言行不一致のトランプ大統領
2018年3月23日
Paul Craig Roberts
トランプ大統領は(遅ればせながら)、ロシアのプーチン大統領の圧倒的な差による再選を祝い、再び、ロシアとは仲良くやって行きたいと言った。だが、すぐ後で、アメリカで最も悪名高い戦争屋ジョン・ボルトンを国家安全保障問題担当補佐官に任命しておいて、トランプが本気で言っているはずがあるだろうか? 意味をなさない。
ボルトンは14カ月で三人目の国家安全保障問題担当補佐官だ。ボルトンにとり、ロシアと仲良くやるには、ロシアがイギリスやフランスやドイツやカナダやオーストラリアや日本や、その他諸々のアメリカ属国になることが必要だ。言い換えれば、ワシントンの覇権を受け入れなければ、爆撃して、石器時代にしてやる、だ。
希望の兆しが欲しくてたまらないロシアは、トランプのジェスチャーに飛びつき、ボルトン任命を無視して自己欺瞞をする危険をおかしている。ロシアと仲良くしたがるアメリカ大統領が、ボルトンを国家安全保障問題担当補佐官に任命するわけなどない。
ロシアに対するぬれぎぬの絶え間ない連打と、“‘邪悪な’プーチンが欧米の毒ガス攻撃を固く決意している”と子供たちが教えられるほどまでイギリス教育制度を劣化させたプーチン悪魔化が、ボルトン指名前から、ロシアとの対立が予定されていたことを示している。https://www.rt.com/uk/421977-uk-toxic-putin-lesson/
明らかにアメリカが劣勢となる一連のロシア新兵器システムをプーチンが発表した以上、新たなスーパー兵器がしっかり配備される前に、アメリカは、ロシアを攻撃しなければならないという覇権を求める声が高まっている。
ロシアは、トランプの口からの平和と友好的な言葉という非現実的な希望をして、油断してしまうのを避けるのが賢明だ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/03/23/trump-conflict-words-deeds/
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外出すると、キオスクでタブロイド二紙の広告を見る。一方の新聞、時々購買意欲をそそられる。もう一方の新聞、買いたいと思ったことがない。森友を巡る見出しが典型。露骨な提灯持ちは、商業的に成立しするのだろうかと不思議に思っている。
大本営広報部、東京都迷惑防止条例改正の危険性を決して報じない。
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