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2018年11月 4日 (日)

韓国: “彼らは我々の承認無しには何もしない!”

2018年10月27日
Konstantin Asmolov
New Eastern Outlook

 2018年10月10日、韓国の康京和外務大臣は、外務省活動についての議会調査中、ソウルは、2010年5月24日、黄海での韓国巡視艇天安沈没に対して北朝鮮に課された一方的経済制裁解除の可能性を検討していると述べた。経済制裁解除は、重要な象徴的措置になり得ると彼女は述べた。

 公式説明に対しては多くの批判があったが、これら経済制裁は、コルベット艦が、北朝鮮潜水艦により魚雷攻撃されたという当時の大統領李明博による発表後に課され、当時ロシア大統領だったドミトリー・メドベージェフにより調査のため派遣されたロシア専門家の報告書はいまだ機密扱いのままだ。経済制裁は、北朝鮮との韓国貿易や経済投資を禁止し、韓国と朝鮮との通信を制限し、開城工業地区訪問を除き、北朝鮮訪問を禁じている。

 2010年5月24日に課した経済制裁解除の可能性は、何度か取り上げられている問題だが、指導部の交代や、韓国諜報機関の仕事に関する一連のスキャンダルの後の事実を考えると今や一層意味があり、この悲劇は現在実にあからさまに違った形で提示されつつある。“コルベット艦沈没は、北朝鮮による魚雷攻撃か、機雷との接触のいずれかによって起きた爆発の結果だ。”後者の説は、筆者が確認できる限り、ロシアによる事故調査の所見と辻褄が合っており、北朝鮮を、あらゆる非難から解放するものだ。

 北朝鮮と韓国間の現在の関係改善からして、この問題は注目を集めている。これが、ソウルが他のどの国とも相談せずに、課したり、解除したりできる一方的経済制裁だというのは真実だが、これらの経済制裁解除は、前例にもなり得るのだ。結局、2010年に課した制裁は、より最近課された国際経済制裁との共通点が多いのだ。

 実際小生が複数の記事で書いている通り、沈没の公式説明は、単にまとめられただけでなく、まったくのでっちあげで、ロシア専門家の結論は全く違う構図を明らかにした。コルベット艦が浅瀬に座礁し、脱出しようとしてた船のプロペラが漁網にからみ、その漁網にひっかかっていた朝鮮戦争時代の機雷と接触してしまったのだ。こうした文書に基づき、文在寅は親善の意思表示ではなく、新たな捜査の結果として経済制裁を解除することが可能で、彼の政治的ライバルによる証拠偽造を暴露するという更なる利点もある。

 この外務大臣の声明が大変な議論を引き起こしたのは驚くべきことではない、特に保守派野党議員が、両朝鮮間の軍事協定に極めて批判的な“激怒した”アメリカ国務長官との電話会話は非常に大変だったというのは本当かどうか質問した後に。この会話は日本経済新聞を含め、多数のマスコミによって報じられている。

 康京和外務大臣は、それは本当で、マイク・ポンペオは“適切な情報を知らなかったので多数の疑問”をしたと答えた。議員の一人が、韓国とアメリカは、軍事協定に関して十分事前に情報共有をしていたのかどうか質問すると、彼女は“明確に十分相談していた”と答えた。

 野党の攻撃から自分を守るため、彼女は、経済制裁解除の交渉は、まだ両国閣僚間の議論という段階には達していないと述べた。ところが、その晩、ドナルド・トランプが韓国議会での論議について発言した。ジャーナリストからの質問に答えて、アメリカ大統領は言った。“彼らは、我々の承認無しに、そうすることはない。彼らは我々の承認無しでは、何もしない。”

 ドナルド・トランプは、非核化が完了するまで“最大の圧力”をかける彼の政府政策の一環として、対北朝鮮経済制裁を支持するよう、アメリカ同盟諸国に呼びかけた。

 翌日、10月11日、韓国統一部の趙明均大臣も、ジャーナリストへの発表で、韓国政府は、2010年5月24日に課した経済制裁の解除は考えていないと述べた。二つの朝鮮間関係改善を考慮し、平壌に対する関係の大幅な柔軟性の可能性は排除しないが、経済制裁は極めて重要な手段だと述べた。

