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2018年7月 8日 (日)

人々の最善と最悪を浮き彫りにするタイの洞窟救援活動

2018年7月7日
Tony Cartalucci
Strategic Culture Foundation

 生徒12人とサッカー・コーチがタイ北部チエンラーイ県ルアン洞窟で行方不明になった際、多くの人々が最悪の事態を予想した。だがタイ政府と軍とタイ国内と海外のボランティアが9日間費やし、水位上昇で隔離された洞窟空間で彼らが生きている場所を特定した。

 良いこと

 救援作業は依然継続中だ。行わねばならない難しい判断が多々ある。生徒たちと、コーチの居場所との行き来は、スキューバダイビングだ。閉じ込められている生徒たちを洞窟から救出するには、彼らを閉じ込めている水を何とかして排水するか、洞窟からスキューバダイビングで脱出できるよう、彼らを訓練するか、どちらかが必要だ。

 洞窟から汲み出された水は、救援作業を支援するために、自分たちの畑に水を流すのを進んで受け入れている多くの現地農民の土地に排水されている。それでも政府は、それによる被害に対し、農民に補償している。

 政府は自らの資源も、他の国々から申し出があった資源も動員している。政府は洞窟周辺のサイトにアクセスするのに、新たに購入したロシア製Mi-17ヘリコプターを活用している。アメリカは、洞窟から脱出可能な出口を探す取り組み用の技術を提供しており、行方不明になってから、9日後にようやく生徒を発見したのは、タイ・ネイビー・シールズと活動していた民間のイギリス人ダイバー・チームだった。アジア中や、それ以外の国々からの他のダイバーたちや洞窟探検家が、専門技術を提供しにやってきている。

 救助の取り組みに危険がないわけではない。閉じ込められた生徒たちとの間を行き来する中で、タイ・ネイビー・シールズ隊員の一人が既に亡くなっている。

 これは、少なくとも一つの提案されている救出策の選択肢にまつわる危険を明らかにしている。生徒とコーチを、スキューバ・ダイビングで洞窟から脱出するよう訓練することだ。生徒たちを安全に救出するまでには数週間、あるいは数カ月かかるので、辛抱するよう救助隊は訴えている。

 醜悪なこと

 タイのものも、外国のものも、大半のマスコミは救援作業を積極的に支援して、大衆に情報を伝え、必要な様々な補給品や人材の寄付やボランティアを募る上で、重要な役割を演じている。大規模で積極的なマスコミ報道は、近隣や遥か遠くから支援を集結させて、手助けになっている。

 とは言え、事件を売名に利用している人々もいる。タイ国内のアメリカやイギリスやEU政府や現タイ政権に反対する連中に支援されている多くの親欧米マスコミは、あらゆる機会を捕らえ、この出来事を、タイ政府を攻撃し、傷つけるのに利用している。

 反政府新聞カーウ・ソットは、コーチが既に容疑に直面していると主張して、政府やタイ警察を中傷する露骨な偽りの見出しまで用いている。“ついクリックしたくなる”見出し、“コーチは少年たちを洞窟に連れていったかどで容疑を受けている”の記事本文で、生徒救出にもっぱら注力しているので、告訴の可能性など考えてもいないという警察談話を載せている。

 ドイツを本拠とするドイチェ・プレッセ・アゲントゥール(DPA)のタイ人記者、Hathai Techakitteranunのように、組織的救援活動を前に、国の結束を傷つけて、彼女と、彼女の外国スポンサーの政治的な狙いを推進するために、必死の救援活動を利用して、事あるごとに、タイ政府を、どじで無能に描き出そうとする連中もいる。

 カーウ・ソット紙記者で、複数のアメリカやイギリスの賞や奨励金の受賞者で、アメリカが支援するバンコクの政治運動家の有名な支持者であるプラビット・ロジャナブルックは、アメリカが支援する政権転覆を救援活動に結びつけようとして、(タイ語からの翻訳)洞窟内の生徒を発見するのは困難だが、タイで“民主主義”を見出すのは、もっと難しいと主張している。

 タイを本拠にするフランス人“政治漫画家”ステファヌ“Stephff”ペレは、さもなければ、無視されて目立たないことが多い彼の“作品”にクリックと注目を得ようとして、プラビットの主張をおうむ返しにしている。

 地方自治体や個人や世界中からの人々の貢献をまとめる困難な救援活動をしているタイ政府を攻撃しようという企みは、非難さるべきおぞましさだ。

 結果を出すよう政府に圧力をかけても、救援活動を率いている人々の判断を損なうことにしかならず、生徒のみならず、洞窟から安全に救出するため、休みなく活動している多くのボランティアの命を危険に追いやるだけだ。

 個人的利益を追求するため、悲劇を利用しようとしている連中が一体何を考えているのか理解するのは困難だ。タイ全土や世界中から支援のためにやってきた人々が示している至高の姿に対する、不穏な後ろ向きの対照でしかないだけでなく、救援活動を直接傷つけることにもなっている。

 こうした出来事の連中による利己的で危険な利用は、“ジャーナリズム”であれ“民主主義”であれ、連中がどのような隠れ蓑をまとっていようと、連中がいかに危険で、命を救うため専門技術を提供している献身的で勇敢な人々とは対照的に、自身の欠点ゆえにはまっている、お門違いな無名という深みから這い上がるため、他人の行いにしがみつこうとする身勝手な自己陶酔した自己中心的な連中が存在しているのを思い出させてくれる。

 何よりもタイ洞窟救助活動が、いかに人類至高のものが、 国籍や政治傾向とは無関係にまとまり、我々全員を前進させてくれるかという好例となるよう願おう。

 死活にかかわる状況に直面すると、多くの人々は、小異を捨て、前向きな結果に向け、献身的に貢献することができるもののようだ。

 これを、命を救うための高貴な取り組みを乗っ取ろうとしている悪意に満ちた個人や権益集団に対して、身を守り、連中の個人的、政治的利益を阻止する必要性の好例と警告にしよう。

 救援活動は人類の最善と人類の最悪の見本だ。これを、我々全員にとって、我々が一体どちら側にいて、人類に可能な最善を推進し、実現させるための努力で、我々は一体何をする必要があるのかを内省する好機にしよう。

 Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/07/07/thai-cave-rescue-highlights-the-best-worst-in-people/
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 死刑執行ごとに、シールを貼っていった放送局があるという。

 前日、法務大臣と並んで祝賀の宴を持った御仁もいる。

 人々の最悪を浮き彫りにする属国による死刑執行。

実に長時間のインタビューを拝聴。大本営広報部が決して触れない話題満載。

失敗したアベノミクス・異次元金融緩和の副作用!? 人口減少にも関わらずバブル化する不動産市場・サブリース契約の地獄!~日銀が発表した英語論文の謎に迫る!岩上安身が田代秀敏氏に7.1インタビュー第2弾! 2018.7.1

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