対イラン戦争計画のため、トランプとサウジアラビアはカショギ殺害糊塗で協力
Finian CUNNINGHAM
2018年10月21日
Strategic Culture Foundation
世界の大半がだまし討ちだと疑っている事件からほぼ三週間後、とうとうサウジアラビア政権が、ジャマル・カショギが、トルコの在イスタンブール領事館内で殺害されたことを公式に認めた。サウジアラビアが、これまでのウソを糊塗する最新のウソを発表するやいなや、トランプ大統領は、この粉飾にホワイト・ハウスの威光を差し出した。
何が起きたかについてのサウジアラビアの遅ればせながらの説明は“信頼できる”とトランプは述べた。彼はサウジアラビアが18人を逮捕し、何人かの高官を首にしたのは“良い第一歩”だと歓迎もした。
サウジアラビアによるカショギの死についての“説明”は到底信じがたい。サウジアラビアは、彼は領事館内で殴り合いが起きた後、殺害されたと言っている。サウジアラビアは、王国の事実上の支配者、ムハンマド・ビン・サルマーン(MbS)皇太子は、殺人については計画も結果も全く何も知らなかったとも主張している。MbSが、10月5日、ブルームバーグのインタビューで、カショギは、やって来たのと同じ日、領事館から歩いて出て言ったと主張したのを想起願いたい。
今、皇太子は、彼の父親、老いたサルマーン国王によって、宮廷諜報機関の見直しを監督する委員会を指揮するよう任命されている。諜報機関の元副長官、アフメド・アル・アッシリは首にされ、罪を着せられることになっている側近幹部の一人だ。
言い換えれば、王位継承者MbSはスキャンダルのあらゆる責任を免除されているのだ。首にされた側近と、カショギを捕らえるためイスタンブールに出かけた15人のチームを含むと考えられている逮捕された連中は、いけにえにされつつある。
いつものサウジアラビアの裏切りが機能しているのだ。皇太子の護衛を含む15人のチームが、最高支配者が知って、許可すること無しに、カショギ拉致と殺害を実行することなど決してあり得ない。
アメリカ諜報機関による傍受は、MbSがカショギ悲運の計画に実際に関与していたことを示していると言われている。15人の暗殺部隊が“ならずもの”となり、彼ら自身の発意で殺害を実行したなどというのはばかげている。
だが、トランプ大統領とマイク・ポンペオ国務長官は、33歳の未来の国王用アリバイ作りで、サウド家に協力しているように見える。
先週“ならずもの殺人者”が犯人だという考えを持ち出したのはトランプだった。ポンペオが、そこでリヤドに飛び、現地で、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と、サルマーン王と親しげな写真撮影をした。イスタンブールで起きたことの“透明性のある捜査”へのサウジアラビア“献身”をアメリカのトップ外交官が滑稽にもほめたのだ。
今や、サウジアラビアが皇太子の関与を否定しながらも、ようやく殺害を認めると、トランプは、そうした真っ赤なうそを“信頼できる”と言ったのだ。
更に、サウド家内の背信で、カショギに対する策謀を決して口外しないようにすべく、いけにえも殺害する可能性が高い。
15人の暗殺部隊の一人は、既に先週、リヤドでのうさんくさい交通事故で死亡している。マシャル・サアド・ボスタニサウジアラビア空軍中尉(31)は、トルコ諜報機関によって、領事館でカショギを待ち構えていた集団の中にいることが特定されている。トルコ・マスコミは、サウド家が証拠や証人になりうる人々の破壊を始めたと憶測している。特にイスタンブール元総領事、ムハンマド・アル・オタイビの運命は注目の的だ。
領事館内で喧嘩になり、カショギの死に至ったというサウジアラビアの考え方は、15人のチームは電動骨のこぎりを持参していたという報道と一致しない。トルコ諜報機関筋は、領事館に入ってすぐ、カショギは即座に攻撃され、最後に斬首されバラバラにされる前に、指切断で拷問されたことを示す録音テープを持っていると主張している。
サウジアラビアの“説明”を認めるとすれば、カショギの遺体は一体どこにあるのだろう? もし彼の死が何らかの事故であれば、サウジアラビアは彼の遺骸を提示できるはずだ。だが、彼らは提示しようとはしない。遥かに説得力のある説明は、カショギの遺骸が拷問と切断を証明してしまうためだ。
