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2018年11月19日 (月)

ドンバスのジレンマ

2018年11月16日
クリストファー・ブラック
New Eastern Outlook

 11月11日のドネツクとルガンスク人民共和国の指導者と、人民共和国議員選挙は、ウクライナと、そのNATOのご主人連中とロシアが直面しているジレンマを再び浮き彫りにし、タスが報告したように、ドンバスの人々の中には、ロシアとの統合に対する高いレベルの支持があることを非常に明確にする結果となった。

 彼らを破壊しようという取り組みに共和国の人々が抵抗して、絶え間ない非常事態のもとで暮らす中、今年8月のドネツク指導者アレクサンドル・ザハルチェンコ暗殺を含め、2014年から行われてきたドンバス指導者暗殺に直面してもなお、共和国が政治的に団結しているのは、キエフのNATO傀儡政権にとってのジレンマだ。彼らに政権を握れるようにした、NATOが支援したクーデターと、クーデター直後、ウクライナでのロシア語や文化や影響力を抑圧しようとする試みの直接の結果、分裂した国家を支配していることを認識するようキエフ政権は再度強いられたのだ。

 13日火曜、ロシア政府はウィーンでの全欧安保協力機構で希望さえ持ってこう述べた。

ロシアは日曜日の選挙が、ドンバスとキエフの間でミンスク協定実施に関する対話に向かう重要なステップだと信じている。

 この信念は、選挙がドンバス共和国の人々の政治的一体性と意志を確認し、彼らを破壊するためのキエフ非常事態の失敗を確認するという事実に基づいているに過ぎない。それで、ロシアは、NATOとキエフがミンスク合意に、妥協政治的解決に、立ち戻ると希望して良いはずなのだ。ところが、アメリカ政府の即座の回答が選挙を非難ものだったので、ほとんどその可能性はない。

 アメリカ国務省報道官は、12日にこう述べた。

アメリカ合州国は、ロシアに支配された東ウクライナでの、11月11日の偽選挙を非難するヨーロッパの同盟国とパートナーに賛同する。昨日の違法な過程は、ドンバスの傀儡、いわゆる共和国を合法化しようとするモスクワによる企みだ。これらの組織は、ミンスク合意の中に、あるいはウクライナ立憲政府の中に居場所はない、彼らはその武装部隊した編成とともに解体されるべきだ。

 それは実際、嘘に基づく、宣戦布告だ。その一つは、実はそうではないのに、ロシアが、共和国の領土を併合したというものだ、もう一つは、彼らがドンバス人民の本当に代表であることを証明し、どのように前進するべきかについて、しばしばロシアと対立する見解を持っているのに、人民政府は単なるロシアが設定した舞台装置に過ぎないというものだ。三番目の嘘は、実際には、合意が共和国あるいはこの「地域」の特別な立場と、彼らの「暫定自治」の性質に関するものなのに、共和国は合意の中には居場所がないというものだ。

 アメリカは、選挙をウクライナの主権と領土的一体性の侵害と見なし、ロシアが「クリミア支配をウクライナに」返還するまで、「制裁」という準法律的な装いの下、ロシアに対する、彼らの違法経済戦争を続けると述べて終えた。

 アフガニスタンやシリアを不法占領し、ユーゴスラビアやイラクやリビアに爆弾投下し、占領し、自ら認めた戦争犯罪人ハシム・サラの下で、傀儡国家としてのコソボのセルビア州の違法な地位を設定し、常に中国の領土的一体性を侵害し、差し迫る攻撃で朝鮮人民民主主義共和国とイランを脅している同じアメリカ合州国だというのが事実だ。

 ウクライナには国民を代表する合法的な立憲政体がなく、自国をアメリカ人とドイツ人に売り渡すことをいとわないナチと超反動勢力しかおらず、アメリカ発言のもう一つの嘘を明らかにする、2014年のウクライナ合法政府打倒に関与していたのと同じ政府だ。
2014年、キエフ、マイダン広場での殺害に、アメリカ軍狙撃兵を含む外国狙撃兵とともに、現在のキエフ政権メンバーが関与していた証拠は、銃撃や混乱や、最後のクーデタが、傀儡政権を据えるための組織的NATO作戦だったという有力な証拠だ。

 クーデターで、彼らはセバストポリ海軍基地支配の確保と、直接ロシアの境界に対して彼らの戦闘隊形の配備を望んでいたので、NATOにとってのジレンマだ。クリミアの人々による、ロシアとクリミアの統合に関する住民投票の要請に応じたロシアの素早い行動は、ポロシェンコのナチに感染した政権によって統治される悪夢から、住民のロシア人を救い、彼らの戦略上の基盤が、NATOの手に落ちることからも救ったのだ。NATOは、望んでいた速い勝利の代わりに、しっかりロシアが連携し、支援する二つの緩衝国による決然とした反対に直面し、彼らの望むウクライナ完全支配を実現できないキエフの不正な、無能な徒党に立ち往生している。

