« 石油は「アメリカの世紀」を終わらせるだろうか? | トップページ | 朝鮮半島における和平の可能性を、つぼみのうちに摘み取ろうとしているアメリカ »

2018年5月23日 (水)

Facebookと北大西洋理事会提携。ソーシャル・メディアの巨人、今やNATO方針を推進

Bryan MacDonald
公開日時: 2018年5月19日 15:29
RT

 Facebookと北大西洋理事会提携。今やソーシャル・メディアの巨人はNATOの方針を推進
NurPhoto / Getty Images

 Facebookは、民主的プロセスを守るために 兵器メーカーやアメリカ軍の各部門や中東の君主国が資金提供しているシンク・タンクと組んだのだ。消防隊を運営するのに、放火犯を雇うようなものだ。

 もしFacebookが、本当に“世界中の民主主義と選挙を守り”たいのであれば、同社が活動している国々からの広範で様々異なる専門家や活動家の幅広い連合を構築するはずだ。ところが、アメリカのソーシャル・メディア巨大企業は、課題をNATOのプロパガンダ部隊に外注したのだ。

更に読む
スキャンダルを恐れるFacebook‘民主主義を守るため’‘不偏不党の’北大西洋理事会と提携

 十分な知識がない方々のために説明すると、北大西洋理事会は、アメリカが率いる同盟の主要支持団体として動いている。その手法は、むしろ単純だ。北大西洋理事会は、NATOの方針に同調する様々な活動家に、給付金や、にせの学術的肩書きを与えるのだ。こうして、ロビイストは“特別研究員”や“専門家”となり、一方北大西洋理事会は、この組織に雇われた連中がすぐ言ってくれる発言や、無料論説を頼りにすることが多い欧米マスコミが(あるとしても) めったに異議を申し立てない中立の装いを作りあげるのだ。

 もともと倫理的にうさんくさかったとはいえ、その事実上の独占的地位を考えれば、Facebookの最近の動きははるかに陰険だ。今やFacebookは、ロシア国内でのテロ攻撃を提案し、ロシアが資金を出しているマスコミに、アメリカ合州国内の“外国代理人”としての登録を強制するよう要求した“シンク・タンク”に直結しているのだから。

 よろしいだろうか? NATOと、自分たちの生計と地位をNATOに依存している連中にとって、これは夢に見たシナリオなのだ。今や、北大西洋理事会は、情報空間において、Facebookという犬を振り回す尻尾となる完璧な位置にあるのだから。

新鮮な地獄

 木曜日、ソーシャル・ネットワーク企業は“困難な問題に革新的な解決策を見いだす上で、輝かしい評判のある北大西洋理事会と新たな提携を始めることを、大いにわくわくしている”と発表した。同社はさらに、世界中で出現する脅威や虚報キャンペーンをリアル・タイムで見抜き、更新”するため、北大西洋理事会のデジタル科学的犯罪捜査研究所(DFRL)の“専門家”は、Facebookの“セキュリティー・政策・製品チーム”と“緊密に連携する予定だとも述べた。

更に読む
NATO 70周年が近づく中、1991年以来の行動は決して防衛同盟ではなかったことを示している

 もしFacebookが、民主主義の様々な利害関係者で構成される多様な集団を招集していたのであれば、この種の言説も結構だろう。だが“選挙や、他の極めて重要な場面での”“偽情報や外国による干渉”を取り締まり、“国民や市民団体の教育支援”にも活動するために、明らかに偏向した相手を選ぶことによって、マーク・ザッカーバーグのチームは、同社を、本質的にアメリカ軍基本方針の道具に変えたのだ。

 一体誰が北大西洋理事会に資金提供しているか見てみよう。援助資金供与者の中には、ロッキード・マーチン、ボーイングやレイセオンなど全て、直接ロシアと中国のような大国との緊張で儲ける軍事産業がいる。一方、NATO自身に加え、アメリカ国務省による支払いや、アメリカ空軍、陸軍、海軍と海兵隊からの心付けもある。

 他の主要な資金提供者には、もちろん絶対君主制のアラブ首長国連邦政府もある。なるUAEの現金が、アブダビ国営石油会社やクレセント・ペトロリアム経由で入る。負けてはならじと、自由で名高いわけではないモロッコも、相当な資金を投入している。

