シリアにおけるイスラエル-フランスのギャンブルが、とんでもない裏目に出た中、プーチンは冷静さを保ち、第三次世界大戦を回避
Robert BRIDGE
2018年9月21日
ロシアが運営するフメイミム空軍基地を擁するシリアのラタキア県への攻撃は、大変危険な火遊びであることを、イスラエルとフランスとアメリカ合州国は確実に理解していたはずだ。それでも、連中はともあれ作戦を進めたのだ。
イランが、レバノンのヒズボラに、兵器製造装置の出荷準備をしているという口実で、地中海でのフランスによるミサイル発射に支援されて、イスラエルのF-16戦闘機がシリア軍弾薬倉庫だとされるものを破壊した。
その後に起きたことは、既にはっきりしている。イスラエル戦闘機がカムフラージュに利用したと報じられているロシアのIl-20偵察機が、シリア軍が運用するS-200地対空ミサイルにより撃墜された。イスラエルが、攻撃のわずか一分前の警告ではない通知をしていれば避けられていたはずのこの事件で、15人のロシア軍人が亡くなった。その結果、混乱が起きた。
イランが武器製造装置をレバノンのヒズボラに送付する準備をしているという主張に真実味があるか否かは、事実上、誤った論理に基づく争点だ。イスラエルを守るため、ロシアのフメイミム空軍基地近くのシリアの弾薬庫に対する攻撃を実行するというのは、そのような“防衛措置”の結果が第三次世界大戦規模の戦争になりかねない場合、ほとんど意味がない。それは、例えばNATO加盟国フランスによるより、ロシアの支援を得たほうが、よりうまく実現されるはずのそのような限定された目的を達成するためには、受け入れがたい代償のはずだ。いずれにせよ、イスラエル・ロシア間には、まさにこの種の出来事が起きるのを防ぐために作られた、いわゆる“衝突回避システム”が存在しているのだ。
フランス-イスラエル急襲のタイミング問題もある。
イスラエル戦闘機がシリアの弾薬倉庫と推測されるものを爆撃するわずか数時間前、ソチで、プーチン大統領とトルコのレジェップ・エルドアン大統領がロシアとシリアの軍隊が、シリア国内で最後に残ったテロリストの拠点、イドリブ県の奪還を計画する中、民間人犠牲者を減らす計画の詳細に同意していた。計画は、協定を実施するため監視部隊を置いた、政府と反政府部隊の間の非武装緩衝地帯設置を想定している。言い換えれば、これは、まさに欧米の観測者たちが懸念してきたもの、つまり不要な‘巻き添え被害’を防ぐよう考えられている。
相対的平和が宣言され、犠牲者を減らす効果的措置がとられた後、フランスとイスラエルは一体何をするのだろう? 身勝手なシリア攻撃で、欧米の首都が懸念していると主張する同じシリア民間人を軍事紛争の危険にさらすのだろうか。
'損失を最小限に抑える'動きに出たイスラエル
イスラエルはシリア攻撃への関与を認めるというめったにない動きをし、ロシア人死者に対する“遺憾”の意を表しさえしたが、ダマスカスが悲劇の責任を負うべきだと主張している。これは大いに議論の余地がある主張だ。
フランスとイスラエルの軍隊が、主権国家領土の攻撃で協力し、シリアが自衛のため反撃することを強いた事実からして、誰が撃墜されたロシア偵察機の件で最終的責任を負うべきかは明らかだ。
“ロシア偵察機撃墜と、その乗組員の死亡の責任は、もっぱらイスラエル側にある”とロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は述べた。“イスラエル軍の行動はロシア-イスラエル・パートナーシップの精神に沿っておらず、我々には反撃する権利がある。”
一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は責任のなすり合いが、沸点に達するのを防ぐため見事な対応をし、記者団にロシア航空機撃墜は“イスラエル戦闘機が我々の飛行機を撃墜したわけではなく、一連の悲劇的な状況”の結果だったと語った。
とは言え、この極めて抑制された控え目な発言の後、ロシアはシリア内のロシア軍防衛のために格別の予防措置をとるつもりだとプーチンは誓い、これは“誰もが気がつく措置だ”と述べた。