 ロシアにとってのジレンマは、共和国をロシアに吸収するか、あるいは手詰まりと包囲攻撃の非常に面倒な現状と、ウクライナでのより大きな戦争に引きずり込まれる危険を維持すべきかどうかだ。統合すれば、二つの共和国の採鉱と主力産業がロシア支配の対象となり、人々の忠誠や、軍の経験や資質や、こう着状態の解決など様々な利点があるだろう。一方では、統合は、恐れがNATOの悪党連中によって、ウクライナの「侵略と併合」だとみなされ、ロシアに対するより広範な戦争のために口実として使用されるだろうとロシア指導部は恐れている。より広範な戦争は、アメリカと異なり、ロシアが避けることを望んでいる核戦争に進みかねない。しかし、我々が見ている通り、既にロシア指導部は、それら領土を併合したと言って非難されており、このプロパガンダ言説は変わらないだろう。

 そこでこう着状態は続いている。ジレンマは続いたままだ。ドンバスの人々は彼らの願望を表明した。彼らは勇気と意志の強さと回復力を示した。彼らを無視することはできない。だがロシア政府の真の懸念も無視することはできない。2015年のミンスク合意は、妥協を必要とする政治的解決のための実行可能な枠組みを提供している。ドンバス共和国とロシアは首尾一貫して協定に固執する中、キエフとNATOは、至る所で、それに違反し、一般住民と都市に対する非常事態を維持しようとしており、NATO民主主義によって支援されて、日々、砲撃や、小規模ながら命取りになる交戦や、常により大きなものへの威嚇、暗殺、戦争犯罪をおこない、過去の戦死者を追悼して11月を過ごしながら、同時にノルウェーで、対ロシア攻撃のため行った大規模軍事演習を祝ったのだ。

 話すのも不快なことだが、腐肉の悪臭を目指して飛んでいるワタリガラスのように、アメリカ合州国は、ありとあらゆる流血の機会を捉えるのだ。いつの日か、その無限の貪欲は、それに見合った運命を与えるだろうが、その指導体制は妥協を伴う政治的解決には興がない。彼らはすべてを欲している。ウクライナの場合、彼らの意図が問題を戦争で解決することだというのは、ザハルチェンコ暗殺で明らかだ。選挙に対する連中の反応がそれを裏付けている。

 アメリカ政府がするすべてのことが、戦争に向かっている。世界がすでに戦争をしていないと言うわけではない。アメリカ合州国と同盟国が、そうした戦争の背後にいなかったことがあったのは何時のことだろうか、そういうことがあっただろうか?けれども、様々な口実での、イランや中国やロシアや朝鮮民主主義人民共和国に対する経済戦争の非常に速い強化や、核兵器条約の拒否や、ロシアやイランや中国を取り巻く一連の軍事演習継続や、アフガニスタン占領や、アメリカ海軍第2艦隊復活や、一層ヒステリックな反ロシアや、そしていま高まり始めている反中国プロパガンダは、彼らが問題を解決するために軍事的解決を心に思い描いている兆しだ。

 ロシアと共和国にとって、ジレンマから脱出する方法は、善意と交渉と平和的解決だ。
 アメリカとその同盟国にとっての解決法は、更なる敵意と絶対的命令と暴力だ。答えはあるだろうか?

 クラウゼビッツのこの言葉は、我々に手がかりを与えてくれる。

「戦争は無意味な情熱の行為ではなく、政治的目標によって支配されるので、目標の価値が、そのために払われる犠牲の大きさと持続時間を決定すべきだ。取り組みの経費が、政治的目標の価値を超えたなら、目標は放棄し、平和にしなければいけない。」

 ロシアの言い分は単純だ。「あなた方の戦争、あなた方の包囲、あなた方の暗殺、あなた方の「制裁」は失敗した。選挙は抵抗する力と意志の強さの主張だ。あなた方は彼らを征服することはできない。あなた方は努力を断念し、平和を復活させなければならない。継続は非論理的だ、愚行で世界への脅威だ。危険は目標に値しない。

 NATO演習から戻った後、すべてのハイテク装置にもかかわらず、NATOのノルウェー・フリゲート艦船長と幹部が何が自分たちの正面にあるかを見ることができず、動きの遅い石油タンカーに衝突し、沈んだように、不幸にも、NATOの指導部は自分で作った空想と妄想の中に閉じ込められていて、現実を認めたり、理解したりすることができないことを我々全員が知っている。彼らが自身の不過誤性を信じていたからなのだ。だが、すべての戦争は、こうして、狂気と妄想で始まるのだ。

 クリストファー・ブラックはトロントを本拠とする国際刑事専門弁護士。彼は多くの注目を集める戦争犯罪訴訟で知られており、最近小説「Beneath the Clouds」を出版した。彼は、国際法、政治や世界の出来事について評論を書いている。「New Eastern Outlook」というオンライン誌独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/11/16/the-donbass-dilemma/

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 ゴーン氏容疑。内部告発では?例えば阿呆なことしか言わない「血筋だけ男」逮捕なたら嬉しいが巨悪は放置。企業幹部とは違い、与党幹部に対する内部告発はありえまい。告発を受ける組織もお仲間だろうから。

 しょせん、水道民営化や、入管法改悪を隠蔽する目隠しではとしか思えない。

 田中龍作ジャーナルでも「またスピン、ゴーン会長逮捕 入管法改悪の目くらまし

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