サウド家、特に新皇太子の下での裏切りの、いつもの性格に留意しよう。2017年に、彼が王位継承者になった際、当時のムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子は、だしぬけに脇に追いやられた。それはサウジアラビアの王位継承規則を破る権力奪取だった。当時のビデオ映像は、追放された年上のいとこ、ビン・ナーイフに対し、MbSが謙虚さと悔恨の振る舞いを装っているのを示している。度量の大きさの誇示に見える形で、MbSがひざまずいて、あわれな元皇太子の足にキスする様子が写っている。
追放から数週間後、ビン・ナーイフはMbSにより武装衛兵付きの自宅監禁に置かれていると報じられた。この動きは反クーデターが決して起きないようにするためのものだ。
次に新皇太子は、他の一部のサウド家幹部連中の一斉逮捕と拘留を命じた。彼らの一部は拷問され、釈放の代償に何十億ドルも巻き上げられたと報じられている。
MbSの拉致したがる傾向は海外にまでおよび、彼はレバノンのサード・ハリーリー首相拉致を命じた。ハリーリーは、リヤドに拘留されている間、奇怪なTVインタビューで、“辞任”を発表するよう強制される前に、痛めつけられたと報じられている。MbSと友好的関係にあるフランスのエマニュエル・マクロン大統領が介入して、ハリーリー解放実現に成功したが、レバノンに帰国すると、彼は辞任の意を翻した。
こうしたものは、自分は何のおとがめもなく行動できると考えている精神病質の専制君主たるサウジアラビア皇太子の性格のわずかな例に過ぎない。“改革者”君主というイメージは、欧米マスコミやマクロンやトランプのような指導者によって作り上げられたのだ。だが、そのイメージは、カショギの残虐な殺害の後、今や欧米マスコミが徐々に認めることを強いられている通り、現実とは全く対立している。
アメリカ・マスコミや多くの共和党や民主党議員は、カショギの死にかかわる最新のサウジアラビアの“説明”については懐疑的だ。
他の欧米政府も態度を硬化させているように見え、イギリスとフランスとドイツは、外交関係を絶っている。
サウジアラビアが領事館内でのカショギの死を認めた後、トランプも“厳しい結果になる”と述べた。しかし、儲かる何十万ドルの武器取り引きは、何らかの経済制裁が課されようとも、トランプにとっては聖域なのだ。
ホワイト・ハウスの真面目くさった言説も、ばかげたサウジアラビアの対応に“信用できる”とトランプが進んで威厳をつけたことで、ウソなのはあきらかになっている。疑う余地のないカショギ処刑立案者、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の免責は、トランプ政権により、極めて重要な取り繕いを与えられている。
儲かる武器輸出と、サウド家との長年の不動産事業によるトランプの個人的な儲けは別として、アメリカにとって、もう一つの重要な利益は、イランとの来る戦争のためのサウジアラビアへの依存だ。トランプ自身、サウジアラビアに経済制裁を課さない言い逃れをしようとして、サウジアラビアは“イランに対する重要な対抗勢力”だと述べていた。
あと数週間で、トランプ政権はイランの原油輸出に対する世界的石油禁輸を課する予定だ。経済戦争を成功させるため、予想されるイランの不足分を穴埋めし、世界市場価格の急騰を防ぐには、石油供給を増やすのに、ワシントンにはサウジアラビア必要なのだ。
イランに対するトランプによるアメリカ攻勢の重要性上、彼は、もっぱら必要性から、サウド家を支えなければならない。それはつまりspinning皇太子を放免するための糊塗。しかし、カショギ殺害を巡るMbSに対する、のっぴきならぬ証拠が余りに多いので、トランプによるサウジアラビアのためのマスコミ向けの見え透いた言い訳は、崩壊する可能性がある。中東における平和のために、そうなるよう我々も期待していする。
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大本営広報部は意図して、手痛い敗北に触れずにいるが、さすがに、植草一秀の『知られざる真実』の昨日の記事は、那覇市長選結果から、政党支持率について、詳細に検討されている。
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わかります。NHKの職員の皆さま、重大な事態が迫っていることが、わかっているのに報道できない苦しさ、辛さ… 「天上の葦」で、太田愛さんが描いた、あの大戦中に良心のあるジャーナリストが、どうしたら、たと... [続きを読む]
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