 同日、アメリカ国務省報道官が、対北朝鮮経済制裁解除には北朝鮮の非核化が必要で、それがより早く実現すれば、それだけ早く経済制裁が解除されると再度述べた。彼はソウルとワシントンは、北朝鮮に関し、単一の政策を必ず共有すべく、お互いの緊密な協力に注力するとも述べた。

 10月15日、アメリカ国務省の別の報道官が、最近韓国の文在寅大統領が、北朝鮮と韓国の間の関係改善問題は、北朝鮮の核問題解決と切り離すことはできないことを確認したと繰り返した。ソウルと平壌との間で結ばれた合意には、それゆえ経済制裁適用の可能性を排除しない。

 そのような発言は、“韓国のアメリカとの協力状態に関する恐怖”を含め、韓国国民の間で多くの懸念を巻き起こし、マスコミは“現在の状況はアメリカ政府内の誤解によるものだ”と急遽主張し、ことを静めようとした。

 だがこれは国民を安心させ損ねた。懸念の主要理由の一つは、問題の経済制裁が北朝鮮の核計画に関係して国際的に認められた経済制裁ではなく、コルベット艦沈没に関する全く一方的な経済制裁だということだ。頻繁に強固な意見を述べる国家安全保障担当特別補佐官の、国民の懸念に触れた。彼の見解では、韓国は独立国で、その決定には、いかなる外国の承認も不要なのだ。韓国とアメリカとの関係は二つの主権国家のもので、“承認”という単語の代わりに、彼は“協議と合意”と言うべきだった。もちろん、おそらくドナルド・トランプは単に衝動的なので、彼は思う通りのこと言ったのだ。

 国内の怒りの雰囲気はおいておき、益々厳格になりつつある経済制裁を見てみよう。北朝鮮とアメリカ間の交渉が行き詰まった後、北朝鮮との許可されていない取り引きに関与した他の国の組織や個人に向けられた措置を含め、アメリカは何度かの経済制裁を課した。

 10月4日、アメリカ財務相が、法人一社と個人三人 - その一人は北朝鮮人が - 経済制裁対象の人々のリストに追加されたと発表した。経済制裁はトルコ企業シア・ファルコン・インターナショナル・グループと、いずれもトルコ国民の同社幹部二名に拡張された。彼らは経済制裁を回避しようとして奢侈品や武器を北朝鮮に送ったとされている。経済制裁は事件に関与していた在モンゴル北朝鮮大使館館員リ・ソン・ウンにも課された。

 平壌が、人道支援を何らかの形で、核兵器開発やミサイル計画に利用するかも知れないことを恐れて、アメリカ国務省が、過去数週間、少なくとも5つのアメリカ人道NGOによる特別旅券の要求を拒否しているという報道がある。

 2018年10月15日、アメリカ財務相は、外国資産管理局のウェブページに、北朝鮮と事業を行っている第三者や企業に課される可能性がある二次的経済制裁のリスク警告に関する声明を追加した。この警告は、太字で、人々が、制裁対象のあらゆる人物や企業と仕事をする気分を削ぐものだ。誰もが読めるような形で公開された初めての警告だ。

 アメリカと韓国間の関係については、双方とも開城への単一の連絡事務所設置と、北朝鮮と韓国の鉄道を接続する提案に関する差異を理解しており、北朝鮮の鉄道軌条を検査するはずの特別列車が国境を越えるのを拒否したのは国連軍だった。

 9月20-21日に行われた北朝鮮と韓国のサミット直後、アメリカ財務省代表は、北朝鮮とのあり得る共同プロジェクトの議論に何らかの形で参加した、あるいは韓国がそのようなプロジェクトに資金供給し、支持するのを手伝った全ての韓国銀行に電話をかけたと、韓国金融機関と韓国議会を引用して、ロシア新聞ロシースカヤ・ガゼータが報じた。金融、経済制裁実施、テロへの資金提供を阻止する戦いの情報を集めているアメリカ人専門家が韓国銀行家に、北朝鮮との彼らの協力計画について質問し、彼らに、経済制裁を遵守する厳格な義務があることを指摘想起させた。これは異例の措置だ。この種の“要求”は通常、直接ではなく、外交チャンネル経由で銀行家に伝えられる。

 朝鮮日報も、日本にあるアメリカ軍基地の親類を訪問したいと希望した場合、追加の極めて厳格な尋問を受けなければいけない(ロシア、中国、北朝鮮、イラン、アフガニスタンを含む50カ国の)人々のリストに、何百人もの韓国国民が含まれていると報じた。

