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2018年7月14日 (土)

EUを間抜け扱いするトランプ

Finian Cunningham
2018年7月10日
スプートニク

 ヨーロッパ指導者連中を軽蔑して扱っているトランプを責めることはできない。率直に言って、彼らはそれに相応しく、トランプはそれを知っているのだ。

 今週、ブリュッセルでのNATOサミットで、アメリカ大統領がヨーロッパ同盟諸国に加わるが、会議は激しいものになると予想されている。ヨーロッパ人は、財政的貢献を巡って、トランプにこきおろされるのを恐れている。

 先月カナダでのG7サミットで、居丈高なアメリカ大統領は、同盟諸国による財政支援が欠けているので、NATO軍事同盟は時代遅れだと、各国トップをきびしく叱責した。

 一切手加減せず、NATOにもっと大枚をはたかなければ、ヨーロッパからアメリカ軍撤退を考慮すると警告する書簡をヨーロッパ指導者に送り、トランプは追い打ちをかけた。

 今週、トランプのブリュッセル到着直前に、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、トランプの要求に沿って素早く行動し、両国軍事予算の膨大な増加を承認したと報じられているのはご存じだろうか。

 ホワイト・ハウス住人から、くそみそにけなされるのを恐れ、他のヨーロッパ諸国も軍事予算を増やしている。

 メルケルは、ロシアの侵略とされるものに対するヨーロッパの守護者としてのNATOの重要性を突然語り始めた。

 ドイチェ・ヴェレは、こう報じた。“毎週のポッドキャストで、ドイツ首相は国防費の増加と、NATOの重要性を主張した。”

そこで、実に奇妙な矛盾があることになる。トランプは、ヨーロッパの指導者たちに、彼らを防衛するために必要なはずのNATOへの財政的貢献を増やせと厳しく叱りつけながら、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との友好的な関係を追求するという点では、アメリカ大統領は、NATO各国首脳の中で、一番楽観的だ。

 最近、トランプは、7月16日、ヘルシンキでの来るべきサミットで、プーチンとの良好な関係を発展させたいと語っている。

 クリミアをロシア連邦公式な部分として認め、それにより、2014年3月住民投票で“母なるロシア”に再加入を決めた黒海の半島クリミアを“併合”したとモスクワを非難し、延々続いている欧米言説丸ごと放棄する可能性すらアメリカ大統領は論じた。

 トランプは、ロシアは主要諸国のG7会議への再参加を認められるべきだとも提案しているが、ヨーロッパの指導者連中は大いに狼狽している。

 ワシントンのロシア嫌いイデオローグ連中の大騒ぎにもかかわらず、どうやら、アメリカ大統領はロシアやプーチン大統領を安全保障に対する恐ろしく危険な脅威と考えていないように見える。

 もしそうであれば、トランプは一体なぜ、ヨーロッパのNATO加盟諸国に一層莫大な金額を、この軍事同盟に使わせることに熱心なのだろうという疑問が生じる。

公式の欧米スローガンが人に信じさせようとしているように、もしロシアがヨーロッパの安全保障にとって、それほど実存的危険なのであれば、アメリカ大統領は約60,000人の米軍兵士をヨーロッパから撤退させることを本気で考えているのだろうか?

 ヨーロッパや、ついでに言えば誰にとっても、ロシアは実際脅威ではないのは明らかだ。ロシアが“攻撃的”で“拡大主義”だという言説丸ごと、滑稽な、根拠のない見え透いたウソだ。トランプも、それを理解しているだろうと思いたくなるではないか。NATOサミット直後、プーチンと来週会うことに、何の不安も感じることがない理由はこれだ。

 そこでこういう疑問が生じる。もしロシアがそれほどの脅威でないのなら、トランプは一体なぜ、ヨーロッパ諸国にNATOにもっと金を使うよう執拗にせき立てているのだろう?

 アメリカの動機として、アメリカ軍産複合体助成の手段として、ヨーロッパ経済に、もっとNATO同盟に金を注ぎ込ませるように強いている面もある。29のNATO加盟国中、アメリカが総軍事予算の約70パーセントを占めている。アメリカ人ifもう他の加盟諸国が、より多く財政負担をし、より多くの金を、アメリカ製の戦闘機や戦車やミサイル・システムや戦艦購入に向けてくれれば、より望ましいことではあるまいか?

 要するに、実際はヨーロッパをロシアから防衛するのが狙いではない。本当の問題は、奇怪な軍事機構を延々動かし続けるための途方もない財政的助成金を維持する方法を見つけ出すことだ。

 役割を十分果たしていないといって、トランプが連中をいじめた結果として、ドイツとフランスは、それぞれ、今後数年間、更に180億ドル、軍事予算を使うことを考えていると報じられている。
この二国や他のNATO加盟諸国は貴重な財源を生産的経済活動や生活の質を向上させる公共サービスに向けるのでなく、軍事的怪物を食わせるのに大枚をはたこうとしている。

 こうしたこと全ての強烈な皮肉は、ヨーロッパの安全保障は、ロシア西部国境沿いでの無謀なNATO部隊強化によって、一層脅かされているのが本当であることだ。この全く正当化不能のエスカレーションは、ロシアと国際平和に対する挑発だ。ところが、ワシントンのうさんくさい確証のない発言をもとに、ヨーロッパを一層不安定にするため、ヨーロッパ指導者連中は先を争って貴重な資源を費やそうとしているのだ。

 今週、トランプがヨーロッパから軍隊を撤退しかねないのをヨーロッパ指導者たちは“死ぬほど恐れている”と元アメリカ国防長官レオン・パネッタが発言したと引用されている。

