戦争は差し迫っている
2018年3月17日
Paul Craig Roberts
ワシントンと、その傀儡イギリスは、ロシアに戦争する気があるかどうか試すお膳立てをしたのだろうか?
ロシア参謀本部作戦総局長のセルゲイ・ルツコイ中将による声明を他にどう解釈できようか。“南シリアで化学兵器が関与する挑発を実行するため、アメリカ人教官たちが、アル-タンフ町の近くで、多数の過激派集団を訓練しているという信頼に足る情報を我々は持っている。彼らは一連の化学兵器爆発を準備している。この事実は、政府軍に罪をなすりつけるのに利用されるはずだ。化学兵器を製造する各種成分は、多数のNGOの人道支援車列を装って、既に南部のデエスカレーション・ゾーンに送り込まれている。挑発はアメリカ合州国と、その同盟諸国により、シリア国内の軍と政府インフラに対する攻撃をしかけるための口実として利用される予定だ。” https://www.zerohedge.com/news/2018-03-17/russia-claims-us-training-syrian-militants-false-flag-chemical-attack-justify
及び: https://southfront.org/u-s-deploys-naval-strike-groups-for-attacks-on-syria-trains-militants-for-false-flag-chemical-attacks/
及び: http://www.presstv.com/Detail/2018/03/17/555774/US-training-Syria-militants-for-false-flag-chemical-attacks-Russian-cmdr
戦争のためのプロパガンダ省たる完全に信用を失った欧米売女マスコミから、これに関して何か聞けるなどと期待してはならない。
またしてもシリアで仕事を完遂し損ねて、ワシントンがシリア駐留を拡張し、傭兵に武器を与え訓練し、化学兵器を用意し、シリアが領土を再奪回するのを防ぐべく、シリア軍を攻撃するため艦隊を集合させるのを許したのをロシア政府は後悔しているに違いない。
目の前にある疑問はこうだ。もしルツコイ中将が語った情報が正しければ、ロシアは一体何をするのだろう? アメリカ・ミサイルや航空機を撃墜するために、ロシアは、そのミサイル防衛と、空軍力の優位を活用するだろうか、それとも、ロシアは攻撃を受け入れ、またもや、ワシントンの行為の違法性を非難して、国連に抗議するのだろうか?
もしロシアが攻撃を受け入れれば、ワシントンは一層激しく攻撃するだろう。遅かれ早かれ、ロシアは更なる攻撃を受け入れられなくなり、戦争が始まるだろう。
もし戦争始まった場合、限定的な通常兵器による戦争になるのだろうか、それとも、ワシントンは、核ICBMをロシアに対して発射する口実を使うのだのろうか? こうした疑問がロシア指導部の頭をよぎったに違いない。ロシアは、いかなる代償を払っても、欧米世界に統合されるべきだと信じているロシア国内のワシントンの第五列、大西洋統合主義者、政界や実業界指導部内のロシア人が、政府を優柔不断に縛り付けて、ロシアを核先制攻撃にさらすという深刻な危険にロシアは直面しているのだ。
これまで、ワシントンが、いずれも全く尊重していないという明らかな事実にもかかわらず、ロシアは外交ルールと国際法に従って動くことで敗北し続けている。先週、ワシントンの傀儡イギリス、軍事的にも、政治的にも全く重要でない国が、ロシアと、ウラジーミル・プーチン大統領に対して徹底的な侮辱をしたのだ。言い換えれば、ワシントン帝国の単なる傀儡国家にロシアが侮辱されたのだ。アメリカとイギリスの専門家たちに存在自体が疑われているロシアの神経ガスとされるものによる、取るに足りない元スパイと、その娘に対する毒ガス攻撃とされるものが、イギリス首相、国防大臣と、外務大臣によって、一片の証拠も無しに、ロシアのせいにされている。
ロシアに何の証拠も提示されていない非難に回答する猶予を24時間与えて、イギリス首相は法律やイギリス自身が当事者である協定に違反した。法律と協定は、告発する側の国が、告発される側の国と証拠を共有し、証拠の評価と回答に10日の猶予を与えるよう要求している。イギリス政府は自らが加盟している協定を守ることを拒否したのだ。しかも、ボリス・ジョンソン外務大臣は、ロシアのプーチン大統領 が取るに足りないスパイの殺害を命じたと個人的に非難した。元スパイについての更なる情報や、彼が全く重要人物ではないこと、画策された事件のばからしさについては、私のウェブサイトにある最近の投稿記事をお読み願いたい。
ロシアと、その大統領に対する未曾有の侮辱では満足せず、君主様の支援をもってしても、ロシアに対して自らを守る能力皆無の国イギリスの国防大臣が、いかなる証拠によっても裏付けられていない告訴をロシアがはねつけたことに対し“ロシアは黙って失せろ。”と言ったのだ
これはロシア国防省の忍耐の限界を超えていた。イーゴリ・コナシェンコ大将はこう答えた。