 10月5日、ラジオ局のボイス・オブ・アメリカが、過去と現在、総計466の経済制裁が、北朝鮮に課されており、こうしたものの236件が、二年間のトランプ政権下で、個人や法人に課されていると報じた。2017年に124件、2018年に122件だ。

 4月から7月の間の暖かな対話期間中、北朝鮮に対し、いかなる経済制裁も課されなかった事実にもかかわらず、今年、総計8回の経済制裁が課されている。1月と2月に、それぞれ一件、8月末から今日までで、6件の経済制裁だ。

 更に第三国も経済制裁を避けようとして、北朝鮮と事業をすれば“第二次ボイコット”対象になると恫喝されている。ロシアと中国を含む第三国の多くの国々や個人が、経済制裁リストに載せられている。

 中国が、一環して、この政策に批判的なのは驚くべきことではない。例えば、北朝鮮国連の金星大使は、10月9日の国連総会第二委員会会合で演説し、国連安全保障理事会が課している経済制裁は、北朝鮮国民の生存権や発展に対する深刻な侵害だと述べた。金星は、経済制裁は、北朝鮮の女性や子供が緊急に必要としている医薬やX線装置の輸入を阻止しており - 朝鮮半島での急速な変化にもかかわらず、北朝鮮は維持可能な発展目標を達成するのに大きな困難があり、依然、危機的状況にあると強調した。10月12日、第6次委員会の会合中に、キム・インチョル国連駐在北朝鮮大使館書記官は、在韓国国連軍を“怪物”と呼び、解体を要求した。国連軍の行動は国連憲章に違反しており、国連の行動とは何の共通点もないと彼は主張した。

 10月21日、北朝鮮の公式新聞労働新聞に掲載された意見も、似たような意志を表明していた。北朝鮮は“アメリカ議会の11月中間選挙に向かう中、ホワイト・ハウスの困難な立場”を十分承知しており、“アメリカにおける政治的状況は、極めて複雑”なことも理解している。それでもアメリカは、一つのことを理解する必要がある。もし平壌での会談中に行ったアメリカの発言と、今ワシントンから聞こえてくる言説の間に何らかの矛盾があれば、大変な努力で作りあげられた相互信頼の塔は一瞬で崩壊しかねない.”アメリカは国際社会の見方に耳を傾ける必要がある. “国連セッションで、ロシアは、経済制裁は外交の代わりにはなり得ず、ロシアは北朝鮮に圧力を加えることに反対だと述べ、中国はもっぱら強い立場から押しつけられる行為は悲劇的結果をもたらしかねないと警告した。”

 結論を言えば、アメリカには、単に、どの措置が、経済制裁上、許容されるのかを決めるだけで、いつでも北朝鮮と韓国間の対話の行方に影響を与える力があるのだ。

 コンスタンチン・アスモロフは、歴史学博士、ロシア科学アカデミー、極東研究所、朝鮮研究センター上席研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事

 記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/10/27/they-do-nothing-without-our-approval/

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 題名は国名を入れ換えれば、そのまま。

 植草一秀の『知られざる真実』 2018年11月 3日の記事を拝読して、一層そう思える。
ハゲタカ資本の利益しか追求しない安倍内閣

 11月3日は、1946年(昭和21年)日本国憲法が公布された日。とは知らなかった。憲法記念日として知っているのは1947年(昭和22年)5月3日に施行された日。

 壊憲を推進する大本営広報部、報じたのだろうか? ビールかけについては熱心に報じていたが。不勉強を反省して、下記にある再配信を拝聴しよう。

日刊IWJガイド・日曜版「岩上さんによる日本国憲法制定史研究の第一人者の古関彰一教授へのインタビューを再配信!#ヤバすぎる緊急事態条項」2018.11.4日号~No.2243号~(2018.11.4 8時00分) 

 古関教授が暴いた、「戦争になったら自衛隊は米軍の指揮下に入る」という「統一指揮権密約」については、IWJでお馴染みの矢部宏治氏が『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(集英社インターナショナル、2016年)(https://amzn.to/2Fdab2j)でこの発見の意義を強調しています。

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【タイムリー再配信 280・IWJ_Youtube Live】17:00~「『戦争はしません。でも、事変はやります』  ――自民党改憲草案の問題点と日本国憲法の制定過程について獨協大学教授・古関彰一氏に岩上安身が訊く」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
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