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2018年6月22日 (金)

欧米世界丸ごと、認知的不協和の中で生きている

2018年6月21日
Paul Craig Roberts

 今回のコラムでは、欧米の心のいたるところにある現実との断絶を浮き彫りにするため、現在のトップ・ニュースの三つを取りあげたいと思う。

 家族引き離し問題から始めよう。子供を移民/難民/亡命両親からの引き離しが、一般市民の激しい抗議を引き起したので、トランプ大統領が政策を譲歩し、家族引き離しを止める大統領命令に署名した。

 両親が違法入国で、起訴されている間のアメリカ納税者のお金で儲ける私企業が運用する倉庫に閉じ込められた子供たちの恐怖が“例外的で、必要欠くべからざる”独りよがりのアメリカ人さえ、麻痺状態から目覚めさせた。トランプ政権が、家族引き離しで、アメリカの国境警備政策の信頼性を傷つけようとしたのは一体なぜなのだろう。おそらく、もしアメリカに来たら、子供は取り上げられるぞという、メッセージを送って、違法移民を思い止まらせるのが政策の狙いだったのだ。

 こういう疑問がある。無慈悲な国境管理政策を理解し、否定できるのに、21世紀に、7ないし8つの国を、丸ごとあるいは一部、ワシントンが破壊した避けられない結果起きている家庭の破壊という残酷さを、アメリカ人が理解できないのは一体なぜだろう?

 ワシントンが引き起こす死によって、何百万人もの人々が家族と引き離されているのに、ほぼ20年間、抗議行動はないも同然だ。ジョージ・W・ブッシュ、オバマや、トランプの、アフガニスタン、イラク、リビア、パキスタン、シリア、イエメンやソマリアの国民に対する、アメリカ自身が戦争犯罪として確立し、国際法で規定されている明白で議論の余地のない違法行為を、いかなる大衆抗議も止めてはいない。これに、8つめの例を追加することができる。アメリカが武器を与え、支援しているウクライナ・ネオナチ傀儡国家による、分離したロシア諸州に対する軍事攻撃だ。

 大量の死、町や都市やインフラの破壊、四肢の重傷や肉体的、精神的混乱が、ワシントンの戦争から逃れる何百万人もの難民を、中東や北アフリカにおけるワシントンの巨大な戦争犯罪を支持する愚かな傀儡集団で政府が成り立っているヨーロッパに殺到させているのに、トランプの移民政策に対するのと同等の激しい抗議は起きていない。

 アメリカ人が、移民取り締まりでの家族引き離しという残酷な行為は理解できるのに、8つの国々の人々に対して行われている壮大な戦争犯罪が理解できないのは一体なぜだろう? 我々は認知的不協和という集団的精神病を体験しているのだろうか?

 次に二つ目の例を考えよう。ワシントンの国連人権理事会離脱だ。

 1917年11月2日、国家社会主義ドイツによるホロコーストの20年前、イギリスのアーサー・ジェイムズ・バルフォア外務大臣が、ロスチャイルド男爵に、イギリスは、パレスチナが、ユダヤ人の祖国にあるのを支持すると書いた。言い換えれば、腐敗したバルフォアは、パレスチナに、二千年間、あるいはそれ以上住んでいた何百万人ものパレスチナ人の権利と暮らしを無視したのだ。ロスチャイルドの資産と比べれば、この人々は一体何だろう?イギリス外務大臣にとって、彼らは何の価値もなかったのだ。

 正当な権利を持ったパレスチナ住民に対するバルフォアの態度は、イギリスの威力が支配するあらゆる植民地や領土の人々に対するイギリスの態度と同じだ。ワシントンは、この慣習を学び、常時それを繰り返してきた。

 つい先日、イスラエルの狂った正気でないポチ、ニッキー・ヘイリー国連大使が、国連人権理事会は、イスラエルに対する“政治的偏見の巣窟”なので、ワシントンは離脱すると発表した。

 国連人権理事会は、イスラエルの代理人、ニッキー・ヘイリーによるこの非難を正当化するようなことを何かかたのだろうか? 人権理事会は、パレスチナ人医療関係者や、幼い子供、母親、老婆、老人、父親、十代を虐殺するイスラエルの政策を非難したのだ。

 どれほど酷く明白であろうとも、イスラエルの犯罪だと言って、イスラエルを批判すると、反ユダヤ主義者で、“ホロコースト否定者”にされる。ニッキー・ヘイリーとイスラエルは、国連人権理事会を、ヒトラーを敬うナチス集団扱いしているのだ。

 このばかばかしさは明白だが、それに気づく人は、いるにしても、ごく僅かだ。そう、イスラエルを除く世界中が、ワシントンの敵やパレスチナ人のみならず、ワシントンの傀儡や属国さえもが、ワシントンの決定を非難したのだ。

 現実からの断絶を理解するには、ワシントン非難の言葉づかいに注目する必要がある。

 欧州連合の広報担当者は、ワシントンの国連人権理事会離脱は“世界の舞台における民主主義のチャンピォンで支持者としてのアメリカの役割を傷つける危険がある”と述べた。これ以上愚かな発言を想像できる人がいるだろうか? ワシントンは、ワシントンの意思を固執する独裁制を支持することで知られている。ワシントンは、ニューヨークの銀行や、アメリカ事業権益や、アメリカ外交政策ではなく、その国の国民を代表する大統領を選んだ、あらゆる中南米民主主義の破壊者として知られている。

