愛国者に敵対するようになった愛国心
2018年8月14日
Paul Craig Roberts
アメリカが、どれほどおかしくなっているかを理解するため、愛国心が、今や体制に反対意見の人々の弾圧と関連付けられていることを考えてみよう。
多くのアメリカ人の困難な暮らしのことを何も知らない裕福なフットボール・チームのオーナーや、責任を負わず、適正手続きも無しで、街頭や自宅で黒人を年中銃殺する警官連中が、黒人アメリカ国民殺害で、警官が責任を負わないことに抗議して、先週、国歌演奏中にひざまずいた三人のマイアミ・ドルフィン選手に酷く激怒した。
ブロワード郡警官互助会は、早速ドルフィンの切符割引制度から抜けると発表し、腹立ち紛れに自分の損になることをした。これから、警官は、ゲームに行きたければ、正規価格を支払わなければならない。
我々を支配している連中は、あらゆる抗議行動は、警官が人々に気づかれずに、抗議行動参加者にティザー銃を使ったり、殴打したりできる孤立した街角で起きて欲しいと思っている。連中は、何万人もの観客がスタンドから、更に何百万人もがテレビで見ているフットボール・ゲームで、抗議行動をさせたくないのだ。そうした目立つ会場では、警官はティザー銃を使えず、抗議行動参加者を殴打できない。
しかも、抗議行動は一目につき、黒人プロ・スポーツ選手たちが、抗議行動のために、良い収入の暮らしを危うくするほど不安になるような一体何事が起きているのだろうかとアメリカ人に考えさせてしまうのだ。抗議行動を始めたコリン・キャパニックは、憲法上の権利を行使したかどでサンフランシスコ・フォーティーナイナーズのクォーターバックを首にされ、裕福なNFLチーム・オーナー連中に要注意人物リストに載せられてしまった。
抗議行動をした人々に抗議する連中は反アメリカだ。軍安保複合体や、グローバルな搾取的大企業の強欲のために、アメリカを、自国民にとって必要なことを無視する警察/好戦国家に変えてしまった連中の愚かな手先だ。
彼ら自身が体制の被害者である普通のアメリカ人が“ああ、連中は抗議してもよいが、国歌演奏中や、公的行事ではだめだ。”と言うのを聞くたびに私はがっかりする。こういうことを言う人々は、アメリカ人とは一体何か、全く分かっていないのだ。
アメリカ人本人が、もはやアメリカ人であることが、一体何を意味するかわからなくなっているのだから、彼らが国を失ってしまったことに、何の不思議もない。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/08/14/patriotism-has-been-turned-against-patriots/
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アジア大会スポーツ選手の不祥事は報じるが、対抗馬とされる御仁も、緊急事態条項推進派という悪辣な茶番を報道する電気洗脳大本営広報部はないようだ。日本人の一体何割が、緊急事態条項について、たとえ一時間でも、考えたことがあるだろうか? あるいは関連書籍をお読みだろうか。多少とも、内容を知っていれば、のんびり呆導をながめていられないのではと想像するのだが。
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