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2018年10月28日 (日)

シリアの戦略的地域への転換を狙う中国

2018年10月10日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 シリアでの戦争が終わる可能性が、既にシリア再建と、何百万人もの国民の社会復帰と雇用に向けて、投資家を惹きつけ始めている。一国独力でシリアを再び軌道に乗せられる国はないが、中国は再建で役割を果たすのみならず、一帯一路構想と結びつけて、シリアを戦略的地域に転換するつもりなので、他国のシリアへの経済投資は、中国ほど大きな戦略的意味があるわけではない。既に中国は、中国の戦略的権益に役立ち、パキスタンのグワーダルとシリアのタルトゥース経由で、直接海路を構築できるタルトゥースでの港建設に深い関心を持っている。中国は、それゆえ、戦後シナリオで、シリアで何ができるか、そしてシリアのインフラ・ニーズを、いかに中国自身の戦略的機会に役立てられるかに気を配っている。

 最近終了しした第60回ダマスカス国際貿易見本市で、中国はシリア再建を目指しているのみならず、シリア経済構築に直接寄与するようなベンチャーにも投資することを強調して、中国は傑出していた。中国の計画には、ホムス県での製鉄所や自動車製造施設が含まれており、つまり中国は、単なる戦後再建以上のことをするつもりなのだ。約200の中国企業がこの見本市に参加しており、そのうち何社かは、中国ブランドの自動車をシリアで製造開始するためMallouk & Coなどのシリア企業と成約した。参加していた企業の大半が国営企業だという事実から、中国政府が、既にシリア・プロジェクトを立ち上げており、それをさらに拡大することを狙っているのは明らかだ。

 この貿易見本市が開催される前でさえ、中国は駐シリア中国大使が書いた書簡を通して、意図を明らかにしている。書簡は、包括的な鉄道網や他の金融やインフラ・プロジェクトを策定することで、中国がいかに、シリアを一帯一路構想と結びつけることを狙っているかを明らかにしている。それが具体的にどのように実現するかは、これからを見ないとわからないが、我々にこれまで分かっていることは、中国の計画には、シリア経由で他の地域へのより広範な接続が含まれている。一つのパイプライン・プロジェクトだけでも、中国の取り組みのうき彫りにするのに十分だ。

 これによると、中国はタルトゥース港に関心があり、中国にとっての代替案として、現在検討中なのが、レバノンの都市トリポリに港を建設し、新たな貿易地図を構築し、商品品や資源をシリアに輸入したり、シリアから輸出したりするのに、レバノンとシリアと接続する鉄道網を通して、港を利用することだ。

 それに加え、中国はイランとトルコとシリアを接続するシリア横断鉄道網建設への関心も表明している。パキスタンとイランには直接の国境があり、中国はパキスタンには既に根深い経済的存在があり、この鉄道網は中国がシリアとの直接の領土的つながりを構築するのを可能にする。

 大使の書簡が触れている協力のもう一つの重要な側面は、安全保障協力、つまり軍対軍の協力、武器と兵器システムとシリア軍への訓練の提供だ。

 安全保障分野での協力は、二つの重要な点で中国権益に役立つ。第一に、中国はシリアに莫大な投資をする用意があるので、理想的には、この投資に対し、シリアが十分安全であって欲しいはずだ。そこで並行する安全保障協力というわけだ。第二に、軍事協力を拡大することによって、中国は経済権益の面倒をしっかり見るために、シリア国内の安全保障問題で直接の発言権を持ち続けるようしたいはずなのだ。

 中国大使が書いた書簡中、テロ対策分野の拡張を明らかに強調していることは、直接的な軍同士の協力という点で、シリア内での直接の中国軍配備、あるいは、そこまでゆかないにせよ、将来何が起き得るかについて多くを物語っている。シリア国内の中国人過激派戦士の存在が報じられているので、これは中国が深い関心を持っている分野の一つだ。

 こうしたこと全ての上に、中国には、意欲的なプロジェクト立ち上げを待っているシリアの熱心な支配層エリートがいる事実がある。こうしたプロジェクトがシリア再建に役立ち、シリアの衰えた経済状況を改善するのを手助けするのみならず、中国投資の増加と、中国の存在が、シリア政権の国際的正統性を強めることにもなるため、シリアは、こうしたプロジェクトで、中国を大いに期待している。

 中国の存在は、アメリカと、その同盟諸国にとって、状況を複雑にするだろうが、シリア政権が、戦争直後の経済崩壊やその後のシリア内外からの圧力を避けるのを直接助けることになる。

 だが中国権益は、規模と地政学的可能性の両方で、シリアのそれを上回っているように思われる。中国にとって、シリア国内での強力な存在感と、トルコやイランやパキスタンを通してのシリアの中国本土との直接的な領土的つながりが、中国が中東において極めて独自な立場にある地政学的当事国となることを可能にし、他の確固たる地位にある当事者や、国連の多くの古株連中に対して、優位にたてるようにするのだ。

 サルマン・ラフィ・シェイフは国際関係とパキスタンの外交と内政の評論家、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/10/10/china-aims-to-convert-syria-into-a-strategic-territory/

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 新潟市長選挙、一体どういう結果になるのだろう?

 昨日は、IWJ岩上安身による高橋和夫・放送大学名誉教授インタビューを拝聴。

 日刊IWJガイドによると、今日は田代秀敏氏インタビュー 第2弾!。

【IWJ_Youtube Live】14:30~「中国経済は『日本人の想像を完全に超えたスケール』で急速に成長している!! マスメディアが伝えない中国の本当の姿! 岩上安身による中国通エコノミスト・田代秀敏氏インタビュー 第2弾」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

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