 死ぬほど恐れている? ヨーロッパの親NATO政治家連中は“指導者”という表現に値しない。大陸の軍隊の全般的な段階的縮小、特に第二次世界大戦後、70年以上駐留しているアメリカ軍撤退を見れば、大半のヨーロッパ諸国民は喜びほっとするはずだ。

 あるワシントン・ポスト論説は、トランプが“先月のG7会談で彼が言い出したような破綻になることを恐れ、ヨーロッパ中の安全保障担当大臣を眠れなくしている”と書いた。

自分たちの“指導者”として、ヨーロッパ諸国民は、そのようなうさんくさい懸念で夜も眠れなくなるような、何という意気地のない怠け者集団を頂いているのだろう。

 ヨーロッパ中で、代替する政党を求めて、大衆反乱が進んでいるのも、決して驚くべきことではない。これらのいわゆる“ポピュリスト”政党は、ロシアを当然のパートナーとして見ており、正常な関係に戻りたがっているという点では、通常遥かに正気だ。

 ヨーロッパの既製支配政党や政府は、一体何が本当の脅威にあたるかについての連中の考え違いのおかげで、すっかり訳がわからなくなっているのだ。

 中東中やアフリカでのワシントンの犯罪的戦争に長年奴隷のように黙従してきたことで、不安定化させる難民問題が引き起こされ、EUの組織的縫い目を張りつめさせている。

 同様に、トランプの前任者、ブッシュやオバマのもとで、ロシアに対するワシントンの敵意に奴隷のように従ってきたことで、ヨーロッパは経済制裁で大きな代償を払わされたが、一方アメリカ経済は比較的無傷だ。今週EUは、対ロシア経済制裁を来年にも延長する動きをしている。ウクライナでCIAが支援したクーデターを巡り、ワシントンが基本的に始めたそうした施策が、約五年間、ヨーロッパの労働者や農民や企業に大きな代償を払わせている。ところがヨーロッパの弱虫連中は自殺行為を続けているのだ。

 懲罰的関税と貿易戦争で、ヨーロッパ経済を傷つけているのは、モスクワではなく、トランプ指揮下のワシントンだ。

 トランプ指揮下のワシントンが、ヨーロッパを利用して、NATO強化に更に予算を使わせ、ロシアとの緊張を更に高めているのに、実際は、アメリカ大統領は、モスクワとの友好的関係確立に楽観的に見える。

 ヨーロッパ政治指導者連中の多数の矛盾と二重思考から、厳しい結論が得られる。連中は間抜けの一団だ。だからトランプは彼らを、それに相応しく扱っているのだ。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。北アイルランド、ベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詩作曲家でもある。彼は20年以上、ミラー、アイリッシュ・タイムズ、インデペデントを含む主要マスコミ企業で、記者、編集者として働いた。

 本記事で表明されているFinian Cunninghamの見解や意見は、もっぱら著者のものであり、必ずしもスプートニクの立場を反映するものではない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201807091066198266-trump-eu-nato-summit/

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ヨーロッパの政治家が傀儡で、腰抜けでも、イギリス国民は違うようだ。トランプ訪問にたいする巨大抗議行動。写真を見ると、膨大な人々。国際空港ではなく、空軍基地に飛んでくる人物を歓迎する国民と偉い違い。

 属国の宗主国傀儡政治家連中は“指導者”という表現に値しない。お隣の半島や列島の軍隊の全般的な段階的縮小、特に第二次世界大戦後、70年以上駐留しているアメリカ軍撤退を見れば、大半の東北アジア諸国民は喜びほっとするはずだ。

 鶴竜まで休場。快進撃を見せている力士もいるが。二人の休場は釈然としない。

 相撲のせいもあって、昼の呆導バラエティー、最近全く見ていない。最近会った友人、「民放は全くみない」といっていた。

 談四楼氏、インタビューを見損ねた。後で拝見しよう。

 日刊IWJガイド「<西日本豪雨取材報告>安倍総理が愛媛で被災地視察。IWJは記者を2人派遣して直撃取材!大洲市では安倍総理に『自然災害を口実に緊急事態条項を...』と声をかけるも無視され、宇和島市では安倍総理、中村知事、岡原市長の意見交換会の現場から官邸職員によって排除される!!/本日午後8時から『食い物にされる水道民営化・ダム・治水――国富を売り渡す安倍政権の水政策の裏を暴く!岩上安身による拓殖大学准教授・関良基氏インタビュー<エッセンス版 in 31min>』をタイムリー再配信いたします!/日銀はいつまで株価を支えるつもりなのか!? 暴落のXデーを外資が虎視眈々と狙う!
1995年、オウムは空から大量のサリンを撒く計画を立てていた!『「オウム事件」の全容解明を考えているか?』とのIWJ記者の質問に、上川法相の口からは、安倍政権に特徴的な常套句が飛び出す!! ~7.13上川陽子 法務大臣 定例記者会見/『得体の知れないおそろしさがあった』!? 在日コリアン弁護士を標的にした根拠のない懲戒請求が950件!? 関空では税関が祖国訪問した朝鮮学校生徒の土産を『北朝鮮からの輸入品』だとして押収!?
<昨日の岩上さんのインタビュー報告>『社会的弱者や困難に直面する人に共感するという感情が欠落してる』安倍政権!『闘うには敵を知ることが大切なんだ』岩上安身による落語家・立川談四楼氏インタビュー!/<新記事紹介>【IWJ検証レポート】『新しい東側の形成』と、米国の孤立化、それは『古い西側の解体』の序曲!?  イランの上海協力機構への加盟問題から見えてくるもの!」2018.7.14日号~No.2130号~

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