明かな偏向

 ここには、Facebookのやり方固有のばかばかしさがある。同社は、民主主義の敵や欧米の選挙への外部からの悪意ある影響にまつわるヒステリーをあおり立てることで恩恵を受ける組織から資金提供される活動家に、支配権を、本質的に引き渡したのだ。当然、アメリカ自身、かなりの水をあけて、最大の選挙介入者であることを忘れてはならない。

更に読む
ロシア騒ぎは一巡し、クレムリンを批判する連中に跳ね返っている

 しかも、木曜日の発表に関する欧米マスコミ報道の情報不足は憂慮すべきで、CNNやワシントン・ポストやBBCやニューヨーク・タイムズなどの大手は (どの社も北大西洋理事会ロビイストを、ゲストや“専門家”やアナリストとして頻繁に起用している) 事実上、話題を無視した。そして、CNETやThe Hillなど、報道したマスコミは、このシンク・タンクの基本方針に触れそこなっている。特に、有力なメディア雑誌、Adweekは、このロビー集団を、“無党派”と表現して、記事を書き出している。

 ワシントンから見れば、無党派というのは、民主党も共和党も支持していないことを意味するかもしれないが、アメリカ以外の世界の国々にとって、北大西洋理事会は、明らかに党派的だ。北大西洋理事会は、NATOを通して、アメリカ外交政策の目標を、特にヨーロッパで宣伝するために存在しているのだから。

 そう、敵としてのモスクワがなければ、NATOは存在を停止するということを明確にしておこう。つまりロシア中傷は、北大西洋理事会にとって、存在に関わる問題なのだ。

 結果として、Facebookの新たなパートナーは、モスクワが欧米の選挙に干渉しているという印象を作り出すことに既得権益を持っているのだ。実際、ロシア内での、この会社の浸透率を考えると、ロシア自身の選挙に干渉できる力さえ持っているのだ。金曜日の進展に不安を感じているように見えるモスクワの当局者たちは、これを見逃してはいない。

 一体なぜ北大西洋理事会が選ばれたのだろう? そう、先月、マーク・ザッカーバーグは、アメリカ下院で、厳しい尋問の対象になったばかりだ。NATO自身のプロパガンダ機関の労働者を、事実確認担当者として雇う以上に、ワシントン支配体制の恐怖を和らげるのよよりよい方法があるだろうか?

 本コラムの主張、見解や意見は、専ら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

 ブライアン・マクドナルドは、ロシアを本拠とするアイルランド人ジャーナリスト。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/427207-facebook-atlantic-council-nato/
-----------

このソーシャル・ネットワークだけに限らないが、個人的に、ほとんど利用していない。気味が悪いので。こうしたものの怪しさ、マクチェズニー教授のインタビューやご本で、重々聞かされている。もちろんネット巨大販売店も使わない。

2016年7月27日に、Paul Craig Roberts氏の記事「軍安保複合体の営業部隊、北大西洋理事会」を翻訳してある。

今回の提携を批判的に解説している報道に、Sputnik記事がある。NATO's 'Marketing Arm' Partners With Facebook to Crack Down on Alternative Media

2013年7月12日に、デモクラシー・ナウの下記インタビューを訳した。

投稿後も、繰り返し読んでいる。マクチェズニー教授の本、なぜか日本語翻訳がない。ソーシャル・メディアや検索エンジンについて、鋭い批判をしておられるのに残念。
昨日、下記のIWJインタビューを拝見して、益々絶望的になった。こういう重要な情報を一切国民に知らせないまま、与党・大本営広報部連合は、壊憲賛否を問う国民投票にもちこむ。そして、連日24時間洗脳する。結果はあきらかだろう。大半の豚は、進んで、屠殺者提案に賛成投票する。

いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー 2018.5.21

 

これから下記インタビューを拝見する。

 

IWJ Independent Web Journal - 岩上安身責任編集

« 石油は「アメリカの世紀」を終わらせるだろうか? | トップページ | 朝鮮半島における和平の可能性を、つぼみのうちに摘み取ろうとしているアメリカ »

NATO」カテゴリの記事

インターネット」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 石油は「アメリカの世紀」を終わらせるだろうか? | トップページ | 朝鮮半島における和平の可能性を、つぼみのうちに摘み取ろうとしているアメリカ »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