は急停止する。その代わり、買い物客は注意を惹こうと金切り声をあげる何列もの共和党と民主党のラベルで歓迎されるだろう。ミット・ロムニーの缶詰めトウモロコシと、ヒラリー・クリントンのスパゲッティソースのような長期保存可能な高塩分のものに。一方、牧場に戻ると、他に何も世界には存在しないかのように、テレビ・コマーシャル全てが共和党と民主党のブランドに脚光を当てている。

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 他の「政治的製品」は全米で利用可能だが、彼らは陳列棚のずっと奥に、ほこりまみれで隠され、テレビではほとんど実在しないかのようだ。例えば、リバタリアン党や緑の党や共産党さえある。けれど他のものと同様、もし代替選択肢が、夕方のニュースで広告され、論じられなければ、存在しないも同様だ。簡にして要を得た諺の通り「去る者日々にうとし」。

 一部の人々は、ペプシあるいはコカコーラに猛烈な忠誠を見せるのと全く同じように、アメリカ消費者は、共和党と民主党ブランドを好んでいると主張する。そして、それで、この2党が、アメリカ人の身も心も征服したのだという。それは問題の過剰単純化だ。2016年の世論調査で、アメリカ人の47パーセントが、第三政党候補者に投票を考えると言ったことが示された。その数は、2008年の38パーセントから、2012年の40パーセントに上がっている。

 一方、多くのアメリカ人は、アメリカ政治組織に関する汚い小さな秘密に気付いていない。それは共和党と民主党が本質的にそれを所有していることだ。しかも、これは単に比喩的に話をしているわけではない。

 1987年、奇妙なことがホワイトハウスへの途上で起きた。厚かましくも、大統領選討論会を管理する責任を負う委員会を要求して、共和党と民主党はある種のミニクーデターを巧妙にしでかしたのだ。1976年以来、その職務は女性有権者同盟によって誠実に行われていた。

 共和党と民主党を本当に悩ませたのは、女性有権者同盟が、第三者候補者が大統領選討論会に参加するのを許していたことだった。

 1988年10月3日の新聞発表で、女性有権者同盟のナンシー・M・ノイマン理事長は、2党の選挙運動組織の要求は、アメリカ投票者に対し不正行為をしでかすだろうから、女性有権者同盟が「大統領選討論会後援を撤回した」と述べた。

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 共和党と民主党はそれから様々の会社から資金を受け取る大統領選討論会での委員会と呼ばれる私的非営利企業(CPD)という、彼らの極悪非道な計画に全力を尽くした。その時以来、彼らが事実上、参加から第三者の競争相手を除外し、政治プロセスへの独占支配を享受している。

 2000年、他の苦闘する「民主主義国家」に加え、ウクライナにも、その技術的専門知識を与えたCPDは、候補者が討論に参加するには、彼なり彼女が、5つの世論調査で、少なくとも15%支持を得なければならないという規則を定めた。ところが、これら世論調査は私営企業が所有する主流メディアによって行われるので、アメリカ政治プロセスに公正な立会人はなく、無所属候補億万長者の実業家ロス・ペローだけが、ジョージ・H・W・ブッシュとビル・クリントンに対し、1992年選挙運動でこの壁を突破することが可能だった。

 金の跡を辿れ

 市場の独占的支配を切望する会社と全く同様に、共和党も民主党も、政治市場の完全支配を欲している。理由には、権力のみならず、金もある。大量の金だ。11月、例えば中間選挙で、集められた選挙運動寄付の額は、並外れの50億ドルで記録を破った。これは2大有力政党が、どんな第三政党とも共有する意図が皆無のパイだ。

 同時に、強力な企業と個人は、その寄付のお返しに何かを手に入れることを期待する。さもなければ、どうしで彼らが、札入れの蓋を開けるだろう?

 「企業は無駄には資金を出さない」と「ガーディアン」で、ペア・キャピタル調査員ウォーウィック・スミスが書いた。「大量選挙運動寄付で、政策開発と予算案に対して、政治アクセスと便宜が得られるという(めったに明らかにされない)了解がある。」

 これは私がこれまでに読んだ中で、贈収賄についての最も素晴らしい定義かもしれない。いずれにせよ、特殊権益集団と政治家間のこの特殊な関係は、このような大規模な資金力に匹敵する立場を、一体どこに、普通の有権者に与えるだろう?