イスラエル国防軍は間もなく、シリア内の標的に対する作戦実行の自由が大いに制限されているのに気がつくだろうと、イスラエル国内は酷く狼狽している。自身の老朽化したS-200システムによる‘味方の誤射’で苦しむことになったロシアは、今やシリアに、より高度なS-300防空システムを提供するという考えを受け入れるようになっている。
今年早々、プーチンとイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は先進的防衛兵器のシリア戦域への配備を阻止する合意に達していた。この合意は現在大変な危険にさらされている。他の防衛措置に加え、ロシアは、西シリア全域で、外国航空機が空域に踏み入ることを余りに危険にしてしまう本物の飛行禁止空域の条件を実質的に作りだした。
計画通りには進まなかった全体の状況で、ロシア軍側が事実上、シリア西国境を閉鎖するのを阻止しようと取り組む中イスラエルは損失を最小限に抑える行動に出ざるを得なくなった。
木曜日、イスラエルのアミカム・ノルキン少将とエレズ・マイゼル准将とイスラエル空軍諜報本部と作戦本部幹部が、モスクワを公式訪問し“イランがヒズボラ・テロ組織への戦略的兵器譲渡の企てを継続し、シリア内にイラン軍駐留基地を設置する”という連中の懸念を繰り返すものと予想されている。
モスクワが、イスラエル・パートナーに、イスラエル権益を守るために、ロシア軍人を死をも含む許容しがたいレベルの危険にさらすことが正当化できるかどうかを問うのは確実だ。双方が、戦争の霧を通して、地域におけるイランの影響力に対するイスラエルの懸念を和らげるのに役立つシリア紛争を終わらせるためのまっとうな方法を見出せるかどうかは今後を見ないとわからない。
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二つの画像部分、翻訳していない。あしからず。ならずもの国家による露骨なウソの羅列?
犬が人を噛んでも話題にはならない。人がを噛めば話題になる。と言う。」46%の人々が再選がよかった」と言うのは、後者の例?劣島。
傀儡支配層が、できる限りの悪事を尽くしている沖縄知事選が気になる。今日のIWJガイドの一部をコピーさせていただこう。
■沖縄県知事選で公明党の遠山議員が玉城デニー氏を攻撃するデマを拡散! 遠山議員こそが「ゆくさー(うそ)」だ!
9月30日の投開票日が迫る沖縄県知事選で、候補者に対する誹謗・中傷やデマの拡散が深刻な問題となっています。9月22日付の琉球新報によると、9月9日から12日までの間にツイッター上で、「オール沖縄」が支援する玉城デニー氏に対して攻撃的・否定的な内容の投稿が、約9割に達したと伝えられています。
一方、自民、公明、維新、希望が推薦する佐喜真淳(さきま あつし)氏に関するツイートは、肯定的な内容も否定的な内容も少ないといいます。玉城氏を応援する人々が玉城氏を中傷するとは考えられません。要するに佐喜真陣営は、自分が応援する候補者の応援ツイートを打つよりも、対立候補の玉城デニー氏に対するデマ・中傷・ネガキャンに全力を傾注しているということです。史上稀にみる汚い・醜い選挙の戦い方です。
※<社説>知事選・ネット投稿 民主主義壊すデマの拡散(琉球新報、2018年9月22日)
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-806484.html玉城氏を攻撃するデマは、一般人だけでなく、国会議員までもが発信しています。
玉城氏は9月14日、フェイスブックで、一括交付金の創設は「直談判して実現にこぎつけた」と投稿。それに対して公明党の遠山清彦衆議院議員は9月15日、ツイッター上で、玉城氏の投稿内容は「誇大宣伝」とし、玉城氏のことを「ゆくさー(うそ)」などと言い切りました。
※玉城デニー氏フェイスブック
https://www.facebook.com/tamakidenny/
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