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2018年7月20日 (金)

トランプを覆すアメリカ:ロシアとは和平せず

2018年7月18日
Paul Craig Roberts

 ロシアや中国やイランや北朝鮮の政府は、もし国を生き残らせたいのであれば、アメリカ合州国と合意に達するという勘違いの希望は放棄しなければならない。これらの国々が受け入れられる条件での、そのような可能性は存在していない。

 アメリカ外交政策は威嚇と武力に依拠している。アメリカ外交政策は、他の国々の主権を認めることと両立しないドクトリンである、アメリカ覇権というネオコン・ドクトリンに導かれている。ロシアや中国やイランや北朝鮮がワシントンと合意に達することができる唯一の方法は、イギリスや全てのヨーロッパやカナダや日本やオーストラリアのような臣下になることだ。

 ロシア人、特に素朴な大西洋統合主義者連中は、アメリカの政治、マスコミ、知識層全てからヘルシンキ会談に向けられている極端な敵意、実際は狂気と言うべきほどのものに注目すべきだ。アメリカ-ロシア関係は、アメリカ国内の二大政党間政治闘争の人質にされていると言ったプーチンは間違っている。ドナルド・ジェフリーズが指摘している通り、共和党も民主党同様に狂気で、アメリカ-ロシア関係を良くしようとするトランプ大統領の取り組みに対し、敵対的だ。https://www.lewrockwell.com/2018/07/donald-jeffries/the-trump-putin-conference/

 アメリカ右翼も左翼同様反対している。核大国間の危険な緊張を緩和するトランプの取り組みを支持し、正々堂々発言しているのは、スティーブン・コーエンや、レーガン大統領時代の駐ソ連大使ジャック・マトロックなど極少数の専門家だけだ。事実と、危険性を説明している評論家はごく少数だ。

 アメリカ外交政策分野で、ロシアとの和平というトランプの狙いへの支持は皆無だ。外交問題評議会会長、リチャード・ハースは“プーチンのロシアには、ならずもの国家として対応しなければならない。”と宣言して、連中全員を代表して語った。

 ロシアが“ ならずもの国家”なのは、単にロシアが、ワシントンを最高君主として受け入れないからに過ぎない。他に何の理由もない。

 ネオコンによる「正常な関係」の定義を利用しない限り、トランプ自身の閣僚内にさえ、ロシアとの関係正常化を支持するものは皆無だ。 「正常な関係」という表現で、ネオコンが意味しているのは、ワシントンとの属国関係だ。それが、それだけが“正常”なのだ。この「正常の定義」を基にしてのみ、ロシアはアメリカと正常な関係になれるのだ。遅かれ早かれ、プーチンとラブロフはこの事実を認めざるを得なくなるだろう。

 何度も何度も繰り返されるとウソは事実になる。ロシアゲートでそれが起きているのだ。いかなる証拠も全く無いにもかかわらず、アメリカでは、プーチンがトランプを大統領執務室に送り込んだのが今や事実なのだ。ヘルシンキでトランプがプーチンと会ったことが、ニューヨーク・タイムズや他の多くが今や自明のこととして主張しているように、トランプがプーチンの従僕である証拠証明と見なされている。トランプが“残忍な悪漢プーチン”と並んで立ったことと、ロシアはアメリカ大統領選挙に干渉しなかったというプーチンの言葉を受け入れたことが、トランプがプーチンに抱き込まれていて、ロシアゲート話が本当だという二重の証拠として見なされている。

 一体なぜネオコンのジョン・ボルトンがヘルシンキ会談をアレンジしたのか今ならわかる。いずれも軍安保複合体によって支配されているマスコミと議会によるトランプの政治的処刑を仕立て上げたのだ。アメリカ合州国には、タッカー・カールソンは例外として、印刷メディアもTVメディアも自立したものは皆無で、議会にも自立した議員は皆無だ。こうした組織は管理されており、タッカーとて、さほど長くは許容されるまい。

 ロシア干渉というウソは今や実に強固に確立されており、ダニエル・エルズバーグやノーム・チョムスキーやグロリア・スタイネムのような名士が署名したThe Nationに掲載された公開書簡でさえ、こう書いている。“アメリカの選挙を守り、世界の二大核超大国間の戦争を防ぐための措置を講じて、共通の利益を守るため、共通の理解に至らなければならない”。最も頭脳明晰なアメリカ人でさえロシアゲートを事実として受け入れ、アメリカ選挙を守ることが、核戦争を防ぐことと同じ位重要と見なさなければならないのだ。

