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2018年9月21日 (金)

イスラエル-フランスによる攻撃に対する唯一の報復はシリア-ロシアの勝利

2018年9月18日

Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

 欧米とロシアのマスコミは、9月17日のイスラエル-フランスによるシリア共同攻撃とされるものを報じている。攻撃には、イスラエル戦闘機と、地中海のシリア沖で活動しているフランスのミサイル・フリゲート艦が参加していた。攻撃中に、乗組員14人のロシアのIl-20偵察機が行方不明になった。

 攻撃の後すぐさま、反撃し損ねればロシアが弱体に見えるだけだと警告して、評論家や解説者や専門家が、いわれのない軍事攻撃に対する即座の報復を呼びかけた。評論家の中にはロシア ウラジーミル・プーチン大統領の辞任を要求するものさえいる。

 初めての挑発ではない

 だが、攻撃は、その後同様な“弱体”というロシア非難とともに、同様な報復が呼びかけられた、2015年のトルコによるロシア戦闘機撃墜を思い出させる。そして、それにもかかわらず、2015年以来、アメリカ-NATO-GCCとイスラエルの代理戦争における、ロシアの辛抱強い秩序だったシリア支援のしかたは、大きな良い結果をもたらしている。

 ロシアは今後、北部の都市アレッポ奪還で、シリアを支援するはずだ。パルミラは、いわゆるシリアとイラクの「イスラム国」(ISIS)から奪還されるはずで -  ホムス、ハマ、東グータや南部の都市ダラーも奪還されるはずで - 事実上、ユーフラテス川西岸全てが、ダマスカス支配下になるだろう。

 実際、アメリカ-NATO-湾岸諸国とイスラエルが行う一連の挑発を無視し、紛争で苦しめられた国の治安と安定を体系的に回復するという課題に、もっぱら注力することで、ロシアと同盟諸国による完勝のほぼ直前にまで至った。

 ロシアが支援するシリア軍は今イドリブの端で構えている。これまでに、勢力のバランスは、ダマスカスに有利に傾いており、欧米代理軍隊部隊がいまだに占拠している最後に残された領土を巡り、トルコさえもがロシアとの交渉を望むようになっている。

 欧米による挑発の現実

 イスラエルとフランスが攻撃する前に、シリアとその同盟諸国は、シリアの未来のための代理戦争に勝利しつつあったし、共同攻撃直後も、代理戦争に勝利しつつある。過去7年の間、シリアは、大なり小なり、何百ものそのような攻撃を切り抜けてきた。

 イスラエル戦闘機は、遠隔攻撃兵器を使用し、離れて活動している。フリゲート艦から発射されたフランス・ミサイルも、シリア領土上空を飛行して、シリア防空体制に、標的にされ、撃墜されるリスクを避ける遠隔攻撃戦略だ。

 現代の戦争ドクトリンでは、空軍力だけでは決して戦争に勝てないことが認められている。つまり、標的にした国に対するある国家による上空からの航空爆撃作戦は、空軍力と下から協調する地上軍無しに勝利を勝ち取ることはできないのだ。ある国の上空における空軍力だけで勝利することが不可能なのであれば、勝利にとり、離れた位置の空軍力は更に効果が薄い。

 だが欧米による一連の攻撃の背後には別の動機がある可能性がある。現代の電子戦争では防空システムの探知と無効化が行われる。防空システムが稼働されるたびに、その位置と特性が解明できる。たとえ防空システムが可動型であっても、挑発された際、標的を探知し、標的めがけて発射しようとする間に得られる情報は軍事計画にとって非常に貴重だ。

 挑発された際、ロシアが最も先進的な防空システムを稼働すれば、全般的な技術と配置の両方、特にシリアでの防衛の全体像を、欧米が把握することができ、万一欧米が、全面的空爆でKOパンチを放つと決めた場合、欧米は遥かに効果的に攻撃できる。

 1990年の「砂漠の嵐作戦」時、イラクの侮りがたい防空と対決した際、アメリカがまさにこれを実行した。最初の空爆作戦前に、イラク-サウジアラビア国境沿いに飛行するアメリカ電子戦航空機が監視していた機器を、イラク防空体制をだまして稼働させるのに、約40機のBQM-74C標的無人機が使用された。どのような“ステルス”技術より、イラク対空防衛システムの配置と特性の解明が、当時アメリカがイラク防空を圧倒する上で貢献したのだ。

 シリアに対し何百もの挑発がしかけられて来たことからすれば、そうしたもののどれかで本格的な電子監視偵察の取り組みが行われただろうと想像できる。有能なロシア軍指導部はこれに気づいており、このシステムを明らかにするのが絶対必要になるまで、ロシア最高の防空システムの配置と能力を守る措置をとっていることも想像できる。