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 「政治家は、裕福な集団や、強力な集団が反対しない場合だけ、有権者のために行動する」とスミスは続けた。あるいは「強い共同体行動」が起きた場合。

 明らかに、これは民主的プロセスが機能し得る方法ではなかったのだ。

 だが、記事はいっそう気掛かりなものになる。共和党と民主党は、在職中、政府の独占的制度を利用して、政治的便宜の形で戻るのを期待される大量の企業献金を受け取るという利益を彼らが得ているだけではない。彼らは「回転ドア政治」として知られる広く行われている慣行で、公職を辞めた後、これら政治家は、政治家同様、高収入を得るロビイストになるのだ。

 一例として、ディック・チェイニー元副大統領を検討しよう。1992年、彼は世界中の軍事的に不安定な地域で、私企業がどのようにアメリカ軍隊に兵站提供を支援できるかを詳述する機密報告書を作成するため、ブラウン&ルートサービス(BRS)を雇った。マザー・ジョーンズによれば、同じ年、BRSはアメリカ陸軍工兵隊から「ザイール、ハイチ、ソマリア、コソボ、バルカンやサウジアラビアなどで、アメリカ兵士と一緒に現場で働く」5年間の兵站支援契約を手に入れた。

 1995に早送りすると、チェイニーは、たまたま、ちょうどBRSを所有する巨大燃料企業ハリバートン社のCEOだった。

 「その時以来、チェイニーは、会社からの給料とストック・オプションで1000万ドル以上得た」とマザー・ジョーンズが続ける。「加えて、彼は更に4000万ドルの価値の株とオプションを保持しており、現在同社の最大個人株主だ。」

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 ロビイストと金をもらう政治家を区別することがほとんど不可能なアメリカ政治組織における、この近親相姦的混乱は、ジェシー・ベンチュラ前ミネソタ知事がモスクワ訪問中に、私に繰り返し言った言葉を想起させる。

 「私は全てのアメリカ政治家が、企業スポンサーを表示する全米自動車競争協会ナスカーのジャンプスーツを着るよう要求されるべきだと思う」とベンチュラは私に言った。「我々はそれで、彼らの本当の関心がどこにあるのか知ることができる。」

 それは、政治組織の一体どこに、企業資金の線引きをすべきかというアメリカのジレンマを要約しているように思われる。いかなる第三の政治的選択肢になる政治家も出現するのを阻止し、有権者に本当の代表を与えるのを拒否している。このような、永久に大企業権力を優先し、投票者を無視する民主主義の機能しないシステムが、永久に続くと想像することはできない。

@ Robert_Bridge

 ロバート・ブリッジはアメリカ人作家でジャーナリスト。元「モスクワ・ニュース」編集長、彼は2013年に刊行された本「Midnight in the American Empire(アメリカ帝国の真夜中)」の著者。

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 本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/445883-democrats-republicans-difference-choice/

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 属国での選択肢、皆無とは思わないが、なぜか一番良くない商品が、圧倒的一番シェアが高い不思議。もし、属国選挙が何かを変えることができるなら、選挙は行われるまい。

 拙速で、強引に成立させる悪法の数々、議論すればするほどボロがでる議論に絶えない代物だからだろう。下記日刊ゲンダイ記事、学者を装う売国政商女性版を思わせる。確かに、ゴーンや革新機構は可愛いものだ。

 水道民営化で特需か 仏ヴェオリア日本人女性社長の“正体”

 ゴーンや革新機構は可愛いものだ 強欲資本主義が席巻の国 日刊ゲンダイ 12/11

 William Blum氏が12月9日に亡くなった。拝読したのは『アメリカの国家犯罪全書』。今は絶版のようだ。William Blum氏の下記記事を翻訳させて戴いた。

 IWJとは全く違い、水道民営化より、異様な殺人事件の方が重要な大本営広報部を見ていると、下記の雁屋哲氏の言葉に納得し、折れてしまいそうになる。

 福沢の引退を求める三者合同後援会機関紙「さようなら!福沢諭吉 第6号」の冊子が届いた。冒頭の文、雁屋哲氏の 「私達と福沢諭吉」の中に同感する文章があったので引用させていただこう。肝心な主題を引用しないのを申し訳なく思うが。また、言うまでもないが、まずい翻訳をお読みくださっている方々を、下記の「日本の社会の大半の人間」にあたるなどとは思っていないので、お気を悪くされないよう。

 15ページで、活動を継続するとおっしっているのは有り難いが、凡人は「こんな国に未来はない」ということから、ブログをやめようかと思いたくなる。その考え、強まるばかり。

5ページ

私は正直に言います。
私は現在の日本の社会の大半の人間を蔑視と言うと言葉が強すぎるので言い換えますが、一緒にいるのが厭な気がします。

14ページ

 もうお分かりのとおり、私はもはやこの日本という国、世の中がすっかり厭になってしまったんです。真実とまでは言わない。事実さえもきちんと見ようとしない。
 こんな国に未来はない。

といわれながら、最後の15ページで、活動は続けられると言っておられる。

15ページの中ほどから

 今の安倍政権を一刻も早く退陣させ、大きく後退してしまった今の社会をまた、反対方向に一歩でも日進めることが出来るように何かを言い続けなければならないと思うのだ。そのために、もういい加減つかれたが、それでも福沢諭吉のあの政治的宣伝がいかに如何に社会を害したか、福沢諭吉に負けずにくどくど説き続けなければならないと気持ちを固めているのです。
 早く福沢諭吉の名前が単なるピエロの代名詞になるよう力の続く限りこの活動は続けようと思っています。

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