イスラエルによる、アメリカ艦船リバティー号攻撃
2018年6月8日
Paul Craig Roberts
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51年前の今日、イスラエルがエジプトとシリアを攻撃している間、エジプト沖に停泊していた情報収集艦、アメリカ艦船リバティー号を、イスラエル戦闘機と魚雷艇が沈没させようとした。イスラエルは、アメリカ艦船リバティー号を沈没させることはできなかったが、乗組員ほぼ全員を、殺害したり、負傷させたりするのに成功した。34人のアメリカ人が殺害され、174人が負傷した。
攻撃の理由説明は二つある。調査しようとする試みを、ワシントンが全て阻止しているので、いずれが正しいのかわからない。おそらく両方が攻撃の理由だろう。
一つは、エジプト人戦争捕虜を集団処刑して、戦争犯罪をおかしていたイスラエルは、アメリカ艦船リバティー号の監視で犯罪が発見されたと恐れていたことだ。もう一つは、イスラエルが始めた戦争の思わしくない結果をイスラエルは恐れ、アメリカ艦船リバティー号攻撃をエジプトのせいにして、アメリカを、イスラエル側について参戦させようとしたというものだ。
攻撃中に乗船していた水兵や将校、隠蔽書類を作るよう命じられたウォード・ボストン司令官や、元海軍作戦部長および統合参謀本部議長をつとめたトーマス・モーラー大将にインタビューをして、この攻撃に関して、何度も書いている。ワシントンの隠蔽、実際、犯罪に対するワシントンの共謀に不満を抱いて、退役後、モーラー大将は、記録を正すために、モーラー委員会を招集した。
モーラー委員会は、こう結論を出した。
“アメリカ艦船を破壊し、乗組員全員を殺害するためのイスラエルの攻撃は意図的なものだったという有力な証拠がある。
“リバティー号が攻撃されているのに、イスラエルとの紛争を恐れて、ホワイト・ハウスは意図的に第6艦隊の軍事救援支援を呼び戻し、アメリカ海軍がリバティー号を防衛するのを阻止した。
“生き残った乗組員は、もし真実を暴露すれば‘軍法会議、投獄、あるいは、もっと酷い目にあう’と脅された。そして[生存者たちは] 自分たちの政府に見捨てられた。
“アメリカ海軍史上、前例のない公式隠蔽があった。
“我々が選挙で選んだ人々が、アメリカの国益を、進んで、どこか外国の国益の下におく場合は、必ずわが国の国家安全保障に対する脅威が存在する。”
私のウェブなりオンラインなりで、私の別記事やモーラー委員会議事録をお読み頂ける。
イスラエル攻撃で、一番気がかりなのは、リバティー号の遭難信号が艦隊司令官に届き、イスラエル攻撃者を撃退するため、アメリカ海軍戦闘機が発進した際、ホワイト・ハウスが艦隊司令官に、アメリカ戦闘機を呼び戻すよう命じたことだ。残虐な攻撃から、アメリカ海軍を守ることができないことにいらだって、艦隊司令官は、暗号をかけない無線を使って、アメリカ戦闘機がリバティー号救援に向かっているとアナウンスし、イスラエルを追い払おうとした。これでイスラエルはおびえて、即座に攻撃を中止し、巨大なアメリカ国旗を掲げ、アメリカ艦船リバティー号と大きな文字が書いてあるリバティー号を、エジプト艦船と間違えたと謝罪した。
ホワイト・ハウスからの命令で、マケイン上院議員の父親、マケイン提督が隠蔽を命じた。リバティー号の乗組員は、事件について触れるなと命じられた。既に退役していたリバティー号の将校の一人が本を書くまで、20年たった。アメリカ政府を、イスラエルが、何十億ドルもの金で買収するのを可能にするために、何としても必要なものから、毎年、何十億ドルもの大金を支払っていたアメリカ納税者、イスラエルに手渡すことを強いられていた不運なアメリカ国民は、この攻撃について、20年間も何も知らなかった。
もし51年前に、イスラエルが、イスラエルを自由にさせるため、ホワイト・ハウス自体に、イスラエルによる攻撃から、アメリカ艦船を守ることを拒否させ、攻撃を隠蔽させるという、アメリカ政府に対する権力があったのであれば、過去半世紀に、アメリカ政府に対し、どれほどの支配力を獲得したかご想像願いたい。イスラエルがアメリカを支配していることに、疑問をお持ちなら、アメリカ国連大使としてのニッキー・ヘイリーの、イスラエルへのへつらいや、世界中に逆らって、アメリカ大使館をエルサレムに移設したトランプ大統領本人をご覧願いたい。イスラエルの命令で、イスラエルの利益にしかならないアメリカのイラン攻撃のための口実をつくりだすのを目指して、オバマ大統領が署名し、他の全ての調印国が守っているイラン核合意を、一方的に無視するトランプをご覧願いたい。イスラエルの足元にひれ伏すアメリカ上院議員と、下院議員全員が、イスラエル・ロビーが支援する法律や決議を満場一致で可決する異常さをご覧願いたい。イスラエルの拡声器として機能している、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNN、ナショナル・パブリック・ラジオ、MSNBC、その他諸々の連中ご覧願いたい。
アメリカ人全員、特に国旗を身にまとう熱狂的愛国者たちは、自分たちの政府が、イスラエルの添え物に過ぎないことを、心から恥ずかしく思うべきだ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/06/08/israeli-attack-uss-liberty-paul-craig-roberts/
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全員、特に国旗を身にまとう熱狂的愛国者たちは、自分たちの政府が、イスラエルの添え物のアメリカの添え物に過ぎないことを、心から恥ずかしく思うべきだ。
彼氏のより詳しい記事に下記がある。
今日のIWJインタビュー、今日拝聴したいが、所用で外出するので別途拝聴する。
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