 アメリカ/ロシア関係を正常化させるというトランプの狙いに対する共和党や民主党内の意味ある支持は皆無だ。真実に変えられてしまったウソと、軍安保複合体による政治キャンペーンの権力の組み合わせだけでも、ロシアとの関係正常化へのあらゆる支持を阻止するのに十分だ。ロシアを敵の範疇から外そうとするトランプの取り組みを支持するアメリカ上院議員や下院議員は誰であれ、再選時に、資金潤沢な競争相手に立候補され、トランプがアメリカを裏切るのを支持した売国奴だと宣言され、選挙献金は枯渇することになる。

 軍/安保構造に雇われておらず、この強力なロビーに依存していないアメリカ人は、平和を支持し、その理由でトランプを選んだのに、ロシアとの和平を主張する大統領が、売国奴とレッテルを貼られるのを目にしているのだ。

 それは、これまでに何度も起きている。例えば歴史書『第一次世界大戦』の中で、“平和、あるいは穏健を主張する人々さえ、全員、敗北主義者、無抵抗主義者、おそらく売国奴だ”という中傷で、ヨーロッパを破壊した悲惨な戦争を止めようとするあらゆる取り組みは阻止されたとA. J. P. テイラーは説明している。テイラーが書いている通り“上流階級”は金儲けを目指し、“庶民”は自分の命でその金を払ったのだ。

 我々が経験しているのは、言説を支配できる強力なロビーと対決した場合、民主主義は脆弱で、正常に機能しなくなるということだ。アメリカでは、言説の支配が実に完璧なので、圧倒的大多数が『マトリックス』の中で暮らしている。

 ロシア・マスコミは、トランプに対する“アメリカへの裏切り”というアメリカ国内での憎悪と侮辱の噴出を無視し、ヘルシンキ会談を、より良い関係への道を確立したと前向きに描いている。ロシアのこの見方は、この道を構築するトランプを支援するものが、アメリカ政府や、マスコミに皆無なのを無視している。ヘルシンキでのトランプ・プーチン会談に対するアメリカの反応を良く理解することが、ロシア・マスコミには何としても必要だ。私の最近のコラムで、多数のこうした反応をまとめたが、今回のコラムのドナルド・ジェフリーズへのリンクで、アメリカ-ロシア関係を修復しようとするトランプの取り組みに対する共和党の拒否の好例がみられる。

 第一次世界大戦で、イギリスやフランスやドイツやロシア政府が、勝利を約束しており、不面目であるが故に、大量殺りくを終わらせることができなかったのと同様、ロシア政府が、アメリカとのより良い関係ができつつあるとロシア国民に希望を与えてしまえば、ロシア政府は、より良い関係を実現するのを余儀なくされ、そのためロシア政府は、得られるものより多くを差し出さなければならない。ロシアの主権は、合意のための代償の一部になるだろう。

 欧米に必死に受け入れてもらいたがっているロシア人が、ワシントン覇権とは交渉可能だという妄想に固執すれば、それは彼らにとっての危機であるのみならず、全人類にとっての危機となるのだ。

 追記: Salonの下記URLの暴言は、CIAの手先だろうと思うが、何の実績もない取るに足らない人物による事実皆無のものだ。だが、アメリカ合州国内における、真実や、ジル・スタインやジュリアン・アサンジのような、真実追究に献身する人々に対する組織され、画策された攻撃の正確な表現という意味はある。狙いはトランプを中傷することなので、単にトランプがプーチンと会った際、挑発的に振る舞わなかったので、トランプを信じられなくなったという、Salon記事の正体不明な共和党上院議員の描写など信じることは出来ない。それでも、たとえ虚構であっても、アメリカ人や、ワシントン帝国の被支配民族に吹き込まれている管理された言説の典型だという意味で、この描写は正確だ。https://www.salon.com/2018/07/18/trump-regret-syndrome-is-spreading-among-republicans-after-helsinki-how-far-will-it-go/

 ロシア国民に、ロシアが主権国家であり続けられるような、いかなる条約も、アメリカ合州国と締結するのは不可能であることを理解させるために、ロシア・マスコミは是非ともSalon記事を正確に翻訳し公開しなければならない。アメリカ国内で紡ぎだされているロシア憎悪は途方もないものだ。行き先は戦争しかない。

 欧米世界中で、真実と事実は、すっかり威信を失った。欧米はウソの中で暮らしているが、その欧米が世界を支配しているのだ。欧米では、この二つは何の意味もないのに、ラブロフとプーチンが何度となく、事実と真実を訴え続けるのを見るのは痛ましいことだ。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

 記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/07/18/america-overrules-trump-no-peace-with-russia/

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千代の国休場。これほど休場だらけの場所、記憶にない気がする。

 植草一秀の『知られざる真実』で紹介されている新刊、タネはどうなる?! 早速購入しよう。

 『タネはどうなる?!』種子法廃止と種苗法運用改変

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