プーチンは政府内に売国奴をおいているのだろうか?
2018年10月18日
Paul Craig Roberts
もし下記のジョン・ヘルマー報道が正しければ、意味するところは、プーチンの良き友人で、ロシア政府の一員アレクセイ・クドリンは、ロシアの売国奴ということだ。ワシントンにとってはヒーローだが、ロシア国内では、エリツィン時代に、ワシントンとイスラエルがロシア人工作員にした億万長者オリガルヒの代理人と広く見なされているクドリンが、ワシントン経済制裁を解除してもらい、ロシア人オリガルヒが欧米による世界中の略奪に加われるようにするため、ロシアがその主権と国益を犠牲にするよう主張する講演をしたという風に私はヘルマーの記事を読んだ。
クドリンが、先週オリガルヒ・ロビーで“現在、ロシアの外交政策は、他の国々とわが国との関係の緊張緩和より下位になるべきだ”と述べたとヘルマーは報じている。つまり彼は、国としてアメリカを意味しているのだが、経済制裁を緩和するため、あるいは少なくとも、その強化を防ぐために。
クドリンは、プーチン前の時代、ロシア国債のデフォールトやルーブル崩壊や主要銀行を取り仕切っていた財務次官だった。これだけの全く徹底的な失敗にもかかわらず、プーチンは、彼を財務大臣兼副首相につけた。2011年、軍からの圧力で、クドリンは、より下位の職に降格される結果となった。
現在の職位で、クドリンには、国家機関を審査し、彼の評価や提案を推進する権限がある。ロシア民族主義者を排除し、彼らを親米大西洋主義統合主義者に置き換えるのに使える権力で、彼は政府幹部を法執行機関に照会して、刑事訴追させることができる。
クドリンは、ワシントンへの降伏を支持しており、自分こそアメリカとNATOが受け入れられる唯一のロシア人政治家だという理由で、自分自身を欧米マスコミに、プーチン後継者として売り込んでいることで知られている。
クドリンのような意欲的なワシントン傀儡が待機していれば、オリガルヒやCIAによるプーチン暗殺は益々可能性が高くなる。
熊とのダンス
http://johnhelmer.net
2018年10月15日
クレムリン、アメリカによる“制限”への降伏でクドリンを支持
ジョン・ヘルマー、モスクワ
[リンクのある原文 http://johnhelmer.net/kremlin-endorses-kudrin-capitulation-to-us-restrictions/#more-19903]
クレムリンはドミトリー・ペスコフ大統領報道官を通して、アメリカ経済制裁から国を救うためロシアの外交政策と国防政策を変更するアレクセイ・クドリンの呼びかけを支持した。“[理由が]ロシアの外交政策ではなく、ロシアに対する圧力、貿易と経済分野における一方的な行動、違法な制限やテロの脅威という進展しつつある国際的状況にある点を除き”“[クドリンの]見解に我々はおそらく同意できる”とペスコフは述べた[2]
ペスコフは、クドリンの58歳の誕生日に度重なる幸せな誕生日の再来も祈念した。
金曜日、プーチン報道官は、クドリンが二日前、モスクワでのロシアロシア産業企業家同盟(RUIE)のオリガルヒ・ロビーに対して行った講演に関する記者団の質問に答えた。そこでクドリンはこう述べていた。“現在、ロシア外交政策は、他の国々とわが国の関係における緊張緩和、経済制裁体制の強化ではなく、少なくとも、維持あるいは緩和することの下位となるべきだ。今日、私はこうした点で、わが国の外交政策の有効性を評価したい。ロシアにとっての世界的な問題 - 他の国々との緊張を高めることを必要とするような軍事的、政治的重要性があるリスクはロシアには存在しない。” 全文を読むにはここをクリック[3]。
欧米では、2014年に経済制裁が始まるまでのロシア経済復活をクドリンの功績としている。彼はロシア国内では、1998年8月、ロシア政府の国債デフォールト、ルーブル崩壊、いくつかの銀行の倒産に責任がある第一財務次官として記憶されている。ウラジーミル・プーチン大統領は、2011年まで彼を財務大臣兼副首相に昇格させていた。プーチン後継者として自分を売り込むクドリンの計画と、アメリカに対する降伏という彼の政策については、これをお読み願いたい[4]。
彼の代弁者がフィナンシャル・タイムズに語ったように、クドリンは現在、アメリカとNATOにとって許容できる唯一のロシア人政治家だと主張してクドリンは、イギリス-アメリカ・マスコミを通して、クレムリンのロビー活動をしてきたのだ。
“もしクドリンが政権や政府に加われば、外交政策の変化無しに、改革はロシアでは全く不可能なので、外交政策を含む一部の変更計画で合意したことを示すことになる、… クドリンは、欧米支配層が話しあえ、ある種、信頼している唯一の幹部だ。”
ロシア軍の抵抗が、プーチンが最後までやり通すのを阻止した。代わりに、クドリンを会計検査院院長に任命して、暫定的な役割を与えた。5月22日、クドリンは[7]議会野党による未曾有の投票に対する多数票で承認された。
金曜日 ペスコフは“これまでの”プーチンの実績を擁護して - クドリンの政策を否定せず、クドリンの政権への復帰を奨励した。“国際的状況”、とペスコフは述べた[8]、“ロシアに対する圧力、違法制限の実施、貿易と経済分野での一方的な行為、テロの脅威。もちろん、こうした全ては、わが国の発展のための計画に対する難題だが、これまでの所、指導部は、こうした課題に対処することに成功している。”
国営報道機関RIA-ノーボスチも、ペスコフが“多数の欧米諸国による違法な行為について我々は話し合っている。それゆえ、法的にこうした行為を、経済制裁と呼ぶのは正確ではない。こうしたものは、制限だ。”とも述べたと報じた。
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Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/
記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/10/18/does-putin-have-a-traitor-in-his-government/
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那覇市長選挙、何と倍の得票。開票と同時に確定するわけだ。
昨夜、Chris Hedgesのインタビュー番組 Chris Hedges: Are We Witnessing The Collapse Of The American Empire? を見て、彼の新刊が出ていたことを知った。
「America: The Farewell Tour 」
先程、本の値段を確認して、驚いた。
版元のSimon & Schuster では、List Price $27.00
Barnes and Nobleでは、$23.00
Books A Millionでは、$24.29
Amazonでは、$59.99
『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』が、町の書店では店頭で平積みになっていたのに、ネット巨大書店では、一年ほど「入手不可」となっていたのを思い出した。巨大書店所有者は、今話題の記者がコラムを寄稿していた新聞のオーナーでもある。
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