“イギリス国防大臣が示した粗野な言辞は、全くの知的無能さを完璧に明らかにした。こうしたこと全てで、ロンドンから過去数年間聞かされてきたロシアに対するあらゆる非難が無効になるのみならず、‘告訴人’自身取るに足らないことが確認できた。
“ ‘大’英国は世界中の亡命者にとって居心地良い巣窟であるのみならず、あらゆる種類の偽ニュース製造機関の拠点となって久しい。 イギリス国内の‘シリア人権監視所’からイギリス諜報機関職員が設立した似非シリア‘ホワイト・ヘルメット’に至るまで。
“イギリス国防大臣ロシアに関する粗野な言動は、専門的活動による本当の結果が無い中、無作法だけが、女王陛下の軍兵器庫に残る唯一の兵器であるように見える。”https://thesaker.is/official-russian-reply-to-the-british-shut-up-and-go-away/
ロシア国防省が、‘大’英国は軍事的、政治的大国では全くないとしたのに留意願いたい。ロシア軍の観点からすれば、ワシントンの傀儡国家イギリスは全く取るに足りない存在なのだ。これは、ロシア軍がワシントンに焦点を当てており、もしロシア政府と実業界内のワシントン代理人連中が、優柔不断さで、ロシアを危険に暴露させたままにしようとすれば、まず連中を許す可能性はないことを示唆している。
おそらく、ロシア人は優勢な軍事能力を実証すべき時はとうに過ぎていると判断するだろうし、核戦力を厳戒態勢にしておいて、アメリカのミサイルと航空機のみならず、そこから攻撃がしかけられる艦隊も破壊するだろう。そうなったら、ワシントンは一体何をするだろう? 傲慢に酔いしれたいじめっ子で構成される政府に分別ある判断ができるのだろうか、あるいは、自分たちが“例外的”で“必要欠くべからざる”ものと考えるほど尊大な連中が、欧米世界を支配している残忍な狂人のことなど全く知らない植物や動物や鳥やあらゆる生物を含め、世界に死刑宣告をするのだろうか?
地球上の生命にとって、ワシントンより大きな脅威は存在しない。地球上の生命を破壊すると固く決意したワシントンを抑制することが、人類が直面している最大の難問だ。もし失敗すれば、我々全員死ぬ。我々全員と、あらゆる生物が。
ロシアはその軍事的優位にもかかわらず、ワシントンは人間性など全くお構いなしなので、ロシア政府の人間性が、自らを不利な立場に置いているのだ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/03/17/war-is-on-the-horizon/
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緑のタヌキ、絶望の党を作って野党を分断する策謀で、与党を側面援助し、今度は、都迷惑防止条例改悪で、デモそのものを封殺して、暴政の永続化をはかろうとしている。
悪辣な都迷惑防止条例『改悪案』、今日の日刊IWJガイドに、こう書かれている。
19日の委員会で唯一「反対」の立場を明確にした共産党の大山とも子都議は、「他会派は当初は委員会で質疑すらしないと言っていました。しかし、世論が急速に高まったことにより、やらざるを得ないところまで追い込まれました」。大山都議の下には、一日に1000人以上の市民から反対の声が届いているそうです。
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コメント
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昨日の都議会、警察・消防委員会採択は残念な結果でした。
最初から判っていた事とはいえ、無念さは拭えません。
立憲民主の議員までが裏切る形になったのには怒りを覚えます。
恐らく、百合子が何か一言囁いたものと思われ候。
下っ端の青二才議員では、上司から「期待してるよ」などと声を掛けられたら恐縮して、或いは目をかけられたと勘違いしてイチコロですからね。
まー、これこそが、このタイミングでこの条例案を出してきた大きな意味だったと言えるでしょう。
リベラルが期待していた立憲の議員が裏切った事で、立憲民主という党自体の信用を崩す事に成功した訳です。
これによって支持者が浮足立ち、立憲民主にそっぽを向いたりすれば、立憲の勢いも弱まり、そして野党全体の結束力にも影響を与え、結果的に安倍政権を延命させる事に繋がるという訳でしょう。
なので我々は、こういった姑息な策に乗せられない様にしなければなりません。
私もファックスを送りつけてやりましたし、今後も本採決まで毎日送るつもりです。
皆さん方にも申し上げさせていただきたいのですが、日本共産党へは送らない様にしましょう。
唯一の反対派であり、それだけに業務量も多く多忙な訳ですから、負担を掛けないようにするべきだと思うからです。
送るなら敵方へ。
それが本当の、我々にできる唯一の攻撃力なのですから。
投稿: びいとるさいとう | 2018年3月23日 (金) 07時33分