愚行がこの世の終わりをもたらしつつある
2018年4月11日
Paul Craig Roberts
近づくこの世の終わりに関するジェイソン・ディッツの記事はこれだ。
https://news.antiwar.com/2018/04/10/trump-builds-coalition-for-war-against-syrian-government/
プーチンの宥和政策の失敗をウラジーミル・ソロビヨフが説明している。
もし、あなたが、フランス大統領か、イギリス首相だったら、犯罪的なほど狂ったワシントンが、あなたをロシアとの軍事対決に引きずり込むのを許すだろうか? https://www.infowars.com/get-ready-russia-trump-takes-to-twitter-to-threaten-strike-on-syria/
私はそうは思わない。私はどちらでもない。マクロンとメイはどうなのだろう? フランスとイギリスの政府はどうなのだろう? フランスとイギリスのマスコミはどうなのだろう? 元イギリス労働党首相トニー・ブレアが、ジョージ・W・ブッシュ政権のイラク侵略を支持するためイギリス政府や国民をだましたことに対する見返りで現在1億ドル稼いでいるという記事を最近読んだ。マクロンとメイも同じ金額の約束を得ているのだろうか?
イギリスとフランスの政府にとって、自分たちで防衛する可能性皆無の軍事大国に対し、自国を標的にするなど意味がない。フランス大統領やイギリス首相が、フランスやイギリスだけでなく、ヨーロッパ丸ごとを危険にさらすのを、両国の国民やマスコミがじっと座って見ているなど意味をなさない。欧州連合は一体どうなのだろう? ヨーロッパとしての沈黙だけがあり、そしてそれとともに世界が、全滅寸前に追い込まれている。これは意味をなさない。https://www.globalresearch.ca/taking-the-world-to-the-brink-of-annihilation/5635456
現場に到着したグータの人々や、グータの医師たちも、ロシア専門家も、いかなる化学兵器攻撃の兆候もないと報告している。シリア軍が解放した一般市民に対して、シリアが化学兵器を使っていなかったのみならず、シリア軍によって、グータから追い出されたアメリカに支援された傭兵がしくんだ偽旗作戦も含め、化学兵器攻撃はなかったのだ。言い換えれば、化学兵器攻撃は全くのでっちあげだ。
作り話であることが独自調査で確認されるのを防ぐため、中立の専門家を派遣して、化学兵器攻撃を評価するという主張に、国連安全保障理事会決議でワシントンは拒否権を行使したのだ。ワシントンは一体なぜワシントンの主張を証明するはずの捜査を阻止するのだろう? 明らかに、ワシントンは捜査がインチキな主張に反証するのを阻止しているに過ぎない。ワシントンの主張はインチキで、ロシアに、戦うか、中東におけるワシントンの覇権を受け入れるよう強制するための口実として利用されていることに全く疑問の余地はない。
化学兵器攻撃があったとしたらどうだろう? 殺害される人々にとって、それが銃弾であれ、爆弾であれ、ミサイルであれ、化学兵器であれ、一体違いがあるだろうか? ヘルファイア・ミサイルの代わりに、化学兵器を使用するのは一体なぜ、それほど悪いことなのだろう? ワシントンとイスラエルが、女性や子供がたくさんいる学校や病院や結婚式や葬儀や市場や住宅をミサイルで吹き飛ばすのはかまわないのに、化学兵器で人々を殺害するのはだめなのだろう? 作り話の化学兵器攻撃、あるいは本物の攻撃を巡って、第三次世界大戦を始める価値が一体なぜあるのだろう?
大半が無知な人々であるアメリカ人は、犯罪的に狂気のワシントン政府が、自分たちの命を危険にさらしていることに全く気付いていない。ロシア人が言っていることが本気で、再び他の頬を差し出して、屈伏する気がなかったとしたら、どうだろう? ロシアが、武力に、武力で応えたら一体何が起きるだろう?
ごく少数のインターネット・サイトしか、この疑問を問わないのは一体なぜだろう?
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/
記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/04/11/idiocy-bringing-end-world/
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トランプ大統領、シリア攻撃を命じた。ぬれぎぬで攻撃・侵略・占領するのは、アメリカ、フランス、イギリスのおはこ。大本営広報部は、アサド政権が、自国民に化学兵器攻撃をしたという一方的報道をたれ流すだけ。証拠は全く示さない。属国まるだし。
『白金猿』(はっきんさる)という変わった書名の本を読み終えた。
書名、三人の対談者の姓から来ている。
白井聡、金平茂紀、猿田佐世の三人が異なる時期に行った三度の鼎談。
(2020年問題)に抗う視座を求めて窒息しそうな均質社会をよしとしない異色顔合わせによる3回の鼎談を収録
と帯にある。マスコミが共犯となっていることへの厳しい批判もある。
235ページの白井氏発言を引用させていただこう。
いまは後退を余儀なくされていますから、そう簡単に勝てるとは思っていません。ほんとに200年も停滞するという可能性もあるんで、そうするとどうやって生き残るのかという話にもなってくると思います。そういうなかでやれることと言ったら、後世の人たちがみて「こんなどうしようも時代でも、数は少ないけど、ちゃんとした日本人もいたんだなあ」っていうふうに思ってもらえるように生きるしかないだろうというのが、とりあえず僕のいま思っていることですね。
鼎談を終えて 240~244ページの、白井聡氏によるあとがきにびっくり。
森嶋通夫『なぜ日本は没落するか』に触れられていた。しかも、小生が2011年9月17日の昔に書いた『腰抜けと売女マスコミ』翻訳後記で引用したのと全く同じ部分が、引用されている。
いまもし、アジアで戦争が起こり、アメリカがパックス・アメリカーナを維持するために日本の力を必要とする場合には、日本は動員に応じ大活躍するだろう。日本経済は、戦後─戦前もある段階までそうだったが─を通じ戦争とともに栄えた経済である。没落しつつある場合にはなりふり構わず戦争に協力するであろう。
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いつも貴重な海外情報を読ませていただき、感謝しております。森嶋教授の没落論、学生時代に読んで以来ですが、改めて予測の方向性の正しさには敬服するばかりですね。中国の発展も…。しかしあの当時でも「東アジア共同体論」は全く受け入れられませんでしたけれども。
そう、大学教育の荒廃にも触れられていたかと思いますが、そうして育成された世代が丸ごと社会全体の中枢に入っているのだと思うと、現在の日本の状態も納得するしかないのでしょうか。もちろん、世代だけの問題と限定するつもりはありませんが。
白井先生の著書は、新作は未読だったので探してみます。ただ、レーニン関連の二冊は、まだ読み通せず…ですが。
投稿: katt | 2018年4月15日 (日) 16時13分