 ワシントンが民主主義の支持者だった場所を一カ所でも挙げて欲しい。近年だけでも、オバマ政権は民主的に選ばれたホンジュラス政権を打倒し、傀儡を押しつけた。オバマ政権は民主的に選ばれたウクライナ政権を打倒し、ネオナチ政権を押しつけた。ワシントンは、アルゼンチンとブラジルの政権を打倒し、ベネズエラ政府を打倒しようとしており、ボリビアとロシアとイランに照準を当てている。

 スウェーデンのマルゴット・ヴァルストローム外務大臣はこう言った。“アメリカが、国連人権理事会を離脱すると決定したのを悲しく思う。その逆ではなく、更なる人権と、より強力な国連を、世界が必要としている時のこの決定をです。”人権破壊者として知られているワシントンの人権理事会での存在が(ワシントンの戦争犯罪から逃れ、ヨーロッパやスウェーデンに殺到している何百万人もの難民に聞いて見ると良いが)理事会を傷つけるのではなく、強化すると、一体なぜ考えるのだろう? ヴァルストロームの現実との断絶はすさまじい。あまりに極端で、信じられないくらいだ。

 オーストラリアのジュリー・ビショップ外務大臣は、国連人権理事会の“反イスラエル偏見”を懸念していると言って、あらゆるワシントン属国諸国の中で最も卑屈な発言をした。これは、いかなる現実にもつながることができない完全に洗脳された人物だ。

 三つ目の例は、トランプが中国に対して始めた“貿易戦争”だ。トランプ政権の主張は、アメリカとの約4000億ドル貿易黒字は、中国の不公正な慣習のおかげだというものだ。この膨大な金額は中国側の“不公正な慣習”によるものだとされている。実際、中国との貿易赤字は、アップル、ナイキ、リーバイや、アメリカ人に販売する製品を中国で製造している非常に多くのアメリカ企業のおかげなのだ。アメリカ企業が海外生産した製品がアメリカに入る際は、輸入として計算される。

 アメリカ議会中国委員会で証言して以来、私はこれを長年指摘してきた。無数の記事を、あらゆるところで書いてきた。こうしたことを、2013年の著書、The Failure of Laissez Faire Capitalismの中で要約してある。https://www.amazon.com/Failure-Laissez-Faire-Capitalism/dp/0986036250/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1529582838&sr=1-1&keywords=Paul+Craig+Roberts+books&dpID=51HWdHsbtFL&preST=_SY291_BO1,204,203,200_QL40_&dpSrc=srch

 売女金融マスコミや大企業ロビイストや、知性がほぼ皆無な、多数の“著名”経済学者や、あわれなアメリカ政治家を含め、膨大なアメリカの貿易赤字が雇用の海外移転の結果であることが理解できないのだ。これがアメリカを支配している徹底的愚かさの水準だ。

 The Failure of Laissez Faire Capitalismの中で、海外移転されるアメリカ雇用の一件毎に、二件のアメリカ雇用が生み出されると無能に主張した、ジョージ・W・ブッシュ大統領の経済諮問委員会メンバー、マシュー・J・スローターのとんでもない間違いを暴露した。アメリカ労働人口は、アメリカ労働者の高生産性、高付加価値雇用を海外移転することで、恩恵を受けているというとんでもない主張をしているハーバード大学教授マイケル・ポーターによる、海外移転推進ロビー集団の、いわゆる競争力諮問委員会向けの捏造“研究”も暴露した。

 まぬけなアメリカ経済学者、まぬけなアメリカ金融マスコミ、まぬけなアメリカ為政者は、雇用の海外移転が、アメリカの経済見通しを破壊し、中国を、ワシントンの予想の45年先に押し進めたことを、いまだに理解していない。

 要約すれば、欧米の頭、大西洋統合主義者ロシア人や親米中国人青年の頭は、プロパガンダのたわごとで一杯で、現実とのつながりが皆無なのだ。

 現実の世界と、現実の世界を覆い、既得権益に奉仕する、でっち上げのプロパガンダ世界とが存在しているのだ。私の任務は、人々をでっち上げの世界から脱出させ、現実世界に移すことだ。私の取り組みをご支援願いたい。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/06/21/entire-western-world-lives-cognitive-dissonance/
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弟殺害一辺倒の大本営広報部、ああいう仕事、何が楽しいのだろう。目くらまし業。

IWJに対するスラップ訴訟の深刻さを知りながら無視し続け、現実の世界を覆い、既得権益に奉仕する、でっち上げのプロパガンダ洗脳集団。

属国丸ごと、認知的不協和の中で生きている。

日刊IWJガイド「IWJの財政がピンチです! 6月に入ってから3分の2となる21日までのご寄付・カンパは今月の目標額の64%! 第8期も7月末の期末まで残り1ヶ月と9日。IWJが赤字に転落してしまうかどうかのボーダーラインまで、まだあと800万円必要です!なにとぞ緊急のご支援をよろしくお願いいたします!/新たなスラップの予告!? 原告の橋下徹氏から『スラップ訴訟と主張すること自体が新たな名誉毀損』という驚くべき反論が!/
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