 最善の報復はNATOに対する勝利

 撃墜されたシリアとロシアの飛行機や戦場でシリア軍と同盟諸国が負わされている死者は、人間として、即座に報復したいという願望をかき立てられずに見るのは困難だ。だが即座の報復が勝利に向けた長期的戦略に役立つことはまれなことを念頭に置く必要がある。
 古代中国の将軍で戦略家の孫子が不朽の著書『孫子の兵法』で、当時と未来の将軍たちに、正しい戦略を犠牲にして、一時の感情に負ける危険を警告している。彼はこう述べている(強調は筆者)。

    有利に思えない限り動かない。何か得られるものがない限り兵は使わない。立場が危険にならない限りは戦わない。

    支配者は単に鬱憤を晴らすために兵を戦場に送ってはならない。将軍は単なる怒りから戦いをしてはならない。

    有利であれば、前進する。そうでなければ、そのまま留まる。

    怒りは時がたてば喜びに変わり得る。いらだった後、満足することもあり得る。

    だが破壊された王国は決してもとには戻らないし、死者は決して生き返らせることはできない。

    だから聡明な支配者は慎重であり、良い将軍は注意深い。これが国を平和に保ち、軍を傷つけずにおく方法だ。

 大衆の即時報復という願望を満足させるため、あるいは、ありもしないロシアの無敵さという考えを守るため、フランスのフリゲート艦船を沈没させたり、わずかな数のイスラエル戦闘機を撃墜したりするために、ロシア防空システムの全能力をさらけ出しても、ロシアのためにはならない。

 そうではなく、ひたすらシリアでの代理戦争に勝利することこそ、ロシアのためになるのだ。2015年に、トルコがロシア戦闘機を撃墜したことに対し、即時報復が呼びかけられたが、シリアとロシアとイランが、シリアを分割し、破壊し、イランへの足掛かりにし、最終的には、南部ロシアに入り込むことを狙った外国の代理から、シリア領土を確保するためゆっくり、整然と前進し続けたのと同様に。

 シリアにおける全面的勝利に比べれば、連続する挑発への報復の重要性は限りなく低い。国家としてのシリアの運命と、結果としてのイランの安全保障と安定と、ロシア自身の自衛さえもが、それにかかっている。地球上最大、最強の経済と軍事力が支援する代理軍に対するシリアの漸進的勝利計画し、実行している人々の畏怖させられるような責任は、短期的満足と、長期的成功の違いと、前者が、後者を、どれほど、確実に、無謀に危うくするかを理解できる大衆の支持で、大いに恩恵を受けるだろう。

 この戦争でシリア国民を苦しめている連中に対して、あり得る最大の“報復”は、連中の絶対的完敗だ。

 Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/09/18/syrian-russian-victory-only-way-to-avenge-israeli-french-strikes/

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 墓参りから帰ってきて、IWJインタビューを拝見した。

<昨日の岩上さんのインタビュー>骨肉の争い! 万世一系の嘘!? 権力を利用し合う武家と天皇家! 岩上安身による書籍編集者・第61回JCJ賞受賞者・梅田正己氏インタビュー第四弾~平安時代から室町時代まで

 暑さ寒さも彼岸まで。昨夜から冬用寝具に変えた。宣伝番組はスキップし、世界での犬と人間のかかわりの歴史についてのドキュメンタリーをみた。犬はまともだ。

 山口県阿武町長、イージス・アショアの配備反対を明言:住民の会代表「感激した」
立派な町長がおられるものだとびっくり。基地は標的になる。軍隊は民間人を守るために存在しているわけではない。『沖縄スパイ戦史』に驚いて、同じ監督の映画を遅ればせながら拝見した。デパートリウボウ内の三省堂書店で著書を購入した。そのすぐ横に『僕は少年ゲリラ兵だった―陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊』『少年兵はなぜ故郷に火を放ったのか 沖縄護郷隊の戦い』『アニメドキュメント あの日、僕らは戦場で―少年兵の告白』が並んでいて、初めてそういう番組があったことを知った。今夜は下記を拝見予定。

【録画配信・IWJ_Youtube Live】20:00~「『洗脳教育され、人間ではなくて「立派な国民」だった! 』沖縄戦で首里攻防戦に15歳で従軍した凄絶な戦争体験と平和への思い! 故・翁長雄志沖縄県知事の叔母・安子さんへの岩上安身によるインタビュー(前編)」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 9月8日に収録した、故・翁長雄志沖縄県知事の親戚・安子さんへの岩上安身によるインタビューを、公共性に鑑みフルオープンで録画配信します。岩上安身は9月3日から1週間ほど沖縄を訪れ、連日インタビューをおこなってきました。このインタビューは、場所の名前などのテロップなどを入れ、ようやく配信の運びとなりました。

 沖縄戦がおこなわれた昭和20年、まだ15歳だった安子さんは、御本人いわく「軍国少女」だった、といいます。「洗脳」から解放されたのは、戦後に戦没者の遺骨収集をした時だったそうです。安子さんは長い時間をかけて、米軍に投降した時の様子、父親との別れ、収容所での暮らし、家族との再開など、悲惨で壮絶な戦争体験をお話しくださいました。

 これまでIWJが報じてきた沖縄戦関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%B2%96%E7%B8%84%E6%88%A6

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